本シリーズは、所有しているミラーレス機の本体の詳細を
世代別に紹介して行く記事だ。
今回はミラーレス第二世代=普及期(注:世代の定義は第一回
記事参照)の OLYMPUS E-PL2(2011年)について紹介しよう。

レンズは本機の特性に合致するものを2種類用意している
まず最初は、OLYMPUS BCL-0980 Fisheyeを使用する。
(ミラーレス・マニアックス第22回、ハイコスパ第5回記事)
以降、本システムで撮影した写真を交えながら記事を進める。
なお、毎回そうだが、記事と本体説明写真以外の写真の内容の
関係は無い事と、写真は本体機能のみの設定範囲での撮影で、
過度なレタッチ(画像編集加工等)は施していない。

ちなみにレンズ型番のBCLはBody Cap Lensを意味していると
思われる。本対角線魚眼レンズは、OLYMPUSでは交換レンズ
ではなく、アクセサリーとして分類されている模様だ
なお、型番0980は、焦点距離9mm,開放f値8.0を示す。
この時代ミラーレス第二世代では、カメラメーカー各社から
ミラーレス機が出揃い(NIKON、FUJIFILM、PENTAXも参入)
一般ユーザーにも急速に普及していった時代である。
(注;CANONがEOS Mで参入したのは、この次の第三世代)
第一世代ではパナソニックとオリンパスがμ4/3機で先行参入
したのであるが、その動きや市場性に懐疑的であった他社も、
「これ(ミラーレスの市場)は本物だ」と思ったのであろう。

本機E-PL2の型番だが、最初のEは「オリンパスEシステム」を
示す。これはOLYMPUS初のフォーサーズ・マウントのデジタル
一眼レフ E-1(2003年)に端を発しているのだが、Eの意味は
公式には明確化されていない。
まあ、E-1以前、OLYMPUSは20年近く一眼レフを新規開発して
いなかった、その間他のカメラメーカー各社は多種多様の
AF/デジタル一眼レフを開発していたので、オリンパスは後発で
あったとも言え、型番のアルファベットの空きが少なくなって
いて、他社と被らない名称にしたのかも知れない。
と言うのも、E-1の発売より約30年前の1972年、オリンパスは
当時世界最小の画期的なMF一眼レフ「M-1」を発売したのだが、
「M型ライカと名称が被る」と、独ライツ(ライカ)社より
クレームがあり、M-1にオリンパスのOをつけて「OM-1」として
発売しなおした、という苦い過去がある。
(注:ライカに「M1」という機種はあるが、あまり一般的では
無い、製品名にハイフンは無いし、勿論一眼レフでも無い。
さらにちなみに、オリンパスM-1は、ごく短期間、数千台しか
流通しなかった為、1990年代の第一次中古カメラブームには
マニア間で極めて高価で取引された、しかし実際の所は、
M-1で現存して良好に動作する機体は殆ど無かった為、
M-1のエンブレム(製品名称部品)だけを取り外して、OM-1に
それを装着して売る等、偽物が多数出回っていた事もあった)
まあしかし、この話は「商標」という概念からすれば、
単にアルファベット1文字のMだけで商品の識別能力は無い為、
当然商標を取得する事は出来ない。だから、悪い表現をすれば
「いいがかり」に等しいものだと思うが、オリンパスが
揉め事を避ける為に、商品名変更という手間やその費用負担を
あえて飲んだ、という事であろう。
現代のビジネス感覚からすれば、徹底抗戦か、あるいは無視が
妥当な措置だとは思うが、まあ、当時は時代も違っていて、
当時の日本人の感覚だと、訴訟や抗争は企業にとっての
マイナスイメージが強かったと思うので、そういう選択肢も
あったかも知れない。
まあ、またそういう面倒なトラブルを繰り返さない為にも、
Eシステム発売時のオリンパスは、他社で型番に採用していない
「E」をあえて選んだのかも知れない訳だ。

