匠「・・・アイタタ・・(汗)」
M嬢「匠さん、どうしたんですか?」
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今日は知人からの頼まれ撮影をやっていた。重要な撮影なのでいつものようにアシスタント
のM嬢をバックアップとして召集・・ しかし、どうやら炎天下の撮影で体調を崩してしまった
ようだ・・これはもうしんどい・・ けど、重責を若干ハタチのM嬢だけに任せるのも辛い、
私はちょっと休むことにして、あとは霜月を登場させようではないか・・
霜月「何? 匠のオッサン、大丈夫か? で、オレが撮るのか? 大丈夫か?<自分・・汗」
匠「・・・後はまかせた。 M嬢と一緒に撮ってくれ・・ 私は涼しい場所でしばらく
休んでいるから、後で帰る時にでも起こしてれ・・」

M嬢「匠さんが倒れたので、アタイが頑張らなくちゃ・・で、霜月さんが代わりに撮るって?
いったい霜月さんって誰? え?仮想キャラクター? それじゃぁ匠さんが撮らない
のに、撮れるわけないじゃなぁい・・ 変なのぉ・・(苦笑)」
霜月「M嬢さん、はじめまして、霜月です。よろしく」
M嬢「ぁ、どうもデ~ス。」
霜月「で、何をどういう風に撮ったらいいのでしょう?」
M嬢「まぁ、フツーに撮ったらいいよ。 でもね、いちおうクライアントさんが望む写真が
あるから、それを意識して撮るのヨね・・」
霜月「へ? ク、クライアント? 望む写真? それはいったい・・?(汗)」
M嬢「もう、わかってないわねぇ・・まあ、アタイが頑張るわよ・・・」カシャ、カシャ・・
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そう、アマチュアカメラマンの弱点は自己視点でないと写真が撮れない事である、
自分が好きな写真、自分の好みの写真、そんな視点でいつも写真を撮っている。
だから「写真を撮ってもらえませんか」という依頼が来ると、それがお金を貰う撮影では
勿論のこと、お金を貰わないボランティアの撮影ですら、ビビってしまうことになる。
酷い場合は「私には無理です」の一言で終わり。
単純に言えばまったく自信が無いというのが問題なのであるけど、簡単な撮影ですら
それを怖がるというのはいったいどうしたものか? 技術が無い、機材が無い・・・
そうした言い訳をして「失敗が許されない撮影」をする事を拒否してしまう。
M嬢は、元々私の撮影仲間であったのだが、若いわりに物怖じしない性格であり、
今でこそフリターのような仕事をしているが、将来プロになる事を夢みている、
フォトマスターの資格試験を私と一緒に受けに行き、当時若干18歳にて2級まで
合格している。
ドラゴンボートの撮影などでは既にベテランの域となっていて、お金を貰う失敗が
許されない撮影・・ つまりプロとしての撮影の何たるかを身につけてきている。
ただし・・ まあ、色々と抜けがあるのは、まだ若さゆえの過ちか・・(笑)
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さて、依頼撮影も無事終了した様子だ・・
霜月「ふう・・さっぱりわからんかった・・ オレも頼まれて写真を撮ったのは初めてだし、
ちゃんと目的が果たせているのかもわからん・・
ところでM嬢は銀塩カメラみたいだけど、それで仕事になるのかな?」
M嬢「銀塩だけじゃないよ、ちゃ~んとデジタルでも撮ってるヨ」
霜月「M嬢は若いのにしっかりしているなあ・・ さすがに匠のオッサンの弟子だよ」
M嬢「でも、さすがにちょっと疲れたヨ・・ あっちのベンチで休もう・・」
霜月「(はっ・・ これはもしかして、匠のオッサンもくたばっているし、
M嬢と色々とお話できるチャンスではないか・・ そうそう、EMAなんて単なる
仮想キャラだし、オレも現実の女の子とデートしたかったんだよねえ・・)」
M嬢「霜月さんは、写真どれくらい撮ってるの? かなり上手なの?」
霜月「いやあ・・ そんなに撮ってないよ。 で、あまり上手くもない・・(汗)」
M嬢「ふ~ん、どんな写真を撮るのかな? ねぇ、今、ちょっと撮ってみてくれなぃ?」
霜月「(げぇ・・・ いきなり難しいリクエストだなあ・・ でも、まあ、プロの世界を
目指す女の子だから、それくらい言っても当然だよね・・ よし、頑張るか・・)
