名機対決、夜間戦闘機、KONICA MINOLTA α-7DigitalとCANON EOS 20Dの
対決である。
前編でかなりヒートアップ&脱線しつつも、長文記事となったのだが、今回でなんとか
終りにしたいものだ・・(笑)
さて、デジタルカメラというのは、撮るだけが性能ではない、消すのも性能のうちである。
消すという事に関して、現在最も優れているのはニコンのデジタル一眼レフである、
なにせ削除(ゴミ箱)ボタンをダブルクリック(2度押し)するだけで簡単に画像を消去できる。
他社の一眼では、単に画像を消す、というだけでも複雑な操作を強いられる、
慎重なニコン(・・つまり、ニコンのカメラは伝統的に、あらゆる操作を間違いが起こらない
ように、とあえて複雑化した「フールプルーフ」がその設計思想の根幹であった)が、
ダブルクリックで画像を消せるのは、何かニコンのカメラとしては妙な気持ちにもなるが
まあそれでも、特にD2Hなどの高速連写機においては、撮った枚数より消している
枚数の方が多いのではないか?(爆)と思われるくらいなので、簡単に消せるのは
ありがたい。
できれば、GUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)なみに、特定の
画像をまとめ消去できる軽快な操作系が開発されていれば、なお嬉しいが、
まとめ消去できるカメラは、α-Sweet D など一部にあるものの、決して実用的に
使いやすいレベルには到達していないので、いま一歩の進化を待つこととしよう・・
では、今回の対決機種である、コニミノα-7Dの消去の操作系について。
α-7Dで、撮影後の画像自動表示中、あるいは、再生ボタンを押した後の
画像表示中において、消去ボタンを押した際、カスタムファンクションを「”はい”が先」
に設定していれば、このように、OKボタン1発で画像を消去することができる。
カスタムで「”はい”が先」を選ばないと、操作してみればわかるが、十字の左右キー
でメニューを選ばなくてはならず、指の動きの煩雑さは避けれない。
それでもまあ、α-7Dは、このカスタムが存在しているからまだ助かっている、
これが無かったら、操作系としては「失格」と言わざるを得ないであろう。
次にEOS 20Dである。
撮影後の画像自動表示中に、消去ボタンを押した場合のメニューは以下となる、
この後、後ろダイヤルを回して「消去」を選んで、中央のOKボタンを押す、
電子ダイヤル(ロータリーエンコーダー)は、連続数値の入力操作子としては
適しているが、不連続数値(=離散値)の選択操作子としては適していない。
不連続数値(たとえば、YES/NO,ON/OFF,OK/NO)などの操作は
ワンプッシュの、ボタン、十字キー、カーソルキー、パッドなどがU/Iとして
適しているのは常識である。 パソコンやカメラの設計者はそれが理解できないのか、
連続、不連続数値を混在して扱う。 電子楽器や音響機器類のU/Iを触ってみれば
そのことは容易に理解できるであろう。
もう少し具体的にいえば、連続数値は、つまり「アナログ量」ということであり、
不連続数値=離散値は、「デジタル値」という意味である。
だから、アナログ量は、アナログ的操作子、つまり、ダイヤル、リング、レバー、
ロータリーエンコーダーなどで操作するのが望ましく、デジタル値は、スイッチ、
ボタン、キーなどでで操作するのが当たり前という意味である。
これを良くわかっていないと、たとえば、絞りやシャッター速度は、不連続に見えても
「このあたり」というアナログ量であるから、これらをボタンやスイッチで切り替える
などという操作系はありえないわけである。
これはもう好みとか、そういう次元ではない、アナログ量とデジタル値を混在して
操作するのは人間の感覚に矛盾しているのである。
(そして、従来ISOは不連続な離散値であったのが、近年のデジタルカメラの撮影技法に
おいては急速にアナログ量としてみなされている・・ これがISOダイヤルを必要とする
意味でもある)
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まあ、だから、ぶっちゃけ言って、このEOSの消去の操作系は失格である、
おまけに、キャンセルが先に出るしかない、というのはどういうことか?
