2018年8月19日(日)に、滋賀県大津市にて行われた
第28回びわこペーロンの模様より。
今回の後編記事では「20人漕ぎ一般」の部の模様に
ついて紹介して行こう。
本「20人漕ぎ一般」は、本びわこペーロンの「花形
カテゴリー」である。かつては「20人漕ぎ混合」の部
もあったのだが、参加チーム数が少なかった為、現在では
廃止されている。
すなわち、まあ「チャンピオンシップ」と同様の位置づけ
のカテゴリーであり、毎年強豪専業チーム達が熾烈な優勝
争いを繰り広げている。ここを制したチームが、真の
「琵琶湖の王者」なのだ。
で、専業チームに加えて、近年においては地元企業系強豪
チーム(日立建機、シンコーメタリコン等)も、急速に
力をつけてきていて、さらなる「超激戦区」となっている。
過去の5年間の本カテゴリーの優勝チームだが、2013年より、
bp、bp、池の里、池の里、池の里となっている。
「bp」は、2012年末頃に結成され、日本一、あるいは世界
を目指すチームコンセプトを掲げて、猛練習を繰り返した。
2013年より、各地の大会で「皆勤賞」とも言えるほどの
積極的参戦を続け、その殆どで優勝した。
2016年には、日本選手権および高石大会で、超強豪の
「磯風漕友会」を破って日本一に輝いたが、以降、また
「磯風」に覇権を取り返されてしまっている。
他の大会においては「bp」は常勝軍団である。その優勝
回数は、わずか5年間でも、既に数え切れない程である。
ただ、(聞いた訳では無いが)「bp」にも大会参加ポリシー
がある模様で、だいたい、2~3回優勝すると、その大会
には、もう来なくなる。これは「磯風」でも同様であり、
「磯風」の弁を借りれば「あまり様々な大会を”荒らす”
ような事はしたく無い」との事だ。
「bp」が2連覇して、本びわこペーロンに来なくなってから
(注:この日は他地区でも大会が行われている)
「池の里Lakers!」が本大会では、3連覇を続けている。
「池の里」は、2000年代前半の結成、そのホーム大会は
本「びわこペーロン」であり、地元(町内会)で声をかけ
近隣で行われていた本大会に初参戦した模様だが、最初の
年は、まっすぐ進めずゴールすら出来なかったそうだ。
(注:その当時の本大会は、私は未観戦)
普通、ビギナーチームでは、そういう事があると翌年からは
もう参加しないのだが、「池の里」は違った。
そこから猛練習を重ね、少しづつ実力値を上げていく。
2000年代中頃では「万年4位」、そして2000年代後半
では「万年2位」などと、特に私から揶揄されていた(汗)
のだが、それは勿論悪口ではなく、「やる気のあるチーム
に見えたから、注目していたし、頑張って貰いたかった」
からである。
2011年、本大会参加7~8年目にして、ついに「池の里」
は初優勝を遂げた。その「涙の初優勝」は、それまでの
苦労を鑑みると感動的でもあり、本ブログでも特集記事を
組んで紹介。以降、これはドラゴン界での「伝説」となった。
そこから、特に「bp」参戦後は、池の里は優勝が出来なく
なったが、それでも準優勝等は続いていた。
2015年、「bp」は、そうした雰囲気を感じ取って、この大会
を荒らす事を避けたのか? 他の大会へ参戦を転換する。
そうなるとまた「池の里」が復活だ。
2015年からは「怒涛の3連覇」である。
私は、「池の里」に「もう優勝しなくても良いのでは?」
と言った、これでは「bp」の代わりに「池の里」が荒らして
いるようにも感じたからだ(汗)
だが、「池の里」の話を良く良く聞いてみると、彼らには
勝ち続けなければならない理由もあった。
それは、池の里が「町内会純血チーム」ゆえの課題だ。
新人メンバーの補充が出来ず、次世代の選手達は、現役
選手の実子を投入するしかないのだ。
幸いにして実子達は良く鍛えられている。そう、かつて
小学生大会「ドラゴンキッズ」で連覇を続けた、スーパー
キッズ達なのだ。その子供達が成長して、池の里チームに
参加するまでは、池の里は、つまり「お父さん達」は、
「琵琶湖のヒーロー」であり続けなければならないのだ。
(「ボクは磯風に入りたい」と言っていた子供も居るので、
笑い話ではなく、結構深刻な状況である)
まあ、そういう事情を聞くと、「もう勝たなくても良い」
とは言っていられないだろう。
まあ、私の意見では2021年のマスターズ関西(琵琶湖で
ドラゴン大会が予定されている)までは、絶対に現役続行だ。
