さて、2017年7月16日(日)、今年の「熱い季節:ドラゴンボート」
も上半期のピークとなる「日本選手権」の日がやってきた。
会場は例年通り、大阪・天満橋駅前の「八軒屋浜」にて開催。
「水都大阪」を代表する景観と駅近の屈指の好環境の大会会場だ。
心配事項は、まず1つ、例年この時期は梅雨明けの頃にあたり
天候が不安定な事だ。
ただ、私が旧「天神大会」の頃から、十数年間本大会を継続して
観戦している限り、丸1日雨に見舞われた事は幸いにして無い。
雨が降るとしても開会式前後あるいは午後からの夕立ちで
30分程度局地的に降る程度で収まっている。しかし、その頻度は
意外に高く、5~6割方、例年そうした傾向が続いていた。
だが、結果的には本日は珍しく1日中全く雨が降る事はなかった、
ドラゴン界で、まことしやかに囁き続けられる「雨男存在説」も
依然捨て難いのだが、まあ雨が降らなければその件は不問だ。
近年はスマホや携帯でも「雨雲レーダー」が簡便に見られる。
本日は、午後から、兵庫(猪名川付近)→大阪北部(枚方)→
京都南部(宇治)あたりで、雨雲レーダーで赤色で表示される
いわゆる「ゲリラ豪雨」が局地的に通り過ぎた模様ではあるが、
幸いにして本会場には全く影響が無かった。
(ただ、レーダーで雨雲が近づいてきているのがわかっても、
どうする事も出来ないが・・汗)
まあ、雨を避けるには、例年、開会式の際に、大阪天満宮の
宮司さん達によって行われる「安全祈願」の神事もあるのかも
知れない。
私は信心深い方では無いのだが、この神事の後に雨がたちどころ
に止んだ例も過去1回や2回では無いので、不思議なパワーを
感じてしまう事もある。
さて、その大阪天満宮と言えば「天神祭」である。
京都の「祇園祭」、東京の「神田祭」と並んで「日本三大祭り」
として著名なこの祭りは、例年7月24~25日に行われる。
ちなみに、25日というのは、菅原道真公の命日に当たる為、
各地の「天神さん」では、この25日前後に祭事を行う事が多い。
本「日本選手権大会」(旧:天神大会)は、「天神祭奉納」の
意味もある為、「天神祭」のおよそ1週間前の、7月17日前後の
日曜日に行われる事が通例だ。
なお、このタイミングは、京都「祇園祭」の「山鉾巡行」
(7月17日)または「宵山」(7月16日)に、重複する事も多く、
観戦客等は、どちらのイベントを見物するか迷うかも知れない。
ちなみに、「神事」であるお祭りは、日程が決まっている為
平日でも行われるが、ドラゴンボート大会は、ほとんどの場合、
土曜または日曜日の単日で行われる(注:極く稀に例外あり、
あるいは超大規模な大会では平日を含む数日にわたって連続で
開催される場合もある)
ここで本大会の歴史であるが、1988年から開始された大会であり、
途中1回の中止を含んで、今年2017年で29年目になる。
来年2018年が30周年という、国内では最長の歴史を誇る
「ドラゴンボート」大会である。
なお、ドラゴンボートに限らなければ、長崎や相生のペーロン
大会(競漕)は、およそ100年以上の長い歴史を誇るし、
滋賀・堅田の「船競争」は、本大会よりわずかに歴史が古い。
また、滋賀の「びわこペーロン」や、同「高島ペーロン」も
本大会とほぼ同等の長い歴史を持っている。
そして、各地でドラゴンやペーロン大会が始まった頃は
「バブル期」であり、昔話を聞くと、色々と景気の良かった話も
聞こえて来るが、勿論今はそんな時代では無い。水上大会の運営
には莫大な費用もかかり、それを維持していく事自体も、非常に
難しい話なのだが、本大会等では良くその伝統を守っている。
それと、本大会は旧来では「天神大会」と名乗っていたが、
およそ10年程前からは「日本選手権」として、その年の日本一の
覇者を決定する国内最高峰の大会として生まれ変わっている。
さて、本「日本選手権」大会の見所であるが、
花形カテゴリーとして、まず「混合の部」(20人漕ぎ)がある。
極めて競技志向の強いカテゴリーであり、毎年、上位チームは
ほぼ実力同等と思われるレベルであり、決勝戦でのタイム差は、
1位から5位まで、3秒以内(1艇身以内)という大混戦・大接戦
が繰り広げられる。
