2016年12月、短期間ではあるが英国に行く事になった。
海外に出るのは久しぶりだ、昔は様々な国に良く行ったが、
近年では面倒に感じるのと、そもそも海外に行く事が個人的には
好きでは無いので、全く行かなくなっていた。
英国を訪れるのも実に久しぶりだ、なお、今回は技術系の仕事で
行くので、写真とは無関係だ。
手にしているカメラは、旅のメモ代わりに使うコンパクト機の
FUJIFILM XQ1の1台のみと大幅に軽量化している。
関西国際空港より北京を経由しロンドン・ヒースローに向かう。
この路線は恐ろしく安価であり、国内旅行並みの低価格で
英国まで行くことができる。ただし中国系エアラインなので
さほど快適な旅では無い、という事も確かだ。まあ、あくまで
価格優先という事である。一般企業での海外出張というスタイル
では無いので、残念ながら潤沢に出張費が確保できるという訳では
無いのだ。
さて「英国」を英語で言う場合「UK(ユーケー)」と
呼ぶのが英国や欧米での常識だ。
英国の正式名称は、
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
すなわち、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
という長い名前である。これを略して「UK」と呼ぶ。
England(イングランド)とは呼ばないのには理由がある。
その「連合王国」には、英国中南部のイングランド、
北部のスコットランド、西部のウェールズ、そして
アイルランド島北東部の4つが含まれており、単にイングランド
と呼ぶ際はイングランド地区のみの事を示すからである。
(ちなみに、車のナンバープレートやオリンピック等では
Great Britainを略して「GBR」と書く場合も多い)
何故色々と英国の事情に詳しいか?と言えば、私は、かつて
この国に1年間程住んでいた事があるからだ。
ただ、それはずいぶん昔の話であり、駐在時には言葉の
不自由や仕事の問題などで色々と苦労した、そういう事情で
私は、この国があまり好きという訳ではなく、それ以降、長い
期間、訪れる事はなかったのだ。
ちなみに、昔英国に住んでいた頃、新聞でTV番組表を見ていたら、
スヌーカー(ビリヤードの一種)の国際選手権があるというので、
「いったいどこの国が、このマイナーな競技に出るのか?」と
ちょっとTVをつけてみると、イングランド、スコットランド、
ウェールズ、アイルランドの4カ国(!)だった、英国の常識
では、これらは「地区」ではなく、あくまで「国」なのである。
「スヌーカー」は昔は、どこのパブでも競技台が置いてあって、
客同士が対戦していた。私も何度かやった事があるが、地元の
人に勝てた事は無い、ゲーム代は負けた人持ちなのだ(汗)
しかし、今回の訪英でもいくつものバブに入ったが、スヌーカー
やダーツ競技が置かれている所はなく、「時代が変わったな」
という事を実感した次第だ。
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さて、ヒースロー空港に到着し、チューブ(地下鉄)で
ロンドン市内に向かう、その値段が6ポンド(約800円)
と高価になったのにまず驚く、ロンドンの地下鉄(やバス)には
「オイスター」と呼ばれるプリペイドのICカードがいつの間にか
導入されており、これを使えば若干安く乗れる模様だが、今回の
訪英ではロンドン周辺には半日しか居ないし、地下鉄も1~2回
乗る程度なので、わざわざこれを買うまでも無いか、と見送った。
ちなみに観光客等の場合でも、オイスターを5ポンド位で購入し、
帰国時に返金してもらう手段もある模様だが、若干面倒であろう。
地下鉄やバスに何度も乗るとか、何回も渡英するなど、そういう
場合向けだ。
ロンドン市内の様子は、昔とはあまり変わっていない、
「ダブルデッカー」(二階建てバス)は、ラッピング技術の発達
