友人の女性、Sさんからメールが来た。
『匠さん、私、サーフィンを撮るカメラが欲しいのです』
・・・『むう、サーフィンですか?? 予算は?』
『8万円から10万円です』
・・・むむ、本来ならデジタル一眼を勧めるところだが、レンズを買う事を考えると
予算に収まらないし、それに、Sさんは写真教室に通い始めたところである。
写真教室ならば、とりあえずは銀塩スタートである、将来のデジタル対応は考慮するが
現時点では銀塩から選ぶしかない。
・・・しかし、サーフィン・・「伊良湖のじいちゃん」ならいつも撮ってるのだろうが、
こちらは「ドラゴンボート」専門である(笑)、ウインドサーフィンなら以前やっていたこと
があるが、サーフィンの経験は無い。
撮った事も遊び程度しか無いので、アドバイスが難しい(汗)
望遠が必要なのは間違いない、300mm、400mm、あるいは500mmオーバーか?
しかし、女性が扱う機材である、あまり重量級なのは現実的では無い、
重くともカメラ+レンズで2kgが限界であろう、それでも丸1日の撮影は無理だと思う。
・・・『一応候補をあげますが、まだこれで決まったわけではありません、
とりあえず、撮影距離と撮影時間を教えてもらえますか?』 とメールしておく。
候補セット:
①CANON EOS 7 + TAMRON 28-300XR 予算65000円
②MINOLTA α-7+ TAMRON LD200-400 + 50/1.4 予算85000円
このうち、①は普段持ち歩きもできて、低予算に押さえたもの、XRの中古があれば
もう少し安くなるだろう。ただし300mmでは足りないかもしれないし、普段から300mm
を持ち歩くのもどうかと思う。 ②は、サーフィン(あるいは動物園)に特化した
匠推奨のセット、普段撮りは50/1.4で渋くキメる。レンズを同等にしてボディをCANON
にすると標準や望遠の中古の価格が高くなる。
----
1週間後、再びメールが来る。どうやら休日はしょっちゅう行っているらしい。
『50mから80mくらいですね、1日撮る事はありません、2時間くらいかな?
それと移動は車になります』
・・・う~ん、とりあえず電話してみようか。 プルプル・・・「はい、Sです」
・・・その条件だったら、αと400mmにしようか? 移動が車で短時間の撮影ならば
重量級レンズでもなんとかなるだろう? いずれαのデジタルを買えば、600mmでしかも
手ぶれ補正となるよ、そしたら完璧だしね。
「三脚とかいります?」
・・・いや、動きモノだから、固定したら撮れないよ。 ただしずっと持っているのは
重いと思うよ、1.2kgくらいあるレンズだしね。
「ブレませんか?」
・・・明るい日中で撮るから、シャッター速度的には大丈夫だと思う、あとはちゃんと
構えて持てるかだよね。
「重たいですよね?」
・・・うん、正直重いと思う。けど、私の知人の女性でも3~4人このレンズを使って
いるけど、皆マッチョな女性じゃないし(笑)、慣れれば大丈夫だと思う。
「動物園にも行きたいんですが、使えますか?」
・・・ピッタリだよ、言うと思った(笑)、私はこのレンズは動物園とボート撮影の
専用にしているよ、ピント合わせに若干の弱点もあるけど、画質的には申し分無いよ。
「じゃ、それに決めたいです」
・・・了解、スケジュール調整して連絡するよ。
----
約束の当日、大阪・梅田のカメラ屋さんで待ち合わせ。
ここからは、もういつものパターンである。 しかし、ここのところ、このレンズとα-7を
買いあさっている、同じものばかりになってしまっているが、コストパフォーマンス的に
優れてしるのでしかたがない。 そんなわけで、もうそろそろ色々な中古屋さんにも
在庫が無くなってきている。 出物が見つかる可能性はちょっと薄い。
また今回は予算も時間の制約もある、予算は85000円と伝えているが、安いモノが
なければ苦しい、だから一応「9万円持ってきてね」と言っている。
「待ちました?」 Sさん登場である。
