本シリーズ記事は、所有している古いデジタルカメラ
(オールドデジタル機)を、時代とカテゴリーで分類
し、順次紹介していく記事群である。
本記事での紹介機は、2013年~2017年の期間に
発売された「デジタル一眼レフ」を5台とする。
装着レンズは、比較的近代のもの(2010年代製)
を選択しよう。
この時代ではデジタル一眼レフの販売台数が減少し、
結果的にカメラは「高付加価値化」している。
この状況をわかりやすく言えば、「カメラがそう沢山
は売れない時代だから、消費者が欲しがるような凄い
機能を色々とつけて、その分、値上げをする。
販売数が少なくても、1台あたりの儲けが大きければ
なんとかやっていける」という理屈である。
この状態は、消費者から見て、正直言って、あまり
歓迎できるものでは無い、カメラが極めて高価に
なってしまったからだ・・・
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では、今回最初のオールド(デジタル)一眼レフ。

カメラは、NIKON D5300 (APS-C機)
(2013年発売、発売時実勢価格約9万円)
(中古購入価格 26,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第25回
レンズは、NIKON AF-S NIKKOR 105mm/f1.4E ED
(2016年発売)を使用する。
冒頭に記載したように、この時代に新発売された
デジタル一眼レフは、皆、高価だ。(高価すぎる)
この重大な問題に消費者側として対応する為、
私がとった施策としては、「常に上級機ばかり
を使わず、適宜、下位機種を併用する」という
方法論である。(ちなみに、下位機種の中古相場
の下落は速いので、安価に入手する事が出来た)

私は、この方法論を「ハイローミックス(High-Low
Mix)」と呼んでいる。
この言葉は、元々は軍事用語である。
米ソ冷戦時代、最新鋭の戦闘機が色々と開発されたが、
当然、高価であり、全て、その高額な戦闘機で揃えて
いくと、軍事予算が掛りすぎてしまう。
そこで、ローコストの戦闘機を同時に配備する事で、
物量が揃い、トータルの兵器運用にあまり影響を与えず
に予算を削減できる、という発想(構想)である。
実例として、米軍では1970年代でのF-15(高価)
とF-16(安価)のハイローミックスや、近代での
F-22(高価)とF-35(安価)の組み合わせがある。
この発想にヒントを得て、例えばNIKONのデジタル
一眼レフにおいては、D500(高価)やDf(高価)と、
D5300(安価)のペアを揃え、運用形態において、
つまり、撮影目的や被写体状況、使用レンズ等に
よりけりで必要な方の機体を持ち出す事としている。
本記事においては、もう1組、CANONのAPS-C型
一眼レフにおいても、同様にハイローミックスを
行っており、それは後述する。
さらにはPENTAX機やSONY機においても同様であり、
すなわち私は、近年においては大多数のマウントで
この「ハイローミックス構想」に基づき、カメラを
運用している状況だ。
まあでも、この用法は、銀塩時代の昔から「メイン機
とサブ機」といった同様な概念により、上級層や
職業写真家層においては、常識とも言える使用機材の
組み合わせであったので、別に目新しいものでは無い。
ただ、銀塩時代では、その用法はマスト(必須)
では無く、メイン機とサブ機が、異なるメーカー
(マウント)であったり、サブ機が一眼レフでは無く
レンジ機やコンパクト機の場合もあったと思う。
なので、同一マウントでのデジタル機(一眼レフ
のみならず、ミラーレス機の場合でも)で、明確に
実用的・運用的観点からの「ハイローミックス」を
意識し始めたのは、私の場合でも、この時代
(2010年代後半)からだ。まあつまり、上級機の
価格が高価になりすぎているから、それらメイン機
ばかりを揃えるのはコスパが悪くなりすぎるからだ。
もう2点理由はあり、1つは、下位機種といっても
そう性能が低く無い機体が、2010年代からは色々と
存在している事がある。(本機D5300も同様だ)
もう1つは、高価すぎる上級機での減価償却ルール
(=持論の「1枚3円の法則」、購入価格を撮影枚数で
割って3円に到達すれば、その機体は「元を取った」
とみなす事としている)が、守れなくなってきている
事がある。
従前の時代であれば、3万円程度で中古購入した
デジタル一眼レフで1万枚を撮る事は、容易では
あったが、近年の、例えば15万円で購入した機体は
5万枚を撮らないと元を取ったと見なせない。けど
それは大変な事であり、場合により何年もかかって
しまう。減価償却ルールを遵守するならば、その間
は他のカメラを買ってはならない。なんとかして
使い潰さないとならない訳だ。けど、その方法論、
つまり、いつも同じカメラばかりを使う運用法は
個人的には好まない。
「カメラとレンズを組み合わせる事で、各々の
弱点が消えて効率的なシステムを構築できる」
という可能性があるからだ(=弱点相殺型システム)

