さて、第5回関空(関西空港)ドラゴンボート大会が始まった・・・
一期島、二期島の間の水路に設けられた特設コース、この大会が初めて
開催された5年前には、まだ二期島の工事は殆ど整備が進んでおらず、
砂利だらけ、埃だらけの会場で、日焼けと汗と潮風と埃でボロボロになって
撮影から帰った事を懐かしく思い出すのだが、この場所も現在では綺麗に
整備され、まさにドラゴンボート専用のコースのような快適な環境に
なっている。
関空ドラゴンボート大会は、空港関連の参加チームが多い。
JALやANAをはじめ、香港から参加のキャセィパシフイック・・
それから空港の建設、造成関連の竹中工務店やKALD・・
そして、各ドラゴンボート大会でおなじみの関空飛龍など、
中には複数のチームをエントリーさせた大所帯のチームも目立つ。
たとえばJALチームだと総勢の記念写真はこんな感じだ。
ざっと60名くらいか・・これが1チーム。
ANAやキャセィパシフィックは3チームをエントリーしているので総勢は
100名近くにもなる(汗)
また、竹中工務店チームは新人研修の一環としてドラゴンボートの試合に
毎年出場している、今年は2チームだ、だが応援団が多く、新入社員全員
参加という感じだろうか・・こちらも恐らく100名近くの人数。
こうした大勢力チームの前では、多くのメンバーを抱える強豪の関西龍舟
や琵琶湖ドラゴンボートクラブですら、50~60人でこじんまりとしたチーム
に見えてしまう、トータルのチーム数は62、会場には2000人以上が
集る大きな大会となった。
大きな大会故に、報道・メディア関係者も多く集る、TV局が3~4、
新聞社や、それから参加企業の社内広報部などが多数、
TV局の多くは当日のニュースに間に合わせる為、午前中の冒頭の
レースをいくつか撮って引き上げる。
TV局スタッフの撮影ポジションは、ドラゴンボート発着場の近くの
浮き桟橋に集中している。
この位置はスタートしたドラゴンボートレースを正面から捉える位置となる、
しかし、かなり距離はある、写真の場合は銀塩換算600mmの画角で
こんな感じだ。
ビデオカメラのズームはこれ以上の大望遠が効くし、レースの模様を
ずっと連続して動画で撮れるので正面からの撮影が適しているのであろう、
しかしスティル(静止画)撮影の場合はちょっと異なる。
この位置からだと4~5艘が並走するレースの全景を捉えると散漫な
構図になるし、1艘のみをクローズアップした写真は、どの距離で撮っても
大差無い絵になるので、つまりシャッターチャンスや構図上の自由度が
無いという事にもなる。
静止画写真であれば、正面からの構図よりも横からや斜めからの
構図の方がドラゴンボートらしい写真となる、たとえば真横からだと
こんな感じ。
連続した時間の流れを捉えるムービー(動画)と、ある瞬間を切り出して
捉える写真では、このように撮る際での考え方も違うものとなる場合が
多い。 ムービーは動く被写体の事象を最初から最後まで捉えられる
事(場所)が必須、写真では、何か意味のある一瞬を捉えることができる
ポジションを選ぶ事が必須という事である。
----
さて・・この日、関空は毎年の大会同様にとても暑い日であった。
前日は雨模様で、練習会や体験乗船会は、雨はともかく暑さの心配は
無かったそうだ。 この日も朝からうす曇、天気予報では曇りで最高気温
23度、降水確率30%とのことであったので、雨具(合羽)を用意し、
長袖がいるか?いや、不要か・・といった調子であったので、帽子すら
持ってこなかった。
ところがどっこい、会場に着くなり青空の晴天、気温はぐんぐん上がって
30度オーバー(汗)
それに、関空はいちおう海の中にある島なので日差しがキツイ、紫外線の
量も多いのだろうか?、みるみるうちに日焼けし、肌がピリピリしてきた。
炎天下の屋外の撮影は慣れたものだし、この夏のドラゴン撮影もすでに
3回目、ただ、今日は何故か日差しが厳しく感じる・・
こりゃいかんと慌てて大会本部より来賓用の帽子の余ったのを
いただいてきて、首に持参のタオルを巻いて撮影続行・・
----
さあ、関空ドラゴンボート大会の見所だが・・
第一に、美女の選手が多い事(笑)まあこれは多くの航空関連企業が
参加している事や、若いチームが力試し的にも出れる大会なので、
そんな特徴となっている。
第二に、オープンの部の優勝チームはマレーシアのペナンで行われる
国際大会の出場権とチーム全員の往復チケットが出る、という豪華な
賞品だ。
昨年の優勝「磯風漕友会」はその国際大会で5位に入ったという、
確か以前は3位に入った事もあると聞く、まあこのブログでも度々
紹介しているように、今は「磯風」の黄金期であるので、ちょっと簡単には
他のチームは太刀打ち出来ない状況だ。
ちなみに↑の写真での4艘並んだ手前から2番目のレーンは「磯風」で
あるが、これは予選でのスタート直後の模様、ほんの数秒間の間に
既に他のチームよりも何mか先行している様子がわかる。
この調子で250mのレースを漕ぐと、他チームに5秒ないし10秒も
先行してのゴールとなる、ともかく速い・・
第三には、この会場は設備がなかなか良い事である、コンクリートと
ウッドのデッキが昨年から整備され・・この場所は通常のフライトや
工事見学コースには入っていないので、ほとんどドラゴンボートレース
あるいはイベントの為に作られたのではないだろうかと思ってしまう。
まあ関空株式会社の社長さんはドラゴンボートレースに大変好意的
なので、そうだとしたら、とてもありがたい話である・・
観戦者も(暑いのではあるが)優れた環境で快適にドラゴンボートの
レースを楽しむ事ができる。
次に、今日の試合の方の見所はどんな感じであろうか?
