観光地で数十年前からカメラをやっているようなオジサンが、銀塩コンパクトを構えて
少し離れたところから家族を写そうとして言う。
「ありゃ~、こりゃ逆光だな~、綺麗に撮れないよ」
・・・うん。 オジサンは正しい(笑)
家族の顔がはっきり写っているような写真を撮る時、コンパクトで、5m以上の撮影距離で、
逆光だったらかなり難しいだろう。
では、どうする?
逆光の撮り方は、被写体や作画意図によって様々である、
普通は、露出補正をプラスにするのが基本であるが、そればかりでは無い、
概ね、以下のような撮り方があると思って良い。
◇そのまま撮る:逆光で人物などの被写体をシルエット気味に写す
◇マイナス補正:思い切ってマイナスの露出補正をして逆光であることを強調する撮り方。
◇プラス補正 :人物などを撮る時、思い切りプラスに補正して、
逆光のやわらかい光を活かして撮る。
◇日中シンクロ:フラッシュを焚いて撮る。
このうち、日中シンクロは、何度かフラッシュの記事等で紹介しているが、
また別途1つの記事としてまとめてみようと思っている。
なので、今回は、フラッシュを使わず、露出補正のみで逆光に対処する方法を述べる。
まずは、そのまま、または僅かにマイナス補正を施して撮る方法から、

↑①露出補正 -0.3 GR Digital
親子と思われる二人が渡し船に乗っている。
逆光で水面がキラキラ輝いているので、この光を強調するために
僅かにマイナス補正をする。
人物はほぼ真っ黒(シルエット)になるが、表情を「想像する」余地があるので、
作画意図としてはこれで良い。
なお、この作例では水平線が傾いているが、もし、船の天井の部分も同じ向きに傾いて
いる場合は、レタッチソフトなどで水平を補正すると良いが、
この場合は、水平線と天井は逆向きに傾いているので、このままの方が、
「船が揺れている」イメージが十分に出るので、あえて水平補正をしないでも良い。
何故天井がこういう角度になるかと言うと、被写体に正対せずに斜めの角度から
撮っているので遠近感が出ているからである。
ちなみに、右側の柱がほぼ垂直に立っているから、これで安定感は出ている、もし右側の
柱までもが水平で無いとすると、たとえ「船の揺れ」の作画意図があっても安定感に欠ける。
念のため、海の水平を補正して少しトリミングした例をあげてみよう。

こちらの方は、少し船の臨場感に欠ける気がしないであろうか?
・・・さて、寄り道はさておき(汗)、今度もまた逆光の露出補正である、
次は、強い逆光で、葉っぱが「透過光」になっている状態である。

↑②露出補正 -0.7 OM Zuiko 90mm/f2Macro
こちらもマイナス補正で、葉っぱにあたる(透過する)光のイメージを強めている。
このように、逆光状態でも常にプラス補正するばかりではなくて、そのまま、あるいは
マイナス補正をかけて撮ってみても、それぞれの作画意図になる場合があるので
試してみると良いだろう。
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さて、次は、オーソドックスにプラス補正をする撮り方、こちらは、特に
人物写真(ポートレート)の時などに有効である。

↑③露出補正 +1.0 α用 AF50mm/f2.8Macro
逆光で、女性の帽子のひさしの中には柔らかい光が回っている。
なので、プラス補正するだけで、柔らかいイメージのポートレートが撮れる。
背景は白とびしている部分もあるが、関係ない(笑)
柔らかさを強調するため、ごく軽いソフト処理をレタッチで加えている。
ちなみに、このレンズもいわゆるスーパーレンズであり、シャープさとボケ味を
両立している、名マクロであるが、被写体によってはシャープすぎる場合がある。
贅沢な使い方だが、ポートレートなどではカメラあるいはレタッチでシャープネスを
落してあげるのも良いであろう。
次はさらにプラス補正をキツくかけた例。
↑④露出補正 +1.7 OM Zuiko 50mm/f1.4
元の背景は実は道路であるが、なんだかわからないくらいにプラス補正を強く
かけている、当然真っ白になるが、気にしない(笑)
この時、フラッシュを使って「日中シンクロ」すれば、背景との輝度差が減り、
背景も、ある程度白とびせずに残すことができるが、この場合は味気ない背景なので、
むしろ飛ばしてしまった方が良いであろう。
こちらもわずかにソフト効果をレタッチで追加してできあがり。
ハイキー表現(露出補正を大きくプラスにして、全体を白っぽくする撮り方)
とソフト効果レタッチは、相性が良いので、必須の組み合わせと言っても良い。
ちなみに、レタッチではなく、撮影時にソフト効果を出せる「ソフトレンズ」も存在するので
(例:CANON EF135/2.8Soft, MINOLTA AF100/2.8Soft, KYOHARA
VK-50R,VK-70R,KENKO 45/4.5Soft,85/2.5Soft ,NIKONおもしろレンズ工房 etc.)
そういうレンズを使う場合には、露出補正をプラスにしてハイキー表現をする
のも良いであろう。
【補記】露出補正について質問が多かったので、過去関連記事の紹介を・・
古い記事はまだまだ完成度が高くないものもあるかもしれないし、繰り返し述べている
のでクドイような部分もあるけど、まあ、気にしないで読んでやってくださいな。
私自身も色々勉強しているわけでして・・
◆中級編:
「剣豪の里」~露出補正のポイント
◆中級編:
露出補正の実践
◆中級編:
露出補正について
◆初級編:
適正露出と作画意図による露出補正について
◆初級編:
露出補正と白飛びについて
◆中級編:
スポット測光とハイキー調について
◆初級編:
「奈良町を歩く」~露出モードについて
<フレア・ゴースト・逆光などの関連記事>
★上級編:
「堺の休日」(後編)~そして裏話
★中級編:
秋の遠足~コスモス畑