具体例としては、今回使用のレンズAF-S 105/1.4は
約1kgの重量級レンズだ、これを高性能な重量級の
機体に装着すると、トータルの重量が重くなりすぎて
ハンドリング性能に重大な課題が出る。
だから、重量級レンズ+軽量級カメラの組み合わせで
トータル重量の軽減を図っている。
なお、こうした組み合わせは銀塩時代のMFレンズ等
では、重心バランスが崩れてMF操作性(ピント、絞り)
が悪化する為、推奨される事は無かった。
だが、一眼レフのAF化以降で、単焦点レンズを使う
ならば、左手はシステム(カメラ+レンズ)の重心部
を支えているだけで、何の操作もしない。ピントは
AFだし、絞り値はカメラボディからの右手操作だ。
よって、重量級(単焦点)レンズ+軽量級ボディは
左手で重心をホールドできるならば、何もアンバランス
になる事は無く、快適に使用する事が出来る。
まあつまり「重量級レンズには重量級ボディをあてがえ」
というのは、一眼レフのAF化以前、1980年代迄の常識
であった訳だ。この古い「言い伝え」を守っていても、
現代においては何の効能も無いどころか、その当時の
重量級レンズは、せいぜい1kg程度であったのが、
現代では2kgや3kgという超重量級レンズすら一般的
であるから、重くなった現代レンズを、現代の重量級
ボディなどに装着したら、もう、手持ちでの長時間の
撮影は、困難または不可能だ。
まあ、銀塩時代では、三脚を使う人は多かったし
(現代では絶滅危惧種だ)撮影枚数も1日あたりで
100枚程度が良いところだ。(短時間撮影でもあった)
ちなみに、デジタル時代の現代では、私の場合で
趣味撮影で1日最大2000枚程度、業務撮影で1日最大
6000枚程度となる、当然、長時間かつ大量の手持ち
撮影に耐えられるシステムで無くてはならない。
「銀塩時代の常識は、デジタル時代での非常識」と
良く曖昧に言われているが、こうした事も、具体的な
差異の例となる。まるっきり環境や状況が異なる訳だ。

さて、色々と余談が長くなった。
本機NIKON D5300であるが、サブ機、あるいは
ハイローミックス運用を行う上では適正な機体である。
勿論、AF性能、ドライブ性能、MF性能等には劣るが、
画素数は十分、ローパスレスで、画像処理エンジンも
当時の最新型、エフェクトも装備している。
まあつまり、中央測距点でAFでピントが合っていれば
出てくる画像は、上級・高級機にもひけを取らない
どころか、むしろ上回る場合もある。
だから実用撮影において、撮った写真をなんらかの
用途(納品、展示、公開、印刷利用等)とするならば、
本機D5300でも十分だ。(=業務用途にも使用可能)
だが、基本性能の低さは、使っていて不満も多く、
エンジョイ度や快適性を損なう場合も多々ある。
したがって、本機D5300をメイン機(主力機)として
これ1台で趣味撮影から業務用途までをこなすのは
不可能である。だいたい、本機では、オールドレンズ
(Ai NIKKOR等)は「仕様的差別化」により使用不可
であるし、極端に性能を落とされたファインダー&
スクリーンでは、MF合焦も不可能に近い重欠点を持つ。
勿論、フルサイズ機でも無いので、そこも認識する
必要はある。
しかし、そんな事(弱点)は、わかった上で、本機を
ハイローミックス運用するならば、何ら問題は無い。
要は、複合システムとしての「使い方」に依存する訳だ。
個々のカメラ単体でのカタログ・スペック上の良し悪し
を語っているだけでは、ビギナーレベルから、なかなか
脱却する事はできないであろう。中級層以上においては
所有機材全般における、「運用」を考えないとならない、
という訳だ。
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さて、2台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