この非常に見所のある「混合の部」の結果については、本記事の
「中編」で紹介していくとしよう。
なお「1艇身」とは、本競技用ボートの長さ(約10m強)の事であり、
レースでの見た目で、この長さだけ差がつくと、およそ2.5秒
から3秒程度のタイム差となる。
そして、もう1つの花形カテゴリーは「オープンの部」である。
こちらは「頂上決戦」となる。このカテゴリーを制したチームが
事実上の「日本一」だ、よって、ここは激戦区となるのは勿論、
毎年様々な「人間ドラマ」が繰り広げられる。
このカテゴリーの模様についても、続く「後編」で述べて行く
ことにしよう。
さて、その他のカテゴリーとしては「女子の部」「シニアの部」
そして、3年前から新設された「スモールの部」(10人漕ぎ)が
ある、本「前編」記事では、後ほど「女子の部」と「シニアの部」
の結果について紹介していく事にしよう。
なお、今更説明するまでも無いが、「カテゴリー」とは、
チーム選手の性別、年齢などによる体力差を考慮した競技の
グループ分けを示す。
これにより、チームの選手構成によるハンデキャップを無くし、
公平にレースの結果を判定する事が出来る訳だ。
なお、本競技は基本的に「タイム順」による順位戦というシンプル
なルールであり、特例的な大会を除きハンデキャップ等は無い。
で、競技志向の強い「選手権」クラスの公式大会においては、
旧来通りの「オープン」「(男女)混合」「シニア」「女子」等が
一般的だ、これは海外のドラゴンボート大会でも、同様の区分と
なっている為、まあ、当然と言えるであろう。
しかし、近年では、ドラゴンボートやペーロン競技において、
一般的なビギナーチームとは明らかに異なる、多大な練習量や
試合参戦経験を持った”専門的チーム”がいくつも発生している。
・・とは言え、ドラゴンボートはアマチュアスポーツである為、
この競技で生計を立てるような、いわゆる「プロチーム」は存在
しない。よって、このようなチームを、本ブログでは「専業チーム」
と呼んで、地方大会等での一般(ビギナー)チームと区別している。
(注:「専業チーム」と言う言葉は正式なドラゴンボート用語では
無いが、近年では選手間でも、そのように広まってきている)
地方大会等での「専業チーム」と、その大会にしか出場しない
「地元チーム」との実力差は極めて大きく、同じ「カテゴリー」で
あっても勝負にならない。つまり「専業チーム」が上位を独占し、
地元一般チームが上位に入賞するケースは、99%有り得ない。
(注:ごく稀に例外はある、2016年関空(KIX)大会のオープン等)
よって、近年の地方大会では、こうした「専業チーム」と、地元の
一般チームをカテゴリー的に分けてしまう「実力別カテゴリー分け」
を採用するケースが増えてきており、多くの地方大会において、
「チャンピオン」「エキスパート」「市外オープン」「1部」等の
カテゴリー名で専業チームをそこに集める事例が出てきている。
この「実力別カテゴリー分け」は地元チームにも優勝のチャンスを
もたらす他、一般カテゴリーで勝ったチームは、次回では上位の
カテゴリーに昇格する等の措置を行えば、誰にでも楽しめる大会の
コンセプトが得られる事となる。
(ただし競技志向の強い大会には適切では無い方法論なので、まず
各々の大会自体の運営コンセプトを明確化する必要があるだろう)
・・さて、何故このような「ドラゴン界」では、皆が知っている
話を書いているか?と言えば。本大会は一般観戦客の多い大会だ。
今回、私も何人かの一般観戦客やアマチュアカメラマンの方とも
話をしたのだが、観戦客の方は、ドラゴンのルールはもとより、
チーム情報などの基本的知識を持たずに観戦している方が殆ど
全てである。まあマイナースポーツであるからそれは当然なのだが
それでも、観戦客、あるいは、新規にドラゴンチームに入った
ようなビギナー選手の中には、事前の情報収集のために、本ブログ
記事などを参照して下さっている方々も多数居る。
旧来、本ブログはドラゴン選手達向けの内容である事が多かった
のであるが、そろそろ「一般観客の目線」を意識する時代に
差し掛かって来ているのかも知れない。これは何を意味するか?