により、様々な広告を身にまとっているが、赤塗装でないと
ロンドンらしくなく、ちょっと興醒めだ。
物価は昔よりだいぶ上がっている、英国およびEU圏には、VAT
(付加価値税)という消費税のようなものがあり、これは20%
以上と高い。昔は何か購入すると、レシートに商品本体価格と
VATが別途記載されていたのだが、現在はほとんど内税表記で
レシートが出てくる、なので、税率やその金額がよくわからず
結果的に物価が高いように感じるのかも知れない。
なお、英国では現在「BREXIT」というニュース用語で、EUからの
離脱問題がさかんに叫ばれている。
これは今年(2016年)に行われた国民投票で、EU離脱の投票が
残留を上回ったからでもある。
2017年1月には、英国メイ首相が「HARD BREXIT」
(強硬離脱)という方針演説を行い、日本でもニュースとなった、
今後もこの議論は、英国内では過熱しそうな雰囲気である。
英国民はEUから離脱する事でVATが独自に決められるようなり
減税を期待しているのかもしれないが、はたしてそうなるので
あろうか?増税という可能性もある。
まあ、そもそも英国では、ユーロではなく依然ポンドを貨幣
として使っている。日本と同様に島国だし、かつての大英帝国
の誇りもあるから、あまり他の欧州諸国と横並びというのは
国民性からしても好まない面がある事は理解はできる。
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さて、ロンドンのタクシー、いわゆる「ブラックキャブ」は、
旧来の「オースティン」から新型に変わっている模様だ。
こちらは後日の写真で、郊外都市の博物館に展示してあった、
2014年型のTX4型タクシー。
外観は昔のオースティンとさほど変わりが無いが、内装等が
電子化されてだいぶ新しくなっている。
なお、旧型は最小回転半径が確か3m台と驚異的に短く、
つまり、ごみごみしたロンドンの市内の道でも容易にカーブや
Uターンや効くという特徴があった、恐らくだがその特徴は
新型にも引き継がれているのであろう。
座席配置は昔と同様に後部に3人掛け、中央部に逆向きで
2人掛け、運転席とは犯罪防止の為完全に分離されている。
ちなみに、旧来はタクシーやレストラン等では、20%程度の
チップを払うことが常識であった。現金でのやりとりが多く
お釣りからさりげなく渡すなど、そうしたマナーのような慣習
があったのだが、現代では、どんな店であっても、例えばパブ
やコンビニ(スーパー)であっても、ほとんどがカード決済に
なっていて、カードでちょうどの金額を払うことから、チップの
習慣もだいぶ薄れてきた模様である。
さらに言えば、私は今回観光客気分では来ていないので、チップ
が必要なような場所や店舗にはほとんど(全く)行かないので
チップの習慣がどこまで減ったのか正確には良くわからない。
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さて、ロンドンでは少しだけ時間があるが、すぐに鉄道で
郊外の町に移動しなければならない、短期間の出張なので
なかなか忙しいのだ。
荷物を持ったままだが、鉄道駅に近い「大英博物館」
(冒頭写真)に寄ってみるとしよう。
「大英博物館」は入場料無料である、かつて駐在時には
3度ほど行ったことがあるが、ひさしぶりの見学だ。
博物館の周辺はすっかり観光地化されている、観光客は多く、
土産物屋も多い、英国名物「FISH & CHIPS」の店舗もあって
「昼食はそれで」とも思って値段を見ると、8ポンドもして
いたので「ゲッ!」となって中止した。
FISH&CHIPSはレストランで座って食べるようなものではなく、
本来それはTake awayつまり持ち帰りのファーストフードなのだ。
低温で揚げた柔らかいポテトにモルト酢と塩をかけて食べる
