女「ねえ、なんか看板があるわよ・・ 映画館かしら? 寄っていく?」
男「ああ、そうだな・・」
女「ねえ、いま、どんな映画やっているんだっけ? 何か面白いのない?」
男「さあ・・ オレはそういうの、あまり興味ないからな・・」
女「まったく~ 役に立たないわねえ(苦笑) アナタって写真ばっかり
撮っているけど、他になんか趣味とか無いの?」
男「・・・」
女「でもまあ、いいっか・・ ワタシだって写真にハマっているんだからね。
ほら、今日もFA77のレンズをつけて来てるのでバッチリよ。
それに写真プリント入りバッグもなかなかでしょう?」
男「おお・・ なかなか格好いいな・・」
女「なんか、とってつけたみたい(笑) あ、ほら、映画館が見えてきたわよ」
男「ムム・・」
女「これ、映画館かしら? やってるの? なんか凄く古そうだけど・・」
男「さあな・・ 入ってみるか?」
女「ええ、もしかしたら写真的にはイケてるかも・・ フフ・・」
女「え~、あの~、すみません、誰かいませんか?」
男「誰もいないみたいだぞ・・ やってるのか?」
女「ちょっと不気味な感じねえ・・ あ、これは今やっている映画かしら?」
男「まさか・・ 何十年も前のポスターみたいだぞ・・」
女「すみませ~ん、だれかいますか~?」
男「無駄だ・・ きっとやってないんだろう」
女「なんだか怖いわ・・ まさか映画館の幽霊?」
男「お、エレベーターがあるみたいだ」
女「これ、動くのかしら? まさか・・?」
・・・ギギギッ・・ ゥィーン、ズン。
男「来たぞ、これに乗るんじゃないのか?」
女「アナタ、先に乗ってよ・・」
男「むう・・ わかった・・」
・・ゥィーン、ギギッ・・
女「どこまで行くのかしら・・」
男「さあな・・」
女「いったいここはどこなの? 本当に映画館?」
・・ズン。
男「さ、出口に着いたみたいだ・・」
女「早く降りましょう・・
え? あ? なに? キャ~~ッツ!!!」
男「おい、どうした? ・・おい、だいじょうぶか?・・」
・・・
・・・
匠「・・さて、貴方の街のどこかにも、こんな不思議な映画館があるかもしれません
そこで、貴方はどんな写真を撮るのでしょうか・・ きっと、そこには世にも
奇妙な何かが写っているかもしれません・・ では、さよなら、サヨナラ・・・」
注:この物語はフィクションです、実際の地名や場所との係わりは一切ありません・・