さて、「最強レンズ選手権」のマクロ編を開始する。
本ブログでの「選手権」シリーズ記事とは、従前に
おいては、焦点距離別での「カテゴリー」を決め、
その範疇にあるレンズ群で、最強の(または順位を)
個人的なレンズ評価DB(データベース)得点を引用
するなどで決定していくシリーズ記事(群)を差す。

元々は、「TOKYO 2020に向けて、対戦形式の
レンズ評価記事も悪く無い」と思い、その数年前から
レンズ毎の実写や記事執筆の準備を行っていた訳だ。
コロナ禍の勃発は、誰もが想定外であった状況だが、
せっかくのストック(在庫)記事である、順次掲載を
続けて行こう。
で、今回は、「マクロ編」を実施する主旨である。
従前のレンズ焦点距離別の「選手権」記事では、所有
レンズ数が多い場合、適当に端折(はしょ)って、
いきなり決勝戦、というケースもあったのだが・・
マクロレンズのカテゴリーも同様に所有数が多いが、
できるだけ多くの、マクロレンズ(最大撮影倍率が
1/2倍以上)および準マクロ(最大撮影倍率が1/5倍
~1/2倍未満のもの)を、予選から通して決勝戦まで
進めていく事としよう。
この予選リーグは、標準マクロ、広角マクロ、中望遠
マクロ、望遠マクロ、と4つにカテゴリー分けをし、
それぞれ数記事づつ、最後にB決勝戦(順位決定戦)
と決勝戦を加えて、合計で十数記事となる予定だ。
なお、1記事あたりの(対戦)レンズ数は、平均6本
~7本程度とする。
AF/MF/一眼レフ用/ミラーレス機用等は問わずに、
バトルロイヤル(仏:バトルロワイヤル=乱戦)形式
とするが、個々の予選毎での勝ち上がりレンズは
決定せず、決勝リーグへの進出レンズは、シリーズの
終盤の記事で発表する。
それと、優秀なマクロレンズでは、他の「焦点距離
別選手権」リーグに、既に出場している場合もある。
例によって、撮影においてはレンズの特性に合致する
カメラを用いる。その際、カメラ本体内の撮影機能
(例:デジタル拡大、エフェクト等)は使用可とする。
ただし、撮影後の後編集(レタッチ)は、輝度調整や
構図調整、縮小程度に留め、過度な編集を行わない。
また、同一記事内では、同一のカメラを母艦としない
ルールであり、個々のレンズ毎に異なるカメラを使用
する。(→理由はあるが、長くなるので割愛する)
では早速、標準マクロの予選(1)を始めよう。
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まずは最初の標準マクロレンズ。

レンズ名:MINOLTA AF MACRO 50mm/f2.8(初期型)
レンズ購入価格:15,000円(中古)(以下AF50/2.8)
使用カメラ:SONY α77Ⅱ(APS-C機)
1980年代後半頃発売と思われるAF標準等倍マクロ。
本ブログでの過去のランキング系記事において、
*ミラーレス・マニアックス名玉編:総合第4位
*ハイ・コスパレンズBEST40:優勝(総合第1位)
*最強50mm選手権:B決勝進出 B優勝(総合第6位)
・・・の輝かしい実績を持つ超強豪レンズである。

いきなりの、予選第一回戦からの超強豪登場だが、
果たして他のマクロレンズは、本AF50/2.8に勝てる
のであろうか? まあ、その点については本レンズは
「コスパが良い」という極めて強い武器を持ち、
それ故に、コスパを評価するランキングでは高成績
を収めた訳だが・・ 本「選手権」記事においては
純粋な「実力値」の占める割合が大きくなる。
時代が古い本レンズでは、そのあたりは若干不利だ。
そして、本レンズに勝るとも劣らない、新鋭の強豪
マクロレンズも、これから色々と登場してくるので、
さしもの本AF50/2.8も、準決勝(注:・・という
リーグ戦は本シリーズ記事では無いが、感覚としては、
概ね、BEST8ないしBEST16という感じ)あたりの
位置までは、上がってくる事であろう。
本AF50/2.8であるが、初期型につき、今となっては
35年以上も前のオールドレンズである。
だから、本レンズそのものを購入する事は、経年
劣化や、MF操作性の悪さもあって(注:一眼レフの
AF化直後の時代であったから、MFを軽視した仕様だ)
あまり推奨できない。
買うならば、MINOLTA後期のD型(2001年頃)または
SONY型(2000年代後半)を買うのが良いであろう。
恐らくだが内部の光学系は、ずっと、殆ど(全く?)
同じだと思われる。