できればロンドンタイムスの新聞紙で包んであると雰囲気が出る。
高くても4ポンド程度(500円)迄が相場であろう、すなわち
8ポンドは観光客向けの価格で、ちょっと受け入れられない。
大英博物館に入ろうとすると入り口で止められた、
なんでも40x50cm以上の大きさの手荷物(スーツケース)は
館内に持ち込めないとのこと、
若い男性係員に「館内に荷物預かりがあるだろう?」と
食い下がると「いや、無理だ、そもそも中に入れない。悪いけど
どこか外に預けてきてくれ」と言う。
まあ、セキュリティ上の問題(爆発物テロ)等も増えている
から、理由はわからない訳でもない。
やむなく引き下がり、門のところに居た係員のおばちゃんに
「入れない、と言われましたよ、困ったなあ」と泣き付くと、
「そうねぇ、ここ真っ直ぐ行って曲がったところに、なにがし
というホテルがあるから、そこのクロークで預かって貰えるわ」
との貴重なアドバイス、言われたままのホテルに行くと、
「はい、1日3ポンドで預かりますよ」とリーズナブルな対応で
ほっとした(昔は足元を見られる事も多かったが・・)
ちなみに英語のやりとりは、このような日常会話は問題は無い、
そもそも英語を学んだのは、昔この国で、なのだ。最初の訪英時
には、殆ど話せなかったのが1年も居ればさすがになんとかなる。
スラング、たとえば1ポンドではなく「クイッド」と呼ぶ事等も
理解しているので、ますます何も問題は無い。
以前、本格的に米国英語を学んだビジネスマンが英国に来て彼を
アテンド(案内)した時にも、彼は英国独自の様々な表現や発音に
四苦八苦していたのが、ちょっと面白かった。
たとえばハンバーガー屋に入って、彼は「ケチャップ」が欲しい
と言う。私は「え~? ポテトにかけるのは、イギリスでは塩と
ビネガー(酢)と相場は決まっているよ」と答えたのだが、
まあ米国流であろう。米国に留学していたのかも知れない。
彼「トゥメーィトゥ、ケチュアップ、プリーズ」
と、彼は若い女性のハンバーガー店員に格好よい発音で言うが、
まったく通じない、
店「ソリー?」(わかりません、という意味)
困った模様なので、私が助太刀をする
匠「とまとけちゃっぷ、プリーズ」
店「イエス」
彼「え~、そんな日本風の発音で通じるの??」
匠「そう、ここはイギリスだからね」
なんとなく、ちょっと嬉しい気分であった。
さて、「大英博物館」の内装は昔とは大きく変わり、それ以上に
展示物の傾向も大きく変わった、
以前は、どちらかと言えば、エジプトあたりから、言葉は悪いが
「勝手に持ってきた」ような、貴重な「お宝」が多かったが、
それらは今は少ない模様だ、色々批判があったのかも知れない。
一般向けというか、子供向けに近いような無難な展示物ばかりと
なっていて、ちょっと拍子抜けだ。
一応、上階から地下まで駆け抜けるように全部見てくる、
本来ならば丸一日かけてゆっくり見学するべきなのだが、
あいにく今回の旅程では、そこまでの時間は無い・・
2時間ほどで博物館を出てホテルに荷物を回収しにいく。
ここから鉄道駅「ユーストン」までは。本来ならば地下鉄で2駅
程乗る事を想定していたが、地下鉄が高いので歩く事にした。
ちなみに、地図は持ってきていない、スマホも無い、
PCはあるがスースケースの中だし、WIFIが通じるか不明だ。
でも、だいたいの土地勘はあるし、ロンドン市内には路上に
観光用のマップが充実しているので何も問題は無い。
20分ほど歩いてユーストン駅に到着、ここから鉄道で
Coventry(コヴェントリー)市に向かう。
切符は自動販売機だ。窓口で買った方が、同時に出発番線や
電車の種類などの様々な情報を聞きだせるので好ましいのだが、
あいにく英国の自動化もどんどん進み、切符販売窓口そのものが
無い。一応インフォメーション窓口はあるが、長蛇の列だ。
自動化も便利な事だけではなく、ちょっと色々と困った点もある。
「ユーストン」はハリーポッターの映画に出てくるような雰囲気