シニアの部へ転換などと、甘っちょろい事を言わず(笑)
結成約20年のベテラン現役チームとして頑張って頂きたい。
さて、「池の里」に限らず、他チームにも、それぞれ
勝たなくてはならない理由や事情が存在する。
本カテゴリー参戦の専業チーム数は5つだ。
他では例えば、「龍人」(どらんちゅ)も、
本大会がホーム大会である。2012年の本大会で、ゲリラ
豪雨による大会途中中止があって、その際、「龍人」は
参加チーム数の少なかった「20人漕ぎ混合の部」で、
タイム順で暫定優勝している。しかし正規に戦って勝った
訳では無いので、この優勝は彼らにとって「無かった事」と
なっている。
「龍人」の本大会決勝進出率はとても高く、彼らの弁を
借りれば「ほぼ100%」である。全大会の戦績を調べた訳
では無いが、まあ、私の観戦している範囲では事実だ。
でも、残念ながら正規の優勝はまだ無い。
近年、「龍人」は「高島ペーロン」や「ツナカップ」等で
優勝経験を積んで、実力値もついてきている。このあたりで
どうしてもホーム大会の本大会での優勝の栄冠が欲しいのだ。
「龍人」は、今年は地元滋賀県の選手のみならず、愛知と
静岡からも若干のメンバーを加えて、「今川義元の上洛」
(笑)並みの、異例の広範囲の異地区コラボを編成した。
優勝への対策と意気込みは十分。さて、初優勝なるか?
「小寺製作所」は、地元滋賀県の大会を中心に多数の大会
に参戦し、数多くの優勝経験のある強豪チームだ。
だが、この「びわこペーロン」と「1000m選手権」だけは
まだ優勝経験がない。「小寺」のチームポリシーとしては
小「まず琵琶湖の大会を全て制してから、県外へ遠征する」
となっている。だから、本大会も必ず勝たなければならない。
毎年、2位、3位と惜しいところまで行ってはいるので、
あと少しの頑張りだ、「今年こそ」の思いは非常に強い。
「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」は、「琵琶湖の雄」と
呼ばれているベテラン強豪チーム。しかしメンバーの育成も
盛んであり、少しづつ若返りも果たしていて、長期に渡り
強豪チームとしてのポジションをキープし続けている。
本大会は「ホーム大会」とも言えるのだが、何故か、
本20人漕ぎ一般の部での優勝にあまり恵まれていない。
近年での優勝は(bp参戦前の)2012年の1度だけであり、
しかもそれは豪雨短縮レースであったので、あまり勝った
気にはなっていなかったかも知れない。
「琵琶ドラ」が、その真価を発揮できるのは「混合の部」
である。が、本大会では2013年以降では、20人漕ぎ混合の
部は無いので、「琵琶ドラ」は、男女にチーム分割を行い、
以降、女子の部の「びわにゃん」は連覇を続けている。
男子チームも10人漕ぎの部での優勝はあるが、やはり
20人漕ぎの「花形カテゴリー」でないと、勝った気は
しないだろう。「bp」や「池の里」が連覇を続ける
状態を横目で見続けて早5年、今年はついに満を持して、
「20人漕ぎ一般」に参戦である。
今年は既に「女子の部」では、「びわにゃん」の優勝が
確定している、久しぶりの「アベック優勝」(死語では
無い事は前記事で説明)を何が何でも狙いたいところだ。
そして、これで「琵琶湖オールスター」(琵琶湖四天王)
と呼ばれている、地元強豪4チームが揃い踏みした。
これでもう、決勝戦が超激戦区となる事は必至である。
さらにそこに加えて、「すいすい丸」(京都府)が
本カテゴリーに初参戦。
「すいすい丸」も、基本的には「混合カテゴリー」の
強豪チームである。2017年には日本選手権で混合決勝に
進出している。
しかし、本大会では、20人漕ぎ混合カテゴリーが無い。
そこで「すいすい丸」は、ここ数年はチームを分割し
10人漕ぎ(一般、混合)に参戦していた。
そこでは優勝や上位入賞もあったのだが、こちらもやはり
20人漕ぎに出たい。課題は、男子選手の不足であったが、
それもここ数年で、本大会の10人漕ぎの部で新人メンバーの
実戦訓練を繰り返し、しかも優勝等の実績を上げていたので、
今年は満を持しての「20人漕ぎ」へのエントリーである。
それと、今年、「すいすい丸」は、日本選手権で蛇行
してしまい、決勝進出を逃してしまっている。
おまけに、ホーム大会の「宇治大会」も、会場の洪水対策
工事の都合で中止になってしまったので、そこにも出れずに
鬱憤があるだろう。今日頑張らずに、どこで頑張るのか?