カメラは、CANON EOS 7D MarkⅡ (APS-C機)
(2014年発売、発売時実勢価格約21万円)
(中古購入価格 94,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第19回
レンズは、SIGMA 135mm/f1.8 DG HSM | ART
(2017年発売)を使用する。
こうしたカメラは、一般的には「ミドルクラス」と
呼ばれる事が多いが、それは曖昧な表現だと思う。
カメラのクラス(ランク)は、メーカーにより、
および時代(正確には市場の状況)に依存して
どのようにカテゴライズ(=カテゴリー区分)
されるかが決まる。

2010年代前半での、CANONのデジタル一眼レフに
おいては、以下のカテゴリー分けと定義している。
旗艦機:EOS-1D系
高級機:EOS 5D系
上級機:EOS 7D系、EOS 6D系
中級機:EOS フタケタD系(EOS 70D等)
初級機:EOS 四ケタD系(EOS 8000D等)
普及機:EOS Kiss(X)系
という分類だ。これはメーカー側がそう言って
いる訳では無いので、本ブログ独自の区分だ。
(まあ、2010年代末では、早くもこの区分は崩れて
しまっていた。まあつまり、ある時代固有のもので
あり、メーカー側でも、そういう一時的な市場戦略に
一々、個々にクラス区分等は行わないのであろう)
なお、ここで高級機と上級機の区分は曖昧であるが、
私の定義では、高級機は高付加価値型で価格が高い、
(逆に言えばコスパが悪い)製品群と見なしている。
・・で、趣味撮影、および一部で重要な実務撮影
(業務撮影、依頼撮影、イベントや冠婚葬祭等で
撮りこぼしが許されない撮影等)に用いる場合は、
基本的には上級機、または稀に高級機までの使用が
「適正上限」である、という持論を持っている。
すなわち、職業写真家層を除く一般層での、上記
機体条件での写真撮影用途の大半においては・・
*旗艦機は、重厚長大で冗長な為、業務専用機。
*高級機は、ラフに扱うのには価格面で厳しい。
*上級機は、価格と性能のバランスが適正。
*中級機も、まずまず、これも適正であろう。
*初級機は、やや性能不足だが、前述した「ハイロー
ミックス」で並列運用するならばOK。
*普及機は、実用的撮影には向かない。
しかしながら、上記の細分化されたメーカー側の
ラインナップが成立していたのは、2010年代前半
での、CANONとNIKONのみである。この時代は、
スマホやミラーレス機の台頭により、一眼レフの
市場が大きく縮退していたから、逆に、魅力的な
ラインナップを構成し、消費者層にアピールする
必要があったし、さらにこれはテストマーケティング
であった可能性も高い。つまり、この中から売れ筋を
探って、不人気または不採算なランク(カテゴリー)
は生産終了させてしまう、という市場戦略だ。
こうした戦略をとらず、2010年代では、最初から
ラインナップを、ある程度制限していた一眼レフ陣営
には、SONYとPENTAXがあり、高級機(フルサイズ)、
上級機(APS-C型高性能機)、そして中級機~初級機
迄を統合した高機能型機体を低価格で提供する、
簡略化された製品ラインナップを構成した。
(しかし、SONYとPENTAXの、この一眼レフ市場戦略は
結果的には、成功したとは言えない状況となって行く)