の駅だ、というか、たいていのロンドンの駅がこんな感じなのだ。
ちなみに、ハリポタの駅のモデル「キングス・クロス」は、
ユーストン駅のすぐ近くにある。
そこには最近、映画と同じ「9と4分の3番線」の標識が設置
された模様で観光客が皆並んで記念撮影をしていると聞く。
さすがにそこまではやる気にならず、時間も無いのでパス。
列車は「ヴァージン・トレイン(Virgin Trains)」と言うのが
特急であり最速である。元々は「ヴァージン・レコード」として
創立したのが、最近では航空や鉄道、金融など様々な分野に進出
している巨大企業となっている。
ちなみに、ヴァージン・レコードの最初のアーティストは
1973年の「マイク・オールドフィールド」であると聞く。
彼のデビューアルバム「チューブラー・ベルズ」は、映画の
「エクソシスト」のテーマとして世界的に大ヒットした。
今のヴァージンの繁栄は、彼の功績も大きいかも知れない、
「マイク・オールドフィールド」は私は大ファンであり、
その殆どのCD作品を所有している。
目的地コヴェントリーまでは、ヴァージン・トレインならば
約1時間。しかし、なんだか混んでいるし、座席指定があるか
どうかも良くわからなかったので、上写真の「急行」に乗って
のんびり行くことにした、所要時間は約1時間40分、運賃は
オフピーク(時差)で30ポンドと、安いのか高いのか微妙、
まあ日本で言えば、大阪から名古屋への移動、という感覚だ。
土曜であったが「急行」は車両によっては恐ろしくすいていて、
4人程しか乗っていない。普通の旅行客は「ヴァージン」
に乗って行くのであろう。
ちなみに、日本に来る外国人観光客は、たとえば難波ー関空
とか京都ー奈良といった短距離であっても、特急に乗る事が
多いように見える。我々地元民は、そういう区間は急行に乗る。
特急料金は勿論不要だし、所用時間もたいして差が無い
(10~15分程度の差)からだ。
「コヴェントリー」は英国中部にある小さい街である、
バーミンガム(空港)にも近く、ヒースローから廻ったのは
距離がありすぎて、ちょっと失敗だったかも知れない。
中世、およそ1000年前からの古い街であり、市内中心部
(City Centre)は、直径1kmほどの環状道路により囲まれている、
恐らくこれは中世は城壁になっていたのであろう。
日本で言う環濠集落あるいは寺内町のような街だと想像される。
こういうタイプの街は、まだ治世が不安定だった頃に周囲の外敵
からの侵略を防ぐ為であり、独自の文化が今なお残っていたり
する事は日本の環濠集落や寺内町の例でもよくある。
例えば大阪で言えば「平野」や「久宝寺」、奈良であれば
「今井町」などが代表的だ。
ちなみに私は「環濠集落」特に堀(濠)が残っているタイプの
町が好きで、関西圏で、その多くを廻っている。堀で囲まれた
町には、古い町並みは当然ながら、必ず寺と神社が存在する。
その際、神社は宗教的な意味が大きいが、寺はたいてい軍事拠点
としても利用されていた(そこに兵を集める等)のであろう。
地図上では「環濠集落」であるとは明記されておらず、
堀と寺と神社がある場所を探して、ふらりと訪れてみる訳だ。
さて「コヴェントリー」は小さい街であるが、人口は英国で
8位という事だ、市外中心部のみならず周辺にも居住圏が広がって
いるのだろう。
ちなみに、Centreというスペルは、現代の英語ならばCenterが
普通だが、英国の古い町等では、eとrが反対になっている事が
殆どだ。これはまだ英語が標準化、規格化される以前の古くから
用いられていたからであろう。
このケース以外にも、英国の地名は古い英語を元にしている
場合が多く、現代の英語の雰囲気とはかけ離れている場合も
多々あり、地名の発音すらわからない事も良くある。
「コヴェントリー」においても、ここに来るまで、ヴェに
アクセントを置いた発音をしてきたのだが、列車のアナウンス