ただ、現代においてはSONY α(A)マウントの機体
の発売は縮退(凍結)されている状態であるから、
今更Aマウントレンズの購入は、あまり推奨できない。
場合により、マウントアダプター等で、SONY E(FE)
マウント機への装着も意識しておく必要があるだろう。
その場合だが、マクロレンズを近接撮影で用いる
ならば、MFで撮影する事が主となる。だからマウント
アダプターも高価な電子式のものは、あまり必要性
が無く、安価な機械式(MINOLTA α/AF→SONY E)の
タイプでも十分だ。
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では、次のマクロレンズ。

レンズ名:NIKON AF-S DX Micro NIKKOR 40mm/f2.8G
レンズ購入価格:20,000円(中古)(以下、DX40/2.8)
使用カメラ:NIKON D5300 (APS-C機)
2011年に発売されたDX(APS-C機)専用、準標準
AF等倍マクロ(マイクロ)レンズ。
エントリーレンズの一種とも言えるが、特性としては
旧来のAiAF60/2.8系マイクロの、DX版ジェネリック
(フルサイズ機用のレンズ構成を2/3程度に縮小コピー
し、APS-C機対応としたもの)の可能性が感じられる。

ただ、この設計の元となったAiAF60/2.8系マイクロ
だが、そのルーツとなる銀塩MF時代の55mm/F3.5系
および、55mm/F2.8系マイクロは「平面マクロ」で
あった為(=すなわち、1970年代頃にコピー機の
代りに写真複写用途に用いられた)その特性を少しづつ
一般撮影に向くように変更していったものだ。
(注:急に変えると、「新型を買ったが、旧型の方が
解像感が高く、良く写った」などのクレームとなる)
だから、AiAF60/2.8系、およびその特性を若干
なりとも受け継いでいる本DX40/2.8は、正直言えば
現代的なマクロ(マイクロ)レンズの特徴を持つとは
言い難く、固く、やや古臭い描写傾向となっている。
昔の私であれば「こんな特性、気にいらん!」と
処分してしまっていただろうが、幸か不幸か、近年に
おいては、「結構、平面マクロも楽しい」という
全く逆の好みに転換してしまっているので、これは
悪く無い。
でもまあ、この話は、たとえ同じユーザーでも時代が
過ぎて、機材環境も変われば、レンズの描写の好みが
変化しても不思議では無い、という事実を示す。
ちなみに、何故「平面マクロも悪く無い」と思う
ようになったのか?は、現代の新鋭マクロレンズでは
そうした特性を持つものが皆無となってしまっている
からであり、別の言い方をすれば「一周廻って新しい」
という感じであろう。
また、一眼レフが主流であった銀塩時代に比べ、
現代ではミラーレス機を母艦とする使用法もある為
旧来の時代よりもレンズの特性が良くわかり、かつ
EVFや、絞り込み(実絞り)測光・撮影により、
絞り値による描写性能の変化が(撮影前後で)視覚的に
わかりやすくなった点も大きい。
・・で、そちらの撮影技法の方が、レンズの長所短所を
把握しながら撮れる為、むしろ一眼レフは現代において
怖い(使い難い)撮影機材にも感じてしまう。
まあつまり、本DX40/2.8のような、ほぼNIKON一眼
専用のレンズを、開放測光で、ファインダー性能が低い
初級機のNIKON D5300等に装着して撮影すると・・
「実際にどう写るか、さっぱり予測がつかない」
という不安が出てきてしまう訳だ。

本レンズは、近年ではNIKON FX(フルサイズ)機の
一般化により、DX(APS-C機用)レンズは不人気で
相場下落傾向である。別に、FX機にDX用レンズが
装着出来ない訳でも無いので(注:シニア・ビギナー
層のNIKON機ユーザーの間では、「FX機にDXレンズ
は装着できない」又は「装着できても、画素数が
下がるので画質が著しく低下してしまう」という
大きな誤解が蔓延している模様だ)・・なので、
中古相場が安価になった本DX40/2.8を購入する
のは「コスパが良い」と見なせ、悪い選択肢では無い。
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では、3本目のマクロ。

レンズ名:OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO Macro 50mm/f3.5
レンズ購入価格:8,000円(中古)
使用カメラ:OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ Limited(μ4/3機)
1970年代頃のMF標準ハーフマクロレンズ。
こちらは、銀塩MF時代における代表的な「平面マクロ」
である。かなりの解像感を持ち、精密な機械等の被写体
もシャープに捉えてくれるのだが、一般的な被写体では
「カリカリ感」を感じる、まあすなわち「固い」描写
傾向である。