さて、という事で、本機EOS 7D MarkⅡについては
私の場合での大半の用途は、ボート競技の記録撮影
とライブ(音楽)の記録撮影である。
つまり、本機は趣味撮影には殆ど用いていない。
理由は、高性能望遠母艦として、中遠距離動体撮影に
適した特性を持つからであり、組み合わせるレンズ
は超望遠ズームか、大口径望遠レンズばかりだ。
これにより、確実に必要なシーンを捉える事が出来る。
(=成功確率が高く、撮りそびれが起こり難い)
趣味撮影にも使える可能性があるとすれば、同様な
望遠系システムを組んで、動物園、鉄道、航空機、
カーレース、自然観察撮影、等が有り得る。
また、家族や知人友人等の出場・出演する、運動会、
スポーツ競技、舞台等の撮影にも、勿論適正な
システムであるが、これは「撮りそびれが許されない」
撮影であるから、殆ど業務撮影と等価であろう。
(もし失敗すると、家族友人等から非難を浴びる・汗)
なお、コンプライアンス的な観点からは、見ず知らず
の他人を無許可で撮影する事はやってはならない。
例えば、公開イベント、お祭り、商業ステージ等は、
基本的には肖像権問題等が発生するので撮影不可だ。
そして、シニア層等で、肖像権問題に無頓着な人が
極めて多いが、近年では、それは「盗撮は犯罪です」
という張り紙等により、取締りの対象になりつつある。
また、マナーやモラルについても、今後はうるさく
なるだろう。例えば、植物園等で、野鳥を撮る為に
三脚を立てて長時間、場所を占拠するグループ等は、
近年では、そういう行動を施設側で禁止する動きが
顕著となっている。まあ、場合により他者が迷惑する
から、当然のなりゆきだと思う。私も、同様なケース
で、その近辺に行くと「そこをどけ!」等と言われ
いつも極めて不快に思っていた。(喧嘩になった事も
何度もある)
また、近年においては鉄道マニア層が、珍しい列車の
写真を撮る為に大挙してホームに群がり、一般乗客を
押しのけ、その一般客が線路に落下した事例もあり、
社会問題となっている。
こういう事は、マナーやモラルの問題と言うよりも、
もはや「事件」だ。
ただ、近年の商業ステージ等では、SNS等による情報
拡散効果を狙って撮影可、となって来ているケースも
増えているので、そういうステージでは趣味撮影的
に、こうしたシステムを使う事が可能であろう。

本機EOS 7D MarkⅡの弱点だが、機体そのものの
課題よりも、近年で私が問題としているのは
「後継機種が出ない」という課題だ。
メーカー(CANON)側としては、一眼レフ市場が
縮退しているから、ラインナップを整理したいの
だろうと思われる。「本格的業務撮影をするならば
EOS-1D系列、又はEOS R高級ミラーレス機を買え」
という事なのだろうが、重厚長大で三重苦のそれら
には個人的には興味はまるで無いし、実用撮影では
オーバースペックでハンドリングが悪いと思っている。
しかし、EOS 7D系を無くすと困るユーザーもいる
だろうから、例えば中級機のEOS 90Dに、EOS 7D系
に迫る連写性能を与え、このカテゴリーを上級機化
したい(つまり値上げをしたい)のだろうと思える。
まあ、メーカー側からは当然の市場戦略なのだろうが
消費者側からすると、なんだか微妙に賛同出来ない。
このままでは、本機EOS 7D MarkⅡが、業務撮影
でボロボロに劣化していくので、同じ機体を予備機
として買い増しするしか無い状況だと思っている。
まあ、それでもやむを得ない。(デジタル)カメラ
なんぞは基本的には消耗品だ、その時代や状況に
応じて適正と思われる機体を適価で購入すれば良い。
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では、3台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