を聞くと、最初のコにアクセントが存在していた。今までよく
通じていたのものだと思う(汗)
なお、列車は昔は車内アナウンスなど無いのが普通であったが
現代では、車内アナウンスに加えLED駅名表示器もついていて
ずいぶんと、わかりやすくなった。
コヴェントリー駅から、まずは宿に向う。
環状道路の中は市街地だが、今回の宿は環状道路の外となり、
少し離れただけで安価になる。
道を聞きながら行くと、皆わからないと言う、まあ、そうだろう
地元で生まれ育った人とは限らないし、住所や道路名を聞いた
ところで、その全てを知っている人は居ない。
地図のプリントがあるので、なんとかたどり着けた。
宿は、ゲストハウス、つまりホテルではなく、日本で言えば
「民宿」のようなものだ、これは普通の民家である。
客室は広い、このダブルルームを1人で使えるので快適だ。
ただ、風呂(シャワー)とトイレは共同で不便だ。
まあでも、客室は4室しかなく、かつすいているから、他の
宿泊客と利用がかぶることはまず無い。
これで宿泊料は1日50ポンドくらいである(本格的朝食つき)
まあ英国にしては安価な類であろう。
PC等の電化製品は、100v~240vの対応トランスを積んで
いるものだけを持ってきている、なので、電圧コンバーター
は不要で、UKプラグ(300円程)だけを持っていけば問題ない。
宿の主は、未亡人と思われるインド人のおばあちゃんだ。
イ「あんた、どこから来たんだい、中国か?日本か?」
インドからの移民の特有の巻き舌だが、まあわからない
英語では無い。英国にはインド人は多く居るのだ。
イ「そうか、日本から来たか、遠くからで疲れただろう、
コーヒー飲むか? それともティーにするかい?」
匠「え~、チャイできますか?」
イ「お~、チャイを知っているか。ええ、勿論出来ますとも、
今すぐ作るから待ってなさい、砂糖はどれくらい入れる?」
匠「じゃあ、シュガーは少しだけで」
チャイは、紅茶を水と牛乳で煮出し、マサラと呼ばれる様々な
香辛料を混ぜた、インドで一般的かつ庶民的な飲み物だ。
日本でも「チャイミックス」と呼ばれる混合香辛料が市販
されていて、それを使えば簡単に作れる。
スパイスマニアである私は、チャイミックスは常備していて、
たまに気が向いたら飲む事がある。
まあ、英国であるから「ロイヤルミルクティー」という
選択肢もある、それはスパイス無しで牛乳で煮出した紅茶だが
実はそれ自体は英国には無く、通常の紅茶を注文すれば、必ず
ミルクが添えられている。ミルクを先に入れるか後から入れる
かは、店舗で飲むならば良く聞かれる事だが、どっちでも一緒と
思う無かれ、両者は微妙にレシピも異なり、カップの温度感覚も
異なるので、英国ではその入れる順番によって別種の飲み物として
扱われているのだ。
ただ、そういうのも古き良き時代の英国の伝統であり、現代でも
消費者にそうした拘りがあるかどうかはさだかでは無い。
事実、コーヒーのホワイト(ミルク入り)の、ダブル(動物性)
シングル(植物性)のクリームの選択の文化は失われてしまった
模様であった。
で、英国の通常の紅茶は、高級茶葉を使う事が殆どだ、
たとえばトワイニングやフォション等のブランド紅茶だ。
昔の上流階級がさかんにインドやスリランカ等から輸入したので
あろう、そういう文化は勿論現代では庶民にまで一般的だ。
だが、チャイはちょっと違う、これはできるだけ安価なクズ葉で
煮出した方が美味しい、なので、私が日本で飲む時でも
安価なティーバッグでチャイを作る事にしている。
しばらくすると、インド人のおばあちゃんがチャイを持ってきた
匠「ふ~む、美味しい、特にカルダモンが良いですね!」
イ「そうか、あんた、わかるか。これがインド秘伝の配合よ」
まあ、スパイスマニアだから中に何が入っているかはわかる、
ジンジャー、ペッパー、シナモン、クローブ、ナツメッグと
カルダモンが主なスパイス群、そして砂糖とミルクだ。
