2018年7月15日に行われたドラゴンボート大会の模様より。
正式名称は「30周年記念 天神祭奉納
2018 日本国際ドラゴンボート選手権大会
第14回IDBF世界ドラゴンボート選手権最終代表選考会
同時開催 大阪府知事杯スモール選手権」であるが、
長すぎる為、本記事では「日本選手権」と略す。
本大会は、1988年より30年間続く長い歴史を誇り、
これは国内の公式ドラゴンボート大会では最古参、
ドラゴン類似の地方のボート大会を含めても、1、2を
争う古株の大会だ。
(注:ただしドラゴンの原点とも言えるペーロン大会
では、ドラゴンより遥かに長い優に100年以上から
350年もの長い歴史を誇る大会が長崎と相生にある)
そして、本大会は旧来は「日本選手権」大会ではなく
天神祭の奉納を主眼とする大会であった為、古参の
選手や関係者の間では、通称「天神大会」と現在でも
呼ばれている。
なお、天神大会の時代と現在の日本選手権では微妙に
大会会場もレギュレーション(ルール等)も異なっては
いるが、まあ”同一の系列大会である”という認識だ。
本大会が「日本選手権」に変わった後でも「天神祭奉納」
の呼び名の通り、大阪天満宮の宮司さんや巫女さんによる
大会安全祈願の神事が毎年行われている。
さて、2018年7月15日(日)、今年も例年同様に
大阪天神祭(毎年7/24~7/25)の前週の日曜日に、
本大会は無事開催される事となった。
今年、30周年を迎えた事で、長期間の参加チームや、
多数の運営関連企業などの表彰が行われた。
上写真は「すきやねん大阪」チームの表彰の模様、
下写真は「坊勢酔龍会」の「銀龍賞」の表彰状だ。
(恐らくは「金」が30年、「銀」が25年以上のように
思うが詳細は聞きそびれた)
本大会の30年間の歴史の間、1990年代初頭にバブル崩壊
による影響で未開催となった年が1度だけあったと聞くが、
他は毎年同様の時期に開催されている。
そして、私が観戦撮影を始めたおよそ15年前からでは
1度、大会前日に大きな台風が通過して開催が危ぶまれた
年(2007年)があったが、大会当日は晴天となった為に
まあ参加チームはだいぶ減ったものの、なんとか開催に
こぎつける事ができた。
他の年については無事開催されてはいるが、梅雨明けの
この時期故に夕立やゲリラ豪雨等がよくあり、大会が
1時間ほど中断される事は何度もあった。
参加チーム数が比較的多い大会なので、元々スケジュール
は結構ギチギチだ、そこへ中断が入ると終了時刻は結構
遅くなる。
閉会が午後7時過ぎになった事も何度かあり、遠方からの
参加チームは帰路が心配になる状態だろう。
遠距離参戦のチームの事も考えると、レース進行は
できるだけ速やかに進める事が望ましい。
・・と言うのも、本大会は「日本選手権」と称する事も
あって、全国各地そして、たいてい海外からも参戦
チームがある国内屈指の遠距離参戦型大会なのだ。
地元近畿圏対、それ以外の地区からのチーム数の比率は
約6対4と、まだ若干地元優勢の感もあるが、これは
近畿圏をやや広めに解釈した数字である。
また、近年では「異地区コラボチーム」が増えてきている。
例えば本大会でも「千葉&大阪」と「静岡&滋賀」の
コラボチームが、のべ3つある。
近年では、もうあまり”どこの地域のチーム”だと
定義するのも難しい状況だが、見方を変えれば、
「全国区で選手間の交流が進んでいる」とも解釈でき、
これについては良い傾向だと思われる。
例えば、静岡県で毎年行われている「ツナカップ」大会
は、現状唯一、地元(静岡県)よりも県外参戦チーム
の比率が大きい大会だ。
まあ「遠方からでも参戦したい、という希望が多い
大会である」と言い換える事もでき、こうした大会は
人気大会かつ優良な大会であるとも言える。
そして、こういう大会で異地区の選手達とのチーム
間交流も進んでいくのだ。
「日本選手権」(大阪)や「スモール選手権」(滋賀)
も狭く解釈して、地元府県対、それ以外の比率で見れば、
もう県外チームの数の方が多くなっていると思われる。
