奈良町のあたりを歩いていると、突然の雨。 夕立だろうか・・
あいにく、傘は持ってきていない。
そういえば、傘はずいぶん安くなったものだ。 100円ショップでも買えるし、
コンビニでも数百円だ。 だから、そんな店を見つけて飛び込んで買ってしまえば
済む話なのだが、あいにく奈良町のどこにコンビニがあったかは思い出せない。
まあいいか・・ たまには雨宿りなどの風流も・・
入ったところは奈良ホテルの南側にある庭園、何と言う場所だったか?
何度か来ているのに思い出せない、観光ガイドにもあまり乗っていない隠れた名所。
雨宿りができてほっとしたので、じゃあ写真だ。
庭園の池と赤い橋、そして背景の奈良ホテルの組合せが良い。
鹿が歩いて橋を渡っている、鹿も雨宿りできる木陰を探しているのか?
標準ズーム、中間絞りのf5.6、ISO400だが雨降りで意外に暗く1/30秒しかでていない。
縦位置。MFでガラス越しに外の風景にピントを合わせてまずは撮ってみる。

雨の庭園(失敗)
雨の雰囲気が出したいのであるが、これでは単なる昼間の写真と変わらない。
雨粒を直接撮ろうとしても無理だ、背景は明るいし、必殺の
日中シンクロも
ガラス越しでは光ってしまってダメだ。 それに雪ならばともかく雨では
あまり日中シンクロも効果的ではない。
そうこうしている間に、雨が小降りに・・ 鹿もいっせいに動き出す。
しかしまだ空の雲は不安定な様相だ、もう少し雨宿りを続けてみようか。
幸いに鹿が庭園の建物の近くに寄ってきた。 エサの草を食べている様子だ。
鹿が歩いていて、エサを食べていて、庭園の橋が見えて、雨上がりの雰囲気が
出ていて・・ あれもこれもと贅沢な作画意図だ。
でもいちおうそんな画面を想定して、MFで鹿の来るあたりにあたりをつけて待つ・・
望遠側開放のf4.5、ここかな? カシャ。

雨あがりの庭園(失敗)
想定したようには撮れているのだが、イマイチだ。
これは最初に想定した画(え)が面白みに欠けるものだったから。
あれも入れたい、これも入れたいと欲張りに考えてしまっている。
こんな事ではだめだよな・・・ もっと何に注目しているのか
はっきり決めていかないと散漫になってしまう。
やはり雨か・・ しかし、もう雨は小止みになっていて、そろそろ雨宿りも
終わりにしようかという段階。 雨そのものを撮ることなく、雨の雰囲気を出したい。
ふと見ると、庭園を望むガラス窓にキズがついているのを発見した。
レンズを90mmマクロに交換、中間絞りのf6.3でMFでガラスにピントをあてる。
雨ふりに見せるように画面を少し傾ける。 シャッター速度1/15秒、これでは
ブレてしまうので、ISOを800に上げる、1/30秒、これでまあいいか・・ カシャ。

雨の庭園
雨粒そのものでは無いが、雨の雰囲気が出た。撮り方を言わなければ雨に見える(笑)
さて、雨宿りも終わりだ、奈良町のあたりに戻ってみよう。
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格子戸のある資料館に寄ってみる。
ここから外を見ると格子戸の前をいきかう人々が見えて楽しい。
いちばんベタな撮り方をしてみよう。
古い茶釜がある、それを撮りたい、奈良だから格子戸も入れたい、
往来の人も入れたい・・ なんでもかんでもだ。
広角コンパクトでそのすべてを入れる構図、輝度差が大きいからこのまま
撮るのは無理だ、だからフラッシュを焚く・・ パシャ。

奈良町にて(失敗)
結局、あれもこれもと欲張ったので、なんだか散漫になった。
撮りたかったのは、茶釜なのか? 格子戸なのか? 奈良の雰囲気なのか?
そこで、茶釜に着目してみる。 これを奈良町っぽく撮る。
格子戸は省こう、でも脇役が欲しい・・ 床の間に着目すると百合の花が、
脇役は決まった。 フラッシュを使うと平坦になるし色温度が普通になる、
白熱灯だがあえてオートWBのまま、暖かみのあるオレンジ色が出るはずだ。
標準ズーム望遠側開放で背景の遠近感とボケを調整、こんなものかな・・ カシャ。

奈良町にて
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撮る時に考える事は勿論人それぞれであると思うのだが、だからと言って
考えるべき事は、レンズの選択、焦点距離の選択、構図の選択、絞りやシャッター速度、
露出補正といったテクニカルな部分から最初に入るというわけでは無いと思う。
最初に撮りたい状況や意図があって、それを実現するために、機材を選択、設定する
という順序になる。
もし機材が限られた性能しか持たない(たとえばマクロレンズ1本、あるいは
暗い標準ズーム、最高シャッター速度や最高感度の低いカメラ等)ならば、
その限られた状況のを念頭に置いて、撮りたい状況や意図を設定していけば
良いという事になる。