で、そもそもM-1のMは、オリンパスの銀塩名機PENシリーズや、
上記銀塩OMシリーズを開発した天才エンジニアとして名高い
米谷(まいたに)美久氏(1933-2009)のイニシャルのMから
名づけられたという話もある。
そして現代のデジタル時代、オリンパスのミラーレス機には、
米谷氏の開発したPENもPEN-FもOMも復活していて、それらは
すべて商業的に成功しているとも言える、これは勿論
銀塩名機のブランド・バリューであろう。
ちなみに、最初の銀塩PENが発売されたのが1959年であり、
μ4/3機のPENの復活は2009年の E-P1が最初で、丁度50年が
経過していた。さらに悲しい話をすれば、銀塩PENの生みの親
米谷氏はデジタルのPENが発売された月に亡くなっている。

さて、本機 E-PL2の型番であるが、最初のEは勿論Eシステムの
Eである、オリンパスは、2009年にフォーサーズからマイクロ
フォーサーズへ事実上移行(戦略転換)したが、その際も
Eの型番は変更しなかった訳である。
その代わりレンズ群は、従来の銀塩OMシステム時代のZuiko銘
から、M.Zuikoと名称を変えている、このMは、まあマイクロ
フォーサーズのMだとは思うのだが、もしかすると、その
1972年のライカ事件のリベンジ、あるいはμ4/3機の発売と時を
同じくして他界してしまった米谷氏の「M」を復活させる物で
あったかも知れない。
E-PL2のPは勿論PENのPである。
LはLiteである、つまり、このシリーズはPENの下位シリーズ
として、E-PL1が2010年に発売されていて、そのVer2が
本機E-PL2(2011年)という事になる(注:2010年末には
E-PL1の改良型のE-PL1sも発売されていた)

E-PL2の特徴だが、発売時点で他のオリンパスμ4/3機よりも
スペック的に優れた部分が多かった事がある。
具体的には、2011年の段階では、オリンパスの4/3機では
他にE-P1,E-PL1,E-P2,E-PL1s の4機種が既に発売されていたが、
E-PL2は、それらの持ついくつかの弱点を全てクリアしていた。
例えば、1/4000秒シャッター、内蔵フラッシュ、46万ドット
モニター、アートフィルターの充実、操作子(コントロール・
ダイヤル)の改良等がある。

また、スペックに現れない特徴としては、金属的で質感に
優れるボディ、そして、まずまずのシャッター音質、
それから、AUTO のままでISO6400まで上がりきるAUTO ISO
機能等がある。

ただし、AFは、この時代では依然コントラストAFのみであり
小型広角レンズや開放f値の暗い標準ズームの使用しか適さない、
つまり被写界深度の浅いAFレンズ等ではピント精度面でも
厳しい訳だ、なおピーキング機能はまだこの時代のオリンパス
機には搭載されておらず、2010年代後半からの機能だ。

そして現代のオリンパスμ4/3機では、純正AFレンズのMF時
以外(アダプターやμ4/3のMFレンズ等)でピーキング機能を
使おうとすると、そのままでは使えず、空いている何処かの
Fnボタンにそれをアサインし、それを押さないと動作しない。
これは使い難い仕様だ。
他社の多くのミラーレス機では(その精度はともかく)
MFレンズをアダプターで使用する際にもピーキング機能は
何も操作する必要は無く、そのままで動作する。