(おっと、今日はちょっとスタイリッシュに決めているな、なかなかの美女だ)
・・・いや、今来たところ。
・・・早速だけど、望遠レンズ、あることはあるんだけど、高い(汗)
おまけに、カメラも少ない、選択肢があまり無いな。
・・・まずはレンズ、TAMRON 200-400、これは最終型だ、税込み28140円、
予算は2万円台前半なので5000円程オーバーする。
・・・次にカメラ、α-7の中古が41200円、44000円と2台、新品が54000円だ。
予算は4万円ちょっとまでなので新品は苦しい。
「新品でなくていいですよ」
・・・了解、じゃあ、中古屋めぐり開始するよ。
いちおう梅田であと4軒回るよ、望遠が見つかる可能性は薄いな。それと50/1.4も
あらかじめ見たけど、皆無に近かった。 ボディも非常に少ないと思う。
無ければ、最悪は別の地区に移動することになるよ・・・
実は、京橋で数日前に50/1.4を見かけている、ので無ければそこに行くと思う。
けど、予算より若干高めの14000円だった。 まあ、これは今は言う必要が無い。
----
さて、現時点で頭の中で計算する、28140円+41200円+14000円、約84000円だ。
実は85000円というのは最悪の場合の計算であり、できれば80000円以内で収めて
お買い得感をもってもらいたかった。 でも現状はその最悪パターンに極めて近い。
・・・どうする? あまり時間も無いぞ。
2軒目のカメラ屋に、α-7が39800円であった。 新品同様で保証書、取扱説明書、
ストラップ完備である。 これはまあ買いである。 よし、あとで買いにこよう。
3軒目のカメラ屋で珍しいものが見つかった、SIGMA AF400/5.6 のαマウントである。
価格は激安の 15750円。 ちなみに見つかる時は見つかるもので同じレンズが4軒目で
25000円であった。 このレンズは想定外であった。 いちおう同じものを持っている
ので相場は知っている、確か19800円で購入した、写りはスーパーレンズの
TAMRON200-400と比べては若干劣るとは思うが、それでも単焦点であるので
十分に良く写る部類、そして何より数百グラムほど軽いし、予算も1万円削減できる。
・・・う~ん。
悩んでしまった・・・(汗)
・・・「とりあえず、2軒目にカメラ買いに行こう、39800円ならいい線だよ。」
ちょうど、そこにブロガーの「さこやん」から電話が入った、さこやんからは、
『午前中はαレンズの実写をしていて午後から梅田で中古屋めぐりをする』という
メールが入っていた。
いちいち、さこやんとやりとりをしている訳ででは無いが、ちょうど午前中の実写で
「匠さん、これがスーパーレンズの性能なんですか?ううむ、ちょっと教えてください」
という質問が入っていたのである。
電話がかかったとき、普通なら「デート中だからダメだよ~」って断るのであるが(笑)
今回ちょっと私は悩んでいた。 とは言え、200-400か400単かの選択なのでたいした
事では無いと思うかもしれないが、購入するSさんの事を考えると大問題である。
機材の選択は本当に重要事項、特に初めて購入するカメラであるし、写真を撮る目的も
およそこれ以上無いほど明確に決まっている、予算も時間も限られている。
いい機会だ、カメラに詳しいさこやんにも意見を聞こう。
・・・「おっと、ちょうどいいところにさこやん! 梅田の△△カメラ屋まで来てよ」
数分後、α-7の全チェックを済ませてお金を払っているところにさこやん登場。
「あ、匠さん、こんにちわ」 と言ったところで、さこやんの表情が変わった。
「・・・匠さん、今日も女性連れですか?」
(あきらかに美女を見て驚いている様子、声のトーンが1/2オクターブ低くなっている)
・・・「あ、こちらSさんね、あちらはさこやん。 ・・・さてサ店(喫茶店)でも行こうか」
(しかたない、いつも色々な女性と・・などと、ややこしい話を言われる前に
うやむやにしてしまおう・・・笑)
・・・さこやん、Sさんはサーフィン撮りたいんだって、どう思う?