ちなみに宇治川の状況だが、川底の工事は完了している。
ただし、レースの際に川をせき止める部分の工事がまだ
済んでいない。宇治川の水量だが、7月上旬の西日本豪雨
の際に琵琶湖の水位が上がりすぎた為、そこから約2週間
の全開放流を行い、基準水位まで下がっていた。しかし、
その後、琵琶湖周辺では雨が降らず、まあ台風は2つほど
来たものの雨量が足りず、水位はむしろ下がっていた。
なので、琵琶湖から直結する瀬田川(宇治川)上流の
「天ヶ瀬ダム」も放流をピタリと止めてしまっている。
よって、宇治川は殆ど水量が無く、前述の「堰止め設備」
も出来て無いので、大会の実施の術が無くなってしまって
いたのだ。
(注:元来の大会予定日の直前には「最強台風21号」の
襲来後で宇治川の放流は毎秒300トンで再開されていたが、
この状態では、逆に水流が速過ぎて、堰止めしていないと
危険だ。やはり大会中止は正解だったと思う)
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さて、この時点で、強豪専業チームの数が5つ、決勝枠は
5艇なので、既にいっぱいいっぱいだが、実はまだ他にも
強いチームがいくつもあるのだ(汗)
地元企業系チームでは、まず「日立建機ティエラ」が居る。
専業チームには、あまり知られていないかも知れないが、
私は、4~5年前から声をかけて話すようになっている。
3年程前に彼らは「カーボンパドルが欲しい」と言っていた。
彼らは、ほぼ毎年決勝進出するだけの実力があったものの、
カーボンパドル装備の専業チームには歯が立たず、入賞は
出来なかったのだ。
実際のところは、カーボンパドルを買っても、それだけでは
専業チームには勝てない、練習量がまるで違うからだ。
だが、高価なモノを買った事で、練習モチベーションが上がる
可能性は高い。私は彼らの話を聞いて、その時に本大会を
観戦していた、同社の本部長さん(お偉いさん)に話をした。
匠「彼らは見込みがあります、カーボンパドルを導入したら
他のプロチーム(注:プロでは無いので、はったりである)
に混じって上位に入れる可能性があります」と伝えた。
すると、本部長さんは、
本「よし、今日のレースで3位に入ったら、買ってあげよう」
と、言ってくれたのだが、残念ながら、その年の戦績は4位。
翌年2016年に、彼らのテントを訪れると、なんとカーボン
パドルがずらりと揃っている。
匠「あれ? 3位にならないと買ってもらえなかったのでは?」
日「あはは、”今年3位になる”、という条件で、本部長に
買ってもらいました」
大丈夫かいな・・? と危惧したが、その年は準決勝で
無念の敗退である(汗)
すわ、本部長さんと大揉めになったか?と心配で、その後、
怖くて顔を出せなかったのだが・・(笑)
翌2017年にチームテントに顔を出してみる
匠「去年の成績で、本部長さんに怒られませんでしたか?