(カスタムで変更できる機種もあるかもしれないが、もうそれは枝葉末節である)
画像を消したいから消去ボタンを押すのであって、間違って押した、というより
消したくて押した方の場合が多いに決まっているのである。
で、電子ダイヤルを使って、不連続数値を入力しようとした場合の最大の弊害を示す。
再生ボタンを押した後の画像表示中において、消去ボタンを押した際、
画面は以下のようになる。
「ぜ、全画像消去かよ・・(汗)」 まあ、誤ってそれを選んだとしても、その後
確認メニューが出てくるのであるが、選択量を回転角度でないとコントロールできない
電子ダイヤルにおいて、操作の行きすぎで、全画像消去のメニューに入るという
操作系は最悪である。 これがデジタル値をアナログ操作子で操作する弊害である、
たとえば露出補正だったら、+0.7が+1.0に行き過ぎて設定したところで、
致命的な問題にはならない。
この「全消去」については、いったい何を考えているか良くわからない(怒)
まあ、前編でも書いたが、この記事はEOSの旧態依然とした操作系をけなす
記事では無い、これがEOSの弱点であることは承知しているのである。
でもまあ、EOSしか知らないで、それがサイコーと思っている読者、あるいは
設計者にしても、この大問題をちゃんと認識してもらいたいと思って、
この記事を書いているのである。 ちなみに、操作系の問題はニコンだって
オリンパスだって大差ない。 ペンタックスとコニミノ/SONYはややマシな
部分があるが、それとてデジタルの撮影技法の多様さから比べると不満だらけだ、
つまりデジタル一眼において、ちゃんと撮影という「ソフト面」を意識しつつ
きちんと体系的に整理された「操作系」を持つ一眼レフなんて存在しないのである。
何度も言うが、「操作性」ではなく「操作系」である。
ボタンやスイッチの形状とか、場所とか、そういう単純な話が「操作性」である、
「操作系」とは、(撮影やその他の操作に)必要な機能が必要な場合に、きっちり
操作できるようになっているかどうか、ということである。
メニューの階層構造しかり、各操作子の特性やその特性とマッチした機能が
振り分けられているか、もしかりである。
操作系を理解する、あるいは操作系を設計するのは、撮影技法を理解しなくては
ならない、そしてデジタルでは、それはまだ未成熟。 カメラマンやメーカーでも
デジタルの新しい撮影技法をちゃんと把握していない。
で、もちろんそれ以前に、アナログ量とデジタル値の差異も理解しなくてはならない、
具体的には、たとえば、シャッター速度、というものは、「1/125秒に設定して」
撮るものでは無いのである。 「1/125秒あたりに設定」して撮るものなのであって
だから、ボタンでせっせと1/125秒にシャッター速度を設定して撮る、などというのは
写真の撮り方を理解していない、ということになるわけである。
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カメラの機能について、撮影技法の面からも補足しよう、
一時期手ブレ補正機能がもてはやされたのは、高感度化されたデジタルにおいては、
40年前の撮影技法のように「ブレないようにしっかり三脚を立てて・・」という
撮り方はすでに無くなったのであるが、とは言えシニアを中心としたカメラマン
では、いまだに「三脚を立てないと怖くて撮影できない」という固定観念に取り
つかえている。 そうしたカメラマンを「ブレの恐怖」から解放するために、
手ブレ補正機能があれば安心、という認識を広めようとしたわけである。
けど、良く考えてみればわかるように、日中、ある程度のシャッター速度が得られる
状況においては、そもそも手ブレなんてありえないのである。
手ブレ補正機能をONにしたら、電池を無駄食いするだけである。
手ブレ補正が必要なのは、今回のテーマである夜間あるいは暗所での撮影の時、
あるいは、作画表現上、どうしても手持ちでスローシャッターが必要なときである、
後者は、実際には日中でもいたるところで出現する。
作画表現上のスローシャッターは、ISOを上げても無意味だ。 何故なら、
スローシャッターでないと表現できない、たとえば動感表現などを狙っているのに、
高感度にしてシャッター速度が上がったら、作画意図も作画表現も消し飛んでしまう、
こうした露出や作画表現の為の基本的な原理、仕組みがわかっていない人ほど、
手ブレ補正を欲しがり、それをありがたがる。
まあ、逆に言えば、手ブレ補正の意味がわかって、また撮影の原理もわかっている
人にとっては、手ブレ補正は表現力を増すための大きな武器となる。
カメラの構え方がしっかりてできていれば、手ブレ補正機能とあいまって、
初級者の手ブレ限界の5段落ちとか、そのあたりのレベルまで、上級者は
がんばって撮ることができる。
暗くなってきたらISOを上げることも知らない初級者にとっては、手ブレ補正
機能も宝の持ち腐れだ・・ とんでもない構えで写真を撮って、ブレた、ピンボケだと
大さわぎ・・ そもそも、手ぶれとピンボケの区別もつかず、AFもピントの原理も
何もわからず撮っているのだから厳しい・・
いきなり構図の端にある被写体に向けてシャッター全押し・・これではピントが合う
筈もないであろう・・
また私が、ボケ質、ボケ味の記事を書けば、「ワタシの写真はいつもボケボケ・・・」と
来るのだが、もういい加減にしてくれよ。 不勉強なのは、まあいい、勉強すれば
良い話だ、そんなのは各自勉強のスタート時期が違うのだから差があって当たり前、
逆に言えば、知っているからと言ってもちっとも偉くない。
今時の情報化時代だから、ネットで数分も調べれば、知識は誰でも公平に与えられる、
でもなあ・・「知らない事を自慢して」どうなるんだよ?