これもまあ良い傾向ではあるが、ただ、これらの
「選手権」級の大会では競技志向がやや強く、チーム間
の交流は(お互いがライバル同士となる為)なかなか
進み難いかも知れない。
さて、大会当日の模様だ・・
この日は、気温が非常に高かった。
大会会場である大阪市(天満橋)の最高気温は36℃。
近隣の京都府では、なんと約39℃まで上がり、その後
京都では1週間以上も連続での38℃越えとなる。
さらには7月下旬には、埼玉で41.1℃の日本新記録、
東京都でも40℃を超える猛暑日となる。
勿論、こうした酷暑は、かつて前例が無いであろう。
この暑さでは祇園祭(宵山7/14~山鉾巡行7/17)の
観光客等も、なかなか難儀した事であろう。
その後、京都のみならず全国レベルでこの猛暑が
長く続き、多数の熱中症患者や死者まで出た模様だ。
本大会の時点では、そこまで深刻な状況になるとは
予想しずらかったかもしれないが、ともかく暑いのは
確かなので、その対策が必須だ。
猛暑だけでなく、前回のドラゴンボート堺泉北大会
(6月17日)の以降は、色々と大変な事があった。
まずは、6月18日の大阪北部地震、そして7月上旬の
西日本豪雨、さらにそれに加えて、この7月中旬から
下旬の猛暑である。
地震や豪雨の被災地での熱中症急増等もニュースで
色々と報道されていたが、ともかく大変だ。
近年では、こうした大規模な災害が頻繁に起こり、
それまでの時代のように”自分には降りかからないで
あろう”という「ひとごと」だとは思えない状況だ。
様々な防災意識や災害対策が重要になって来ている。
本大会への直接的な豪雨の影響は幸いにして無かったが、
微妙な関係はある、そのあたりはまた追々説明しよう。
そして、猛暑の影響は若干は出ていると思う、だが、
そのあたりは、明確に「こういう影響がある」とは
言い切れない。ただ1つ言える事は「この酷暑を制する
チームが勝利を手中にするであろう」という点だ。
さて、本大会は5つのカテゴリー制となっている。
本記事前編では「スモール、女子、シニア」の
各カテゴリーの模様と結果について紹介しよう。
まず「スモール」のカテゴリーだが、こちらは
ドラゴン競技の普及を目的とした入門編のカテゴリー
である。10人漕ぎ(+鼓手、舵手)であるが、
レース運営の効率化の為、専用の「スモール艇」は
使用せず、20人漕ぎのレギュラー艇を流用して行われる。
20人艇を10人で漕ぐ場合は、概ね「1つ飛ばし型」か
「中央集中型」の、いずれかになりつつあるが、まだ
どの方式が有利か?の明確なセオリーは無い模様だ。
レース距離は他カテゴリーと同じ250m戦だ、人数が
少なくて漕力が不足するので、タイムは20人漕ぎ
よりも5秒前後落ちる。
エントリーしたチーム数は15と、そこそこ多い。
5艘建てレースを行い、予選、敗復、準決勝、決勝
という一般的なレースフローになる。
このスモールの部には明確な参加資格は無く、
「オープン」という事だ、加えて他カテゴリーとの
重複参加も可能である。
ただ、重複参加の件はさておき、艇の重さや、通常型の
レースフローによる多くのレース数、そして後述するが
強豪チームの参戦も多く、結構「しんどい」カテゴリーだ。
この結構厳しい状況では「酷暑」による体力消耗も
勝敗を左右する重要なポイントになってくると思われる。
それから、この「スモールの部」は他大会のように
「実力別カテゴリー分け」というスタイルでは無いので、
たとえ専業チームでも出場が出来るレギュレーションだ。
しかし、まあ「選手権」では無い為、例えば国際大会への
参加選考会などは無関係だ。
で、実質的には、ビギナーチーム、準専業チーム、20人の
メンバーが集め難かった専業チーム、そして強豪専業チーム
の新人育成、といった感じでの参戦となる。
さて、上写真は「フォーティーズ」だ。
長年、本大会に出場しつつけているベテランチームである。
旧名称が確か「ギャンブラーズ」と言っていた模様で、
恐らく20年近くは出場しているのではなかろうか?
匠「そろそろ長期出場で表彰される資格もあるのでは?