他社製品の使用利便性を考慮しない製品コンセプトは
メーカーのビジネス上ではわからない話では無いが、個人的
には好まず、賛同できない。
オリンパスでは無いが、店頭で他のメーカーの営業マンと話を
していても、「そんな事は他社製品なので関係ありません」
という態度である事が多く、
「今時では無いですねえ・・そういう事をやっているのは、
おたくのメーカーと、もう1社だけですよ」と皮肉を言った
事もある。まあ、カメラメーカーの末端の社員に至るまで
標準化、オープン化、汎用化、等について、その程度の
意識・認識しか持っていないのであれば、カメラ業界全体の
標準化(例:マウントの統一)等は夢のまた夢であろう。
実際の所は、これ以上カメラ市場が縮退してしまわない為にも
「ユーザー利便性の向上」は必須と思われるのだが、
市場縮退状況でのメーカー利益優先の為には、ますます自社
製品に係わる部分だけ突出してしまい(例:自社レンズを
使えば画質の自動補正が出来る等)求めるべき方向性とは、
どんどん逆行してしまうのが辛いところである。
(一部の交換レンズでは、自社のカメラに装着しないとMFの
ピントリングすら動作しないものもある、またカメラに他社
レンズを装着するとフォーカスエイドが動作しない、露出が
不安定になる等、意地悪とも言えるような仕様になっている
場合すらある)
そしてオリンパスにおいては、前記オリンパス銀塩全盛期に
おける天才技術者、米谷美久氏が、強い「拘り」とも言える
標準化思想を持っていた(他記事で色々書いた事なので詳細
は割愛する)ので、むしろ、なんだか、ピーキングの件とか、
まあ小さい事ではあるが、ちょっと残念にも思ってしまう。

さて、E-PL2だが、本体スペックは2011年当時のオリンパス
μ4/3機の中では最善に近いが、AF性能の未成熟から
MFでの使用法を模索する事になる。
しかし、E-PL2は、EVFを搭載しておらず(注:オリンパスの
μ4/3機で初のEVF搭載機は、翌年2012年のOM-D E-M5だ)
で、当時の別売EVF(VF-3)は92万ドットと、MF操作に必要な
解像度(高精細な144万ドット型又は236万ドット型が必須)を
満たしておらず、しかも高価であった。
そして、前述のようにピーキング機能が無く、また拡大操作系
では指の移動動線がスムースでは無く、あまり実用的では無い。
そして、このMF性能に加え、勿論非EVF機であるから、望遠系、
大口径、マクロ系のレンズをアダプター等で使用するに
適さない。
すると、答えはおのずと出てくる。
つまり、E-PL2の最適な利用方法は「トイレンズ母艦」として
しまう事である。

E-PL2のMFの弱点を相殺する為、MFでの厳密なピント合わせ
がほとんど不要なトイレンズを用いる。
これで極めて快適なシステムになるはずだが、トイレンズは
開放f値が暗い為、そこが課題になる。
が、その際でのE-PL2の仕様は当時としては高い背面モニター
解像度、フラッシュ内蔵、AUTOのままで高感度になる事、
さらには、内蔵手ブレ補正(純正レンズ以外でも使用可能な
優れた仕様。他社一眼レフでは、純正レンズ以外では手ブレ
補正が効かないという排他的な仕様となっている事もある、
これは前述のようにユーザー利便性を落としてしまう課題だ)
により、トイレンズの弱点をほとんど相殺できる長所がある。

まあ、優れた「トイレンズ母艦」だと言えるであろう。
そういう意味でも、本記事ではトイレンズ系とも言える
ボディキャップ魚眼、BCL-0980を装着している訳である。
さて、ここでレンズを別の物に変更する、

Lomography Experimental Lens Kit 24mm/f8
(ミラーレス・マニアックス第26回記事参照)
本レンズは、μ4/3専用の魚眼、広角、標準のMFトイレンズの
3本組で新品価格9000円という安価なセットの中の1本だ。
他のレンズについても、ミラーレス・マニアックスや
ハイコスパ記事で何度か紹介しているが、本レンズは久しぶり
の登場である。

本レンズは完全なトイレンズと言うには、そこそこ良く写って
しまう、周辺光量落ちもあまり無く、発色の不自然さも無く、
解像度も割合に高く、逆光耐性もまずまずである。
トイレンズに求める「ローファイ」の要素は、これらの
レンズとしての欠点を沢山出してもらわないと面白くない。
欠点を逆用して、たとえば極端な逆光時におこる盛大なフレア
やゴーストをレンズの特徴としたり、被写体の表現的な特徴と
ローファイを組み合わせる事で相乗効果が出る場合など
(例:アート分野で「廃物系」等と呼ばれている、朽ち果てた
モノなどを撮影し、世の哀れなどを表現する撮影スタイル等)
において有効なのだが、本レンズLOMO 24mm/f8においては、
そこまで強いローファイ感が出ないので若干中途半端だ。
なので、ちょっと出番の少ないレンズではあるのだが、
実を言うと、E-PL2が最近では不調になってきている。
センサーの老朽化だろうか?被写体条件によっては
コントラストの低い写りになってしまう事が良くある。
勿論、他にちゃんと写るカメラはいくらでも所有しているので
本機E-PL2を修理したりする気は全く無い、むしろ、問題点が
出てきたら、その機体でしか得られない写りになるから、
それはある意味、歓迎するべき傾向でもあるのだ。
けど、さすがに「言う事を聞かない」のは、少々厳しい。