知らなければ黙って勉強すればいいのではないのだろうか?
また、タダで親切な周囲の人間が教えてくれる、というような時代ではない、
知らなければ人に聞いているヒマがあれば自分で調べろよ。
調べることもできなければ、ますます情報化時代に乗り遅れるだけだ・・
コンピュータが扱える人と、扱えない人の差があった「デジタル・デバイド」は
もう次の段階に到達している、PCやネットが使えるのはあたりまえ、大事なのは
有益な情報を上手に得られるかどうか、それが現代の「デジタル・デバイド」だ。
カメラマニアだって、今時だったら、どこかの文献に書いてあるような事を
右から左に転記して、このカメラやレンズはどうのこうの・・と言ってるならば、
もっと自分自身の力や評価眼で、自分だけのオリジナルな情報を提供してくれよ、
ネットの世界では、情報の1次発信者、になることが意味のあることなんだ、
どこかに書いてある情報を「バケツリレー」しているだけじゃ、何の意味も無い・・
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さて、またしても大幅脱線だが、操作系の話であった・・(汗)
EOSの操作系は何故進化しないのだろうか?
銀塩においては、その末期において(注:キヤノンは、真面目なニコンとは違い
銀塩から撤退したなどという報道をしたことは無いが、実質的に新製品が出てこない
状況では銀塩撤退とイコールである) EOS 7(7s)というカメラがあったが、
この操作系は、キヤノンのカメラの中ではまだマシな方であった。
まあ、とは言え、煩雑であることには違いは無いのであるが、それでも私は、
これでやっとキヤノンからも使いやすいカメラが出てくるのだろうか・・と期待した
ものである。 しかし実際にはそこ(2000年前後)からデジタル時代が始まってしまい、
操作系の概念は、デジタルの撮影技法も含め、また1から作り直しになってしまった。
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夜間戦闘機の話からどんどん脱線していくが、まあもうしかたがない・・(苦笑)
脱線しついでに、レンズの話にまで踏み込もう・・
まずは手ブレ補正レンズ、キヤノンだったらIS,ニコンならVR・・
こうしたレンズは、何故F2.8までの口径しか無いの?
欲しいのは、F1.4より明るい大口径手ブレ補正レンズなんだよ・・
F2.8とF1.4では、同じ明るさの被写体でもF1.4のシャッター速度は4倍も速い、
つまり2段である。 手ブレ補正機能で3段か4段補正しても、レンズ自体が
暗くちゃどうにもならないではないか?
だから、その目的では、キヤノン、ニコン、フォーサーズの手ブレ補正レンズよりも、
コニミノ/SONY,ペンタックスのボディ内手ブレ補正の方がいいに決まっている、
ボディ内だったら、F1.4クラスの大口径レンズでさらに手ブレ補正機能を活用する
ことができる。 おまけに、ペンタックスだったら、旧レンズやMFレンズ、
あるいはマウントアダプター使用時も手ブレ補正が効くとの話である。
「αでも、電気接点の無い他社レンズで、標準~中望遠では手ブレ補正が動作する
らしいぞ・・」
・・ああ、その噂は聞いたことがある。もしかしたら、電気接点が無くでもデフォルト
でそのあたりの焦点距離に自動設定されるのかもしれない。
「だったら、ペンタックスのように、ちょっとメニューで工夫するだけで、
その機能が、どれでも使えるようにしてくれたらよかったのでは?」
・・まあ、それもわかる、でもまあ、ボディ内手ブレ補正の原理を考えてみれば、
まず1つはレンズの焦点距離情報、すなわち画角、それと、場合によっては
合焦距離情報も必要になるのではなかろうか? 手ブレ補正の設計者では無いから
その内部のアルゴリズムは知らんが、遠方にある被写体のブレ量を感知するのには
レンズの焦点距離だけでは情報が不正確にならないのだろうか?
