「大阪らしい被写体って・・? 通天閣とか大阪城とか?」
・・・いや、それはちょっと違うかも。
「ならばなんや?」
・・・なんや、って、それ、すでに大阪弁・・(笑)
まあ、大阪らしい被写体と言うと、どうしても有名な観光地を想像してしまうのだが、
実は「関西の楽しみシリーズ」でも何度か言っているように、どうも、大阪らしい
観光地(名所)ってのはあまり無いようにも思える・・(汗)
なので、大阪のイメージというと、そうした観光地より、「雰囲気」があげられるのでは
ないだろうか? 私はもう長年大阪に住んでいるのでちょっとその辺の感覚は麻痺して
しまっているようにも思えるが、たとえば大阪の外に住む人が持つ大阪のイメージは
良い方では、
「人情味がある」「物価が安い」「食べ物が美味しい」「(人が)面白い」などであり、
悪い方では、
「(人の話し方とかが)怖い」「(交通や公共の場での)マナーが悪い」「ケチ」
「うるさい(良くしゃべる)」などではなかろうか?
じゃあ、それらをどうやって写真に表すか? というと、たとえば、「物価が安い」
からと言って、食べ物屋のメニューを撮ったりしても直接すぎる。
それでは、もう写真表現ではなくて、一種の証拠写真だからである。
もう少し突き詰めてみよう。 たとえば、大阪の文化、そんなものはどうなのか?
「古きよき時代の文化が残っている」「人と人との関係を大事にする」
さらに言えば「大阪の庶民文化に誇りを持っている」などがあげられる。
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さて、では作例である、5枚組(4点+1点)。すべてコンパクトのデジカメ。

↑①

↑②

↑③

↑④
文化というテーマでは、より絞り込んだ表現をすることも可能であるが、
今回は、普段はあまり撮らないような被写体目線を中心に絞り込んでみた。
作画意図も極めて薄く持たせることにした。
文化というのを前面に打ち出しすぎると、あまりにもベタな(あたりまえな)表現に
なりそうだったので、それを押し付けない形の作例である。
実は正確に言えば、大阪もキタ、すなわち梅田あたりはかなりモダンなイメージを持ち、
ミナミすなわち難波あたりは、もっと庶民文化を強調したイメージを持っている。
今回はすべて、ミナミにおける撮影、アクが強く泥臭く庶民的なイメージである。

↑⑤
⑤だけは少し表現を変えてみた、この写真だけ異質な印象を受けるが、これはナンバの
道頓堀川の新名所での写真であり、その場所を知っている人であれば、新たにオープン
した非常に商業色の濃い店舗と、古くからある川や水上遊覧船との対比が面白く感じる
ことであろう。それらを強く打ち出したくないから、無機質なワイヤーを主役にし、
そのワイヤーもここに新たに作られた遊歩道をごく僅かに連想させる。
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今回はちょっと難しいテーマだったかもしれない、形の無いものを表現するには無数の
捉え方が存在する、そうした中でさらに個性を打ち出そうとすると、それこそ普通の
被写体を普通に撮るだけではほとんどお手上げ・・(汗)
でもまあ、写真というのは基本的に、撮る人には撮る人の解釈があって、それなりの
作画意図があって、見る人にも見る人の勝手(自由)な解釈があって当然なのである。
作画意図や作画表現というのは、クイズではないのだから、
「はい、私は何を言いたいのでしょう?」「△△ですか?」「はい、ピンポーン、正解」
などというやりとりをする必要は全然無い。
もっと、ソフトで間接的なコミュニケーションを求めるために、ゆるやかな自己表現と
ゆるやかな見る人の解釈とのやりとりを楽しめば良いのである。
つまり、あまり難しく考えることはない、ということであるが。
それでも、考えなしにただ、そこにある被写体を撮るだけでは面白くない、
何かを感じて撮り、何かを思ってその写真を見せ、見る人が何かを感じてくれればいいので
ある。 それらは全部がきっちりイコールである必要は毛頭ない・・