と言えば、将来的なドラゴンのプロスポーツ化の視点である。
つまり、プロ化するには観客やスポンサーの存在が必須なのだ。
アマチュア競技であれば、選手達が楽しければ、それで良い。
しかし大会運営には費用もかかる、そんな際に、スポンサーの
存在とか、観客の誰にでもわかりやすいスポーツとして、ドラゴン
やペーロン大会を、その方向に持っていかなければならない訳だ。
(あるいはチームの維持運営にもスポンサードが必要な場合もある)
ドラゴンボートやペーロンに関する基本的な情報を伝えるメディア
(雑誌や新聞記事、TV番組、WEB等)が殆ど無い現状においては、
本ブログで色々と細かい所までを書いていく必要があるだろうとも
思っている。選手の方々には当然の「常識」の範囲の内容記載も
あろうが、まあそのあたりはご理解いただければ幸いだ。
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それから、本大会の「雰囲気」について。
本大会は「日本選手権」であるから、他大会に比べて、極めて
競技志向が強い、この為、選手達の多くは、比較的ピリピリした
雰囲気がある。本大会で優勝または入賞する事は、いや、そこ迄
行かないでも「決勝戦」に進出できるだけでも、チームや選手に
おっては大きな「名誉」や「実績」となるからである。
選手達が緊張するのも当然の話であろう。
また、レースを観戦する他チームの選手も真剣そのものだ、
自身のチームが続くレースで対戦する他チームの様子を知る事も
勿論であるが、無関係のカテゴリーのレース結果も選手や関係者に
とっては重要な出来事になっている。
一般観戦客や取材メディア等が選手達とコミュニケーションを
行うのは悪く無い話だと私は思っている。ドラゴンボート競技の
根底には、各々のチームの様々な「人間ドラマ」があって、
それがこの競技の最大の見所だと思っているから、それを知る
事は決して悪く無い。
けど、アマチュアスポーツとは言え、上記のように本大会は
「真剣勝負」そのものだ、なので、選手達と話をするにしても
負けたチーム等に気安く声をかけたり、「突撃取材」などは
選手の心情も色々とあるので、十分に注意する必要がある。
少なくとも、各レースで何処が勝って、どこが負けたという
点は、レースを見ないまでもアナウンス等で知っておく必要が
あるだろう。
まあ、幸いにして、選手達と観客やメディアとのトラブルは、
ドラゴン界では過去には起こった事は無いのだが、観戦客や
メディアからの注目も増えてきている昨今の現状においては、
今後そうした点にも配慮が必要であろう。
まあ、簡単な対処方法としては、観戦する一般客の方々に配る
パンフレットやリーフレット、新聞等を準備し、ドラゴン競技や
チームの基本的な情報とか、観戦時の注意点等を書いておくのが
良いかも知れない。現状では、大会本部等には、そういう資料が
用意されている事も本大会を含めていくつかあるが、チーム迄の
配布に留まり、観戦客にまで配る事を実践しているケースは無い。
(そして、参加選手用の情報と観戦用の情報は、異なると思う)
さて、本大会の環境の話に戻って、まずは「選手村」である。
選手村は、本大会会場の「天満橋」の「大川」を挟んで北側の
「南天満公園」一帯にある(約250mx約50mの範囲)
参加チーム数は、50~70チームとなる事が通例なので、
1チーム平均25人(20人の漕手、太鼓手、舵手、補欠含む)に
おいては、およそ1200人~1700人位が、この選手村に集まる。
チームテントには家族や応援の友人、そしてスタッフ等も勿論
詰めて居るので、通常、この選手村の人口は2000人程度となり、
会場全体では、スタッフや役員を含め、もう少し多い人数、
さらには一般観客を含め、3000人程度がこの大会の集客数だ。
これは、アマチュアスポーツ大会の規模としては、決して小さい
方では無いと思う。
(その為、例年「Red Bull」の移動試飲や臨時屋台が出る事も
通例だ、勿論、これらは人の集まらないイベントには来ない。
「Red Bull」の美人スタッフに聞くところによると、同社には
情報網があって、人の集まるイベントに派遣されるとの事だ)
なお、選手村の中央部から、ボートに乗り込む「乗艇場」迄は
天満橋を渡って約500m、徒歩10分弱あるので、チーム選手達は
時間の余裕を持って集合し、自身のレースの準備を行う事となる。
観戦客は、乗艇場側(本部側)または選手村、および天満橋の上
からの観戦となるが、落ち着いて観戦が出来るのは選手村側だ。
本部側は選手や役員そして観光客の往来が多く、天満橋上も
一般通行客が多く、混雑する。
