本シリーズは、所有しているミラーレス機の本体の詳細を
世代別に紹介して行く記事だ。
今回はミラーレス第三世代=発展期(注:世代定義は第一回
記事参照)のPANASONIC LUMIX DMC-G6(2013年)を紹介する。

装着レンズは、NIKON Ai NIKKOR 85mm/f1.4S
(ミラーレス・マニアックス第7回記事参照)
以降、本システムで撮影した写真を交えながら記事を
進めていく。

まず、本機DMC-G6は、強力な「望遠アダプター母艦」である。
その具体的な一例だが、今回装着しているレンズは、
85mm単焦点であるが、本機G6に装着時にはフルサイズ換算で、
170mm/f1.4~1360mm/f1.4の仮想大口径超望遠ズーム
として使用する事ができる。

一眼レフの中級ユーザーいわく、
「ウソつけ! そんな事ができるのか? オレの持っている
高級レンズでも、大口径望遠ズームが70~200mm/f2.8で、
超望遠ズームも持っているが、それは150~600mmだぞ。
1300mmで、しかもF1.4なんて、ある訳が無い!」
・・ところが、これがDMC-G6では出来てしまうのである、
この話は、じっくりと後述していこう。

それと本機は、デジタル一眼レフ・クラッシックス第15回
記事で既に紹介している。
2回目の特集なので、過去記事とは異なる内容としよう。
また本機G6は、本シリーズ第7回記事で紹介したDMC-G5
のマイナーチェンジ版で、基本的に大きな差異は無い、
そうなると、記事内容的にも被りそうでな状況ではあるが、
それでも記事文字数限界までは書いていく事にしよう。

いきなり余談だが、エキサイトブログの場合、2000年代前半
ではブログ記事のテキスト文字数は無制限であった。
それが2000年代後半から2010年代前半までは、
記事文字数がおよそ2万Byte、すなわち全角文字で約1万字
までに制限されていた。現在ではその制限は解除された模様
であるが、今のテキスト最大文字数がどこまでいけるかは、
調べていない。
・・と言うのも、あまりに長い記事にしても、書く方も読む方
も大変だ、だから、その2010年前後の文字数限界値を、ずっと
一応の基準値としていて、現在、本ブログでのカメラに関する
マニアック系の記事においては、どの記事も殆ど2万Byte前後
で執筆する事としている。
(注:最近では、少しだけはみ出る場合もある)
何故、そのようにぴったりとした文字数に出来るのか?
と言えば、元々カメラ系で書きたい事はいくらでもあるからだ。
よって、文字数が余っていれば文章を追加するし、
限界を超えたら、やむなくカットするという事で、全ての
カメラ系の記事を、ほぼ同じ文字数にする事が可能となる。

さらに余談だが、私は昔から、TV番組での「料理対決」を
見るたびに、
「何故、どの料理人も、制限時間いっぱいで料理が完成する
のだろう? これはヤラセとかインチキじゃあないのか?」
と疑問に思っていた。
で、今から8年程前の話になるが、「お弁当コンテスト」を
撮影する事になった。これは当時の本ブログの記事にも
載せていたと思うが、それがどんなものか?と言うと、
ある食品関連イベントに出品(そこで販売)する為の
「お弁当」を決める為、多数の参加チームが弁当を作って
競うという、一種の「料理対決」であった。
そこで私が見た事なのだが、制限時間が残り10分とかに
なると、もう既に弁当が完成しているチームが出てくる。
しかし「残り時間が10分もある」という事で、そこから
さらに、もう1品の料理を作り始めるのだ。
それがぎりぎりで出来たら、その1品を弁当に追加する。
同様に他のチームも、残り時間が7分ならば7分で出来ると
思われる料理を作り始める。あと1品を作れる時間が、もう
残っていないチームは、残りの2分なら2分で、トッピングを
加えたり盛り付けを工夫したりして、制限時間ぎりぎりまで
改良を加え、どのチームも決して手を止める事は無い。
考えてみれば当然だ、これは真剣勝負だ、
「早くできちゃいました、アハハ」等と言って、手を止めて休み、
それ以上自分達の作品に改善の手を加えないチームなんて
1つも無い。それでは負けを認めるようなものだからだ。
だから、どのチームも残り時間数十秒、いや残り数秒で
全チームいっせいに「お弁当」が完成する訳だ。
匠「なるほどね、そういう事だったのか・・
これで昔からの料理対決のTV番組の疑問が解決したよ」
ということで、本ブログのマニアック系記事においては、
文字数が余ったら、その文字数で書ける内容を追加するのだ、
だから、どの記事も必然的に(自分で決めた)制限文字数
いっぱいの記事となる。