銀塩時代にOLYMPUS OM-SYSTEMを志向する、すなわち
OMヒトケタ機(OM-1、OM-4Ti等)を購入し、そこで
利用者ラインナップ(=どんな交換レンズを揃えるか?)
を組む際、当然ながらマクロレンズが必要となるが、
OM-SYSTEM純正で一般的な(=医療用途等の特殊マクロ
では無い)マクロは、本OM50/3.5と、他にはOM50/2、
OM90/2の計3本しか存在していない。本マクロ以外は
開放F2の当時希少な大口径マクロであり、当然高価だ。
だから、ユーザー側では、必然的に本OM50/3.5を
選択するしか無い状況であった。
で、OM50/2(未所有)、OM90/2(特殊レンズ第2回)
は、いずれも大型のレンズであるので・・
「小型軽量なOM機にマッチするのは、やはりこの
小型なOM50/3.5だよね、F2級はデカすぎる」
等と考えて、F2級を入手しない(買えない)事の
理由(言い訳)を意識するので、一応これでユーザー
としては(私も同様)納得する訳だ。
だが、私が、銀塩時代の1990年代頃に、当時の
OM銀塩機で本OM50/3.5を使っていると、少し前述
したように、開放測光の一眼レフでは、本レンズの
使いこなしは、かなり難しい。・・と言うか、どう
撮れるかが良くわからないから、もう、中間絞りの
F5.6位で平面的な被写体をパシャリと撮るだけだ。
その被写体が実際にも平面である場合、その写りは
匠「おお、物凄くシャープなレンズだ、これは良い!」
となるのだが、今度は被写体が立体的な構図となり、
前後のボケが生じる(被写界深度が浅い)状態だと
匠「なんじゃこりゃ、ボケが汚いなあ・・」
という不満が出て来る訳だ。
「うまく撮れない(上手に制御が出来ない)」と思い、
本レンズ(1本目)を知人に譲渡してしまった。

しかし他社のマクロを持ち出して数年程撮っていると
匠「シャープ感が弱いなあ。そうだ、あのOM50/3.5
を、もう一度買うのはどうだろう?」
となり、二度目の購入。だが運悪く、この時期は
2000年代初頭でのデジタル化が目前に迫る時期で
あり、OM-SYSTEMの機材を、私は縮小しはじめていた。
(注:4/3システムは発売前であり、OM機はもう10年
以上前から殆ど変遷なし。だからOM機が、そのまま
デジタルに移行するのは、考えられない話だった)
私は、OM50/3.5(2本目)を、OM-1に付けて
知人の何かのお祝いの際に譲渡してしまっていた。
さらに10年が過ぎて2010年代。ミラーレス機の
時代となって、私は趣味的な交換レンズの研究を始めた、
すると1970年代前後の各社マクロレンズが、何故、
本レンズのような固い描写傾向を持っていたのか?
つまり「平面マクロ」が存在する理由が、当時の世情
(コピー機なし)や設計技術の点から明白になってきた。
匠「そうか・・ そういった理由でOM50/3.5や
NIKON Ai55/3.5等が、存在していたのか・・」
私は、銀塩時代に「描写が固い、気にいらない」と
何本も処分してしまった、この手の「平面マクロ」を、
慌てて再度/再々度購入する事とした。
なので、本OM50/3.5は、3本目の購入品だ。
「三度目の正直」(笑)、もう本レンズを処分する
事は、きっと無いであろう。
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では、4本目のマクロ(ユニット)

ユニット名:RICOH GR LENS A12 50mm/f2.5 MACRO
レンズ購入価格:20,000円(中古)
使用カメラ:RICOH GXR(A12 ユニット使用時APS-C機)
2000年代末発売の、AF単焦点標準画角相当1/2倍
マクロユニット。50mm表記は換算画角で、レンズの
実焦点距離は33mmとなっている。
本ユニットは、”故障買いなおし品”だ。
前に使っていた同型品は、電気的故障で廃棄処分と
なったが、本ユニットは「必携レンズ」と見なし、
再度中古品を入手した。(少し相場も落ちていた)