以前の名前と同じチームである事を、大会運営側に
アピールしておいた方が良いですよ」
と、アドバイスしておいた。
ところで、フォーティーズは大阪府高槻市近郊を
拠点としたチームだ、先日の大阪北部地震では、
学校のブロック塀が倒れて児童が犠牲になった地域だ。
匠「昨夜も余震があった模様ですが・・
地震とか豪雨とか、被害はありませんでしたか?」
フ「直接的には、チームのメンバーは大丈夫でしたが、
その他、まあ色々と大変でした・・」
特に、自治体や教育関連など事後処理も多数あって、
本当に大変な模様だ。
・・それと、ちょっと気になる話を聞いた。
被災地や事故現場等で「アマチュアカメラマンが良く
写真を撮りに来る」との事、結構それが多く目立ち、
地元住民においては、かなり気になるそうだ。
ボランティア活動とか、そういうのであれば良いが
単に現地に来て所構わず写真を撮っている模様だ。
そのアマチュア達の心理は「報道記者気取り」なのかも
知れないが、被災地やら犠牲者の関係者等の方々の心情
を考えると、決して褒められた行為では無い。
そういえば銀塩時代でも、若手のアマチュアカメラマン
が、報道記者御用達のカメラ「ニコンF3」を購入し、
わざわざそれを報道仕様とする(F3 P/Limited用ファインダー
を高値で購入し、プレス(報道)用限定の黄色いストラップ
の横流し品を数万円という不条理な高値で購入して使う)
そうやって「気分は報道記者」となった彼らは、休日には
街に出て、事件や事故に出くわすのを待ち、そうした写真
を撮ろうとする、もし万が一、目論見どおりに事件等の
写真が撮れたら、それを新聞社等に売りに行き、読者投稿
として自分の名前を売る事や若干の謝礼を目的として
いた模様だ。
実際に私の知人でも、それをやっていた若い男性が居た。
匠「暇な事をやっているな~、そんな風に事件とかに
出くわす偶然なんて、万にひとつもないだろう?」
と、銀塩時代の当時は””まあ個人の好き好き”という
印象だったが・・ 現代において、被災地を訪れて写真を
撮るというのはどうなのだろう? そういうのは、それこそ
報道の専門家達に任せておけば良い訳だ、アマチュアが首を
つっこんて良いものでは無い。「火事場見物」とかいった
軽薄な気持ちで被災者や被害者の心理を逆なでする事にも
なるだろう。まあ現代ではスマホ等の普及により、誰でも
簡便に写真が撮れてしまう時代であるからこそ、より、
プライバシーや社会的なモラルには十分に注意しなければ
ならない。
ちなみに、この話はアマチュア層のみならず、報道とかの
職業系であっても同様だ、周囲に迷惑をかけたり、社会の
マナーに反するような撮影行為をするのであれば、意識は
アマチュアのビギナー層と全く同様だ。
報道には確かに「大義名分」は存在するが、それは社会の
ルールやマナー、モラルに反してまで優先すべき事では無い。
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さて、余談が長くなった、大会の模様に戻る。
「スモールの部」には、海外(香港)からの参戦で
「La Selle Dragon Boat Team」が居る。
香港系チームなので、例によってコミュニケーションは
英語となる。
匠「このチーム名は何と読むのですか?」
香「ラ・セールですよ」
匠「集合写真を撮りましょう、皆さん、旗の廻りに集まって
くださいね」
香「パドルを持ったほうが良いかな?」
匠「ええ、お願いします」
そんな感じで写真を撮っていたが、以降、少し話しを聞いて
みると、どうも「超強豪」という感じではなさそうだが、
まあ、それでもドラゴンの本場からの参戦だ、
スモールの部の中では決勝又は上位には進めると思う。
また「香港日本龍」というチームも参戦している、こちらは
「TAITAM X」の関連だろうか? 香港の企業の駐在日本人達の
チームであるから、日本語で話ができる。
でも、近年ではメンバーに外国人を含むチームもずいぶんと
増えてきている。今回の参加チームでも、見たところ、ざっと
8チーム位があるし、今回は参戦していないが他にもいくつも
のチームがその状況だ。で、そうした感じで外国人比率の多い
一部のチームでは、その外国人選手(達)が日本語が堪能
ならば良いが、そうで無い場合、チーム内の情報伝達が英語で
