【玄人専科】スーパーマニアック35mm銀塩一眼レフ単焦点系列論(その3)
デジタル一眼レフでは、実はこの系列が変化する。
デジタル一眼の焦点距離倍率は各モデルで異なるが、主流は1.5~1.6倍、
おおざっぱな計算をすれば、フィルムの35mmはデジタルでは50mmになり、
50mmは80mmになる。
だから、フィルムからデジイチに乗り換えたとき、あるいは、両者を併用する場合、
単に焦点距離が伸びるだけなのに、なんともいえない違和感が生じるのだろう。
広角が足りないとか、望遠が伸びるから嬉しいとか、50/1.4がポートレートに
最適になるとか、マクロの倍率が上がるとか・・・そんな事は言うまでもなく当たり前だし、
画角が変化する事も十分わかっているはずなのに、何故か感じる違和感、
これは、この系列論から考えると、なんとなく説明可能になってくる。
また、系列論に外れた考え方(感覚)も存在すると思う、
便宜上これを、ワイド系、クロス系と呼ぶ。
もし最初に、50mを購入した場合、標準域を中心に、
Ⅰ:ノーマル=28-50-100
のラインナップが普通の感覚と書いたが、他にも以下がありうる
Ⅱ:ワイド=24-50-135(又は28-50-135、24-50-100)
つまり、比率を大きく持って、中間域の画角や描写は諦める。
Ⅲ:クロス=35-50-85
これは、比率を小さくして、画角を綿密に決める感覚、広角や望遠は諦める。
同様に、35mm系だと、ワイド系ならば、21-35-100となる。
ワイド系は、旅行など限られた機材の量の場合にやむなくという場合もある、
またレンジファインダーの場合は、クロス系の組み合わせも十分ありうるが、
一眼レフの場合は狭すぎて多少使いにくいと思う。
また、30年前のMF全盛期なら、28-50-135が一般的だが、
現代の感覚だと、ワイド系でも24mmを含む方が使いやすい。
当初の話に戻って、50mmレンズからのラインナップというのは、
24-50-100か、系列2の発展を意識して、24-35-50-85(-135)と揃えるのが
1つの答えであるかもしれない。また100前後はマクロという選択も当然ありうる。
また、ここまで読んできてくれた奇特な読者は、もうすでに現代病の一種
「ズーム病」から開放されただろうか?
ズーム病は、ズームによる画角の(あるいは被写体の大きさ)以外の変化の要素・・・
すなわち、パースペクティブ、背景の範囲、被写界深度、ボケ量、アングルによる構図
の変化量の大きさ、シャッター速度の変化、手振れの発生頻度、ワーキングディスタンス、
ストロボの到達距離等の変化に「まったく気を払わなくなる」もしくは「気がつかない」。
そしてズーム病の怖さは、上記をどうやら理解した中級者以上になっても
「ズームを持っていかないと不安でしょうがない」という症状を併発する・・・重症である。
ズーム病患者と思ったら、今度一度単焦点1本持って歩いてみたらどうだろうか?
もしかしたら、そこには全然違う写真本来のベーシックな世界が見出せるかもしれない。
しかしこの単焦点系列論における、ラインナップを揃えるというのも、ある意味、変形された
ズーム病なのかもしれない、はじめは単レンズ1本でがんばるという考え方もあるし、
私もおそらく、カメラをもっともっと極めたら、最終的には1本あれば良いのだろうなと思う。