まず、今回の関空大会は62チームと参加者が多いのであるが、
レースの形式は「男女混合」と「オープン」の2種類だけである。
混合では女性クルーの比率が一定の割合以上になるように定められて
いて、オープンではそれが無い。
他の大会で見られる「女子レース」「シニアレース」「ジュニアレース」と
いったカテゴリーはこの大会では無い。
どこが強いか?、という事であるが、
混合では、強豪「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」や「HANDARS」
そして「関西龍舟」あたりが優勝候補であろう。
航空関連では海外より参加の「キャセィパシフィック」が不気味だ、
彼等は本場香港でかなりの練習量を積んできているらしい。
さらには、古豪の「浪わ」、「チーム未来」、「もっこりドラゴンボート部」
「Rスポーツマンクラブ」「吹田龍舟」「打艇龍舟」そして地元「関空飛龍」
などがひしめきあっての接戦となるだろう・・
美女を沢山抱えた若手チームは、まあ勝ち進む事は難しいかも
しれないが・・ とは言え、負け抜けになって帰ってしまう前に
撮らなくては・・(笑)
ちなみに、ブログ記事、今回は「総集編」であるが、
追って「関空ドラゴンボート美女特集」を組む予定なので乞うご期待。
オープンの部は、優勝候補は「磯風漕友会」、先月の
日本選手権
(天神大会)でも、東京、横浜や海外の超強豪チームを破っての
優勝であるから、今大会での優勝もまず磐石というところか・・
すると2位争いが見ものという事になるが、毎年和歌山大会で大接戦を
繰り広げている「椅子に座ったNEKOO」と境港から参加の「金竜隊」
このあたりを中心に大激戦となるであろう。
NEKOOと金竜、すでにボートを回航している時点で火花を散らす・・の図。
金竜隊の鼓手(ドラマー)は例年「
アネゴ」ことT嬢であるのだが、
今回の大会は体調不良でお休みとの事だ、アネゴ不在の金竜、果たして
NEKOOをかわして磯風に肉迫する事ができるか? 決勝戦が楽しみだ。
もちろん強豪関西龍舟もオープン上位入賞は当然狙ってきている、
今回石川県より初参加の「穴水」も予選では蛇行してしまったが
敗者復活で持ち直し、なかなか速そうだ。
新入社員研修の「竹中工務店」チームは、毎年メンバーが変わるので
今年の実力は未知数であるが、過去準決勝まで進んだ年度もあるので
あなどれない。
それから古豪の「一寸防士」「ブラックシャドウズ」、地元「関西飛龍」
それと久しぶりに参加の「SEIRYU久美浜」ここは日本選手権優勝経験も
あると聞く。
混合、オープンとも見所十分でレースは淡々と準決勝まで進んでいく、
今回の大会は大きな波乱もなく、予想通り強豪チームが順当勝ち・・
美女チームは、残念ながら、大半が予選敗退となってしまった(泣)
まあ後は決勝戦が最大の見所というところか・・
混合の各準決勝は熾烈を極めた。
混合準決勝第一試合では、「R」「関空」「もっこり」「キャセイ」「打艇」
の実力伯仲の強豪・古豪チームが揃い、「キャセイ」と「もっこり」が
決勝にコマを進めた。
混合準決勝第二試合も強烈だ、事実上の決勝戦とも思われる「琵琶ドラ」
と「HANDARS」の一騎打ち。1秒差以内の好タイムで2チームが抜け、
強豪チームの「吹龍」「一心会」「SKY FISH」が涙を飲む。
混合準決勝第三試合、キャセイBチームに対抗するのは大阪の古豪の
「浪わ」「未来」そして「ドリーマーズ」と「兵庫教育大」
ここではやや意外な展開から、最終的には若手からなる「兵庫教育大」
が一着でゴール。未来がかろうじて追いすがる。
かくして混合決勝は「兵庫教育大」「琵琶ドラ」「もっこり」「HANDARS」
「キャセイA」「未来」の6チームで争われることになった。
え、何故強豪の関西龍舟が入っていないか? それには理由がある、
実は今回の関西龍舟、混合の部は女子選手ばかりで構成している
新編成、結果、トップクラスより7~10秒程遅れてしまい準決勝まで
行かずに敗退してしまったのであるが、これはもしかすると将来の
「女子チーム」の編成を意識しているのであろうか?