行われる場合もある。
上写真の「OCTドラゴンボート倶楽部」も、アジア系の外国人
留学生の比率が高いチームだ、まあ日本に住む学生達なので
日本語でもなんとか通じるが、複雑な話は英語の方が簡便だ。
なお「OCT」は数年前から、ずっと本大会に参戦しているが
20人漕ぎに参戦したのは確か1~2度だけで、スモールの部が
出来てからは、そちらに参戦しているので、専業チームの
間では、あまり知られていないチームかも知れない。
出自は「技術系専門学校」であるから、毎年、卒業と入学で
選手の入れ替わりがある。優秀なメンバーが揃っている年では、
なかなか強い事もあるので、他の専業チームから見ても、
あなどれない存在だ。
まあ、ドラゴンの世界も、ずいぶんと国際化が進んでいる
という事だ、それは、KIX(関空)大会等へ行くと、顕著に
感じるであろう。なにせ、昨年の同大会では混合とオープン
の各決勝戦の過半数が海外チームになってしまった位である。
こちらは「からしれんこん」、強豪チームOBにより2年程前に
新規に作られたチームで、各地の大会にも積極的に参戦して
いる。各大会で優勝はまだ無かったと思うが、いずれも
好成績を収めている。
まあ本来であれば、本スモールの部の優勝候補にあげても
良いチームなのであるが、今年はスモールの部は大激戦区だ。
強豪専業チームや、その育成サブチームやら、海外(香港)
チーム、さらには関西の大会には未参戦であった関東系の
強豪チームとかも居て、なかなかシビアな戦いになりそうだ。
さて、今回のスナップ写真はチーム集合写真が多くなって
いる。その理由であるが、各大会のパンフレット等には
チーム紹介写真が載せられている場合が多いが、その写真
が準備できていないチームもある為だ。適宜協会アルバム
から流用していただければ良いと思う。
スモールの部で、まだ紹介しきれていないチームも多数が
あるが、残念ながら全てを紹介するのは困難だ、申し訳ない
が、ざっくり割愛して決勝戦の模様の紹介に進む。
スモールの部のレース写真は、20人漕ぎに比べて写真的な
視点からは、漕手の数が少なく、ちょっとスカスカで寂しい
印象となってしまう。これでは20人漕ぎのドラゴンボート
の迫力を伝え難くなってしまうが、まあ、スモールの部の
写真は、あくまで記録写真的な意味合いで・・
さて、スモールの部の最終結果は以下の通り。
1位:関西龍舟バーバリアンズ
2位:La Selle Dragon Boat Team
3位:BON OYAGE
4位:からしれんこん
5位:関西龍舟 白鹿
上記の通り「ほとんど、普通のドラゴン大会と同じような
顔ぶれに、海外チームが加わった」と言う結果となった。
これがまあ「スモールと言えども、今年は激戦区」という
所以である。
なお、惜しくも準決勝で破れた「Ageha」(↑)は、
今年2018年に神奈川の「海の公園」を活動拠点
として新規に結成されたチームである。
(旧来、「建設系企業チーム」と記載していたが
後日、詳しく聞くと、上記の出自だそうだ)
ドラゴンボート経験者が含まれるが、まだメンバー数が
少ない故、当面は10人漕ぎの部での参戦となる模様。
結成されたばかりなので、関西の大会には今回が初参戦で
あった。
なかなか実力のある企業チームなので、懲りずに、今後も
また関西の大会に参戦いただければ幸いだ。
さて、こちらは「女子の部」のレースの模様だ。
今年、女子チームは参加数が少なく、わずかに2つである。
例年は5チームくらいの時もあるので、ちょっと寂しい。
ただまあ、参戦チームの「SUPER DOLPHIN」と「TEAM河童」
は長年の良きライバル関係だ。
だが、ここ十数年は、ずっと「SUPER DOLPHIN」が優勝
「河童」が準優勝と、判で押したような結果が続いている。
よって、注目点としては「河童がドルフィンに、何処まで
迫れるか?」である、両者の差は少ない年では2秒程度の
ケースもある為、仮に今年もそうした微小な差異であれば、
今後の「政権交代」の期待も持てる。
しかし、「河童」は、前記事「高石大会」で紹介したように
河童オリジナルの「直立漕ぎ」へのフォーム改造の真っ最中だ。
今回も前大会同様、上写真のように典型的な「直立漕ぎ」だ。
ドルフィンとのレース毎の差は、各々約4秒だった。
ふうむ・・ これは「直立漕ぎ」が完成しているのだろうか?