さて、かなり描写表現力の高いユニットである。
そうした画(え)が、この小型軽量のGXRシステムから
出て来る事はインパクトが大きく、その点だけを見ても
「必携のシステム」と言える。
もう、本ブログでは、何度も何度も紹介したユニット
なので、長所や短所は書き尽くした感もある。
簡単に述べれば、長所は「高い描写力が、この
小型軽量システムで得られる事」であり、
短所は「まず、滅多にピントが合わない事」だ。
このAFの弱点は、MFで使っても解消できない。
①MFの操作系、②背面モニターの解像度
③ピーキングの精度 のいずれもが劣悪な為だ。
だから、AFで撮るしか無いのだが、このAFが
「初期技術のコントラストAF」であり、壊滅的な
低性能である。まあ、2009年という発売時期では
他社の初期ミラーレス機、他社一眼ライブビューAF
も、コントラストAF精度は同等に酷い性能だったが
他社の場合では、機体が新機種に変わっていく度に
そのあたりのAF性能は改善されていく。
特に2010年代前半からは「像面位相差AF」等の
技術革新が各社であったから、AF性能の不満は徐々
に新型機で解消されていく。
だが、GXRではダメだ。これは「閉じたシステム」
であり、像面位相差AFなどの新技術を入れると
レンズ(ユニット)が買いなおしになってしまう。
また、下手をすればボディも代えないとならない。
つまり、新技術を導入しようとしたら、これまでの
GXRシステムを御破算にして、新規に揃えなおさないと
ならない。これはユーザー側にとっては、受け入れ難い
状況になるだろう。
なので、GXRは、この当初のシステムを持って凍結、
その後の発展(GXRⅡとか)の道を閉ざされてしまった。

ある意味、”不運なシステムだ”とも言えるし、
また、もっと厳しい見方をすれば・・
RICOHが2009年に、GXRシステムを発売した際、
市場やユーザー層も、結構大騒ぎをしていたのだ、
「これは凄いシステムが出た」という印象が強かった
と思う。
だが、他社は「知らん顔」であった。
例えば、そこまで市場に影響が強ければ、他社からも
同様にユニット交換式カメラが多数、発売されても
不思議では無い。でも、どこも追従しなかった。
「この方式は、技術的進歩の道を閉ざしてしまう」
と、他社では冷静に分析していたのかも知れない。
けど、"RICOHの見通しが甘かった"、とも言い難い
状況だ。結果的に失敗作になってしまったとしても
デジタル時代において、こういう意欲的な試みを
する事は、非常に高く評価できる。
2000年代、MINOLTAがKONICAと合併の末、カメラ
市場から撤退、京セラCONTAXも撤退、そして
老舗のPENTAXですら、HOYAと合併(売却)という
状況を見て来れば、デジタルカメラの製品開発が
いかに難しい(技術的のみならず、お金や手間も
あれこれと全てが大変だ)は、各カメラメーカーも
身に染みてわかってきている。
そんな中、各カメラメーカーは「失敗が許されない」
状況となっていた。銀塩時代では、個性的な企画の
カメラを発売し、それが売れずに、失敗作となった
としても、メーカー側に大きなダメージは無かったし
むしろ、マニア層等では、そうした個性的カメラを
高く評価したケースもあるから、まあ宣伝にはなった
訳である。
ところが、デジタルではダメだ、京セラCONTAXが
「Nシステム」の商業的失敗によりカメラ事業から
手を引いたように、たった一つのミスが、企業そのもの
に致命的なダメージを与えてしまう。
そんな「怖い市場」では、メーカー側の製品企画も
萎縮してしまい、無難に売れる仕様のカメラ、
つまり前機種の数値性能を少し高めただけのカメラ
とか、そんなものしか企画しようがない。

2010年代、一眼レフ市場が大きく縮退してしまった
のは、世間で言われるように「安易な撮影機材と
しての、スマホやミラーレス機の台頭により、
本格的カメラのニーズが減ってしまった」という
理由だけでは無いであろう。
「メーカーは、個性的な企画のカメラを作る事が
できない。だから、消費者側から見て魅力的な
カメラが1台も無くなった→欲しく無い」
というのが隠れた真実であるように思えてならない。
事実、大のカメラマニアである私も、2010年代
後半頃から以降の本格的カメラの購入の台数は
著しく減少、殆ど何も購入していないに等しい。
勿論、その理由は「魅力的なカメラが殆ど無い」
からである。
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さて、次のマクロレンズ。

レンズ名:SONY DT30mm/f2.8Macro SAM(SAL30M28)
レンズ購入価格:10,000円(中古)
使用カメラ:SONY α700(APS-C機)
2009年発売のAPS-C機専用AF単焦点準広角(標準画角)
等倍マクロレンズ。