今回は女子レースのカテゴリーが無かったので女子強豪の
「スーパードルフィン」や「河童」は参戦していない、
関西龍舟ほどのメンバーが豊富なチームであれば、従来の混合、
オープンの編成に加え女子のチーム編成を、近い将来に狙っている
という事か・・?
さて決勝戦、香港より来日のキャセイパシフィックAチーム、いざ出陣!
一番右の女性・・水着での参戦であり、待機中はビキニ姿で会場の
男性の視線を釘付けにしていたのであるが、激しいスポーツである
ドラゴンボート、予選で漕ぐ際に腰の部分がボートに擦れて怪我を
してしまった(痛そう・・)
そこで応急手当を施しての出場である。どうぞお大事に・・・
オープンの部の決勝は「近畿車輛 電龍」(ここは外国人選手もいる
若手チーム)「関西龍舟バーバリアンズ」(こちらは男性中心のチーム)、
ご存知優勝候補「磯風漕友会」。
和歌山からの「椅子に座ったNEKKO」、悲願の優勝なるか「金竜隊」。
そして返り咲きを狙う「SEIRYU久美浜」と、見事に役者が揃った様子。
そう、皆が優勝を狙える位置にある・・
賞品も魅力的だが、なにより名誉が欲しい、皆が同じ気持ちだ・・
金竜隊に聞く
匠「今日はアネゴいないけど大丈夫? 勝てそう?」
金「まかせてください、今日こそ絶対に勝ちます!」
匠「そうだよね、いつもあと一歩だからね・・
磯風は難しいかもしれないけど、少なくともNEKOOさんには
勝ちたいでしょう? いつもの和歌山大会の件もあるし・・」
金「はい、まずNEKOOさんより前に出ます、そして磯風です!」
うんうん、アネゴ不在でも気力は十分な様子だ・・
次はNEKOOに話しを聞きに行く、
匠「NEKOOさん調子はどうですか?」
ネ「う~ん、磯風さんにはそろそろ殿堂入りしてもらいたいものです。」
匠「アハハ・・・まあそうですよね、すると、金竜、あるいは関ドラ
(関西龍舟)との決戦になりますかねえ?」
ネ「そうですね・・・」
といいながらもやはり、前の写真であったように金竜隊をかなり意識
している様子だ、まあ、そうだろう、毎年和歌山大会やここ関空で接戦を
繰り広げているわけだから・・・(ちなみに和歌山大会には磯風は
不参加の場合が多い)
今回も、もし磯風になにかあってペ-スが少しでも乱れたらとたんに
大激戦になるのは間違いない。
さて、そんな変な事を考えたので念のため磯風漕友会にも寄ってみよう・・
匠「え~、今日も調子良さそうで・・・ここまで1分01秒、02秒と
来てますから、今度は1分を切るあたりを狙ってくるんですか?」
磯「ええ、当然狙ってますよ。」
匠「しかし、それだと独走になってしまいそうなので、ドラマにならない
ですよね・・」
磯「え? ドラマ?」
匠「例えば、ちょっと何か最初にトラブルがある。
『磯風大きく出遅れる、大丈夫か?
ここから大きく巻き返しを図る、磯風猛ダッシュ、追い付くか?』
とかね・・」
磯「アハハ! まさか・・そんな余裕ありませんよ~」
匠「ま、そうですよね・・(笑) はい、頑張ってください」
62チームからなる第五回関空ドラゴンボート大会。
全34レースも残すところあと2レース、今日の会場は内水面で風も弱く
スタート時に艇があまり流れないのでレースの進行がスムーズだ、
予定より約15分早く、混合の部の決勝が始まる、
会場全体が緊張感に包まれる中、6艇がスタート位置に着く、
「5号艇少し前に・・ストップ」
「No3. Forward...more.. Stay!」
キャセイチームがいるのでスタッフも英語で指示だ、ドラゴンボート協会の
ベテランの発走スタッフの女性、なかなか英語の発音も達者だ。
「スタート一分前!」
ジャラ~ンとドラの音が響く。
「オールクルー、アテンション」・・・・「GO!」
緊張感に包まれ静寂の中にあった会場が一瞬でどよめく、
ドンドンドンという太鼓の音が響く・・
いつも見慣れた光景、でも決勝、やはり盛り上がりが違う。
HANDARS速い・・・ 悲願の初優勝か?