コニミノ/SONYの、Dレンズ、すなわち、合焦距離エンコーダー入りレンズ
であれば、AFあるいはMFでの位相差検出と、レンズのヘリコイド位置から
合焦距を割り出して、それをカメラボディ側に伝えることができるので完璧だ、
もしかしたらコニミノは、その情報が無いとボディ内手ブレ補正は完全には動作
しないと思い、レンズ情報手動入力という方式を封印したのかもしれない・・・
まあ、それはあくまで原理からくる予想にすぎない、もしかすると画像認識など
まったく違うアプローチにより、ペンタックス方式でも十分な手ブレ補正効果
が得れるように技術が進化したのかもしれない・・
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で、ともかく大口径のレンズには手ブレ補正機能がないから、やはり大口径の
レンズの存在はそれでも貴重なのである。
しかし、暗所や夜間となれば、AFはまともに動作しない。
だったらMFでの操作性(注:操作系ではない)が、レンズの場合の問題だ。
で、コニミノα-7Dである、
当たり前の便利機能であるが、ほとんどの人が知らない「DMF機能」
これは、銀塩α-7、α-70、デジタルα-7D、α-Sweet D、SONY α-100に搭載
されている、シームレスにAF/MFを切り替える機能である。
具体的には、ボディ内モーターによってレンズのAF駆動を行う、合焦後は、
AFモーターはもう不要になるので、レンズへの駆動のクラッチを切る、
この結果、MFレンズとしてピントの微調整を行うことができる、という画期的な
仕組みである。 キヤノンのUSM,あるいはニコンのAF-Sレンズでは
レンズ側にその機能が必要であったが、αのDMFでは、どんなAFレンズを
つけても、シームレスにAFとMFが利用できるのである。
対象機種のαを持つほとんどの初級者がこのDMF機能の意味を理解できない、
もちろん使っていない、何故ならば買ったままのデフォルトではDMFはOFFに
なっているからである。 しかし、それって、カメラを全然使いこなしていない
どころか、あまりにも不勉強なのではないなだろうか?
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対してキヤノンのUSM,これもシームレスであるが、レンズにこの機能が
きちんと備わっていれば、なかなか快適で便利である。USMは静かに動作するの
で、体感的には、AF速度が上がったように錯覚する。 この錯覚が元になり、
1990年代には、「キヤノンのAFは早い」という噂が広がったのである。
でも、まあ、USM(ウルトラソニックモーター=超音波モーター)にも
問題点は色々ある。
レンズ個別の問題とすると、今回 EOS 20Dにつけている EF85/1.2L(旧型)
このレンズは、非常に高価なレンズで、描写力はまあ優秀なのであるが、こと
ピント合わせに関して言えば、欠陥品ともいえるくらいのダメダメレンズである。
まずはUSMと言っても、シームレスAF/MFの切り替えが効かない、おまけに
1kg近くもあるガラスの塊のレンズであり、AFは極めて遅く、私はもうこのレンズ
は(イライラするから)MFでないと使わないようにしている。
じゃあ、MFにすると、まずスカスカのピントリングを回して合わせるであるが、
遠くの被写体を撮ろうとして、シュっと無限遠にピントを手で回して合わせる・・
「あれ? 無限遠を超えてピントリングが廻ってしまうよ・・ ∞マークの
先から出ている指標より、あきらかに、2~3mmは余分に廻るぞ・・汗}
そんなわけで、MFでも使い勝手が悪い・・
ちなみに、何故無限遠より廻るか?、それはAFの構造なのである、
つまり、AFとは、ピントリングをちょっとずつ回し、ピントの合う点を探す
作業であるが、ピントが合わずにそれを超えたらまた戻って最適なポイントを
探すのである。 近距離や中距離ならそれでもいいのだが、無限遠でもそれを
やらざるを得ない、だから∞のマークを超えてピントリングが廻ってしまうのである。