いわゆる「エントリーレンズ」であり、この時代、
つまりミラーレス機が発売されたり、初期のスマホが
普及し始めた市場状況に対応して、SONY α(A)マウント
へユーザー層を引き込む(囲い込む)為の戦略的な
商品である。同時代においてSONY製では、本レンズを
含め4本のエントリーレンズがある。
(他はDT35/1.8、DT50/1.8、SAM85/2.8
参照:特殊レンズ第51回「SONYエントリーレンズ」編)
これらは、まあつまり「お試し版」レンズなのだが、
どんな市場であっても、もし「お試し版」の性能や
品質が悪ければ、消費者は二度とそのメーカーの商品を
買ってくれなくなる。したがって、あらゆる市場の商品
でも「お試し版」は決して手を抜いて作られてはいない。
「エントリーレンズ」も同様であり、”APS-C機専用”
等の僅かな制限事項以外には、どのメーカーのお試し版
レンズも、性能が高く、極めてコスパが良い。
私の持論では「エントリーレンズを見たら全て買え!」
となっているのだが、ただし、そうした市場戦略を
各メーカーが取っていた時期は限られる(まあつまり
よほど困った状況で無いと、この戦略は行わない。
普通に、高価なレンズを売った方が儲かるからだ)
近年では2010年前後での各社一眼レフ用レンズ群で
エントリーレンズが見られる。私もその殆どを所有
していて、従前の「ハイ・コスパレンズBEST40」
記事においては、ランクインしたレンズの多くが、
「エントリーレンズ」になってしまっていた。
でも、それはそれで良いと思う、コスパの良い
商品を購入して、悪く思うユーザーは皆無に近い。
(所有満足感が無いとか、そういう不満はある
かも知れないが・・ 安っぽいか否かもメーカーの
企画によりけりであり、例えば前述のDX40/2.8等は
しっかりとした作りで、手を抜いた様相は無い)
まあ、現代においては、SONYはE(FE)マウントの
機体に主軸を移していて、α(A)マウントは絶滅
危惧種となってしまっている。
前述のように、デジタル時代でカメラメーカーが
生き残るのは難しいから、売れ筋の商品に集中
せざるを得ない状況は良くわかる。
ただまあ・・ 1985年の「αショック」から
続く、α一眼レフの伝統が、僅かに30年で途絶えて
しまうのは、マニア的には複雑な心境だ。
SONYとしても、そこ(文化・歴史・ブランド)は
重要だと捉え、「α」の名前をミラーレス機に
残したのだとは思うのだが、どうにも近年の
αミラーレス機は、マニアック度に欠けるので
あまり欲しいと思わないし、それに高価すぎる。
だから私もα Eマウント機は、α7(2013年)、
α6000、α7S(いずれも2014年)までの所有で
留まっていて、以降の機体は現状未購入だ。
でも、現代の消費者層に、今からα(A)マウント
機を買え、とは、とても推奨できない。
”先細り”が明白だからだ。
よって、本DT30/2.8も、新規消費者層に向けては
非推奨とせざるを得ない。

コスパがとても良く、悪いレンズでは無いのだが
惜しい限りである。世の中の変化には、なかなか
抗い難い点もあるので、やむをえないとは思うが。
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次は本記事ラストのマクロレンズとなる。

レンズ名:CANON EF-S 35mm/f2.8 Macro IS STM
レンズ購入価格:30,000円(中古)
使用カメラ:CANON EOS 8000D(APS-C機)
2017年頃発売の、APS-C機専用AF準広角(標準画角)
等倍マクロレンズ。

