森田「あの~ 霜月さん、EMAさんはご在席でしょうか?」
(注:仮想キャラクター 森田重雄、63歳 ビギナーカメラマン)
霜月「(でたな~・・汗) あ、森田さん、いらっしゃい・・」
EMA「おひさしぶりですね」
森田「どうもこんにちは、また写真を見ていただきたくて・・」
霜月「わかりました・・ (くそう、また匠のオッサンは居留守だよ・・)」
森田「では、まずこれなんですけどね・・」

霜月、EMA「・・・・」
森田「どうでしょうか?」
霜月「あ、琵琶湖のミシガンですね。 確か以前も匠氏から森田さんの写真ということで、
見せてもらいましたが・・」
森田「え~。これはミシガンではなく、確かもう一隻の観光船だったと思います・・」
霜月「(そんなことはどうでもいい・・) で、この写真は何故撮られたのですか?」
森田「何故? ですか・・?? え~と・・ そう聞かれると、答えるのは難しいですね・・」
EMA「あのね、森田さんね、たとえば、どこに感じてシャッターを切ったとか、そういう事」
森田「ふうむ・・ この写真は、たぶん「ビアンカ」だと言う名前だと思いますが、
それと「ミシガン」が2隻揃って見えたので、思わずシャッターを押したんです」
霜月「はあ・・ それは、つまり、珍しかったからでしょうか?」
森田「はい、シャッターチャンスでしたから・・」
霜月「あのね、森田さんね、シャッターチャンスというのは確かにそうかもしれないけど、
でも、この状況はよくあるんじゃないでしょうか?
それに、写真って別に、個人がそんなに世の中のシャッターチャンスを必死になって
探すものでも無いと思いますが・・
たとえばそうした記録写真を狙ってたら、いつかは交差点で接触事故が起きる瞬間とか
そんなを待つとか、そんな事になっちゃいませんか・・?」
森田「はあ・・・ いえ、まあ、プロの方だったらそうでしょうけど・・」
霜月「いや、別にプロの報道カメラマンだって、別に交差点で一日事故が起こるのを待って
いるわけではありませんよ。 そんな事をしていたら商売あがったりだし、第一、
そんな事故の瞬間を待つよりも、事故が起こらないようにする事がもっと大事だろうし」
森田「まあそうですね・・ じゃあ、この写真はボツで・・」
EMA「森田さん、気になさることないですよ・・ あのね、写真はね、別に珍しい瞬間とかを
撮らなくてもいいんですよ、たとえばスナップ写真なんかでも、画面に入っている人物
とかその他の被写体が、たまたまうまく関係して、なんらかの意味とか表現を持っている
ように見える瞬間とか、そんなのをシャッターチャンスと言うんです」
森田「なるほど。 じゃあ、こんなのはどうですか?」

霜月「・・・・(ぐぅ・・) このトンボが何か?」
森田「いやあ、目の前をトンボが飛んでたんで、必死にシャッターを切ったんです
そうしたら、この1枚だけ、たまたま上手いこと撮れていた次第でして・・」
霜月「・・・え~と・・ その~・・・ それでしたら、せめてもうすこしピントが合っているとか、
すくなくとも、もっと大きく撮れたとか・・(苦笑)」
森田「そうですよね・・うん、すみません、これはピンボケでした・・お恥ずかしい・・」
EMA「・・いや、そんなにピンボケじゃないですよ、よく撮れましたね・・」
森田「EMAさんは、お優しいですねえ・・ いやあ、確かにこれはもっとちゃんと撮れて
ないとダメでしょうね・・ でもね、わたくしは、まず下手でも写真を皆さんに見て
もらって、どこがどう悪いのか評価してもらいたいのですよ・・だから、悪いところは
遠慮なくおっしゃってくださいね」
EMA「それなら、まあ、いい方法があるわよ。 今から皆で実際に外に写しに行って、
森田さんがどんな被写体をどんな風に撮るか、直接その場でワタシ達の撮り方と
比較してみるの、それならどう?」
霜月「(ぐっ・・EMAめ、この暑いのに外に撮りに行こうだと~? 汗)」
森田「はい、それは是非それでお願いいたします」
EMA「了解、じゃあ、行きましょう。 ほら、霜月さんも行くわよ!」
霜月「チッ、めんどくせ~な~ しゃあない、行くか・・」
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(こうして一行は外に撮影に行く、しかし、霜月は意外にも乗り気・・
やはり根っからの写真好きなのか・・?)
霜月「うん、公園の池に着いたぞ。 じゃあ森田さん、ここで森田さんならどう撮りますか?」
森田「え~と、そこの高い場所から、できるだけ全体が入るように」 カシャ。

霜月「ふうむ・・ 高い場所から撮った理由は何故ですか?」
森田「理由ですか? え~、全体を写真に収めるには高い所からでないと無理だと思って」
霜月「まあ、そういう考えもありますが、写真というのは別に被写体の全部を入れる必要は
無いんですよ。 一部を見て他の見えない部分を想像するとういうのもありなんです」
森田「それは、記念写真なんかで「全身を入れて下さい」と言われる場合にも、そうなので
しょうか?」
霜月「ぐっ・・ それはまあ、ちょっと微妙に意味が違うようにも思うけど・・
まあいいや、たとえばその公園の池ですけどね、オレならこう撮るな・・」カシャ。