いやまあ、まだ未完成なのだろう、やはり「ドルフィン」に
僅差で迫る位にならない限り、完成とは言えないのだろう。
まだ今年の他の大会にも「河童」は参戦すると思う、
フォーム改造については、もう様子を少し見守っていこう。
結果、今年も女子の部の優勝は「SUPER DOLPHIN」だ。
・・もう十何連覇か? ちょっと数え切れない(汗)
今後も、どこまで連覇を続けられるか?そこに挑戦して
いただきたく思う。
さて、上写真は「シニアの部」の模様だ。
今年は、こちらのカテゴリーも参戦は3チームと寂しい。
女子とシニアのカテゴリーの参戦が減っている代わりに
スモールの部が増えているように思えるので、そういう
風に状況が変わってきているのかも知れない。
・・いや、実際、近年のドラゴン大会では女子やシニアの
カテゴリーが無い大会が大半となってきているのだ。
現代での理想的なカテゴリー分けでは、「ビギナーの部」
「混合の部」「チャンピオン(オープン)の部」といった
実力別カテゴリー分けと、競技志向を両立させるような
方式である、これは、前述の人気大会「ツナカップ」
(静岡)などでは、この方式だ。
ただまあ上記方式でも、ビギナー(チャレンジ)の部に
強豪チームが居るなどの状況となるとバランスが悪くなる。
なので、ビギナーの部の優勝や上位チームは、次回からは、
より上位のカテゴリーに進級する、などの措置が必要だ。
そうなると、ほとんど「相生ペーロン」のレギュレーション
(Ⅰ部、Ⅱ部、オープン(ビギナー)の三段階で、毎年
各々の入れ替わりがある)に近くなるだろう。
ただ、相生方式では「毎年の参加チームがほぼ固定されて
いる」という条件が必須だ。
なかなか理想的なカテゴリー分けは難しい状況だと思われる。
では本「日本選手権」に、何故現代では少ないカテゴリーが
残っているか?と言うと、本大会は「国際大会への出場選考」
を兼ねているからである。すなわち、海外の大会では、混合、
オープン、女子、シニアという、競技志向の強いカテゴリー
分けとなっている事が普通だからだ。
で、日本国内ではライフスタイルの変化や多様化により、
各大会参戦チームの実力差を鑑み、公平性を維持する為に、
日本独自のカテゴリー分けが進んでいるのだが、反面、
海外ではドラゴンの競技人口も桁違いに多く、競技志向も
強い為、競技的な公平性を維持するにもオーソドックスな
カテゴリー分類になっている事が好ましい訳だ。
さて、シニアの部のレギュレ-ションだが、40歳以上という
参加資格。また、参加チーム数が少ない為、レースは二回戦
制である。
各チームは2度のレースを行い、各々の順位点を合計して
最終順位を決める方式だ。
一回戦では「東京龍舟マスターズ」「侍OYAGE」
「坊勢酔龍会ALL BEERS」の順位となっている。
(上写真は、「ALL BEERS」)
通常、各大会での二回戦制では、順位点がひっくりかえる
事はまず無い、何度漕いでも、順位の結果は同じになる
事が殆どである。
しかし、本日本選手権のシニアの部では、過去において
レース毎の順位が変動して、結果の最終順位が変わった事
が、私が記憶している範囲では、2度程あったと思う。
まあつまり「シニア戦は、各レースで順位の変動がありうる」
という話だ。
大会中、この件を「侍OYAGE」メンバーと話していたのだが、
その理由を皆で推察していると・・
「シニアなので長期戦となると基礎体力が持たないのでは?」
という分析の意見が出てきた。
その可能性はあるが、ただまあ、それは全シニアチームに
当てはまる事だ、だとすれば「持久力のあるチームが勝つ」
という事も言えるのではなかろうか?
それと、この暑さもある、これもまた基礎体力や持久力と
多大な関係があるだろう。
さて、シニアの部の結果だが、今年は順位変動はなし、
そして今年もまた「東京龍舟マスターズ」の連覇である。
この調子だと「東ドラ黄金期」に突入しそうな気も
するが、まあ東京地区では比較的早くからドラゴンボート
が発展してきた為、ベテラン選手の層が厚いのだろう。
さらに言えば、本大会では「東京龍舟」系は最大勢力で
あり、合計3チーム、来阪人数は60名を超えているそうだ。
で、そろそろ東京以外の他地区のチ-ムでも、シニアの部に
本格参戦、という話もいくつか聞いている。
こちらのシニアカテゴリーは、今後参加が増えてくる事が
期待できるであろう。特に2021年に関西圏で行われる
「マスターズ関西」(ワールドマスターズゲーム関西2021)
では、ドラゴンボート競技もあり、その参加資格がほぼ
シニアになると思われるので、本大会あるいは翌年以降の
本大会でのシニアの部の参戦チームが「マスターズ関西」
での主力チームとなる可能性もある。
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さて、本記事はこのあたりまでで、次回中編記事に続く。