つまり、このレンズでMFでピントリングをいっぱいに回して遠景の写真を撮ったら
ピンボケになってしまう、ということなのである・・(汗)
じゃあ、αのレンズを見てみよう。 α用 AF85/1.4 G(D) Limied である。
きちんと無限遠でピントが止まる・・ たいしたものだ。
これはいったいどうやっているのだろうか? あくまでも推測の域だが、
たとえば本体のAF検知アルゴリズムにおいて、レンズ側からの距離情報が
∞に近くなった状態で、かつピント検出遷移の差分(微分)値が、プラスの方向
を向いていれば、∞に到達した時点でピント検出を停止する、というアルゴリズムを
組めば良いのである。 この結果、∞を超えて余計な動作をする必要は無くなる。
(しかしこれはボディ側の処理の問題だ、レンズ側ではない・・)
まあ、キヤノンのEF85/1.2Lは古いレンズなので、その点がまだちゃんと作られて
なく技術的あるいはシステム的に未成熟だったのかもしれないが、それでも、高価な
赤鉢巻レンズだからきちんと設計されていて、写りもきちんとしている、という
思い込みは禁物である。
設計者だって人間だから、不完全な設計をする場合もあるのだし、そうでないと
しても設計の都合でやむをえず犠牲にするスペックだってある。
そもそもミノルタのこの幻のリミテッドレンズだって、おおもとの設計は20年以上
前に遡り、ミノルタ社内での企画コンペに負けたレンズである。
その理由は、大きく、重く、高価だから、であると聞く・・
そのレンズが数年前にごく僅かな限定生産で発売された、私は即予約、半年も待って
やっと入手したのであるが、確かに開放での描写はいいが、一部のマニアやライターが
(限定品で珍しいから、それを持っている事をアピールしたい気持ちも込めて)
褒めちぎるほどの高性能なレンズではないのである。 社内コンペで負けたレンズで
あるから、コストパフォーマンスは極めて悪い。
(新品が35万円で売られているという話も聞く・・ 定価は18万円くらいだと思うが・・)
これなら、コンパクトで安価な初期型AF85/1.4を入手した方がコストパフォーマンス
の面では良いであろう。
つまり、どのメーカーのレンズも、もうこれ以上無いというくらいの高級なレンズを
入手したとしても、それで満足できるわけでもなく、カメラボディと同様に不満な
点を書き出していればきりがないのである・・
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名機対決のカメラの話から、またしてもすっかり脱線した(汗)
今回の結論としては、どんなに良いカメラでも、どんなに良いレンズでも、これで
大満足、という状況にはまだまだ至らないのである。
だから、レンズ沼とか、カメラ沼とか言って、どんどん、今持っているレンズや
カメラよりも良い機材を欲しがる、ということを続けても、結果、満足できる
レベルになることは永久に無い。
したがって、そんな見果てぬ夢を追うよりは、もっと別の価値観を持つ、
たとえば「機材」ではなく、「写真」を極めてみようと思うとか、
あるいは「機材の道」だとしても、高級さ、よりも「コストパフォーマンス」に
優れた機材(たとえばスーパーレンズ)を探してみようと、そういう風に自分なりの
価値観を持って、マニア道をつらぬくのが正解だと思う。
「これは高いお金を出して買った機材だから」あるいは「めずらしい機材だから」
と周囲の人に自慢するマニアは、まだまだ、マニアとしては完全に入口あたりを
ウロウロしているにすぎない・・ 真のマニアをめざすならば、まず自分なりの
独自かつ絶対的な価値観を、きちんと身に付けなければならないと思う。
・・というか、そこまで目指す必要すら、本来は全然無いのであるが・・(汗)
【追記】 2007/2/22に新製品として発表になったEOS-1D Mark Ⅲにおいて
やっとこの旧態依然としたEOSの操作系が大幅に改善されたと聞く。
嬉しいニュースである・・ いずれはEOS中級機、普及機にも改良された操作系が
搭載されてくるであろうし、EOS-1D Mark Ⅲ自身もなかなか良さそうなカメラだ・・