カメラは、CANON EOS 8000D (APS-C機)
(2015年発売、発売時実勢価格約10万円)
(中古購入価格 44,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第21回
レンズは、CANON EF-S 35mm/f2.8 MACRO IS STM
(2017年発売)を使用する。
上記、EOS 7D MarkⅡ、および従前記事で紹介の
EOS 6Dの両上級機に対する「ハイローミックス」
運用を強く意識して購入した機体が本機EOS 8000D
である。
EOS 7D系は業務用途専用、EOS 6D系は趣味用途
専用という風に、私は用途カテゴライズをして
いるのだが、その両者のサブ機として運用可能な
下位機種を探していて、「本機EOS 8000Dが適正で
あろう」という結論に至った。

ただ、本機を使って気になった弱点としては、
AF/MF性能が、かなり物足りない点である。
これにより、趣味撮影では、ストレスが溜まり、
業務撮影では、歩留まり(成功率)が低まる。
「それなら、どちらの用途にも使えないのでは?」
と思うかも知れない、まあ基本的にはその通りだ。
だが、ハイローミックス運用であれば、例えばだが
被写体の状況によりけりで、より確実性の高い
システムで撮影を行える。具体的な例としては、
ボート競技の撮影の際に、EOS 7D系機体に望遠を
付け、本機EOS 8000Dに広角系レンズをつけていき、
競技の撮影にはEOS 7D、会場記録や選手スナップ
等では、本機EOS 8000Dを使用する、という感じだ。
こうした運用においては、本機の弱点をある程度は
カバーする事ができる。
まあでも、複数台カメラの、こうした運用法は
昔からの「常識」でもあろう、銀塩時代などでも、
複数台のカメラを使用しているのは職業写真家層で、
1台だけで撮っているのはアマチュア層、と明確に
区分が出来た。
近年のデジタル時代では、まあ「カメラが高価に
なった」と嘆いてはいるのだが、それでも所得水準
や可処分所得から考えると、アマチュア層でも複数
のシステムを所有する事は、さほど困難では無い。
私の場合では、業務撮影では、最低限3台、場合に
より予備機も含めて4台のカメラ(とレンズによる
システム)を持ち出している。
また、趣味撮影でも最低限2台(システム)持ちだ。
結局、「ハイローミックス」は、いつの時代でも
行われていた運用法ではあるが、まあそれでも
2000年代あたりまでは、ハイローの機材各々に
あまり関連性は無い(例:前述のとおり、高級
一眼レフと高級コンパクトの組み合わせ等)状態
が多かったとは思うが、2010年代では、同一の
メーカー間でも、明確にハイローミックス思想で
カメラの運用をする重要性が高まって来た、という
事となる。なお、その最大の原因(理由)は、
カメラ全般の、市場縮退による高価格化であり、
1台の万能カメラ(しかし高額)で全ての撮影
シーンをこなせる状況では無くなったからである。

そろそろ現代においては、初級中級層等においても
「EOS 8000Dは、連写性能がショボイ」等の、単純で
”当たり前の話”とも言える評価や価値観をやめて
例えば「EOS 80DとEOS 8000Dを並行運用する事で、
このようなメリットとデメリットが生じる」等の
複合的評価を意識する必要が出てくるのでは
なかろうか・・
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さて、4台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

カメラは、NIKON D500 (APS-C機)
(2016年発売、発売時実勢価格約26万円)
(中古購入価格 150,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第20回
レンズは、TAMRON 100-400mm/f4.5-6.3 Di VC USD
(Model A035) (2017年発売)を使用する。
本機の中古購入価格が高価なのは、発売から
まだ日が浅い状態での購入であったからだ。
まあ、普通であれば、自身が思う適正な価格まで
中古相場が下落してから購入する事が常なのだが、
早期購入の理由となったのは、私が使用している
NIKON Fマウントでの実用的高速連写機が、老朽化
してしまった、という切実な状況からであった。