特徴としては、白色LED照明を内蔵したマクロで、
同じくCANON製のミラーレス機用EF-M28mm/f3.5
Macro STM ISと共に、市場に2本だけしか存在して
いない、希少なLED内蔵マクロレンズである。
(注:デジタルコンパクト機でもLED内蔵機はある)
私は、「EF-S(マウントの)レンズは、EFマウント
のフルサイズ機(EOS一眼レフ)に装着不可」という
汎用性の無さ(という仕様)を、大変嫌っていて、
殆ど所有していないのだが、このユニークなマクロ
を見てしまえば、禁を破って購入するしか無かった。
なお、本レンズは「EF-EOS M 電子アダプター」を
介して、EOS Mマウントのミラーレス機(例:M5)
に装着する事が出来、その際にもAF動作等は勿論、
LEDを発光させる事ができる。
つまり、EOS APS-C機(一眼レフ&ミラーレス)で
共用して用いる事ができる訳で(注:その逆に、
EF-MレンズをEF-S機に装着する事は出来ない)
一応、その事実を持って「汎用性が無い、とは言え
複数のマウント機で利用できる」という理由により
本レンズの購入を解禁した、とも言える。
ただまあ、例えばEOS 8000Dに装着しても、
EOS M5に装着しても・・ どちらも同じ画角だし、
どちらも殆ど同じ写りで、エフェクト等の機能も
同様だし、電子アダプター+像面位相差AFならば
AF性能も似たり寄ったりだ。
そして、マクロ(近接)撮影においては、AFに頼らず
MFを利用する事が大変多いのだが、その際、一眼
レフのEOS 8000Dでは、MFアシスト機能が無い事と、
(注:測距点に連動したフォーカスエイドはある)
光学ファインダーの性能が「仕様的差別化」により
劣悪なので、MFでの撮影は不可能に近い弱点がある。
だが、EOS M5ならばミラーレス機でピーキング機能
等のMFアシスト機能を持つ為、むしろ、本レンズを
一眼レフで使う場合よりも有利なのだ。
「では、EOS M5を使った方が良かったのでは?」
とも思ったが、習慣的に「EF-Sレンズなので一眼レフ」
と考えて、EOS 8000Dを持ち出してしまっていたので
今回は後の祭りだった(汗)まあ良い、今後は本レンズ
を紹介する際には、多少”トリッキー”ではあるが、
あえてEOS M5等のミラーレス機に装着して使おう。
その方が「弱点相殺型システム」になるので、個人的な
機材運用ポリシーには即している。
なお、STM(ステッピングモーター)内蔵の為、
この仕様のCANON製レンズは、レンズに電源を通電
しないと、MF(ピントリング)が動作しない。
よって、CANON純正機または電子マウントアダプター
を使用しないと、通常(機械式)アダプターでは
他社機(ミラーレス等)では、一切使えない。
この「排他的仕様」は、個人的には好まないので
実はSTM仕様のレンズも、数本しか所有しておらず
それらも「やむなく、嫌々」購入した次第だ。
そして、STMによる効能において、フルタイムMF
(シームレスMF)が実現できる点はあるのだが、
その為に、本EF-S35/2.8は、「無限回転式」の
ピントリングとなっている。この仕様では最短や
無限遠での停止感触が無い為、MFでの高度な技法が
一切使えない。(AFで合わないときに、ちょろっと
MFを使う、という程度であり、初心者向け仕様だ)
この事は、中級者以上では必ず不満に感じる仕様で
あり、近年では、各社のレンズとも、この仕様に
なってきている状況は、裏を返せば、MFもちゃんと
使いこなせないビギナー層ばかりが、現代における
主要ユーザー層となっている事となり、残念な世情だ。
「これではMFなんぞできない、こんなマクロレンズは
実用的には非効率的だ!」という改善要望を言える
ようなレベルのユーザー層は皆無という事か?
さて、本EF-S35/2.8のLED照明の効能だが・・
実は、屋外では殆ど無い(汗)
自然光(太陽光)の光は強すぎるのだ。
そこに向け、LED照明をONしようが、自然光との
大きな輝度差を解消するほどのパワーは得られない。
すると、屋内等において、人工照明下における用法
つまり、被写体上の影を消す、被写体の輝度を均一
下する、手ブレを防ぐ、等の用途には向くだろう。
まあ、結局のところ、ユーザー毎の目的や用途に
よりけりである。ただ、同じユーザーでも複数の
撮影用途はある訳だから、こういうレンズを持って
いても悪くは無いとは思う。
注意点としては、屋外でのLED照明の効能は少ない
ので、ちょっと面倒ではあるが、本レンズには
前部にねじ込みで装着できるフード状の金属製カバー
が付属しているので、屋外撮影時にはLED照明部品の
保護の為(ぶつけると壊れると思う)、そのフード
を常用するのが良いと思う。LED照明をむき出しに
して使用するのは、安全な室内環境に特化するのが
良いであろう。

ユニークなレンズではあるが、発売からまだ
日が浅いのと、こういう仕様(LED内蔵)を付加価値
(値上げの理由)としているから、若干高価だった。
中古で3万円も出すのであれば、超優秀なTAMRON
90マクロ系等が、よりどりみどりで買える。
あくまで、LED照明の実用価値を消費者側でよく
吟味して、購入を決める必要があるだろう。
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では、次回の本シリーズ記事は、
「最強マクロ選手権・標準マクロ・予選(2)」の予定。