「それは望遠ですよね、やっぱり400mmくらいいるのかな? いや以前撮った時は、
確か、400に、さらにテレコンをつけてたなあ」
・・・うんうん、400mmは最低いるよね。 他には500~600ミラーとかあるけど、
まあ、将来αのデジタルに移行するから、1.5倍になるから、いいかなって思って。
「カメラは何を?」
・・・今。α-7を買ってきたよ。 39800円だった、安いよねえ~。
「僕も、それ出た時、すごい欲しかったんですよ」
・・・2000年の9月だったよね、私も出たその日に買ったよ、94500円もしたな。
「液晶表示は衝撃的だったなあ」
・・・そうそう、そして5年たつけど、未だにナンバーワンだよね。
「ここで銀塩の進化は止まってしまったからなあ、その後何も出てこないですしね」
・・・うん、だから未だに現役トップでいられる。 安い買い物だよ。
私はもうこれで人に勧めて買ったのは16台目だけど、さこやんも1台どう?
「あはは、僕はαのデジタルを来年買いますよ」
・・・αは優秀なレンズが多いからね。
「そうそう、今日は20/2.8、50/1.4、85/1.4、100/2.8Macro、STF135/4.5を
借りてテストしてました」
・・・ああ、いちおう全部スーパーレンズだね、あと3本くらいいいのがあるよ。
----
・・・で、さこやんね、サーフィンのレンズなんだけど・・・
「匠さん、それもしかして僕に聞いてます? キャラ逆じゃないですか?」
(むう、さこやんに問題を押し付けるために呼んだのに・・・笑)
・・・あはは、どうも悩んでしまって。便利さのズームか、軽量の単焦点か?
・・・そうだ! ところで、そのサーフィンって、一人の人を撮るの?
----
【重要】実はここが今回のポイントである。
ここで「一人の人を撮る・・」と答えたら、きっとSさんは、彼氏を撮るのが目的。
「いや決まっていない」と答えたら、単なるサーフィン好きか、あるいは、お目当て
の男性がいるが、まだお付き合いにはいたらないという事である。
後者であれば逆転のチャンスもある。
さりげない誘導尋問に、さて、Sさんはどう答えるか・・
「う~ん、色々な人を撮るけど、特定の人も多いかな?」
(・・・あちゃ~、ビミョーな答え・・・汗 また悩みが増えた・笑)
・・・そうですか、まあ特定の人を撮るならば、ズームが必須になるけど、
色々な人をまんべんなく撮るならば単焦点で固定構図でもいいかもしれません。
・・・さて、どうしましょうか?
(・・う~ん、もうクドイよなあ。 これでズームを選んだらもう負けだよ)
----
『をいをい、匠は女性の機材を選んでいるのか? それとも彼氏の心配をしているのか?』
(・・はい、おっしゃるとおり、これはもう私情が入りすぎている。
純粋な気持ちで機材を選んであげなければならない、けれど何だかもうわからない。
だって、1.2kg の重量級レンズを扱える女性なんていくらでもいるし、反対に
持っただけでヘナヘナになる女性だって沢山いる・・
事前にSさんの体力測定をするわけにもいかないし、どうすりゃいいの? 汗)
またお茶を飲みながら少し別な話しをする、まあ、私が黙って悩んでいれば、
同席しているさこやんが適宜話題を振ってくれるので非常に楽である。
【重要】男性は、そんな場合に、1つの事を考えていたら他の事を考える事ができない。
けれど、女性は、話に参加しながらでも、まったく別の事を考えれるという大変優れた
能力を持つ。 したがって、会話という土俵では男性は女性にまったく勝ち目が無い、
----
さて、さこやんの話も一段落したところでSさんが真面目な表情に変わった。
(・・・来るな、結論だ・・・ 緊張の一瞬である・汗)
「決めました。 ズームを買います」
(・・・おおおおぉ・・・ やはり彼氏撮りに絞ったか・・・泣)
・・・わかった、じゃあ行こう。 あ、ここのお勘定はまかせて。
「匠さん、僕も払いますよ。 それじゃ、格好よすぎるよ」 さこやんが言う。
・・・いいんだよ。
(・・・さこやん、わかってないな・・ これは敗北宣言だよ、「発つ鳥後を濁さず」
せめて散り際だけは綺麗に決めさせてよ・・・ たかだか1500円だけど・笑)
「でも・・・」 さこやんとSさんが言う。
・・・じゃ、後でご飯おごって(笑) (結局関西人だ・・汗、格好悪る~笑)
---
さて、タムロンの200-400を購入する。 店の人に言う。
・・・すみません、AFと絞りをチェックするのでボディ借りれますか?