私はNIKONの高速連写機としてはD2H(2003年)、
D300(2007年)を使用していたが、持論における
「仕様老朽化寿命」は、「カメラ発売後10年迄」
であり、2017年に、現行実用機D300が、その
発売後10年間を迎えてしまい、勿論まだちゃんと
動作はするものの、秒6コマの中速連写性能で
バースト(連続撮影)枚数も少なく、おまけに
ISO感度をちょっと高めるだけで、バースト枚数が
著しく減少する重欠点には辟易していた。
新鋭D500であれば、秒10コマで最大200枚の連写
が可能、しかも、その時代までの高速連写機は、
いずれもCFカードを使用していたが、本機D500
では一般的なSDカードで、その連写性能が得られる。
まあつまり、新しい機種での圧倒的な機能・性能に
目移りしてしまい、古い機種は、たとえ完全に動作
していたとしても、使いたく無くなってしまう。
それが「仕様的老朽化寿命」という意味である。
まあ、そんな事情で高価である事を容認した上で
本機D500を購入するに至った訳だ。
必要な減価償却枚数は15万円÷3=5万枚である。
今のところ年間平均1万枚を本機で撮影しているので、
2022年(本年)に減価償却を完了する予定である。

ただ、これまでの時代であれば、そういった
「ローテーション利用」で事は済んでいたのだが、
どうやら、本機D500に相応する後継機種の発売は
現状の一眼レフ市場の縮退状況を鑑みると、極めて
期待薄である。よって、本機D500の物理的寿命を
延ばすように画策しなければならない。
さもないと、この機体で10万枚やそれ以上の
撮影を続けていると、もうメカが持たないかも
知れないからだ、そうなっても後継機が無かったら
どうしようも無いでは無いか・・
まあつまり、ここでも他機、他社機を含めた
「運用」でカバーするしか無い状態であり、
ここを鑑みて、私の場合は、高速連写システムとして
本機NIKON D500、前述のCANON EOS 7D MarkⅡ
前記事のSONY α77Ⅱの、3台を同時並行運用して、
個々に負荷や負担がかかり過ぎる状況を緩和している。
次いで、前述の「ハイローミックス」思想により、
本機D500に対応するサブ機の取得も考えている。
なお、それは前述のD5300では無い、その機体は高速
連写機能を持たないからだ。その立場にふさわしいのは
NIKON機ではD7500となる。
あるいは場合により、中古相場の下落の激しい本機
D500を、もう1台予備機として入手しておくか?だ。
何故、本機D500の中古相場が下がるか?は、本機が
APS-C機だからだ。現代のNIKON機のユーザー層は、
その大多数がビギナー層であり、それらの層では
「フルサイズ機の方が良いに決まっている」という
極めて単純な誤解を市場から植えつけられてしまって
いる。だから、彼らはAPS-C機に興味を持たない。
(追記:これは2021年迄の状況。最新状況は後述)

勿論、高速連写型APS-C機は、望遠系レンズ等と
組み合わせて中遠距離動体撮影に最適という、多大な
メリットがある。ビギナー層では、そういう撮影シーン
が一切無いか、または想定できないから、APS-C機を
嫌うだけの話だ。
まあ良い、中古相場が下がるのはユーザー側からは
大歓迎である、やはり本機は、もう1台予備機を
買っておくべきかも知れない・・
(追記:コロナ禍による、海外での電子部品製造
効率の低下により、2021年後半頃から、各社での
特定のカメラの生産が困難な状況となっていた。
本機D500も同様で、新品の供給が滞り、一時的に
中古品の品薄と相場高騰を招いた事があった。
→結果的に2022年初頭頃に、D500は生産中止と
なってしまった模様だ。以降、D500の中古品の
購入希望者が増え、本記事掲載時点では、中古品
は、ほぼ流通していない。なお、場合により、これは
投機的措置による「買占め」かも知れず、後日、高価
な相場で転売されるようになったら馬鹿馬鹿しい。
---
だが、そんな時期において、わざわざ品薄や高価と
なったカメラを欲しがるとは、いったい、どういう
購買論理なのだろうか? それは、物凄く非効率的な
買い物のやりかたであり、全く理解も賛同も出来ない。
どんな場合でも、買える時に、欲しい品物を適価で
買うべきであり、やむなく、そのタイミング(好機)
を逃したならば、もうすっぱりと諦めるべきだ)
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では、今回ラストのオールド(デジタル)一眼レフ。