いや、そこに予想通り琵琶湖ドラゴンボートクラブが追ってくる、
あと50m、横一線、大接戦だ、どっちだ・・? HANDARSか?
実は今回「HANDARS」のチームには色々話を聞いてあった、
その模様は今大会記事の「激闘編」で特集するつもりなのだが、
ともかく彼等は今回の大会では優勝したい、そして優勝に非常に
近い位置にあるのも事実だ、準決勝では0.5秒差で「琵琶ドラ」に
負けている。
しかし決勝では、何が起こるかわからない、実力は同等だ・・
あと20m、見た目ではHANDARSがリードだが琵琶ドラはラストスパート
で伸びている、HANDARSはもうこのあたりでいっぱいいっぱいか・・?
あと10m、5m・・・
リードはしているがこれ以上加速できないHANDARSと、追い上げている
琵琶ドラ、ゴールインの瞬間は肉眼ではほぼ同時としか見れなかった・・
これは「審議」となった。
ビデオによる正確な写真判定だ、それまで彼等の艇はウィニングランに
備え洋上待機。
5分、7分、8分・・ 琵琶ドラチームは優勝経験も多く余裕の表情で
待っているのだが、HANDARSにとっては初優勝かどうかの瀬戸際だ、
落ち着かない表情・・
そして結果が出た。 会場アナウンスが響く
「1位、琵琶湖ドラゴンボートクラブ、1分11秒66・・」
ええ~? という会場のどよめき、
そう、肉眼ではゴール直前までHANDARS有利に見えていたのは
確かだから。
「2位、HANDARS、1分11秒73」
僅か100分の7秒差、これでは肉眼では判別できない、
琵琶ドラ、辛勝・・HANDARSは昨年に引き続き2位となった。
---
そしてオープンの部、
予想通り磯風が何の手抜きもなくあっさりと優勝、ゴール直前でクルー
全員が漕ぐのをストップし、後ろに倒れ込むというパフォーマンスも
見せてくれた。(タイムは1分02秒62)
NEKOOは2位・・「この大会初めて2位に入りましたよ」と喜んでいる様子。
関西龍舟バーバリアンズが3位、金竜隊は今年も4位に甘んじた・・・
例によって勝ったチームも負けたチームも楽しくこの1日を過ごせた事で
あろう、ドラゴンボートは人間ドラマ・・ 報道の人たちは殆ど朝のうちの
撮影だけで帰ってしまっている、まあ、昼ごろ「テレビでドラゴンのニュース
をやってる」と私の携帯にメールがあったので「わずかな時間で帰って
編集してオンエアしたのか・・恐るべし・・汗」と関心していたのであるが、
最後までいないとドラゴンボートの人間ドラマの面白さはわからない
という事もある。
今回善戦した兵庫教育大チーム、決勝で僅かな差で表彰台を逃したが、
まさに「泣き笑い」・・
さて次回jのドラゴンボート大会は9/21に琵琶湖は瀬田漕艇場で
行われる1000mのレースがある。
こちらはまだ3回目の日本では珍しい長距離。海外レースでは1000や
2000mの長距離がざらにあるので、将来そうしたレースへのエントリー
を意識しての大会だ。
そして10月には琵琶湖競艇場と和歌山(和歌の浦)とでそれぞれ
ドラゴンボート大会がある。
ただし、この2つの大会、土・日と連続して行われるので各チームが
両方への参加は難しくどちらか1つになってしまう可能性が大きい。
琵琶湖競艇場は設備は抜群なのであるが興行の空いている日時で
行われるのでドラゴン大会開催可能日の自由度が少ないのがネック。
----
関空大会の熱戦も無事終了し、各チームのメンバーが引き上げていく・・
「お疲れ様、琵琶湖で会いましょう!」
「和歌山でもよろしく!」
え・・・っと、私としても両方続けていくのは極めて難しいのですが・・
なにせ琵琶湖と和歌山といったらあっちとこっち・・さあどうしよう・・(汗)
さて関空ドラゴンボート記事、「
激闘編」「
美女編」に続く・・(予定)