実は、トイカメラやトイレンズが、2000年代前半から若手の
アート系アマチュアに流行していたのは、その「言う事を
聞かない」事もまた彼らにとってのメリットであったのだ。
この時代はAF一眼レフは終焉期である。NIKON F5やF100,
CANON EOS-1VやEOS-3、MINOLTA α-9、α-7等、高性能で
完成度の高いカメラが各社より発売されていて、それらの交換
レンズも「白玉」等と呼ばれていた高価な高性能レンズが人気
であった。ただ、若手のアマチュアカメラマンの場合は、
そういった「お金にモノを言わせた」システムの購入は
経済的な理由から困難だ。そうなると、ある意味、そういう
カメラへのアンチテーゼ(反対・否定する方向性)から、
あえて「トイカメラ」等を用いて
「綺麗に良く写っている写真」(ハイファイ)に対立した
事がある。
もう1つは、この時代「女子カメラ」のブームがあった事も
要因だ。これは一般論だが、女性の場合、カメラや写真の原理、
そして知識や技術というものに、どうしても精通できない。
中にはその分野を追求していく女性も居るのだが、その数は
多くなく、機材や撮影技法を極めようとするマニアックな
方向性は、どうしても男性の方が強くなる。
ある程度写真を撮って、中級者レベルに到達しようとする際、
男性の場合は、機材をアップグレードする事が多い、
しかし若い女性は、まずそうはしない、カメラシステムだけに
お金を使う訳では無いのだ、お洒落もしたいだろうし、美味しい
ものも食べたい、旅行にも行きたい、他の趣味もやりたい、
カメラや写真は、さほど優先順位の高い消費対象では無いのだ。
だから、たとえば同じ頃にカメラを始めた写真仲間の男性等に
対し、だんだん技術面や写真の仕上がり面での差がついてくる。
その際、より勉強しようとか、お金を掛けて良い機材を買おう
とはせず、「他人と違う個性」で差別化しようとする事は、
その当時の「女子カメラ」層での一般的な行動原理であった。
つまり、そこで、トイカメラやトイレンズ等の一大ブームが
巻き起こった訳である、これは銀塩時代の最後のブームである。
(その少し前の時代には、第一次中古カメラブームがあった)

勿論、すぐにデジタル化時代に突入した為、トイカメラブームは
ものの数年で終息してしまったのであるが、その市場が完全に
無くなった訳ではなく、依然トイデジやデジカメ用トイレンズ
は健在である。
ただ、以前と異なるのは、そうした(デジタル用)トイレンズ
を購入するユーザー層の特徴が良く見えてこない事だ。
とりあえず2000年代後半から2010年代頃まではデジタル一眼
の普及発展期であり(デジタル一眼レフ・クラッシックス記事)
さらに、その後、2010年代前半はミラーレス機の普及発展期だ。
(本シリーズ記事)
そういう時代では、まずはデジタル一眼レフやミラーレス機を
入手しないと始まらない、一般的な初級ユーザーでは、
普通は、その段階迄で終わりで、そこから先、交換レンズ等は
購入しない。
仮にそれを購入ようとしても、やはりまずは高性能な憧れの
レンズ(例:f2,8通しズーム等)を、お金を貯めて購入するの
がせいいっぱいであり、何も好き好んで、トイレンズ等を購入
するユーザーは、よほどの変わり者という事になってしまうで
あろう。