カメラは、PENTAX KP (APS-C機)
(2017年発売、発売時実勢価格約14万円)
(新古品購入価格 96,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第22回
レンズは、HD PENTAX-DA 35mm/f2.8 Macro Limited
(2013年発売)を使用する。
本機は、ある意味、不遇なカメラであろう。

銀塩時代のPENTAX製品はマニア向け、という印象も
強かったが、反面、大衆機というイメージも合わせ
持つメーカー(製品)であったと思う。
そして後年、デジタル化の荒波の中で生き残る為に
PENTAXは他企業との合併を目指した。
あれこれあって、HOYAとの合併が成立すると、
HOYA時代(2010年前後)では、徹底的なエントリー
戦略、すなわち、入門層や初級層に向けた派手な
市場戦略を色々と展開し、結果としてHOYA時代の
PENTAXカメラ事業は黒字化したのだが・・
その反面、この時代に従来の「PENTAX党」という
マニア層は激減してしまったと思われる。
PENTAX党か否かは、簡単な見分け方がある、
それは「FA Limited」シリーズ(3本ある)を
所有しているか否か?だ。この銀塩末期の名玉は
その後20年以上のロングセラーとなり、いまだ
古さを感じないし、個性的なレンズでもある。
PENTAX党は必ず、これらFA Limitedを所有している。
だから、PENTAXの中上級機を使っているユーザー
と話す機会がある際には、私は、必ず「Limited
レンズは使っていますか?」と聞く事としている。
しかし、その所有比率は年々減ってきているし、
(注:2021年に、これらは後継版が発売された)
そもそもPENTAX機を使っているユーザー層の比率
まで激減してしまっているのだ。
結局、近代(2010年代)においては、PENTAX機は
ビギナー向け、という市場での印象が強い。
HOYA時代の戦略に功罪があったと言う事なのだろう。
HOYAは2010年代初頭にPENTAXを切り離し、RICOH
に事業一式を移管した。結局現代ではPENTAXの
社名はもう残っておらず、RICOHのカメラ製品の
中の1ブランドに過ぎない。
40年以上前の1975年には、ASAHI PENTAXが
350万台も売れたM42マウントのSPシリーズを
辞めて、新規Kマウントのシリーズに転換した。
その際、RICOHもM42を捨てて、Kマウント互換の
XRマウントに転換した、という歴史がある。
まあ当時の旭光学は国内最強のカメラメーカーで
あった為、他社は皆、PENTAXの戦略に追従していた
訳である。それが40年後には、まったく逆転して
しまうのだから、まあ、デジタル化はやはり激動の
歴史であったのだろう。

さて、という事で、2010年代後半においてPENTAX
機を志向するのは、エントリー層およびビギナー層、
または初級マニア層が主力となった。
そうした初級層全般においては、PENTAX機が安価な
割りに、カタログスペック的には高性能な事に注目
していた。まあ「コスパが良い」という事であるが
「コスパがわかる人達」と言い換えても良いであろう。
他の大多数のビギナー層では、モノの真の価値を
見抜く事は出来ないから「値段の高い製品は良い」
とか「誰かが良いと言ったから買う」という、極めて
限定的な価値観、あるいは購買行動しか起こさない。
で、「違いがわかるビギナー層」の存在は、PENTAX
製品においては、さらにここから「PENTAX党」の
マニア層を増やす要因になり得るか?とも期待して
いたが、2010年代後半ではPENTAXは高付加価値化
システムの展開を志向してしまった。まあ、これは
縮退市場では、どのメーカーも高いカメラやレンズを
売らないと、商売がやっていけないので、やむを得ない。
でも、そうなると、ビギナー層に向けて、
「PENTAX初のフルサイズ機です」(K-1、2016年)
「高度な操作系を搭載した機体です」(本機KP)
という戦略は通用しない。
初級層、初級マニア層いわく
初「え~? 安いのがPENTAXの取り得だったのに、
そんなに高価なPENTAXのカメラは買えないよ」
と、なってしまう。
つまり、本機KPの真の価値は誰もわかっていない。
何故ならば、欲しがる人が殆ど居ないからだ。
誰も正しく本機を評価しない(できない)ならば、
好評価が、口コミやネット上で拡散する事も無い。
ちなみに本機KPの個人評価点は、平均3.81点、
これは、本シリーズでここまで紹介した23台の
デジタル一眼レフ中、堂々の第一位の評価点だ。
ただ、ぶっちゃけ言えば、初級中級層では、
本機KPの高度な操作系概念はチンプンカンプンで
全く使いこなす事が出来ない、それは確実だ。
消費者層の志向が、いつのまにか、すっかりと
変わってしまい、買ったところで誰も正しく価値
を見抜く事が出来ない、その不遇なカメラが本機
PENTAX KPである。

