黄檗山(おうばくざん)萬福寺(まんぷくじ)
聴きなれないお寺であるが、京都の宇治にある大きなお寺だ。
京阪電車の中書島(ちゅうしょじま)は、伏見の酒蔵や坂本竜馬絡みで有名な
観光地であるが、この中書島の駅から、京阪宇治線という支線が出ていて、
数駅で宇治に至る。 宇治もまた観光地であり、平等院や源氏物語関連の施設や
鵜飼などで知られている。
なので、普通は中書島から宇治を巡るようなルートでの観光や散策が一般的であり
その間の駅ではあまり下車するような事は無い。 私も今まではそんな調子だったので、
京阪の宇治線に「黄檗(おうばく)」という名前の駅がある事すら知らなかった(汗)
(ちなみに、JR奈良線も近くを走っていて、黄檗駅も宇治駅もある)
その黄檗駅で降りて、ちょっと(かなり)ひなびた商店街を抜けて5分も歩けば
萬福寺の山門だ。
拝観料500円也は、一瞬この聴きなれないお寺にしてはどうか?とも思ったのであるが
寺の地図を見ると、20いくつもの殿や堂の建物がある大きなお寺ではないか・・
規模が大きいならば・・ という理由で入ってみる事にした。

お寺に入ってみると、どうやらここは、修行僧の為の禅寺であり、道場とかもあって
まあ、その道の専門的なお寺の様子だ。(ちなみに、一般の方も坐禅ができると言う、
また、修行僧用の精進料理(普茶料理)というのも食べられるらしい。)

この寺社シリーズでは、お寺や神社は本来宗教に係わる施設であるから、
あまり観光地感覚で写真を撮ったりするのはどうだろか?という主旨で記事を書いている。
その背景としては、特に京都や奈良での観光団体さん、あるいは修学旅行の学生、
そういうのを見ていると、そんな風に思う訳も想像できると思う・・
まあしかし、宗教施設である事を意識する、とは言え、さすがに坐禅などやったら、
煩悩の塊である事がモロバレなので(笑)
そちらの方はパスして大人しく控えめに写真を撮りながら参拝していこうか・・

これは、開版(かいばん)と呼ばれるもので、叩いて音を出し、時を知らせるために
現在も使われているそうだが、見るからに木魚の祖先か親戚である事は明白だ。
宗教的といいながらも、木魚はまあ打楽器の一種に分類されるのであろう、
楽器は元々、芸術的な意味合いよりも、生活や宗教に密接に関連して発展してきて
いるのだから、それはそうなのだが、どうも楽器と言うと純粋に音楽を奏でるイメージ
が頭から離れにくい、それはまあ私が楽器を趣味としてやってきたからでもある訳で、
もっと深く考えて楽器のルーツなどを調べてみるのも面白いかな?とも思った・・

寺社の中はかなり広く、参拝客は回廊などに書かれた順路の矢印を辿って巡るので
あるが、まあそれで見れる範囲は全体の1/3ほどだ。
実際には、修行僧の方などしか入れない建物が沢山ある様子だ。

お寺を観光目的で訪れて、写真を撮るとなると、本殿とか建物を正面から、デーンと
撮って、というのを良く見かけるが、個人的にはどうもそれが好きではない。
観光バスで大挙して押しかけ、ベルトコンベアー方式で、有名な観光寺院を次々と
周り、「ほほう、これが有名な△△寺ですか・・」などと言いながら、「証拠写真」の
ような、パンフレットと同じような写真を撮って帰る・・
それでは、まるで個人の主体性が無い世界になってしまう・・観光も、写真もだ。

まあ、とは言え、個人で自由に好きな場所を廻れるような環境はむしろ恵まれて
いるのかも知れず、例えば、海外旅行のツアーに参加する場合などは、やはり
私とて同じように、ツアーバスを降りて、証拠写真を撮る、などというような
状況に陥ってしまう・・ しかし、それも限られた時間や予算の中では、
効率という名の不自由を強いられるのもやむを得ないのかもしれないが・・

正直言って、この萬福寺は、ちょっと私にはストイックすぎたかもしれない。
無名であるが、風情があって、見所も十分、雰囲気も自分の感覚に同調できるという
お寺や神社があれば、それは都会の喧騒を離れ、落ち着いた気持ちになれる時間を
持つという意味で十分価値があるとは思うのであるが。
さすがに修行僧の禅寺では、逆に落ち着かない部分もある・・(苦笑)

でもまあ、写真を撮るには、まずは気持ちの切り替えから、
ということで、趣味として写真を続ける上で、適度な非日常というのは必要な要素でも
あると思う、ただ、それがあまり非日常に拘りすぎると、いつも言っているように
観光地やイベントや季節の花などを周囲への迷惑も顧みずに我先にと写真を撮る
ような感覚になってしまうことも沢山見てきている状況だ。
そうならないようにも、普段から写真を撮り続け、写真を撮るという行為そのものを
日常レベルにできるだけ近い状態にまで落とし込まないとならないのであろう。
三脚を立てて陣取り合戦をするような輩には絶対になりたくないからなあ・・