新シリーズの「島シリーズ」である。
ここでは、本州から少し離れたところにある、小さな離島のようなマイナースポットの
紹介を中心にしていく予定である。
まあ、新・関西の楽しみシリーズのバリエーションであるが、小豆島や淡路島といった
観光地になっている島とは異なり、ここで紹介したいのは、観光的要素は元々殆ど
無いような島ばかりである。
以前も「犬島」等の記事を書いたのであるが、またそれらもいずれは
このカテゴリーに分類しなおす予定である。
今回第一回目は、「真鍋島(まなべじま)」である。
岡山県の笠岡というところからフェリーで数十分の位置にある瀬戸内海の島である。

こうした島に着くと、まず最初に感じることは、その港は、フェリーターミナルのような
立派なものではなく、桟橋、それもなんらかの工事をしているような港ばかりである。
港は、あくまで生活の為、すなわち移動や漁の為のものであって観光の為という
要素は大きくは無い。

道の真ん中に大量に並べてある収穫したばかりの玉葱にちょっと驚く。
大阪でこれをやったら、誰がが持っていってしまうか、あるいは車に轢かれて
ぺしゃんこだ・・
でも、この島では、泥棒は誰もいない、どこにも逃げ隠れようも無いのである(笑)
良く見ると、家にもカギがかかっておらず、あけっぱなしの家も多い。
そういえば、田舎の町では、むしろカギを掛けてしまうと、近隣との交流を断絶している
ようにとられてしまう場合もあると聞くが・・・
また車は非常に少ない、いちおう道路はあるが、島の中をくまなく廻るには
高低差のある道なき道を、徒歩で歩くしか無いのである。
島の全長は2kmちょっとくらい、周囲でみても、5~6kmというところか・・
なので、島の中には、ガソリンスタンドも無い様子である・・

壊れかけた家も目立つ、おそらく生活の利便性を考えると本土に移住した方が
楽は楽なのであろう、だけど島の暮らしを捨てがたい、という人も当然多いのだろうから、
勿論しっかりとした家もちゃんとある。 ちなみに人口は1000人程と聞いている・・

ちょっと意味ありげなチラシを発見・・ 家の戸口にはさまれている。
工事のお知らせ? あるいはライフライン(電気、水道、ガス)関連?
あまり長い時間が経っているとは思えないが、それでも1週間やそこらという
時間では無いのであろう、人が住んでいる「生活」というものと、そうで無い部分との
ちょうど中間点の世界観を感じ、シャッターを切る。

島で唯一のお寺を発見。 宗教というものは、たとえコンビニやガソリンスタンドが
無い生活空間においても、無くてはならないものなのであろう。
寺に上がる階段の下にある鯱(しゃちほこ)は、何か不思議なイメージがあった。

廃物系写真とも言えるかもしれないが、なんでも「廃物系」の一言でかたずけてしまう
のも無理がある。 街中に捨てられている古いTVなどの「廃物系」では、1つは、
その道具が使われてきた背景や歴史を想像する要素が、そしてもう1つは、たとえば
社会問題としての要素などもあるのだと思うが、島のこういう光景においては、
廃物といえども、もっと生活に直結している生々しさがあるのだと思う。
無造作に置かれた、何に使われていたのかもよくわからない部品や道具達、でもそれは
もしかすると、ほんのつい最近まで使われていたのかもしれないし、あるいは今でも
使われているのかもしれない、そんななんともいえない生活感がここにはある。

誰もいない公園に到着した。
やや汗ばむほどの初夏の日である。
誰もいないと思っていると、地元の人と思われる高校生くらいの女性2人が横を通り
すぎていく。
「ねえねえ、去年の今ごろ、アイスクリーム食べたよね」
「ああ、食べたねえ・・」
・・え?(汗) アイスクリームを食べることが話題になっているのか?
う~ん、そういえば、島でアイスクリーム屋さんを見かけることはなかった、
いったい何処に売っているのであろうか? コンビニやスーパーどころか
お菓子や食料を売っているお店すら、ほとんど見かけることは無い。
急に、アイスクリームが食べたくなった。
でも、ここでは簡単には手に入らない・・ 水を飲んで喉の渇きを潤すとしよう。

学校があった。
休日であるが、校舎は開放されている。
生徒たちと、大人数人が校庭でキャッチボールをしている。
さすがに学校の中までは入ってはいかれないが、廊下からちょっと覗いて写真を
1枚撮る。 校庭の人達が話をしている、小中学校が合同でクラブは3つ4つしか
無いとかそんな話だ・・

この島の人達は皆フレンドリーだ。
「どこから来なさった?」 「いい写真は撮れたか?」、誰に会ってもそんな
会話がごく自然に出てくる。 まあ、他の離島でも同様な雰囲気だ。
以前行ったどこかの島ではいきなり雨が降り出して難儀していると、いきなり
傘を持って来て貸してくれたこともある。 そういうのは島では当たり前の事
なのであろうが、都会に住んでいると、そんなちょっとした事にも小さな感動を覚える。
この新しい「島シリーズ」、カメラの話も撮影技法の話も何もないが、
様々な離島の雰囲気を少しでも写真や文章で伝えられれば良いと思っている。-