日本での市販チャイミックスは、高価なカルダモンはあまり
沢山は入っていない、ところが、おばあちゃんのチャイは、
そのカルダモンが粒の状態でおよそ7~8粒ほど混ぜられている
カルダモンの実を、1つまたは2つをほぐしたのであろう、
ペッパーもその場で砕いた模様で、ピリリと刺激がある。
手間がかかっていて贅沢な作りが嬉しかった。
今後は、このおばあちゃんのレシピを参考にチャイを作る事に
しよう、私はスパイスは常時100本以上を在庫していて
日本国内で入手可能なものは、ほぼ全部そろえているのだ。
いずれ気が向いたら「スパイス・マニアックス」記事でも
書いてみることにするか(笑)
TVをつけると「サンダーバード」をやっていた。
これは最新のCG版であり、日本でも放送されていて、それを
見てはいるが、この回は確かまだ放映されていなかった。
私は「サンダーバード」もマニアであり、1960年代の
マリオネット(人形)版、2000年代の実写版は、全てDVDを
所有している。2010年代の最新CG版はまだTV放送で見ていた
だけだが、いずれDVDを揃えるとしよう。
ちなみに、今ではとてもレアとなった「秘密基地」のプラモデル
も2000年頃に復刻版を入手してある(勿論組み立てないで
取ってある)
「サンダーバード」は子供向け番組なので英語も比較的簡単だ、
これを見ながら英会話を学ぶという手法も悪くない。
ちなみに1960年代版、2000年代版での、ブレインズ(科学者、
上写真の登場人物)は、ちょっと、どもる話し方をしている。
天才的科学者で極度に速い思考に会話が追いついていかない、
という演出なのだが、近年の風潮からか、2010年代CG版での
ブレインズは普通の話し方をしている。
TV番組全般だが、昔は、報道、コメディ等、比較的カテゴリー
分けがはっきりしていたのが、現代では、日本風にジャンルが
はっきりしないバラエティ番組が増えている。
あるバラエティ番組の中で、料理っぽいコーナーがあった、
「では今から、日本から輸入したWagyu(和牛)を使って
美味しい料理を作りますよ、これはKobe Wagyuと言って、
マッサージをしながら育てた牛なので、柔らかいですよ~!」
私は、思わず「ウソつけ!」とTVに向かって言っていた(笑)
夜のコヴェントリー市街、市街地中心部は近代的なショッピング
街なのだが、少しだけ外れると、こうした古い雰囲気のパブ街
がある、1つに入ってみたが、昔ながらの雰囲気で、客同士も
気軽に話をしていて、その点ではほっとした。
地元の人達と楽しく会話をしながら、立ち飲みでも座って飲む
のもそのあたりは自由だ。
ここもまた現代的に、それぞれ他人に無関心だったら、ちょっと
パブ(=本来は社交場としての目的がある)の価値が無い事で
あろう。
ただ、ビールは常温の生ぬるいものを期待していたが、
冷えていたのでちょっと驚いた、ここは英国だ、常温で飲むのが
文化なのだが・・
ちなみに、パブによっては、エクストラコールド(良く冷えて
いる)を選ぶこともできるようになっている模様だ。
それから、パブでの食事は良くてもこんな感じ、
店によっては、クリスプ(日本で言うポテトチップス)程度の
おつまみくらいしか用意できない所も多い。
夕食を兼ねて入る場合は、食事の種類は事前要チェックだ。
余談だが、今回の旅のカメラは、前述の通りFUJI XQ1の
1台だけだ。仕事用のPCやら荷物が多かったので本格的なカメラ
までは持ってこれなかったのだ。XQ1はISO12800の高感度と
広角側f1.8の大口径レンズを搭載しているので、観光撮影の
目的では昼も夜も問題なく使える。
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さて、この記事は1回で終わる予定であったのだが、
よもやま話を書いていたら思いの他長くなってきた。
前編後編に分ける事として、前編はこのあたり迄としておこう。