森田「ほう~ やっぱり霜月さんはお上手ですね、確かに一部しか写ってなくても
公園の池であることはわかります」
EMA「へ~・・ 霜月さん、じゃあ、この写真は、何を表現したかったの?」
霜月「ぐぅ・・ EMAの言いたいことはわかるけど、今は、オレは森田氏に写真の基本的な
部分を教えている最中なんだ、だから、ちょっとその作画意図の件は今はパス・・(汗)」
EMA「なるほど、その写真は森田さんに向けての写真なわけね・・
(なるほどね、確かにビギナーのシニアの方にいきなりアート的な写真を見せても
びっくりしてしまうだけでしょうね・・ ならば、ふむふむ、この辺がちょうど
いいところなのかな? 霜月さん、意外にやるわね・・)」
霜月「ともかく・・・ 池だって、ボートだって全体を入れる必要は無いです、
こういう風に切り取れば、ボートが沢山並んで待っているように想像できるし、
遠くにボートも小さく入っているから、ここで皆が楽しくボート遊びをしている
ようにも思えてくるわけですね・・」
森田「よくわかりました。 で、これは絞りはどれくらいで撮ったのですか?」
霜月「えっと・・(汗)その件ですね。 具体的な数字は必要ないです、というかあえて説明
しません。 何故ならば、この場合は、奥行きまでくっきり写すパンフォーカス
するのが良いわけなのですが、初級者に絞りの数字を16にしなさいとか22にしなさい
とか教えると、暗い状況でもその数字を盲信して撮って、手ブレをおこしたりするので」
森田「絞りは16ですか(・・メモする・・) では、露出補正はどうするのでしょう?」
霜月「(ムッ・・怒) あのねえ、オレの言いたいことはな・・」
EMA「(ツンツン・・)」 (いつものように、霜月がキレそうになると抑える役目・・汗)
EMA「森田さんね、今は露出補正はあまり気にしなくていいわ。 そんなことより、森田さんは
今は、被写体を探す目が必要だと思うのね・・ じゃあ、ちょっとこのへんで何か目に
ついたものを探してくれます・・・?」
森田「目につくものですか・・? え~、え~ あ、この小さい銅像が面白いですね」
EMA「では、ちょっと撮ってみていだけます?」
森田「え~と、絞りを16にするのでしたね・・ で、露出補正はいらないと・・」カシャ。

霜月「あのねえ・・ 別に、なんでもかんでも絞りを16にして撮れば良いわけじゃないん
だけど・・ う~ん、でも、今はそれ言っても意味がわからないか・・ 苦笑」
EMA「ふ~ん。 じゃあ、ワタシが同じ被写体を撮ってみるね」 カシャ

霜月「(ぶほっ・・・ なんでこんなに傾いているんだ・・汗 しかし、まてよ、
この傾きはなかなかいい感じじゃないか・・なんか人形が力強く見えるし、
背景の塔や人物との組み合わせもいいな・・)」
森田「ほう、躍動感がありますねえ・・ これは素晴らしい構図です」
EMA「へへ・・ いいでしょう? でもね、実はこれはノーファインダーで撮ったんだ」
霜月「(なんだ・・ ノーファインダーだったのか・・ そんならただの偶然か・・
別に計算してこういう構図にしたわけではないんだな・・ あせったぜ・・
はっ、しかし計算したり考えたりしても、こういう構図は思いつかないぞ!
ふうむ、なるほど、ノーファインダーの魅力はこういうところにもあるのか・・)」
森田「EMAさんは、以前、京都の下鴨神社でも構えずに撮ってましたね、なるほど、
そういう撮り方でもいいのですね、今度わたくしもやってみてもいいですかね・・?」
霜月「森田さんには、まだちょっと早いかもしれませんね・・(汗)
というか、ノーファインダーで、色々な写真が撮れると思うんですよ、
傾いているやつ、被写体がはみ出したり、余計なものが写ってたり、
露出が合ってないやつ、ピントがボケているやつ・・
でもね、それはそれでいいのです、問題は、その中から、これが写真的だ、というのを
選ぶ力、それが必要なのですね。 だから自分が思う「良い写真」という考えが
まだ固まってない状態では、ノーファインダーで撮っても、結局選べずに
「どれが良いでしょう?」と、失敗写真を沢山持ってくるハメになる・・・」
森田「はあ・・・ なるほど、写真を選ぶにも、また技術が必要というわけですか・・」
EMA「・・まあ、あまり難しく考えずにね・・ 自分の好きな写真を選べば良いんですよ・・」
森田「わかりました・・ で、今からは何を撮ったら良いのでしょう?」
霜月「う~ん(汗) あえて、何を撮れば良いとかは言いませんよ、だって、自分で被写体を
探し出すことがまず写真の第一歩なんですから・・ シニアの写真教室みたいなところ
では、皆がよってたかって同じ花を三脚を立てて同じ絞りや露出補正で撮っている
ケースがよくありますが、そんなやり方では写真は撮れませんしね」
森田「何故なんですか? わたくしが以前ちょっと見学した所では、実際にそうやって
ましたが・・」
霜月「考え方が古いんですよ、キレイな花をキレイにとりましょう、はい、お手本はこれです
みたいなやり方では、写真というよりむしろカメラの使い方みたいなものになります、
少なくとも写真と言うからには、被写体を探すところから始まると思ってみてください」
森田「ふうむ、なるほど、難しいものですなあ・・・わたくしなんぞ、その被写体を探すという
のがいちばん良くわからないです、いつも花とかそんなのばかり見つけて、それを
どうやって綺麗に撮るかを考えてますので、それ以上のことまでは、なかなか・・」
EMA「あのね、霜月さんだって、ついこないだ迄は、森田さんと同じように、キレイとは
言わないまでも、珍しいものばっかり必死に見つけて撮ってたのよ・・
フフフ・・ 今はそうでもないけどね・・ だから森田さんも心配しないでだいじょうぶ、
色々被写体が目につくようになってくるわよ・・ じゃあ、そんな感じでね・・」
霜月「なに~? EMA、それホメているのか、けなしているのか、どっちだ?」
森田「わかりました・・ え~・・ あ、ちょうど飛行機が飛んできましたね」 カシャ。