余談が長くなった(汗)さて、DMC-G6の話だ、
「望遠アダプター母艦」とは何か?
これはまず、PANASONIC DMC-G1(本シリーズ第1回、
デジタル一眼第11回)の記事で紹介したように、μ4/3機、
特にLUMIX Gシリーズは「アダプター適性」が優れている、
という特徴がある。
「そんなもの、全てのミラーレス機で同じでは?」とは
思うなかれ、ただ単にアダプターを介してMFレンズ等が使える
という「物理的」な意味では皆同じかも知れないが、実際には、
アダプターを使った際の、カメラの操作系や機能制限等が、
各々異なる為、実用上ではカメラ毎に大差となってしまう。
具体的には、例えば、純正AFレンズを使った場合には、
すべての操作ボタンやダイヤルが使いやすかったのが
アダプターを使った際に有効では無い無駄なボタンや
ダイヤルなどが大量に発生して使い難く、加えて、収差補正、
ピーキング、デジタルズーム等の便利機能も使えなくなって
しまうようなミラーレス機はいくらでもある。

DMC-G1や本機DMC-G6では、そうした無駄は殆ど無い、
アダプターを使った際にも、空いているボタンやダイヤルは
一切無い、すべての操作系はアダプターでMF時にも極めて
使いやすく、かつ、機能が制限される事も殆ど無い。

この快適さに慣れてしまうと、例えばμ4/3純正AFレンズを
本機に装着して使用したくなくなる。そういう純正レンズは、
本機ではなく、もっとMF操作系の悪いカメラに付けた方が良い、
それならば、そのシステムとしての短所を相殺できるし、
本機DMC-G6においては、MFレンズを使う際の長所を、
(AFレンズを使う事で)消さずに済むからである。
そればかりか、AF一眼用マウントのAFレンズですらも、
絞り環があって、MF向きに有限回転式で、ちゃんとトルク感の
あるヘリコイドを持つレンズであれば、一眼レフで使わず
本機DMC-G6で使用した方が、ずっと使い勝手が良いのだ。
・・という事で、本機が優秀な「アダプター母艦」である
事がわかったと思う。

では「望遠アダプター母艦」の「望遠」とはどういう意味
であろうか?
実はこれは、デジタル一眼レフ・クラッシックス第15回記事
でも述べている、重複するが、本機の特徴を再掲しよう。
1)MF(アダプター使用時)の操作系、及びその遷移
2)優秀なピーキング機能
3)デジタルズーム機能の仕様と操作性
4)本体形状およびグリップ・ホールディングの良さ
5)高感度(ISO25600)が使える
6)そもそも、μ4/3機である事
これらの特徴の中で、「望遠」に絡む部分は多く、
具体的には、各項目毎に以下がある、
1)カメラの各種の撮影設定における「操作系」が悪いと、
望遠レンズを持った構えを、いちいち解いて、背面モニター
等を見ながらカメラ設定を行わないとならない。
望遠を構えるのは、その重量やバランス等により大変だ、
その構えを何度もやりなおすのは出来る限りやりたくない。
重量級レンズの場合、できればカメラをグリップする指の
位置等も変えたくない、そういう点で「操作系」の出来や
不出来は、一般ユーザーが考える以上に極めて重要だ。
本機DMC-G6においては、その「操作系」は及第点である。
2)ピーキング機能であるが、
レンズの光学的な原理からすると、焦点距離が長くなるに
従い(望遠になる程)被写界深度は浅くなる。
一般的な開放F値可変型ズームでは、望遠になる程
F値が大きく(=暗く)なる為、これは被写界深度を深く
する方向なので、若干相殺されるが、開放F値固定ズーム
では顕著に、それがわかる事であろう。
また、開放F値の明るい、大口径の中望遠~望遠レンズの
場合も同様に被写界深度は浅い。
これらのレンズでMFで精密なピント合わせを行おうとすると
優秀なEVFは勿論、できれば何らかのMFアシスト機能が欲しい
「何らか」と言うのは、画面拡大機能、スプリットイメージ、
フォーカスエイド、ピーキング機能、のいずれかである。
ピーキングについては、画像のコントラスト(輪郭)検出を
行うのであるが、そのアルゴリズムや仕様は各社まちまちで、
よって、ピーキングの性能もメーカーあるいはカメラ毎に
大きく異なる。本機DMC-G6のピーキング機能は、他社(他機)
に比べ優秀な類であり、望遠レンズや大口径レンズにおいて
MF操作を十分にアシスト(補助)してくれる。

