T嬢「匠さん、今日は動物園でシャッターチャンスを優先して撮りたいんですよ。
で、カメラのモードはシャッター優先にしたら良いのでしょうか?」
匠「え・・?(汗) いや、シャッター優先モードというのは、そういう意味では
ないんだよ・・ まあ、いっか、ボチボチ撮りながら説明していこう。」
T嬢「あ、コアラ・・ 可愛いですねえ。」
匠「今日は珍しく体重測定をやっているなあ。
コアラ達の中には、体重測定が嫌いな子もいるんだ。
エサにつられてスルスルと自分で降りて行くのもいるし、逃げ回って
ジャンプしたりするのもいる。 ということは・・ 何か面白いシーンが
撮れるかもしれないぞ。 さて、カメラを構えておこう」
T嬢「あ、帽子かぶせてる・・」
匠「・・」カシャ。

匠「撮れた?」
T嬢「・・いや・・ 見とれてしまって(苦笑)」
匠「何かがおこりそうだ、というのを予測して撮らないとね、
帽子をかぶせているのは、どうやらコアラの視界をふさいで抵抗させないように
するみたいだね・・ そこまで予測できないまでも、何かあるぞ、という風に思って、
カメラの設定も全部済ませて待ってないと、間に合わないよ」
T嬢「カメラの設定を全部済ませておくのですか? 難しいですね・・」

匠「まあ、注意するのは、絞り値とシャッター速度、それとピント、この3つだけだよ」
T嬢「絞りとシャッター速度と、ピントですね・・」
匠「そう、あらかじめ決めておくには慣れ、というか経験が必要だけど、
どれもそんなに難しい概念では無いから、覚えてくれば先に設定できるよ」カシャ。

T嬢「動いている動物はどうしたら撮れますか?」
匠「速いシャッター速度で止めて写す、あるいは遅いシャッター速度でブラして
動きを表現する、または、流し撮りで追っかけて写す、その3種類かな」
T嬢「止まっている場合は?」
匠「それは簡単だ、シャッター速度は関係ない。 絞りで背景のボケ具合を
調整するだけだよ。 露出補正とかもあるけど、今はまだそれはいいや・・・」

T嬢「ところで、シャッター速度とか、絞りとか、どうやって決めるのですか?」
匠「え~と・・ まずはそこからですか・・(汗)
では簡単な例をやってみようか・・ まずは高速シャッター」カシャ。

↑300mm相当レンズ、絞り=8.0 ISO400 シャッター速度 1/2000秒
T嬢「滝の流れが出てますね」
匠「じゃあ、今度はスローシャッターね」カシャ。

↑300mm相当レンズ、絞り=32.0 ISO100 シャッター速度 1/30秒
T嬢「あ、全然違いますね。 なるほど~。 ワタシは最初の写真が好きかな。」
匠「好き、嫌いというよりも、この2枚は同じ滝の写真で同じ構図でも撮り方が
違うんだ、この2種類の撮り方を覚えておいて、必要な時にどっちの撮り方に
するか決めればいいんだ」
T嬢「なるほど、なるほど・・ で、これは望遠で撮るのでしょうか?」
匠「え~、たまたま私は望遠レンズを使ったけど、別にどんなレンズを使ったと
しても、同じ効果は出るよ。 ただし、私はデジタルだからISO感度を
色々と変えて極端な効果を出せるけど、T嬢は今日はフィルムだろう?
(感度)100のフィルムだと、スローシャッターは出しやすいけど、
高速シャッターで撮るのは、(レンズの開放f値も含め)明るさが足りない
場合もある。」
T嬢「1枚目の写真は撮れないと・・」
匠「いや、それも、その場の明るさによるんだよ。 たとえばカメラを上に向けて
シャッター速度を見てごらん」
T嬢「あ、シャッター速度が速くなります」
匠「そうそう・・ つまり明るければ同じ絞りでもシャッター速度が速い、
で、今は滝のあたりは陽が陰っているけど、ちょと待つと、ほら、太陽が雲間
から出てきて明るくなった・・ この状態ならば高速シャッターでも撮れる」
T嬢「なるほど~ その場所の明るさを見ながらシャッター速度を調整することが
できるわけですね」
匠「ある意味、それもシャッターチャンス、かもね」
T嬢「えっと、カメラを下に向けたら、暗いからシャッター速度が遅くなるんですね・・
なかなか難しいですねえ・・・」

匠「まあ、そうは言うものの、実際には自分の撮りたい構図やアングルがあるわけ
だから、あとは(銀塩の場合)うまくその場での明るさがマッチして自分の
欲しいシャッター速度が得られるような状況を得られるかどうかだよね。
多少「運」の要素もあるけど、仕組みがわかっていれば、その機会をものに
することができるし、デジタルならば、ISOを変えるという方法もあるよ。」
T嬢「わかりました、何が起こるかを予想すること、それから、シャッター速度に
気をつけて、動くものを撮るのですね」
匠「そうそう・・ あとはもう、タイミングだけだよ・・
さて、シロクマの方に行ってみようか・・ ここのシロクマはごく稀に
水に飛び込むらしいよ。 残念ながら私はそのシーンを見たことが無いけど・・」
T嬢「飛び込むといいですねえ・・」
匠「あ、なにやら、飛び込みそうな気配が・・ ほら、飛んだ・・」カシャ。
バシャ・・ ザブン・・
T嬢「キャ~ すご~い」

T嬢「撮れました・・?」
匠「ぐう・・(汗) 焦って、ちょっと早くシャッターを押してしまった(苦笑)」
T嬢「それって、全然シャッターチャンスになっていないのでは?」

匠「ハイ・・ おっしゃる通りです、精進します・・(苦笑)」