ああ、わかったよ。 じゃあ、この夕景をちょっと撮ってみる」カシャ。

M嬢「ふ~ん、綺麗に撮れているね。 で、それで?」
霜月「(ぐげげ・・ それはもしかして作画意図の話か? 匠のオッサンの弟子だけあって
もしかして、超手厳しい? そりゃあ大変だ・・・ まあ、ここは気を取り直して)
あ~、この写真のポイントはだなあ、まずはピント位置、大口径レンズで電飾の
位置にしっかりピントを合わせている、それで、背景の船はボカす。
ざらに夕景の色を濃く出すのと、シャッター速度を稼ぐ一石二鳥で、マイナス補正
しているんだ。 (・・こんな説明でM嬢は納得するのか?・・汗)」
M嬢「けっこうやるね・・ あ、今のカメラは何で撮ったの?」
霜月「これは匠のオッサンからバトンタッチされた一眼だ、100mm/F2.0 のレンズが
ついている。 あとはコンパクトも持っているぞ、GR Digital だ、ほら」カシャ。

M嬢「GRね・・ へえ、明るく写るねぇ、それいいな~ 欲しいなぁ・・」
霜月「(ぐっ・・ ここはオニイサンが買ってあげよう、といいたいところだけど・・
あいにく仮想キャラにはそりゃあ無理だ・・・
それにもしオレが現実の人間だったとしても、こういう風に若いオネイサンに
なにかをせがまれたら、買ってあげるのが良いのか? それともうまくとりなす
ことがいいのか? う~む、女の子と付き合うのもなかなか難しい・・汗)」
M嬢「フィルムのGRとデジタルとどっちがいいかなあ?」
霜月「どっちもいいと思う、目的によりけりかなあ・・ ただ、GRデジタルは
まあ新品で7万円くらいでどこにでも売ってるが、銀塩のGRは生産中止で
なかなか見つからないぞ、下手すると中古でも7万円以上するし・・」
M嬢「ひョえ~、高いねぇ・・ やっぱ、アタイのバイトの給料では買えないなあ・・」
霜月「まあ、お金溜めて買ったらいいさ・・ しかしここの夜景はなかなかいいね、
涼しい風も吹いてきたぞ・・・ もう少し写真撮るか・・」カシャ、カシャ。
M嬢「霜月さんって彼女いないでしょう?」
霜月「へ? (・・いきなり何を?) あ、え~と・・ まあ、オレは仮想キャラだから
そもそも彼女なんていらないし、作る事もできないし・・ 苦笑」
M嬢「だって、全然ロマンチックじゃないもん(笑) 夜景が綺麗だね、とか言って一緒に
見ているならいいけど、写真をカシャカシャ撮ってたらねえ・・」
霜月「ぐう・・ そうか・・ まあそうだな。 で、M嬢はカレシがいるのか?」
M嬢「いきなりそんな事を女の子に聞くもんじゃないヨ。 霜月さん、ダメダメ・・」
霜月「(ぐへえ・・ 無茶苦茶手厳しいよ・・ しかし匠のオッサンは、こんな若い子も
いつも連れていって遊んでるんだろうなあ・・ いったい話題が合うのか?
ストライクゾーン広すぎだよ・・ いや、被写界深度深すぎと言うべきか・・笑)」
M嬢「おなかすいたな~」
霜月「(ぐう・・ これは何かゴチソウして欲しいという合図なのか?
いやあ・・デートは大変だ、こんなに神経を使うものだとは思わなかった・・
それに若い子が何を食べるのかわからん・・
フランス料理か? いやいや、そんな所に連れていったらヒカれてしまう・・
いったい何がいいんだ? ううむ・・ どうしよう・・汗)」
M嬢「あっちの方行って見る? なんか探して食べよ・・」
霜月「あ、ああ・・ じゃあ、行こう・・」
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M嬢「アタイはねえ・・ ちょっとがっつり食べたいんだなあ・・」
霜月「あ、じゃあ・・ここのイタリア料理はどうだ? (1500円くらいだし、これなら
オレにもなんとか払える・・ 匠のオッサンの財布も預かってきているから
まあ大丈夫なんだけど、後でなんか請求されそうな気がする・・汗)」
M嬢「う~ん、まあ、ここでもいいよ」
霜月「(わからん・・ これはこれでいいのか? それとも、もっと高い料理を食べたい
ということなのか? あるいはもっとカジュアルな雰囲気? オレには女の子が
何を考えているのか、さっぱりわからんよ・・汗)」
M嬢「それか・・ あっちの方いってみよ・・」
霜月「(ううむ・・・ いやあ、これは難しい・・ どうする・・?)