3)デジタルズーム機能仕様と操作性、については、
まず、本機DMC-G6の場合、以下2つのデジタル拡大機能がある、
デジタルズーム=1.1倍~2倍まで連続可変(画素補完型)
デジタルテレコン=2倍または4倍固定(画像処理型)
なお、PANASONIC機では上記の用語定義が一般的な感覚とは
逆転していて不自然なので、メーカー固有の用語は無視する。
うち、デジタルズームは、DMC-G5/G6に関しては、カメラ
前部のファンクション・レバーに、その機能をアサインする
事ができる。これはMFレンズでも単焦点であっても有効
なので、換算焦点距離を簡便な操作で、1.1倍~最大2倍
の範囲で連続(シームレス)に拡大できる。
この操作系は極めて快適であり、もう光学ズームを使う
気がしなくなる。
しかし、この機能の実際の効能については、中上級者で
あれば、すぐに2つの疑問点を指摘する事が可能であろう、
これについて詳しくは後述する。
デジタルテレコン機能は2倍または4倍の単純拡大だ、
これについては他機でも良く見る事がある(後述)
が、DMC-G6では、例えばボディ背面下部のFnキーにこの
機能をアサインしておくと、AF/MFレンズ使用時に係わらず
いつでも呼び出す事ができる。
デジタルテレコンは、デジタルズームと組み合わせて使う
事が可能であり、3.2倍、4.4倍など任意の拡大倍率が
得られる。
なお、この機能は画質劣化を伴うので、控えめな倍率で
使用するのが良い。
4)本体形状およびグリップ・ホールディング
に関しては、重量級である事が多い望遠レンズや大口径
レンズを使う際に必須の条件だ。
グリップも無い非EVF機ではこれは厳しい。
ちなみに、近年では本機のような形式を「センターEVF」
と呼ぶ事があり、OLYMPUS PEN-FやSONY α6000系等の
カメラの背面左側にEVFがある機種と区別している。
(どうも、欧米ではセンターにEVFが無いと不人気らしい
ライカが日本国内でないと売れなかったのも同じ理由か?)
それと、あまりに小さいボディも重量級レンズでは不利だ。
その点では、本機は、さほど悪くは無いが、本機よりも、
LUMIX DMC-G1や、FUJI X-T1のような大型機の方が使い易い
かも知れない。
5)高感度(ISO25600)が使える
今時となっては最大ISO25600は当たり前のスペックだが
日中明るい場所で使う事が殆どの望遠レンズでも、まあ
いざと言う場合(雨天になった時や、室内の遠距離被写体を
撮る場合)に備え、これくらいの感度の余裕は欲しい。
実際には、そういう厳しい条件でもISO6400程度位まで
しか使わないとは思うが、最大ISO6400の機種を目いっぱい
感度を上げるのと、最大25600から2段落として6400で
使うのでは、ノイズ量がまるで違う。後者が遥かに有利だ。
6)そもそも、μ4/3機である事
説明するまでもなく、μ4/3はフルサイズ換算焦点距離が
2倍である、300mmのレンズは600mm、500mmのレンズは
1000mm相当となり、望遠域に強い。