たとえば、パドルはもう返品するとか・・
あるいは、給料から天引きするとか?(汗)」
日「あはは、そんな事ありませんよ、それどころか、
チームのライフジャケットを新調しましたよ」
う~む、ということは、結局、会社としては期待されて
いるという事だろうか。
でも、会社の経費とかで買うのは、ちょっと甘やかせすぎ
にも感じる、その年、私は本部長さんを見つけると
匠「他の強いチームは、皆、自腹でパドルやジャケットを
買っているのですよ」
と、ちょっとチクっておいた(笑)
だが、この年「日立建機ティエラ」のサブチームである
「kenkijin」が、見事決勝進出して、専業チームに混じって
の4位の好成績を上げた。目標の3位入賞には届いていないが
非常にレベルの高いこのカテゴリーでは立派な戦績だ。
まあ結果を出しているので、皮肉は言わないでおこう(笑)
今年2018年、「日立建機」は、20人漕ぎのメインチームの
他は、10人漕ぎに1つのみと、ちょっと小ぶりな構成だ、
日「今年は練習量や、メンバー数も少なくて・・」
と、ちょっと弱気の発言。
匠「でも、パドルやライジャケも買ってもらっているし
なんとか頑張って、とりあえず決勝目指してください」
そして、本部長さんも見かけたので、以下のように進言、
匠「今年は、例年になく強いチームが集まっています。
プロチーム(注:はったり)は、5つも来ています。
日立建機チームが、仮に決勝に進出できなくても、
やむを得ません、暖かく見守ってやって下さい」
と、念のために厳しい状況である事を説明しておいた。
(だが、この「保険」は不要であった、日立建機ティエラ
は、今年見事に決勝進出である。後述)
そして、他にも続々と強いチームがある。
「シンコーメタリコン」は、近年急成長の企業系チームだ、
OPALに練習にも来ているらしく、「池の里」等から直接
の指導を受けている。
2016年決勝進出、昨年2017年はダブルエントリーで、
準決勝敗退だが、ここは組み合わせの不運があった。
(師匠の「池の里」と当たってしまった)
今年2018年もダブルエントリー、しかも予選では、
その1つ「ホワイトインパクト」が、他の強豪専業
チームをも上回る好タイムを叩き出している。
「シンコーメタリコン」が急成長している事は、専業チーム
達も知っている、なにせ練習場で顔を合わせているからだ。
だから、この予選の1分21秒という好タイムを見て、
一部の専業チームは警戒心を強くした。
いや、ぶっちゃけ言えば「焦って」しまっている。
だが、この状況分析は、良く良くレースコンディション
を見なければならない。彼らが好タイムを出したのは、
最もコンディション(風や水流)が良好と思われた
時間帯であった、そこから時間とともに横風が強く
なってきていて、シンコーに予選タイムで負けている
専業チーム達は、コンディションの悪い状態で漕いで
いたのだ。よって、本来ならば「慌てる」必要は無かった
訳なのだが、この事で、この後、微妙にレース戦略を
狂わされてしまった専業チームも出てきている。
他にも注目チームは居る。
「東レ・プレシジョンA」は、4~5年前に、企業チーム
で初めてカーボンパドルを導入している。
その後、カーボン効果で順調に強くなってきていて、
昨年の本カテゴリーでは決勝進出して5位。
(注:これは非常に立派な戦績だ)
今年も、サブチームの「東レ・プレシジョンB」が
10人漕ぎ一般の部で決勝進出(結果4位)である。
企業チームでは、他にも「オプテックス いんふられっず」
が居る。ここは、本大会のスポンサー企業のチームである。
技術系企業であり、「インフラレッド(ズ)」とは、同社が
扱う「赤外線(infrared)センサー」を由来とする。
まあ、エンジニア系の選手達にも見えて、昔では
「ちょっとスポーツはどうか?」という印象もあったが、
ずっと参戦を続けていると、そこそこ強くなって来ている。
今年は、ダブルエントリーであり、例年(今年も)準決勝
位までは上がってきているので、ダークホース的存在である。
同社の社長(現:会長)さんは、滋賀県ドラゴンボート協会
の役員でもあり、私とは、たまに「赤外線の新技術」の話を
する事もある。私は、その分野の技術内容に詳しく、毎年
赤外線の学会にも参加しているのだ。
また、準専業には「メタルスタイリスト福田」が居る。
4~5年前の結成で、宇治大会がホームであるが、他の大会にも
積極的に参戦しているので、そろそろ「専業チーム」と