霜月「あ~、森田さんよ、これはあまりにカッチリ撮りすぎかな、いちおう良く撮れてる
けどね・・ もうすこし、一工夫欲しいかなあ・・」
森田「申し訳ない、今日はズームを持ってこなかったので、これくらいの大きさにしか
撮れませんですな・・」
霜月「えっと・・(汗) いちおう今日森田さんが持ってきているのもズームレンズですよ、
それは標準ズームと言って、銀塩で言うところの、28mmから80mmくらいまでの
画角をカバーしています。 きっとズームと言われるのは、望遠ズームのことでしょう、
それは、ズームというよりも、むしろ望遠と言った方がいいかな・・・
で、オレ・・ 私が今日持ってきているのは、もうすこし、100mm強まである
コンパクトですが、飛行機を被写体にするなら、大きさというよりむしろタイミング
とか、背景とか、角度とか、色々気にするべき点はあるかも・・ ほら来た」カシャ。

森田「ほう! なるほど、雲と青空の切れ目で撮ったわけですね、おまけに、縦に見える
細い雲と、飛行機の角度も同じようになっているし、斜めになっているから、
なんだか旋回しているようにも見える、なかなか格好良いですなあ・・」
EMA「そう、森田さん、それで正解なの・・ というか、霜月さんは、実際にそう考えて
撮ってないかもしれないけど(苦笑) でも、それはどうでもいいの。 森田さんが
写真を見てどう感じるかが重要なのね、森田さんは、今、初めて、写真を見て何かの
感想を言えたのね、そうやって自分で写真を見て色々考えることができるようになると
今度は、写真を撮る前に、被写体を見て色々考えることができるようになるの。
その気持ちが大事で、そうやって、被写体を探したり、その被写体をどう撮るべきか
っていう事を、人にいちいち聞かなくてもわかるようになってくるの・・」
森田「わかりました、写真を見て感じる事があれば、自分でも何かを感じて写真を
撮ることができるのですね・・ よくわかりました、また精進してみます・・」
霜月「(ぐう・・ なんかヤバいぞ・・汗 オレが作画意図や作画表現がいつまでも
できずに悩んでいるうちに、ビギナーの森田氏が追いつき、追い越されてしまう
かもしれない・・ オレも、もう少し練習しないといけない・・ がんばろうっと)」
EMA「はい、森田さん、霜月さん、じゃあ今日はここまでね、またがんばってね・・」
霜月「(げっ! やはり森田氏と同列に見られている。 おまけにEMAが仕切っているし、
このシリーズ、これから、いったいどうなっていくんだ・・ 汗)」
森田「ところで霜月さん、先ほど公園の池や飛行機を撮られたカメラ、あれなんですか?
いやあ、私も、ぼちぼちカメラを買い換えようと思ってましてね・・」
霜月「ぐっ・・(汗) なんのへんてつも無い、コンパクトカメラです、
というか、森田さん・・ 機材の方に走るのは危険ですよ・・ 泥沼ですよ・・」
森田「はあ、そうですか、なんでもM42レンズとやらが良いとか聞いてますが・・」
霜月「(ぐげっ・・ 匠のオッサンめ~ 何もしらない森田氏までレンズ沼に引き込む気かよ~
もういいかげんにせい! いいか? もうレンズの記事なんか一切書くなよ、オレが
文句言ってやる・・ まったく、ブツブツ・・)」
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匠「・・・あ~あ、良く寝た・・ ん? 霜月、何か言ったか?」
霜月「今ごろ出てきたか・・ もういいよ、今日の記事はすでに終っている・・ 苦笑」