さて、ここでいくつか疑問点があると思う。
デジタルテレコンやデジタルズームなどで画素数を減らして
使う際の問題だ。
ミラーレス機では殆どのカメラで、この機能が入っている。
また、デジタル一眼レフにおいても、例えばSONY αフタ桁機
(α77等、全般)では「スマート・テレコンバーター」
という機能があり、これは、画素数を減らして1.4倍または
2倍の換算画角を得る。
ニコン機でも、D7000シリーズやD500等の、DX(APS-C)機
では、DXフォーマットをさらにクロップ(切り出すという意味)
する「1.3倍モード」があり、これで、フルサイズ換算2倍
(μ4/3と、ほぼ同じ)の画角が得られる。

ただ、デジタル一眼のこれらの機能は、シニア層等には不評だ、
彼らはこう言う
「画素数が減るじゃあないか、画質が落ちる機能は使わんよ」
けど、実際には、それはそういった単純な話では無い。
ここで画素数の話をし始めると際限なく文字数が増える(汗)
幸いにして、本シリーズ前記事のK-01の回で、画素数について
詳しく書いている。それを読んでもらえれば、画素数は
その写真の用途によりけりで必要レベルがあるという事が
理解でき、デジタルテレコン系の機能で(画質を落とさず)
画素数を下げる事へのアレルギーは解消される事であろう。
要は、2000年代のデジカメ市場での「画素数競争」の際に、
「画素数の大きいカメラは、良く写る良いカメラだ」という、
不確かな情報(概念)を「植えつけられた」に過ぎない訳だ。

じゃあ中上級者の持つ、もう1つの疑問点の話だ、
「デジタルテレコンや、画素補完系デジタルズームって、
トリミングと同じ事じゃあないの? それだったら自分で
トリミングする(出来る)から、不要な機能だよ。
最初からトリミングされていたら、後から、もう少し広い
構図にしたいと思っても、どうしようも無いし・・」
こちらは非常に、もっともな意見である。
原理的にはその通り。どっちも同じ事だ。

しかし、実用上では、両者はかなり(大きく)異なる。
1)まず編集コストの問題がある
「コスト」というのは原価とかお金の話、という訳では無い。
現代社会においては、時間や性能、効率など、様々な資源
(リソース)を上手く活用できない場合に、それを指して
「コストがかかる」と言う。
例えば、画像処理でのアルゴリズム(計算方法)が悪く、
CPUや画像処理エンジンが大量の計算時間を費やしてしまい
他にやるべき処理ができなくなってしまう場合を指して
「計算コストがかかり過ぎる」と言う。
編集コストとは、人間が、撮った写真を選別したり、編集
(色味や輝度、傾き、トリミング等を調整)する事に
かかる時間の事だ。
これは趣味で写真を撮っているのであれば、いくら時間が
かかっても、あるいは、いつその作業をやっても、はたまた、
撮ったままで放置しておいても(汗)まあ良いのだが・・
業務上で撮影した写真や、他者からの依頼で撮影した写真
においては、放置しておく訳にはいかない。できるだけ
速やかに選別や編集を完了して、届ける(納品する)義務が
あるのだ。
その際、大量に撮れば撮るほど、あるいは 撮影時間が
長ければ長いほど、編集時間は長くなるのが普通だ。
編集時間が、数時間ならば良い方で、十数時間、あるいは
それ以上になってしまう事もある。
コストは報酬にも影響する訳であり、1日の撮影報酬だけで
その後、数日間編集作業が発生したら、やってられない、
あるいは、納品物で報酬が決まる場合も同様に、速やかに
仕事を完了する必要がある。まさしく「時は金なり」だ。
ならば、編集のうち少なくとも「トリミング」の作業だけは、
より効率的に行いたい。
撮った時点で、デジタルズーム機能を使用した事により、
トリミング済みの構図になっている方が、ずっと楽だ。
うまくすれば、その写真は無編集で、そのまま使えるかも
知れない。そうなれば編集コスト(時間)が削減できる。