呼んでも良いが、彼らには「どこかの大会で入賞したら、
もう一人前です」と伝えている。すなわち、彼らの最高位は
4位であり、どこかで初入賞を果たしたい訳だ、そうなったら
私も「専業チーム」と呼ぶ事にしたいと考えている。
(大)企業チームであるが、よく社長さんが観戦に来て
いる。社長さんは熱い人で、ドラゴン艇を走って追いかけ
ながら大声で応援(叱咤激励?)しているのだ。
私は、社長さんに「一度びわこペーロン大会の観戦に
来てください」と以前から伝えていた。この大会では
企業チームが多く、「メタル」と立場が似ている状態で
あるからで、その企業チームの中では「メタル」は
さほど悪いポジションでは無いからだ。
今回、社長さんが応援に来てくれたので、私は他チーム
の企業名や状況を説明した。社長さんと同業あるいは
著名な企業も多く出ていたので、ずいぶんと驚いた模様
であったが、その中では「メタル」が頑張っている事を
是非伝えたかったのだ。だが、社長さんは公私に忙しく
短時間だけの観戦で帰ってしまった。
「メタル」は敗者復活戦で見事に1位抜けし、準決勝に
進出した、実は、こうした状態を社長さんに見せたかった
のだが、ちょっとの時間差で及ばずに残念。
ちなみに、「メタル」のカーボンパドルの装備率は低く、
4名ほどが自腹で買っているに過ぎない。
社長さんには、他の企業チームが会社経費でパドルを
買っている事も伝えた。だが、ここは必ずしも、それが
良い事だとは限らず、社長さんと私の会話の中でも
「自腹で買った方がモチベーションが上がる場合もあります」
と、概ね同意している。まあ、今後「メタル」のクラブ経費
の承認については、会社内で良く検討していただきたく思う。
さて、個々のチームの話題がそれぞれ長くなりすぎて
しまった。時間を追っての各レースの模様が伝えきれない。
だが、それはまあ、大会結果のタイム表からでも明白で
あるので、ここでわざわざ紹介の必要も無いであろう。
本ブログでは、他では絶対知り得ない「一次情報」を
記載する事を主眼としているのだ。
過去、そんなスタイルは他には無いと思っていたのだが、
近年では、マラソン解説の「増田明美」さんが、同様に
選手達のプライベート情報等を沢山盛り込んで解説して
いる例をみかけ、「やっぱりこのスタイルは面白い」と
確信した次第だ。その情報収集がどんなに大変な事かは
想像は難しく無い、けどまあ、きっと彼女も「面白いから
やっている」訳で、苦にはなっていないのであろう。
で、本「20人漕ぎ」カテゴリーだが、まだまだ参加チーム
はある、何せ23チームもあるのだ。その全てから
詳しい情報を聞きだすのは限られた大会の時間内では
無理である、正直一度も話をした事の無いチームすら
あるのだが、毎年少しづつでも情報収集の範囲を広げて
いきたいと考えている。
それで何が言いたいか?と言えば、これらの個々の情報を
知れば分かると思うが、それぞれのチームには、それぞれ
の勝ちたい事情や戦う理由があるのだ。
これは完全な「人間ドラマ」であり、そこにドラゴン大会
観戦の醍醐味がある。
だから、大会の観戦記事は、
「何チームが参加して、どこそこのチームが優勝しました」
などの結果だけを記載しても殆ど意味が無いのだ。
まあ、新聞などのメディアでは記事を書くスペースの都合で
そういう短く客観的な文面になってしまうのもやむを得ない。
しかし、ブログ等のSNSでは、もっと自由に記事が書ける
筈である。だが、他の観戦記事やら、参戦したチームのSNS
ですら、新聞と同じレベルの端的な結果しか書かれていない
のは勿体ないのではなかろうか? 主観や内情という物は、
その主体となる本人でしかわからないはずだ、それを
書かずして何を書くのか? 他のどこかにある情報を転記
したりするだけの二次情報は、情報としての価値が無い。
ちなみに、観戦記事に限らず、カメラ等の情報や、個人の
日常生活を公開するSNSとかでも、私はそういった二次情報
には絶対に「イイネ」を押さないので念の為。
(と言うか、大半がそんなSNSばかりなので殆ど(全く)
見ていない。「インスタ映え」とか言われても、一次情報や
内容の無いSNSは、まるっきり見る気も起きないのだ)
さて、レースの途中経過は大幅に割愛して、いっきに
決勝戦の話に移ろう。
非常に厳しい激戦区の決勝枠に残ったのは以下の5チームだ。
以下レーン順、参考の為、本日のベストタイムも上げておく。
1:1分22秒 池の里Lakers!
