「匠さん、いったい何を撮っているんですか?」

・・・あ、えっと。 この花をノーファインダーで・・・
「ノーファインダーって?」
・・・カメラを覗かないで撮ることだよ。
この場合は、とても低い位置から撮りたかったので、カメラのファインダーを覗くのは
体勢的に無理なんだ。 だから、だいたいこのあたりが写るかな?とあたりをつけて
撮っているんだ。
「そんなので写るんですか?」
・・・一眼とコンパクトでは多少設定が違うけど、コンパクトの方が楽だよ。
だいたいこんな感じ。 カシャ。

「えええ? ちゃんと写ってる。 しかも綺麗に撮れているし・・」
・・・あはは。多少は偶然の要素もあるんだけど、それでもどれくらいの範囲が写るとかは
ちゃんと考えて撮っている。 単に構えるのが不可能な位置で撮る時の話であって、
ファインダーが見えているのに、わざわざノーファインダーで撮る必要は無いよ。
「私の(銀塩)一眼でもできますか?」
・・・ああ、やってみようか。
そうだなあ・・ 手始めなので確実に写るような設定でね。 フィルムはISO400?
じゃあ、絞りを8か11くらいに設定して。 ズームをいちばん広角・・うん28mmか・・に
回して。 モードをMFに切り替えて、最短撮影距離は・・うん、38cmか・・ までピント
リングを回して・・
これで、40cmくらいを目測にして、ファインダーを見ないで撮ってごらん?
もっともこの高さだと、見たくてもファインダーは見れないけど・・
「はい、撮ってみます」 カシャ・・ もう一枚・・ カシャ。
・・・さ、撮れているかどうかおなぐさみ・・
「私、すっごい楽しみです。 早く現像あがらないかなあ?」
・・・デジタルだとその場で見えるけど、ある意味楽しみは少ないよね・・
「あとはどんな感じですか?」
・・・そうだね? こういう鍵とかも、下から撮ったりすると面白いよ。 カシャ・・

(・・ありゃ、これは、ちょっとEMAさん風の撮り方になってしまったか・・苦笑)
「へえ、要は自由自在な角度から撮れるということですね・・・なるほど・・」
・・・感心しているところ、撮っちゃおう。 カシャ。

「うわ? いきなり撮りましたね~ で、これもノーファインダー?」
・・・いや、いちおう今は一眼で撮ったので、ファインダー見たけど、でも、撮る前に
絞りや露出補正の設定は全部してあるんだ。 あとは、AFでピントを合わせて瞬時に
撮るだけ。 ノーファインダー撮影並みの速さだけど、どちらかといえば速写スナップ撮影
みたいなものだよね。
「なるほど、写真はシャッターチャンスを狙うみたいなところもありますね」
・・・そうそう、だから、ノーファインダー撮影を自由なアングルという他に、そういう
速写的な目的に利用してもいいんだ。
「よくわかりました、なるほど、なるほど」
・・・わかったかな~ カシャカシャカシャ・・・
「きゃ~連写だ~ きゃ~」
・・・あはは。連写をしたらいい表情のショットも出る確率が増えるんだ。
今は撮られ慣れてないかもしれないけど、500枚くらい撮ったら慣れるよ・・カシャカシャ・・
「きゃ~ 500枚~?? アハハ・・」・・・
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・・・今日の撮影は面白かったね、じゃあ、電車乗って帰るとするか・・
おっと、鉄橋だ、じゃあ、カメラを背中に向けて カシャ・・

「え? 背面ノーファイダーですか?」
・・・あはは、前向けて撮ったら前に座っている人とか電車の中が写ってしまう。
アヤシイやつだと思われたくもないし・・ だから肩越しに後ろ向けに撮った・・
「へえ。 すごい技ですねえ」
(・・・まあ、偶然撮れてたのでよかった・・(笑) というか後ろ向けて撮ってるほうが
よほど怪しいヤツだよね・・ で、くれぐれも盗撮などの技に使わないように・・・)