2)露出補正の必要性が変わる
(注:この項目は機種毎の露出決定方式に依存する。
センサークロップ型であれば以下の内容は顕著だが
本機DMC-G6では以下の効果は得られない)
カメラの露出計というものは、輝度センサーにより
画面全体の露出分布を測る、そしてその計算値や平均値が、
輝度(最低8bit=256段階から、カメラ内部的にはそれ以上)
的に中央になる、たとえば256段階であれば、128になる
ように、絞り優先露出ならばシャッター速度を決め、
プログラムAEならば、シャッター速度と絞り値をプログラム
ラインに沿って決め、AUTO ISOならば、シャッター速度が
所定の値(自動/手動)を下回らないように感度が決まる。
露出決定の方法は、各社様々な計算方式があり、当然良否も
ある。なのでカメラによって、露出が良いとか悪いとかの
差が出るのだが、ただ、いくら複雑で高度な計算をしても、
あくまで、たった1つの露出値が得られるだけだ。
しかもそれは「平均的には、これが良い」とカメラが提案
するだけだ、だから、撮影者の作画意図に応じては、それを
受け入れずに「露出補正」の操作が必要となる。
近年の高性能カメラでは、この操作は初期のデジカメに
比べて必要性が低減したが、そういう時代の機材だからこそ
例えば、アート的視点からは、カメラまかせの写真は避けて、
自身の考える個性的な露出値で撮らないと、他人あるいは
スマホ等の安易な撮影機材との差別化ができなくなる。
(これは職業写真家やアーティストにとっては死活問題だ)
一般的な撮影で、別に個性的な露出値で撮らないとしても、
カメラの露出値は、あくまで「画面全体で決定」される物だ。
よって、撮った写真を後からトリミングする場合と、
撮影時にクロップ型デジタルテレコン等で画面を狭めた
場合では、カメラの決定する露出値が異なってしまう。
現代の優秀な露出値決定アルゴリズムでは、それを信用する
のであれば、最初から適正な画面範囲で撮った方がベターだ。
具体的には、明るい背景を含む広い構図の中に小さい暗い
被写体があった場合、手動露出補正を行わないのであれば、
被写体は必ずアンダー(暗い)露出になる。
なので編集によるトリミングでは、切り出しと同時に輝度補正
をかけて被写体を明るくしなければならない。これは手間だ。
もしこの状況で、クロップ機能等を使って撮るのであれば
最初から被写体が画面いっぱいに写り、適正な露出値が
得られている事であろう(注:ここは拡大方式に依存する)
つまり、編集段階でのトリミングも輝度補正も不要になる
可能性が高いという事だ。
これは前述の「編集コスト」にも大きく影響が出る。

3)被写界深度の調整とボケ質破綻回避の必要性が減る
ここも上級者向けの話だが、撮影距離で被写界深度が変化
するのは光学原理からは当然だ。
例えば、1m先にある被写体を、普通に、とある画角で撮った
場合と、2mの距離から同じ画角のレンズで2倍デジタル拡大
で撮影した場合では、後者の方が被写界深度が深くなる。
あるいは、1m先の被写体を、より大きく写したいからと
光学ズームを望遠側に伸ばして拡大した場合は、被写界深度
が浅くなると同時に、背景が取り込まれる範囲が変化して
しまう(望遠圧縮効果、又はパースペクティブの変化)
また、撮影距離を縮め近接すると、レンズの最短撮影距離の
制限にひっかったり、光学ズームでは被写体の大きさが
変わり、背景や被写界深度を含めた構図調整をやりなおしだ。
さらに難しい事を言えば、こうして色々と撮影距離や絞り値
や焦点距離を変更すると、背景や前景の「ボケ質」が変化し、
時に、それは汚くなる、つまり「ボケ質破綻」が起こるので、
さらに、もう一度全ての設定を考え直し、やり直しになる。
しかしながら、デジタルズームでは、最初に決定した、
被写界深度やボケ質をキープしたまま(拡大方向に限るが)
構図すなわち被写体の大きさ(画面内の配分)を微調整する
事が出来るのだ、これは多大なメリットである。
これについては、後から編集でトリミングするのとは、
全然話が違う、なにせ、被写界深度やボケ質などを後から
編集で変える事は出来ないのだ。
(それでもなお「トリミングとほぼ等価だ」と言うならば、
前述の編集コストへの影響が強い点をあげておく)
・・という事で、デジタル拡大(ズーム、テレコン)と、
編集トリミングは、原理的には同じであっても、実使用上は
大きく異なるという点が、わかったと思う。

