年末のこの時期、様々なところでライトアップやクリスマスイルミネーション
などが開催されている。
まあ、昨年も夏から冬にかけて、奈良燈花会(とうかえ)、京都ライトアップ、
飛鳥ライトアップ、中ノ島光のルネッサンス、梅田スカイビルクリスマスイルミ、
大阪天保山ライトアップ、京都嵐山ライトアップなどに出かけていたのだが、
ライトアップも同じ場所としてみると、毎年あまり変わり映えがしないので、
今年はほとんどそのあたりも廻っていない状況だ。
けどまあ、今回は、大阪港のあたりに行ったのでせっかくだから夜景も少しだけ
撮って帰るとしようか・・
大阪港・天保山のあたりは昼は休日を過ごすファミリー、また夜はカップルのデート
スポットとして賑わう場所であるのだが、この時期の冬は海からの風でかなり寒い、
外にいるカップルの数も当然激減して目の毒にはならないのであるが、だからといって
撮影をするのもやはり寒い(笑)
あまり長時間屋外で撮影をすると風邪をひきかねないので、短時間勝負という事に
しようか。
まずは渡船(渡し)にて、1枚。
このくらいの時間帯になるとホワイトバランスをオートのままにしておくと
夕方の色味があまり出なくなってくる。
「昼光」に切り替えて夕方の色温度が低く赤みのある色合いを狙う。
必要に応じ、適宜アフターレタッチで色温度を下げたり彩度を上げるという方法もある。
夕暮れは刻一刻と空の色が変わっていくので見ていて楽しいのであるが、写真的には
その撮影時間は思っているよりずっと短く、あっと言う間、たとえば15分も経過して
しまうと、もうどっぷりと日が暮れてしまうので、まさにピンポイントとなる。
この時間帯に雲に反射する綺麗な夕焼けが見れる事もあるが、なかなかフラリと来て
いい色の夕焼けにめぐり合うチャンスも少ないであろう。
ましてや今日のように雲が少ない晴れの天気ではますますそんな夕焼けも期待できない。
けどまあ、その一瞬を狙って毎日来るというのも、よほど暇でないとできないだろうし
そこまでして夕焼けを撮りたいとは思わない。 素晴らしいのはその自然現象そのもの
であって自分の写真というのは受動的にそれを撮っているのにすぎないのだから。
そしてあっと言う間に夜だ(笑)
このあたりからはISO感度をかなり高めないと手持ちでの撮影は苦しい。
デジタルならば800や1600、可能であれば3200に設定して、かつ明るい(大口径)の
レンズを使ったり、暗いズームの場合はできるだけブレにくくかつ開放f値が明るい
広角側を使うのが無難だ。 さらには、露出補正をマイナスに設定する事も必須だ。
この理由は1つはシャッター速度を上げる事(注:絞り優先モード)
そして、もう1つはシャドウを締める事だ。
カメラの露出計は暗い夜景でも中庸の明るさまで持ち上げようとしてしまうので、
それに対応するためにも思い切ったマイナス補正(構図上での暗部の比率や
測光アルゴリズムによっても変わるが、-0.7~-1.7くらいの範囲で)をすると良い。
高感度、大口径、マイナス補正、であれば手ブレ補正機能が無くても問題なく
ある程度のシャッター速度で撮影ができる。 手ブレ補正があればさらに完璧だ。
それから、夜景においてはボケ表現も重要。
絞りを開放にすれば、どんなレンズであっても、点光源は綺麗な丸ボケとなる。
これは定番の、MFでどこにもピントを合わせない全ボケ技法(
夜景ビンボケ技法)
であるが、ここで絞りを変に絞ってしまうと、絞りの形がボケの形として現れてしまう、
普通、絞りは7角形や8角形の形をしていて、安いレンズだと5角形(5枚絞り)という
事もある、あまり絞り羽根の枚数が少ないと、ボケが格好悪いし、ましてや安物の
レンズを使っている事がまるわかりなので(苦笑)全ボケ技法をする場合は絞りは開放で。
全ボケがイヤだったら、前景に何か被写体を置いても、背景はこのような感じでボカす
事ができる。(もちろん逆にイルミネーションの電飾を前において前ボケにしても良い)
こちらは子供が持っているイルカの風船をモチーフとして背景のツリーと重なる一瞬を
狙った撮影、まあ、タイミングを計れば難しい撮影では無いが、肝心な事は、
イルミネーションのツリーを前にして「子供が風船を持っているから写真には邪魔だ」
と思うのか、逆に「風船を入れたら面白い」と思えるのか、という考え方の差異だ。
前者の考えは、例えば風景を撮るのに人が入っていたらイヤだという潔癖主義に近い、
「風景にも人が入っていたら面白いじゃあないか、じゃあ、どういう風に人を入れるのが
良いのだろう?」と考えたら、写真の面白さがわかってくるという事になるのだと思う。
さて、寒いのでもう撮影は終わり・・屋内に逃げ込んで暖かいものでも食べるとしよう(笑)