「わんど? それって何?」
・・と思うかもしれないが、まあ、記事を読んで欲しい。
16年ぶりに開業した大阪の新地下鉄「今里筋線」に乗って
太子橋今市(たいしばしいまいち)駅で降りる。
ここは大阪の北東部、でも大阪に住む人でもあまり行かない土地である。
菖蒲の名所「城北(しろきた)公園」があるといえば「ああ・・・」となるが
それとて駅からは遠く、一般には大阪駅などからバスを利用して行く場所である。

そして淀川の河川敷・・ カーブミラー技法の写真など、ボチボチと撮りながら
ここを20分くらいかけてゆっくり歩いていくと、そこに「わんど」がある。

「なんだ、ただの池? それか、釣り場じゃないの?」
・・・まあ、言ってみればただの池である(汗)

しかし、実際には「わんど」はただの池ではない。
これは川と池の中間の地形・・ そして淀川の一部のこの地域に川に隣接して
いくつかの「わんど」が存在する。
珍しい地形であるので、そこに住む動植物の生態系は他では見られないものがある。

以前行った博物館で、この「わんど」の存在を知り、一度行ってみたかったのであるが
今里筋線の開業を機に足を伸ばしてみることにした。
しかし、自然観察ならともかく、写真的にはどうなんだろう? という課題もあった、
なにせ、いったい何がある場所なのか全然わからなかったからである。

手にしたカメラは単焦点中望遠1本と広角コンパクト、
まあ最近の定番の組み合わせであり、銀塩28mm相当と銀塩135mm相当あたりの
2つの画角で被写体を見つける。
標準域はいらない。ある画角を持てばその画角で画(え)を創造していけば良い。
広角コンパクトは必要であればマクロモードで利用することもできる。

しかし「わんど」という地形はなかなか不思議なものである。
池とも川ともつかず、そのわんどと淀川の境にある湿った小道をずんずんと歩いて
いったのであるが、最後は深く背の高い草をかきわけるように進んでついには
行き止まりになってしまった。(少年の頃の探検の気分?笑)
大阪市(?)により保護されている区域の他は、釣りなどが自由であるので
それを楽しむ人は多く来ているのであるが、観光はもとより、散歩や、ましてや
写真を撮りに来ている人の姿は見られない。
人目を忍ぶデートには適しているかもしれないが、何も見るべきものも無いので
よほどの変わった趣味のカップルか、あるいは2人でいるだけで良いという
ラブラブカップルであれば、デートコースとして使える・・かも・・?(苦笑)

しかし、それこそ、この「関西の楽しみシリーズ」でいつも言うように、たとえ観光的な
要素が何も無い土地や町であっても被写体を創造できれば良いのであって、
それは、今回のようにまさしく何も無い土地であっても同じなのだろうと思った。
写真というのは何か「珍しいもの」を撮る行為でも無い。
珍しいものが何もなかったとしても、その場所で感じた感覚は、自分自身の中に
確かに存在するのであろうし、それを誰かに伝えたい(表現)というのもまた
写真の主となる楽しみ方の1つなのであろうと思う。