・・・あ、M嬢、あれはどうだ、ファーストフードのサンドイッチだよ。」
M嬢「SUBWAYね、あ、これいいね。 安いし、ボリューム満点だよ・・ じゃあ入ろう!」
霜月「(ふう・・ よかった・・ カジュアルな感じを期待していたのかなあ?
それか、オレが悩んでいるから、M嬢なりに気遣ってくれたのかなあ?)」
M嬢「じゃあ、アタイ、席とっておくから、霜月さん一緒に注文しておいて、
アタイは、BLTをセサミで、チェダーでオニオン抜き、ポテトとウーロン茶ね・・」
霜月「(え? なに、ビーエルティー? なんだそれ? セサミ? そりゃゴマだろう?
チェダーってチーズか? え、覚え切れないよ~ どうするんだ・・)」
M嬢「あ、やっぱBLT(ベーコン・レタス・トマト)やめてプルコギね・・」
霜月「(プルコギ?? 韓国料理か・・? いや、オレ、もしかして異次元の世界に
突入してしまったのか? いやあ・・ ヤバイ・・ ファーストフードなのに
こんなに緊張するとは、どうするんだ・・・滝汗
匠のオッサンならこういうファーストフードとか得意なんだろうなあ・・
あのオッサンはいつもこんなのばかり食べている・・ はっ!・・というか、こういう
知識も若いオネイサン達と遊ぶことで身につけたのか? ううむ・・恐るべし・・)」
店員「次のお客様、何にいたしましょう?」
霜月「あ、え~・・ セットはありませんか?」
店員「はあ、まあ、こちらのメニューから選んでいただいて・・」
霜月「え~と、じゃあ、プルゴキ・・ じゃなくて、プルコギで・・」
店員「パンはいかがいたしましょう? こちらからおえらび下さい」
霜月「パン? (え? パンはパンでしょうが・・ あ、これか・・ ひえ~ セサミとか
ホワイトとか、何種類もあるよ・・ ああ、どれにしよう? ああ、わからん・・)」
「あ、じゃあ、セサミを2つで・・ さっきのプルコギをもう1つ追加、合計2つで
(もう、全然わからんから、M嬢と同じもんでいいや・・)」
店員「かしこまりました・・ お野菜はいかがしましょう・・」
霜月「野菜・・? へ? 入れてください・・」
店員「お好みとかありますか?」
霜月「(ああ、そういう意味ね・・ だんだん様子がわかってきたぞ・・)
あ、そしたら、1つはタマネギ抜きでね(これはM嬢の分) もう1つは大盛りで(笑)」
店員「かしこまりました、オニオン抜きと大盛りですね・・・(苦笑) 他にご注文は?」
霜月「あ、えっと、チェダーチーズは入れてもらえますか?」
店員「プルコギの場合、それはトッピングになりますので30円増しですが・・」
霜月「(複雑なシステムだなあ・・・ いやあ、まいったまいった・・汗)
それではタマネギ抜きの方にそれ入れて、もう1つはチーズは結構です」
店員「ではお作りいたします、あちらにお進み下さい・・」
霜月「(あちら・・って、あ、会計か・・) えっと、あと、ポテトも! それと
ウーロン茶、それと、オレンジジュースも・・ (アセアセ・・)」
店員「ポテトのサイズはいかがしましょう? お一つでよろしいですか?」
霜月「へ? ああ・・ えっと、1つで、大盛りでね」
店員「Mサイズでよろしいですね(苦笑) ポテトの味付けはいかがしましょう?」
霜月「はあ? ああ、これか・・ 選べるんだな・・ えっと、じゃあチーズ味で」
レジ「こちらで全てでよろしいですね・・ では、お会計、1170円になります」
霜月「ああ・・はい (意外に安いなあ・・ けど、こんなに難しい注文だったら、
世の中のオッサンはもちろんの事、オレのようなオニイサンでも無理だよ・・
いや、これをテキパキと注文できるようになるには、修行が必要だ・・汗)」

M嬢「美味しそうね、いただきま~す。 あ、霜月さん、いくらだった?」
霜月「へ? オレが払うからいいよ・・」
M嬢「そんなわけにいかないよ、今日はお仕事で来ているんだからね」
霜月「(デートの相手に見られてないのかよ?) ああ、それじゃ、500円でいいよ」
M嬢「(財布みる・・ ジャラジャラ・・) ええと、450円しか小銭ないや・・
まけておいてね・・ ゴチソウさま」
霜月「(どうもなんかスマートさに欠けるなあ・・ きっと匠のオッサンだったら
女の子にお金を払わすなんてしないんだろうなあ・・ でも、まあ、いいか・・)
ところで、いつも匠のオッサンとかと、何を話してるんだい?」
M嬢「う~ん、ドラマの話とか、マンガの話とか・・ それからアタイの恋愛相談とか、
あ、匠さんの恋愛相談とかもあるかも・・(笑)」
霜月「(ぐぅ・・ カメラの話じゃないのか? っていうか、あのオッサンが若い子に
恋愛相談?? いやあ、なんという・・・ まいった・・)
・・・オレはカメラの話しかできないから、退屈だろう?」
M嬢「カメラと言えば、アタイ、ニコンのレンズが欲しいのね・・ 何かいいの無い?」
霜月「(よし、得意分野だよ) ニコンか? いくらでもあるぞ・・ 何を撮るんだ、
花か? 風景か?」
M嬢「アタイ、ニコンのカメラ3台持ってるんだけど、レンズが2本しか無いのね・・笑
なので、もう1本欲しいんだ、AFのやつ・・ っていうか、カレシが最近写真を
やりたいって言ってるから、一緒に撮りにいくときに付けるやつが欲しいのね」
霜月「(ぐう・・ なんじゃそりゃあ・・汗 いやあ、何が撮りたいのかわからない
じゃあないか、それじゃアドバイスできないよ。 しかも、カレシがいるのか?