「ああ、いいですよ、でもこれ、いちおう新品なんですが・・・」
(・・・グッ。汗 新品かよ~、知らなかった。 あ、金融新品って書いてある・汗、
なんだ、最終型でも高いと思ったらそんなわけか、しかし新品にしては安いなあ)
いちおうAFや絞りをチェックする、でも、あまりありがたみが無い無駄な作業、
別にわざわざ私がする必要も無い、、、気合が抜けた・・
・・・すんません、フード付いてますか? ついていたら買います。
(あちゃ~、新品だから付いてるのに決まってるだろう? 無駄な質問だよ・汗)
「ちょっと待ってくださいね」・・ 数分後、箱から付属品一式から持ってくる。
無事レンズとボディが揃ったが、私は気が抜けたまま。
Sさんは、とりあえずほっとした表情。
そして、さこやんは、欲しいと言っていた、PENTAX FA77/1.8Limited の中古の
ショーウインドウの前で釘付けになって離れない・・・
・・・ほら、さこやん、行くよ。
「匠さん、FA77 黒なんですけどねえ・・」
・・・相場より高いよ、やめとき。
「はあ、匠さんがそう言うならば・・・」
・・・それでSさんのレンズ、まさか超望遠だけで済まないだろう?
50/1.4が欲しいんだけど、あいにく梅田中探しても無い、そこで、京橋まで行くつもり
だけど、さこやんは、とんぼ帰りになるけどいい?
「はい、別にいいですよ、京橋は通り道だけど、中古屋知らないし」
・・・ほなら、行きましょう。
JRに乗って北新地から京橋まで行く、お目当ての店はお洒落なショッピングセンター
の中にある、ずんずん進んで、さこやんとSさんを連れていく。
----
実は、私はもう時間があまり無い・・・夜から次のデートの約束がある。
で、もしかして、さこやんが来ておらず、かつ、Sさんともいい感じであれば、
次の約束はブッチ(破る)してもしかたないかという覚悟であったのだが、、
まあ、元々その可能性は極めて低いし、さこやんを呼んだ時点で薄々無理だと言う事に
気が付いていたので、そんな不義理はせずに、ちゃんと次のお相手を大事にしなければ
ならないのである。
・・・さあ、この店だよ。 あ、買ったカメラ一式はできるだけめだたないようにね。
すぐお目当てのレンズは見つかった。 やはり14000円である。
「ありましたね。でも予算より2000円高いって言ってたのはこれ?」Sさんが言う。
「匠さん、何でこの店にこのレンズがあるってわかっているの?」さこやんも聞く。
・・・し~(黙らせる) まあ、まかせておいて。 小声で2人に言う。
・・・「さこやん、FA77 無いねえ~」 ちょっと店の人に聞こえるくらいの声で言う。
すぐさま、お店の人が反応した。 店長らしい。
「ああ、すみません、デパートで中古市をやるので、みんな梱包したところなんです」
・・・ああ、そういえば中古市ありますよね、こちらのお店は毎年出されていますよね。
ところでPENTAX FA77/1.8はありませんでしたっけ? (注:これは賭けである)
「あ、ありましたよ。。。 でも、もう梱包したところです」
(乗ったな!うん、それならば・・)・・・ちなみに、おいくらでしたか?
(店長:ノート見る)「え~と、ちょっと待ってくださいね~ 汗」
・・・あ、もういいですよ、まさか、今から出せないでしょう?
(店長:ほっとした表情)「はい、広告出しているので、売ったら叱られるんです・・」
・・・そりゃそうですね、雑誌とかにも出してらっしゃるし。
(よし、これでこちらがだいぶ有利な状態だ、ここからが勝負だ!)
・・・ところで、このレンズ(α用50/1.4を差して)、欲しいんですけど。
「あ、これですか? 旧型ですよ・・」
・・・はい、49mm径の初期型ですよね、できれば55mmの新型と言いたいところですが、
(何も知らない素人じゃないぞ・・とさりげなく知識をアピールする、そして・・)
・・・実は、この彼女(Sさんを前面に出す)が写真を始めるところで、できるだけ安い
やつがいいと思いまして・・ あ、彼女、神戸からこちらまで来てくれたんですよ・・
「あ、そないでっか・・・ それはどうもわざわざ・・」
・・・それで、お値段なんですけどね・・ なんとかなりませんか?