本機KPの発売後、PENTAXは一眼レフの新発売を
超スローペース化し、外装変更機(KP J Limited等)
を除き、新規発売カメラは、2021年のPENTAX K-3
MarkⅢまで、4年も間が開いてしまっていた。
2022年には、PENTAXからは「カスタマイズカメラ
を作る」という主旨の発表があった、まあでも、
現段階では、その具体的な製品例・実施例はわからない。
で、レンズメーカーも2020年前後には、もうPENTAX
KAFマウントのレンズの新規販売を停止している。
さらに言えば、本機KPも、既に短期間で生産を
終了している模様で、本記事掲載時点では、
PENTAX(RICOH)のWebにも載っていない。
残念な歴史だが、時代が変わった、という事か、
あるいは変化した時代に、メーカーもユーザーも
誰も追従していってなかった事が、PENTAXの不運
だったかも知れない。
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最後に余談だが、本シリーズでの一眼レフ編は
本記事でラストである。2018年以降に発売の
一眼レフは、個人的にも1台も購入していないから
である。理由は、まず新製品そのものが少なく、
新鋭機での魅力も少なく、あったとしても高価な
機体であるからだ。
現代、コロナ禍の中での、デジタル一眼レフの
日本全国での1ヶ月あたりの販売数は、僅かに
4000~5000台程度と、非常に少ない。
全国で計4000台である! 単純計算だが、これを
都道府県数で割れば、各県で100台、各店舗あたり
では、月に1台程度しか売れていない数字となる。
ここまで一眼レフ市場が壊滅的に縮退してしまった
ならば、各メーカーともミラーレス機に注目するしか
無いのであるが、では、ミラーレス機ならば売れる
のか?といえば、国内市場においては、一眼レフ
の数倍程度、月に1万数千台程度の販売数である。
ほんの10年前だったら、一眼レフでもミラーレス機
でも、たった1機種だけで、月に1万台を販売する
事は良くあった。だが、現在では、全てのカメラが
寄ってたかっても、僅かに、その販売数でしか無い。
まあ、この状態では、新鋭カメラは超絶的な性能を
謳って大きく値上げをするしか無いのだろうとは
思うが、もはや、そういう(=不要なまでの性能を
入れて値上げする)製品企画方針は、マニア層とか、
ハイアマチュア層には受け入れがたいものとなって
しまっている。
「高額機体が供給不足」というニュースもたまに
流れるのだが、元々、この市場状況では高額機の
生産数は極めて少ない。そこへ僅かでも注文数が
上回れば、供給不足となるのは当然ではあろうが、
それすらも「高額機がバンバンと売れている、景気
が良い市場である」と、消費者層に勘違いをさせる
為の、一種の広告宣伝ニュースとなっている次第だ。
「カメラマニアですらも、新鋭カメラを買わない
(欲しいとは思えない)」というのは、残念な
市場状況ではあるが、まあ、それが事実だ。
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では、今回の「オールド・デジカメ(11)」編は、
このあたり迄で、次回記事は最終回となる予定だ。