デジタル拡大機能を使う事については、DMC-G6の特徴の
ほんの1部だ、けれども「望遠アダプター母艦」としての
用途を与える以上、この点は非常に重要であり、詳しく理解
しておく必要がある。
この結果、今回使用のAi85mm/f1.4レンズにおいては
デジタルズーム機能を最大の2倍(画素数制限400万画素)で
使うのであれば、
テレコン無し=170~340mm/f1.4
テレコン2倍=340~680mm/f1.4
テレコン4倍=680~1360mm/f1.4
の換算画角が得られ、都合170m~1360mmの範囲で
F1.4通しの仮想大口径望遠ズームとなる訳だ。
なお、400万画素は、4:3縦横比ならば2336×1752pixel
となり、これはPC画面での閲覧では十分すぎる解像度であり、
印刷時には、六つ切り(25.4cmx20.3cm)位までは、高品質
(240dpi程度)にプリント可能だ。

さて、そろそろ記事文字数の限界が近づいてきてしまった
肝心の本機DMC-G6の数値性能の話ができなかったのだが、
スペック等はデジタル一眼第15回記事に詳しいので、
そちらを参照されたし。
というか、スペックなんて書いても意味が無い、と、最近では
思っているので、あえて書かなかったという事もある。
重要なのは、そのカメラを「どう使うか」という点であろう、
そういう意味では、本記事では本機DMC-G6の有効な使い方を
(ごく一部ではあるが)述べている。

ちなみに「望遠アダプター母艦」として使う際に、DMC-G6に
内蔵手ブレ補正が無い事が弱点であると思うかも知れないが
光学ズームレンズを使ってしまうと、ズーミングで画角が変化し
アダプター使用時には、その変化した画角をいちいち本体に
伝える操作が煩雑で、実用レベルではない。ズームレンズでは
手ブレ補正は(あったとしても)使えないと思った方が良い。
また、単焦点レンズでもデジタル拡大機能を大きくかけて
都合1000mm相当の画角ともなったら、優秀な内蔵手ブレ補正
であっても、ほとんどまともに動作しない。

最後に本機DMC-G6の総合評価を行ってみよう。
評価項目は10項目である(第一回記事参照)
【基本・付加性能】★★★
【描写力・表現力】★★★
【操作性・操作系】★★★☆
【アダプター適性】★★★★
【マニアック度 】★☆
【エンジョイ度 】★★★☆
【購入時コスパ 】★★★★ (中古購入価格:23,000円)
【完成度(当時)】★★★★
【仕様老朽化寿命】★★★☆
【歴史的価値 】★
★は1点、☆は0.5点 5点満点
----
【総合点(平均)】3.1点
得点は平均的、前機種DMC-G5と似たり寄ったりの評価傾向
であるが、まあ、マイナーチェンジ版の機種なので、
そうなるのは、やむを得まい。
実用性能は高い、また中古価格もこなれていてコスパも高い、
(現在では2万円以下の相場で入手可能だ)
手ブレ補正機能こそ無いが、「望遠アダプター母艦」としての
用途に最適なカメラだと思う。
後継機DMC-G7以降は、望遠アダプター母艦として考えると、
本機より操作系が改悪されている部分もあるので、
本機の「仕様老朽化寿命」は、優れている(長く使える)と
言えよう。

次回記事は、引き続き第三世代のミラーレス機を紹介する。