さて、本大会の最大勢力チームであるが、東京地区から参加の
「TAITAM X」およびその関連チームだ。
TAITAM(大潭)は、香港や東京に拠点を置く企業チームとの
事であり、今回の大会では、混合の部、オープンの部、そして
スモールの部に「トリプルエントリー」の他、「上海チーム」
「香港チーム」(55D Flicker)も、関連(紹介)チームという事だ。
本家のTAITAM系の選手だけでも、およそ60名にもなる大勢力だ。
なお、旧来「TAITAM X」は、シニアカテゴリーにも参戦する事が
多かったのだが、今回はメンバーを刷新、若手中心となった為
通常カテゴリーが主体となっている。それと、TAITAMおよび
上海、香港チームは、勿論海外の選手の比率が多く、チーム内
では日本語、英語、中国語などの複数の言語が飛びかっている。
次いで、東京の「東京龍舟」も大勢力である。
こちらは日本人選手が中心であるが、東京在住の外国人選手も
含まれる場合もある。
本大会では「混合x2」「シニア」「女子」の実に4チームを
同時エントリー、なお、「オープン」と「混合」以外では選手の
重複エントリーを認めるルールであるので、20人x4の80名まで
には到達しないが、それでも計70名近くの大勢力だ。
他の勢力としては、兵庫・大阪の「bp」系が2チーム(40名)
兵庫の「関西龍舟」が混合の部にダブルエントリー(40名)
静岡・横浜の「しずはま」「うみひ」が、オープンとスモール
での30名の中勢力となっている。
同様に滋賀の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」も、混合と
スモールで計30名。
その他のチームは、1チーム(20名または10名)単独である。
合計チーム数は50チームと、例年よりは、やや少ないが、
まあドラゴンとしては中大規模クラスの大会である。
さて、ここで本大会の名物「天神カレー」について、
少しだけ紹介しておこう。
本大会では選手やスタッフ達に配給される「昼食」として
カレーの炊き出しが毎年行われている。
実は私は、このカレーが大好物であり、10年程度、この味を
自宅で再現しようと試行錯誤を繰り返しているのだが、まだ
この味が出来ない。作り方を垣間見たり、調理スタッフの方に
こっそり材料等を聞き出してはいるのだが(笑)それでも無理だ。
数千人分というレベルで大量に作る事で、この味が出来ているの
かも知れない・・
で、基本的には勿論1人1食の配給なのだが、昼食の時刻をだいぶ
過ぎる頃になると、天神カレーが若干余る事が普通だ、
その余り分は希望者に無償配布される事が通例なので、私は毎年、
少なくとも計3杯を頂く事が普通だ。
昔、大会の前日に大きな台風が通過しチームの当日キャンセルが
多かった年では、買い込んだ材料で大量のカレーが余ってしまい、
勿体無いので、その年は5杯いただいた(汗)
他にも、帰宅時に「余った」と持たされて、その日の夕食まで
カレーとなって、計4杯いただいた事も何度かある。
今年だが、3杯の最小限に留めておき、これで毎年のノルマ(笑)
はクリアしている。
数字で言えば「5年間通算18杯」または「3年間通算12杯」が
私の最大であり、ドラゴンの選手達でこの杯数を超えた人は居ない
模様なので、私が「日本選手権記録保持者」となっている(笑)
まあ、私は少食な方では無いが、勿論、大食い選手風でも無い、
この大会の撮影スタッフで参加しているのだが、ともかく暑くて
体力を消耗する大会であり、沢山食べないと体が持たないのだ。
選手達はレース前に、そんなに沢山食べる訳にも行かないので
当面、上記は「不滅の記録」であろう。
勿論水分補給も多く、1日5リットルを超える量を摂取すると思う、
ここについては他のスタッフ達も同様であり、かつ、皆、丸一日
トイレにも行かない、というケースが普通だ、つまりは、いくら
水分を取っても、ほとんど汗になってしまうと言う事である。
なお、今年は多忙なスタッフの中には熱中症気味になってしまった
方も数名居た模様だ、大会運営に慣れている熟練スタッフですら
そんな感じだったので、なかなか過酷な環境だとは言えよう。
さて、レースの模様の説明がちっとも無いのだが(汗)
午前中の本大会は予選であるので、概ね「選手村」を巡るのが
私の恒例でもある。と言うのも、予選に敗退した中堅チームは
その時点で「撤収」になってしまうのだ。すなわち午後からの
準決勝や決勝は、いつもたいてい同じ強豪チームばかりが残る。
せっかく大会に参加して下さっている中堅チーム達であるので、
できるだけ話を聞いたり、写真を撮っていかなければならない、