2:1分21秒 龍人
3:1分20秒 すいすい丸
4:1分23秒 日立建機ティエラ
5:1分19秒 琵琶湖ドラゴンボートクラブ
なお、この最速タイムは、実はあまり参考にならない。
これはほとんどが、早い時間帯の予選タイムであって、
午後の準決勝から決勝にかけ、風が強くなってきていて、
レースコンディションが悪化しているからだ。
そして、タイム差も殆ど無い、各々のチームの差が1秒
程度であれば、もうこれはレース毎の「誤差」の範囲だ。
琵琶湖四天王の一角「小寺製作所」は、予選ではちょっと
ミスして1分30秒であった、これでは総合6~7位なので
小「決勝進出の為には、後10秒もタイムを縮めなければ」
と、ちょっと焦りが見られた。
だが、準決勝でどのチームと当たるかがポイントとなり、
その組み合わせの運がまず1つ。さらには、午後から皆が
タイム低下している事、それから準決勝は4戦あるので、
全体の2位の中で最速であれば決勝進出が可能な事、
という条件である為、総合的な条件は5分と5分、よって
さほど焦る必要は無かったと思う。
事実、予選でのタイムが速かった「シンコーメタリコン
ホワイトアウト」は、準決勝でタイムを落とし、1分27秒
であった。これは「小寺」の準決勝の1分25秒が上回って
いるので、「10秒差もある」と思う必要は無かったのだ。
この「小寺」を上回って、悪コンディションの中でもタイム
を縮め、1分23秒で決勝進出となった「日立建機ティエラ」
を、むしろ褒めるべきであろう。
このカテゴリーは参加チーム数が多いので、予選や敗復で
順位を調整して、有利な準決勝に進む、等の高度なレース
戦術は使い難い(使えない)、結局のところ、あくまで
ここは組み合わせの運であった。
だから「小寺製作所」は、悔やむ必要は無い。今年は
そんな感じで、「高島ペーロン」も「堅田船競争」も
たまたま運に恵まれていないだけだ、まあそういう年もある
必ずしも毎年成績が良い状態では無い訳だ。
そこをメンバーが良く認識しておけば、何ら問題は無い。
ちなみに、大会の後「反省会」を実施したと聞いているが
「単なる飲み会」になってしまった模様だ(汗)
でもまあ、その方が良かったと思う、別に反省する内容や
失策など、特に無いからだ。
さて、ここまで書いて来た通り、それぞれの決勝進出
チームには、それぞれ勝たなくてはならない理由がある。
できれば全てのチームに勝っていただきたいのではあるが、
これは競技である以上、勝者と敗者は必ず出てくる・・
ちなみに「優勝」という言葉の語源は、「優れた者が勝つ」
という意味が本来だそうだ。まあこれは「競技の本質」で
あろう、その意味が転じて、1位になった者を「優勝」と
呼ぶようになったらしい。
さあ、泣いても笑っても1本勝負、ここから激戦の決勝戦だ!
撮影場所の選択であるが、これまで準決勝等迄の間は、
何処で何が起こっても対応できるように、つまりレース
のみならず、チーム(選手村)の模様なども鑑みて、
コース中央あたりを中心に、行ったり来たりして撮影を
行っていた。だが、もう残っている関連チームは決勝
進出の5チームだけで、他チームはレースが終了している。
そして今年から旧来の400m戦から300m戦へ短縮して
いるので、ゴール地点での撮影が可能となっている。
予想タイムは、殆どが横並びで1分20秒台前半である。
琵琶ドラが遠くの5レーンであるが、池の里、龍人
すいすい丸は、手前の3つのレーンだ。
これらが僅差で滑り込む事を予測すると、もうゴール
地点しか全体を撮る手段が無い。
ゴール地点には櫓があって、会場の視界などを考えると、
レースの途中経過は撮れないが、そこはやむを得ない。
いよいよ決勝戦のレースがスタートした!
