S嬢「匠さん、お久しぶりです・・」

・・・お、S嬢、久しぶりだねえ。 元気だった?
「ええ、元気です、私、今、奈良の近くに住んでいるんですよ」
・・・へえ、そうなんだ。
バーシリーズにも登場したことのあるS嬢に久々に会った。
今日は奈良の撮影である。
奈良公園のあたり、まだ紅葉には少し早いが秋の爽やかな風が吹く。
再会のお土産ということで、美味しい外国のチョコレートを貰ってちょっと上機嫌。
・・・そんじゃ、奈良公園の方まで行ってみよう。

・・・鹿も元気良く走り回っているみたいで、いいねえ。
鹿はこの時期発情期だからね、雄の鹿は「角きり」というのがあって、危険が無い
ように伸びた角をカットするんだ。
一度その「角きり」を見たことがあるけど、まるで西部劇のカウボーイのように
投げ縄で捕まえるんだよ、面白かったよ。
でも、もう角きりも一段落したみたいだね。 角の伸びている鹿は1頭もいないみたい。
S嬢「匠さん、私ね・・」

・・・何?
「いや、後で話すね」
・・・ん? 何かな? まあいいや。 じゃ、写真撮ろうよ。

そんな調子でしばらく奈良公園のあたりを撮る。

秋とは言え、25度近くと気温が高い、日差しもややキツイ様子だ。
久しぶりに会ったS嬢も元気そうだ。
S嬢はスリムだが、元陸上をやっていたと聞いているので、弱々しいという感じではない。
以前は何度かS嬢が欲しかったカメラを探して大阪中の中古屋さんを1日中歩き回った
ものだ、7軒も8軒も廻ってやっと欲しかった中古カメラを探し当て格安の値段で
値切って買った時は、2人して喜んだものであった。
でも、頑健な?(笑) S嬢であっても、まあ、奈良公園のあたりは広いので適当に
休憩が必要であろう。 奈良公園あたりに、よく利用するとてもお洒落なオープンカフェ
「高畑茶論」がある、そこに行ってみることにする。
・・・S嬢、ちょっとお茶していこうか?

ハーブティ・ミントを注文する、やや高価であるが、このカフェのハーブティは
なかなか美味しいし、それよりも、この季節には屋外のガーデンでのお茶の
時間はとても贅沢な雰囲気になる。

今日のカメラはニコンD2H + DC105/2.0 である。
DC機構については、ボケを綺麗にするというものであり、
以前の記事でも紹介
しているが、まあ、一般にボケ味よりも解像度優先というニコンのレンズの中では
異色の存在である。
DC105/2.0をS嬢に向ける。
S嬢「匠さん、あのね・・」
・・・ん? 何かな? カシャ。

S嬢「私ね、結婚したんだ・・」
・・・ひょえ~・・・ (聞いてないよ~・・・汗)
・・・そ、それは、以前遠距離で付き合っていたとか言う・・
「そう、それで、色々とバタバタしていて・・」
・・・あ、なるほどね、だから何ヶ月も連絡無かったのか・・・
いや、それはどうもおめでとうございます・・ よかったね・・
「それで仕事も辞めて、今は奈良に住んでいて資格の学校に通っているの」
・・・あ、そうだったのか、なるほど、全部意味がわかったよ、
でもまあ、めでたい話じゃないですか・・・
美人のS嬢を奥さんにするんだから、その彼氏が羨ましいよ。
ところで彼氏は写真をやらないの? 連れてくればよかったのに。
「それが、ダンナは写真をやらないんですよ・・」
・・・そっか、それは残念。
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S嬢と別れて奈良から帰途に着く。
S嬢は「また撮りに行く時、誘ってくださいね」と言っていたが、まあ、機会あれば
こんどはダンナさんとかと一緒にグループで撮りに行こうか・・
・・・しかし、結婚ね・・
撮影仲間の女性達も、これから1人、2人と結婚していくのであろうか?
駅から降り、自宅まで歩きながら、秋の夜風を冷たく感じて、
S嬢は、今頃、旦那さんの為に手料理を作っているのかなあ? ・・とふと思った。