中堅チームの話はまた中篇以降でも続けて紹介していくとして
本記事の最後では、「シニアの部」と「女子の部」の結果に
ついて紹介していく事としよう。
まずシニアの部の優勝は「東京龍舟マスターズ」だ。
ただ、今回シニアの部は参戦チーム数が少なく、寂しい状態だ。
しかし、海外の大会では当然シニアの部があり、そこに参戦する
日本代表チームを決定する意味でも、本大会からシニアの部を
外す訳にはいかない。
「専業チーム」の中で、シニアへの転向を検討しているチームも
いくつかあると聞く。だたし、ドラゴンは単独のアスリートに
よる競技ではなく、チーム競技だ。だから、メンバーが若手に
刷新されれば、シニアではなく、また通常カテゴリーにも戻れる。
そして、シニアの部は幸いにしてあまり激戦区では無い。
加えて、ドラゴンは極めて「世界が近い」スポーツだ。
野球やサッカー、テニス等のメジャー競技で「世界に行く」のは
並大抵の話では無い、だが、幸いにしてドラゴンであれば、
世界に行くのは、それらの他の競技よりも遥かに容易であるし、
本大会や他の大会でも、海外のチームも良くエントリーしている
ので「世界」が極めて身近にある競技でもある。
「シニアの部」であれば、日本代表となるのも、さほど困難では
無いはずだ。世界に通用するかどうか?はさておき、アスリートで
あるならば一生に一度くらいは「世界を経験する」のも悪く無い
話であろう。それは現役アスリートである今しか出来ない事だ。
いずれ歳を取ってから「オレは若い頃日本代表で世界戦に行った」
という話でも出来れば、「一生の宝」では無いだろうか・・
なお、ドラゴン界には既に海外遠征を経験した選手達も極めて多い。
よって、海外大会で知り合った海外チームの選手と、国内大会で
再会するケースも良くある模様だ。
その際、「へ~、英語話せるのですか?」と日本の選手に聞くと
ほとんど「いや~(汗) 片言だけです」と言われる場合が多い、
国際交流が極めて多い現状においては、ドラゴン選手や関係者の
英会話能力は必須かも知れない(汗)
ドラゴン選手用に「競技に必要な用語」に特化した英会話教室
を開くと、結構需要があるかもしれない、英語が得意な選手が
いたら、副業に是非ご検討あれ(笑)
さて、次いで「女子の部」の結果だ。
このカテゴリーには12連覇中の強豪「Super Dolphin」が居る。
過去、ドルフィンを破ったのは、2004年の「Team 河童」であるが、
これは旧「天神大会」の頃だ、私もその大会を観戦している筈だが
実はあまり記憶にない(汗)、それほど古い話なのだ。
そしてそれ以前にも、2001~2003年は「Super Dolphin」が
勝っているし、本大会以外でも様々な大会で「Super Dolphin」が
参戦していた大会を観戦していても、彼女達が負けたレースを
見た事が無い、それ程までの「絶対王者」である訳だ。
ただ、「Super Dolphin」もずっと同じメンバーでやっている
訳ではなく、少しづつメンバーは変遷している。
そして、それは続くナンバー2の立場である「Team 河童」も
同様だ、両者の差はその年によっては縮まり、または開く。
数年前の本大会では、1秒差以内にまで縮まっていたが、まあそれも
その年のメンバーの「調子」次第であろう。
近年、女子強豪として登場したのが「東京龍舟プラチナ」である。
昨年のドラゴン最終戦「スモール選手権」では、女子の部で優勝、
しかしこの大会には、「ドルフィン」も「河童」も不参加で
あったので、本大会で実力値を試される事となった。
今年の日本選手権での「女子の部」の総合結果は以下の通り
1位:Super Dolphin
2位:東京龍舟プラチナ
3位:Team 河童
4位:55D Flicker(香港)
なお、絶対王者「Super Dolphin」と新鋭「東京龍舟プラチナ」
のタイム差は、およそ3秒(1艇身)程度。
「東京龍舟プラチナ」と「Team 河童」のタイム差は、
ほぼ同等から1艇身程度となっている。
近年では「女子カテゴリー」も前述の理由で「選手権クラス」の
大会以外では減ってきている為、次回、また強豪女子チーム達が
集まる可能性があるのは、最終戦「スモール選手権」あたりだが、
その大会は他の有力な地方大会と日程がかぶる事が多く、
一部の女子チームはそちらに遠征する事も多いと聞く。
なので、また来年の本大会まで「女子の部」の結果は持ち越しに
なるかも知れないが、まあ、それまで楽しみにしておこう。
さて、今回「日本選手権」の前編観戦記事はこのあたりまで。
次回「中編」では、「スモールの部」と「混合の部」の結果に
ついて紹介していくこととしよう。