余談がどんどん長くなってくるので、本題に戻すが、
2000年代のトイカメラやトイレンズは「アンコントローラブル」
(制御できない)事が、1つの特徴であった。
つまり、現像してみないと、いったいどう写っているのか
事前(撮影時)には判断できない、という事である。
これはある意味、面白い、つまり、「こんなに酷い写りだっよ、
アハハ・・」と笑うのではなく、自分が思ってもいなかった
「表現」がそこに生じるから、写真を自身の好みで選ぶ
「眼力」があるのならば、そこに自身の「個性」が強く
打ち出せる訳だ。
これは、高級システムで「綺麗な写真」を撮っている層に対して
は強烈なアンチテーゼ(否定派)の志向性となるであろう。
ただ、そこには重大な見落としがあった、その頃(2000年代
中頃)から普及が始まったSNS、ブログ等のネットによる
発表表現の場が広まると、そうした「表現派」には不特定多数
の「ファン層」がつく、ファン層は、そのクリエイター
(表現者)の表現手法に共感する訳であるが、残念ながら、
トイカメラ等の偶然性に頼る銀塩ローファイ技法では、
「作風」がまったく安定しない。
つまり、この前は、たまたま個性的な写真が撮れたとしても、
次の週の日記(ブログ)では、同じような表現スタイルの
写真が掲載できないのだ。これは、トイカメラ利用者層には、
ちょっと(かなり)困った事になる。
私は、この問題(作風の再現性の無さ)が、銀塩トイカメラ
ブーム終息の最大の原因ではなかろうか?と推察している。
そして、デジタルにおいては、トイレンズの立ち位置は全く
異なる。つまり、デジタルでは撮ったその場でトイレンズの
独特の描写や、時に現れる「偶然性」を確認する事ができる。
これは勿論便利ではあるが、ある意味、ビギナーには扱い
ずらい事にもなる。
すなわちトイレンズの描写を撮り手がコントロールしなくては
ならない事になる、そうしないと、毎回毎回、同じように
撮っても、全く違う写真になってしまったら、いったいどう
撮れば良いのか、ビギナーには見当もつかないではないか。
MFのピントの合わせ(ずらし)具合、周辺光量落ちの確認
しやすい被写体条件、逆光耐性や、そこで起こる事(フレアや
ゴースト)と、その度合い、シャッター速度低下による
表現的に適切なブラし具合、露出補正や、AWBの乱れ方、
トーンブレイク、フラッシュと連携した被写体への光の当て方、
エフェクト機能(特にクロスプロセス系)との組み合わせ方、
等々、初級者には極めて敷居の高い、高難易度の技術的な話だ。
つまり、現代のトイレンズは「コントローラブル」
(制御できる、言う事を聞かせる)事がデジタルにおいて
必須になる。

E-PL2の話に戻るが、機器の性能劣化によりノーコントロール
になると、トイレンズのアンコントローラブルな要素と
あいまって、手がつけられないシステムとなってしまう、
それは、ぶっちゃけ言えば「すぐ飽きてしまう」事にも
つながり易い。
その問題の回避だが、コントロールできる普通のレンズと
組み合わせで、たまに偶然性が出る面白いシステムとして
使うか、あるいは、トイレンズ使用に拘るのであれば、
母艦を買い換えるかだ。
私は後者を検討中なのだが、同じE-PL2は、現在では相場は
安価なものの、2012年頃の購入時でも、すでに1万円強程度の
かなり安価な相場であって、そこからあまり下がっていないし
(つまり、それ以下の数千円で売ったら、販売店が儲からない、
もっと利益の高い商品を売らないと、販売機会を損失するのだ)
さすがに仕様的老朽化(新機種の方が性能がずっと良い)も
大きい事であろう。
ところが購入を検討するべき後継機がなかなか見当たらない。
PEN LITEシリーズは、E-PL3以降、全てフラッシュが非搭載に
なってしまった。他社との小型軽量化競争の為にフラッシュを
搭載しないというのは、「小型化の神様」である前述の米谷
技師が、ご存命であれば「一喝」されていたかも知れないが、
まあ付いていないものはしょうがない。