さて、レース序盤であるが、やはり差がついていない。
沖の「琵琶ドラ」が好調な模様だが、距離があるのと
他チームとの相対的な角度の関係で正確な順位は不明だ。
やはりゴールの瞬間を捉えるしか無さそうだ。
レース後半、琵琶ドラ(上写真)が速い。
他チームは視界にすら入っていないが、これは角度の関係
であり、手前のチームほど角速度が大きいので、距離が
近づいてくるにつれ急速に速度が上がるように錯覚する。
なので、早目に撮影を開始しないと、ボートが見えてから
撮り出しては、その急展開に慌ててしまう恐れもある。
だが、今回は、ちょっと連写開始タイミングが早すぎた。
天神大会の決勝戦と同じく、コース上の位置で、明るさが
全然異なる状況であったのだ。カメラを高速連写しながら
ここで左位置から右位置にパンする程、夕日の太陽光線の
角度に近くなり、露出オーバーになってしまった(汗)
カメラは違えど、天神大会と全く同じミスだが、まあ、
2度同じ事をやったならば、3度目はさすがに自分でも
注意するだろう。反省はこれで終了だ(笑)
「琵琶ドラ」が先にゴールしたのがはっきり見えた。
他チームは半艇身(2秒前後)程度、遅れている。
以下、順次なだれこむように僅差でゴールイン、正確な
順位はビデオ判定になるだろう。
結果は以下となった。
1位:1分20秒 琵琶湖ドラゴンボートクラブ
2位:1分22秒 池の里Lakers
3位:1分23秒 すいすい丸
4位:1分23秒 龍人
5位:1分28秒 日立建機ティエラ
やはり、2~4位は、極めて僅差であった。
「琵琶ドラ」は、念願の「アベック優勝」である、
これまで、下手をすると女子チームの方が「賞品の牛肉」
の量が多く、祝勝会等で肩身の狭い思いをしていたのかも
知れないが、男子優勝で十分な「焼肉の量」である(笑)
(注:実際に賞品の牛肉が到着したのは、9月初旬で
あったと聞く。酷暑の大会日には「生モノ」は、その場
では賞品としては渡せないのだ)
「池の里」は、連覇が途絶えてしまったが、まあ、
そういう事もあるだろう。これだけの強豪チームが
揃っていて実力伯仲の中で勝ち続ける方が奇跡的だ。
「すいすい丸」は、3位の結果は不満足かも知れないが、
女子メンバーも乗っての戦いであったので(注:他チーム
は男子が大半だ)実質的には、よく頑張っていると思う。
「龍人」は、3位入賞も逃してしまったのだが、こちらも
女子メンバーを乗せての参戦なので、やむを得ない。
ここのところ2~3年、各地の大会で優勝が増えてきて
いるので、勝てない事は不満足かも知れないが、それでも
3年より前では、正規に優勝した事は殆ど無かったので、
年に1度でも優勝ができていれば良いと思う。
龍人は今年は既に横浜大会で、「うみひ」とのコラボで
優勝しているし、日本選手権でも決勝進出4位の好成績だ。
まあ、まだ今年も他の大会がある、龍人には引き続き
優勝のチャンスも巡ってくるかもしれない。
「日立建機ティエラ」は、地元企業系チームの中では、
今年も最後まで良く奮戦したと思う。この強力な専業チーム
達に混じって決勝に進出できただけでも良かったであろう。
もし、これ以上順位を上げたければ、もう後は練習回数を
増やすしか無い状態だ。負けた悔しさをバネにできるならば
彼らは来年は多くの練習を積んでくるであろう。
せっかくのカーボンパドルやライジャケの装備、是非とも
入賞して、本部長さんに胸を張って報告して頂きたいと思う。
(あるいは、この企業には美人女子選手・応援者が多い。
女子選手達の前で、是非、表彰台に上がって頂きたい)
さて、これにて、びわこペーロン大会は無事終了。
例年どおり、最後には「琵琶湖周航の歌」を皆で歌って
終わりである。もうこの時刻は毎年暗くなっている頃だ。
(注:露出補正を大きくかけるから、背景は明るくなる)
幸いにして、今日はあまり暑くはなかったが、それでも
30℃は越えていた、日を遮る場所が殆ど無い為、
結構日焼けしている。
大会の時間が約10時間と長かったので、撮影枚数も軽く
4000枚を越えている、早々に帰宅して写真の選別・編集
作業にかかるとしよう。
次回ドラゴンボート系記事に続く・・