「う~ん・・・ちょっと待ってくださいね」 (ノートを見て調べる)
『値切れるの?』 Sさんが小声で聞く。 『し~!』Sさんを制する。
「すんまへん、12000円にしかなりませんわ」
・・・それはどうも、大変助かります・・・ じゃ、よろしくお願いします。
そして、Sさんがお金を払い、店長から「何かあったら・・」と名刺まで貰っていた。
----
店を出る。 Sさんは満面の笑みである。
そりゃそうだろう、欲しいものは全部揃った、そして、初めてのマイカメラ、
さらに最後のレンズは、予算ぴったりまで値切って買えたのである。
さこやんは、「へえ・・」と感心した様子。
そうだろう、梅田の老舗や大型店で値切ることは不可能である。
さこやんも、色々仕入れ元を持っているみたいだから、値切りは得意だと思うが、
ローカルなこういう場所の店で、ほとんどイチゲンに近い状態で値切るのは、
それなりの特別なテクニックが必要である。
「僕も奥さん連れてきて値切ろうかな・・・」さこやんが真面目に言う。
・・・あはは、そうするのがいいと思うよ。 おっと結婚指輪は外してな(笑)
・・・さて、Sさん、今日の経費だけど。 39800+28140+12000円だ。。
う~んと・・・(暗算する) 79940円で8万円の予算にぴったりおさまったよ。
「きゃ~、すご~い、匠さん、ありがとうございます!」
最初は85000円の予算で9万円持ってこいと言ったのは、当然Sさんは覚えている。
それをあえて「8万円の予算だった」と言い張る事が最終のテクニック。
これで、物凄く安く買ったイメージを作ることができる。
まあ、事実安く買ってきたと思う。 半日かけて自らの足で歩いて探して買ったの
だから、Sさんも大変満足しただろう。 こうして中古であっても、最初から
カメラへの愛情を持ってもらう事が可能になる。 大型量販店で新品で買ったり、
誰かに頼んで買ってきてもらっているようでは、カメラに愛着がわかない。
ほら、自分で汗を流して作った料理は美味しいと言うだろう、それと同じだよ。
はじめての中古屋めぐりで、ドキドキしたり、悩んだり、値切って喜んだり、
そんなことから、これからの楽しいカメラライフが始まるんだよ。
----
・・・さあ、じゃあ、もう次のフェイズが始まるから・・・
・・・本当は、ゆっくり食事でもしながら説明した方がいいんだけどね。
今日はもう時間が無いや・・残念。
おっと、そういえば晩飯おごってもらうんだったな(笑)
まあ、それはいいや、じゃ、Sさん、また今度バーにでも行こうか?
そこでカメラの使い方を詳しく説明するよ。
「はい、是非! それは楽しみです」・・小声で「キャ~、バーシリーズ・・」
さこやんがニヤニヤしながら聞いている、何か言いたそうだが、まあいいや(笑)
そして、京橋の駅で3人は解散した、Sさんは最後まで「ありがとうございました」
と手を振り続けていた。
----
一人、JRの電車に飛び乗り、目的地に向かう・・・
考えていた・・・ 今日は色々悩んだけど、ともかく結果が出せて良かった、
でも、Sさんには格好つけすぎたかもしれない、、、
けれど、たとえバーに誘ってもサーファーの彼氏(??)に対して勝ち目は無いな・・
そして、さこやんはひきずり回す形になって悪かったなあ・・
30分後、Sさんから丁寧なお礼メールが携帯に来た、すぐに返事を返した。
そして、2時間後、さこやんから携帯にメールが来た。
「匠さん、今日は大変楽しかったです、お忙しいでしょうから返事は不要です」
・・・ぐう、最後にさこやんに格好つけられてしまった。 そして・・
「なに~? また女の人からメールが来たの?」夜のデートの相手の女性に言われる。
いいよ、勿論返事はしないよ・・・ まあ、結局、フラれるのだけは忙しいよ(笑)