ちなみに内蔵フラッシュ非搭載は、PEN LITEシリーズのみ
ならず、上級機OLYMPUS OM-D(1/5)シリーズ、PEN 3/5以外、
PEN-Fでも同様だ、内蔵フラッシュが必要な場合は、旧機種の
E-P3/P5又はOM-D E-M10シリーズしか選択肢は無い。
他社機であれば内蔵フラッシュ搭載機はいくらでもあり、
むしろそれが普通だ。
まさか、米谷氏が他界した以降「小型軽量化をしても性能を
一切犠牲にしない」という、オリンパスに長く引き継がれて
きた伝統的な開発方針を覆して、フラッシュを非搭載にした、
とは思いたくないが、もし仮にそうであれば、かなり残念な
話だ・・
(追記:E-PL9(2018年3月発売)では、内蔵フラッシュが
7年ぶりに復活した。今後PEN Liteシリーズにフラッシュの
内蔵が続けられるのかどうかは不明だが、この機種は有力な
E-PL2の後継機候補となった)
実際の所は内蔵フラッシュの必要性はさほど高くは無いし、
必要な事が見込める状況では他のカメラを持ち出せば済む話
ではあるが、それが無い事で撮影条件に制限が発生するリスク
を嫌って、その機種の使用頻度が低くなってしまう場合も
あるだろう。
なお、フラッシュ非搭載機でも、付属のフラッシュがある場合
が殆どではあるが、脱着の面倒さ、紛失リスク等を考慮すると、
いちいちそれを持ち出さないケースが大半だと思う。

E-PL2の他の長所だが、まあ、そこそこ使い易い操作系がある、
「スーパーコンパネ」による目的機能の直接的な変更は、
この機種だけの特徴では無いが、悪くは無い。

露出補正と絞り操作を切り替える為の、十字キーを兼ねた
コントロールダイヤルは、AF純正レンズを使う場合には適して
いるが、MF(トイ)レンズ使用時には、絞り操作は不要なので
自動的に機能停止して欲しいのだが、残念ながらそこまでは
操作系は練られていない。
なお露出補正モード(絞りは使わない)で固定しておく事が
できるので、そうすれば若干使い易いが、今度は不用意に
触れて動いてしまう事も多々発生する。
もう少しだけMF操作系に配慮して貰えれば、さらにトイレンズ
母艦として使い易いカメラとなった事だろうが、まあ、それは
そういう使い方は、メーカー側は微塵も想定していない事で
あろうから、無理な話だ。
ハード的に不調ではあるが、もう少しだけ現役で使い続け
ようとも思っている。
減価償却(ミラーレス機では、1枚2円の法則)は、とっくに
完了しているが、6年程度の使用で使えなくなるようでは
元々優秀な機体としては勿体無い・・

最後にE-PL2の総合評価を行ってみよう。、
評価項目は10項目である(第一回記事参照)
【基本・付加性能】★★★
【描写力・表現力】★★☆
【操作性・操作系】★★★
【アダプター適性】★
【マニアック度 】★★★☆
【エンジョイ度 】★★
【購入時コスパ 】★★★☆ (中古購入価格:13,000円)
【完成度(当時)】★★★☆
【仕様老朽化寿命】★★☆
【歴史的価値 】★
★は1点、☆は0.5点 5点満点
----
【総合点(平均)】2.5点
残念ながら、総合評価点は予想していたよりも、かなり低く
なってしまった。
当時としては悪い性能では無いので、もう少し点数が上がるか
と思っていたのだが、貧弱なアダプター適性、非EVF機として
の用途の少なさ、Ver 2での歴史的な価値の低さが、じわじわと
平均点を下げている。
まあ、いまさら本機を購入する強い理由は無いとも言えるが、
それでも、フラッシュ内蔵のオリンパス機を希望する際には
希少な選択肢の1つだ。
「トイレンズ母艦」には最適ではあるが、記事本文のように
現代ではトイレンズを使用するユーザー層はさほど多くないと
思われる、ある意味、そういう点ではマニアックなカメラだ。
次回記事は、引き続き第二世代のミラーレス機を紹介する、