いやあ、そりゃあ残念・・ でも、まあ、しかたない・・)」
M嬢「安いのないかなあ?」
霜月「ぐっ・・ う~ん、オレじゃよくわからないから、こんど匠のオッサンにでも
聞いてみてくれないか・・・」
M嬢「そうね・・ 匠さんに聞いてみるわ・・ あ、匠さん、休んでいるみたいだけど
大丈夫かなあ? ボチボチ起こしに行く?」
霜月「よし、わかった・・ じゃあ、食べたら行こう・・・」
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(食べ終わって外に出る)
M嬢「あ、このランプ綺麗ねえ・・」
霜月「おお、綺麗だなあ・・ じゃあ、ちょっとブラし撮りで・・」 カシャ~

M嬢「う~ん、難しそうな撮影だけど、ちょっとイマイチかなあ・・ 」
霜月「そっか・・ まあ、しかたない、オレの腕ではこんなもんだ・・
ボチボチ匠のオッサンが起きてくるだろう、じゃあ今日はM嬢、ありがとうなあ・・」
M嬢「霜月さん、バイバイ」
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匠「・・・あ~あ、よく寝た。 もうすっかり大丈夫だよ、
どうだ、霜月のニイチャンと遊んでもらえたか?」
M嬢「ううん・・ あんまり面白くなかった・・ (苦笑)」
匠「・・・あはは、霜月はまだまだだなあ・・ で、ニコンのレンズだな、
わかったよ、探しておこう・・・ ジャンク屋って知ってるか? うん、そんな
ところで買ったら安いのが手に入るよ。 それと、そのカメラ、視度補正レンズが
落ちて無くなっているだろう? それもジャンクで探しておくよ」
M嬢「あ、そうなのよ。 こないだ落としてしまって・・ うん、じゃあ、オネガイ・・」
匠「・・・すべてリョーカイ。 じゃあ、もう遅いから帰るぞ・・ 今日は御苦労さん!」
M嬢「アイヨ! じゃあ、一緒に帰ろう!」
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EMA「ふふ~ん、霜月さんと現実の女性M嬢のデートとはね・・
仮想と現実の世界の融合・・ また匠さんも凝った事を考えたわね・・
どこまでが真実でどこからが空想なのかさっぱりわからないわ・・(汗)
でもまあ、霜月さんがモテない男だといのは、これで判明したわね・・・(笑)
ずいぶん年下のM嬢にケチョンケチョンに振り回されているじゃない・・
霜月さんも、もっとスマートに女の子を扱えないとダメだわ。 写真ばっかり
やっているからいけないんじゃないの? どうやらそっちの面でも修行が必要ね。
ふふ・・でもまあいいわ、霜月さんもM嬢にフラれていい勉強になったでしょう・・」
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霜月「あのなあ・・ 匠のオッサンよ・・ オレもちょっとは若い女の子の好む話題とか
勉強したいんだけど、どんなところから手をつけていけばいいんだ?」
匠「・・・そんなの知らんよ・・ エロ師匠・・じゃなかった、江口師匠にでも聞けよ!」
霜月「ぐぅ・・それだけは勘弁してくれ・・オレまでエロオヤジになってしまう・・苦笑」