「名玉編」、その2。
このシリーズでは、ミラーレス・マニアックス記事で紹介した
レンズ(延べ約330本)を、描写表現力、マニアック度、コスパ、
エンジョイ度、必要度の5つの評価項目で採点し、順位ランキングを
つけて再度紹介している。
各評価項目は、いずれも5点満点で採点する、今回シリーズ2回目では、
それら5項目の平均点が 4.1点のレンズを紹介する。
4.1点のレンズは計7本あったが、それらの中から便宜上5本を選び
15位~11位として適宜順位付けしてみよう。
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さて、まずは第15位から。
第15位:ニコン DC 105mm/f2
・描写表現力:★★★★★
・マニアック:★★★★☆
・コスパ :★★(購入価格:70,000円)
・エンジョイ:★★★★☆
・必要度 :★★★★☆
・評価平均値:4.1
(★=1点、☆=0.5点)

第35回記事で紹介した、1990年代のAF大口径中望遠レンズ。
最大の特徴は、DC(デフォーカス・コントロール)機構である。
長くなるので今回その機構の詳細は割愛し、第35回記事や、ずっと
昔のDCレンズの記事を参照してもらう事としよう。

まあ、簡単に言えば、DC環(リング)というものを、自分が設定した
絞り値に相応して動かし、レンズ構成を微調整して、ボケ質を良くする、
という機構である。その際、前ボケか後ボケか、そのどちらかしか良く
ならない。例えば、後ボケを良くしようとDC環を設定したら、その時の
前ボケは汚くなる(だから、その場合は前ボケを構図に入れない)
ただし、その効果は微々たるものである。おまけに一眼レフ用レンズ
であるから、ニコン一眼の光学ファインダーでは、開放測光なので
その効果は良くわからない、よって、本レンズのDC機構の動作や効果に
ついては、レンズがレアでかつ高価な事から所有者が少ない事もあり、
一般的には、ほとんど正しく理解されていない模様である。
所有している人でさえ良くある間違いだが、DC環の効果が殆どわからない
事から、これを最大にまで廻してしまう、すると、過剰補正となり、
球面収差等が発生し、ソフト(軟焦点)レンズのようになってしまう、
これをDC機構の特徴だと誤解している場合がかなり多い。
(つまりソフトレンズの代用。勿論、そういう使い方はイレギュラーだ)

DC環は、F(前)または、R(後)ボケのどちらかの方向に、
自分が設定した絞り値と同じ値まで廻さなければならない。
そして開放F2以外の場合では、その効果は一眼レフの光学ファインダー
ではわからない、プレビュー操作をかければ若干はわかるとは思うが、
スリガラスのスクリーンでは、基本的にボケ質はわかりにくい。
ミラーレス機で、かつ高精細なEVFを持つ機種で無いと難しいであろう。
・・なので、今回、カメラは初登場の LUMIX DMC-G6を使用している。
これは、μ4/3マウントにおいて従来主力で使っていたDMC-G1の2台が、
仕様的に老朽化してきた事と、酷使により耐用限界が近くなってきた為、
主力機をDMC-G5とDMC-GX7の2台に移行しつつあるのだが、
そのGX7において、操作系に不満があり主力機には成りえなかったので、
DMC-G6を追加購入した次第だ。昨2016年時点での中古相場は、
かなりこなれて来ており、23000円程度と安価であった。
(現在はさらに安価で、2万円を切る)

DMC-G6であれば、GX7とは異なりDMC-G5とほぼ同じ感覚で使用できる。
DMC-G5は当初、ノクトン42.5mm/f0.95という超大口径レンズ用の母艦と
して購入したのだが、その後、ミラーレスマニアックス記事においては、
主に望遠アダプター母艦として使用していたので、DMC-G6にも望遠母艦
の役割を持たせる事としよう。G6のデジタルズーム、デジタルテレコンの
操作系は、G5と同様に優秀だし、操作系全体も問題無い。
加えて、物理Fnキー(モニター上のソフトFnキーでは無い)が、
1つ増えているので、さらに使いやすくなっている。
(ちなみにソフトFnキーは使い物にならないのは何度も書いている通り)
両者の仕様上の相違点は若干あるが殆ど変化は無い、目に見えるスペック
の違い(例:最高ISO感度)等は、個人的にはどうでも良く(昼間使う
ならば同じだ)購入前に私が一番気にしたのは、EVFの使用部品が
変わっている事であった。
DMC-G5はカラー液晶(144万dot)、DMC-G6は有機EL(144万dot)
である。解像度こそ同じものの、この差は結構大きく、G5の方が
ピントの山が掴みやすく、ボケ質がわかりにくい。G6はその逆だ。
で、ピントについては、G6では、ピーキング機能がついているので、
まあそれに頼れば良いのだが、実はこのピーキング精度は、残念ながら
GX7よりも落ちる。(なお、GX7はEVF解像度が276万ドットと高精細だ)
よってDC機構の利用を含めたボケ質の確認は、G5よりもG6が優れていて
さらに言えば、GX7あるいはSONY NEX-7の方がもっと良いであろう。
ただ、DC105mm/f2は、かなり大柄なレンズなのでGX7やNEX-7と
いった、グリップ・ホールディングが不完全な小型ミラーレス機では、
重量バランス的にNGなのだ。
あれやこれや制約があって、結局、新規購入のDMC-G6で、このレンズ
を使っている次第だ。
まあ、いつも書いている事だが、レンズとカメラの組み合わせは
それぞれの長所短所に応じて考えなくてはならず、かなり気を使う
必要性があるという事だ。デタラメな組み合わせで使っていると、
何もわかっていないようで格好悪い。

DC105mm/f2だが、さすがにこの順位まで上がってきているだけあって
「描写表現力的」には文句のつけようが無い。また、絞り値とDC環を
色々と微調整する事も、かなり楽しく、「エンジョイ度」も高い。
そしてニコンレンズではボケ質が汚いものが殆どであるが、本レンズは
旧来のニコンAF単焦点では唯一と言って良いくらいに、ボケ質に配慮した
レンズである。よって、ニコンシステムにおける「必要度」は極めて高い。
ユニークなDC機構やレア度等から「マニアック度」も高い。
唯一の問題点は価格が高い事である。中古で7万円というのは、相場的
にはこれでも安かった方であり、より高値で売られている場合も良くある。
この価格で酷い写りであれば、コスパは0点となって、そうなると、もう
嫌いなレンズとして、処分の対象となったのだが、まあ幸いにして、
描写力その他の項目は問題が無い、よって「コスパ」採点はちょっと
甘くしてあるが、それでも平均以下の2点となっている。
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第14位:ソニー DT 35mm/f1.8 (SAL35F18)

・描写表現力:★★★★
・マニアック:★★★☆
・コスパ :★★★★★(購入価格:12,000円)
・エンジョイ:★★★★
・必要度 :★★★★
・評価平均値:4.1

第60回記事で紹介した、2010年代のAF大口径準広角単焦点レンズ。
いわゆる「エントリーレンズ」である。
APS-C機専用(DT=Digital Type)であるので、準広角と呼ぶべきか?
フルサイズ換算画角の 52mm相当を意識して、標準と呼ぶべきか?
そのあたりはさだかでは無い、デジタル時代に入ってから各社とも従来の、
広角、標準、望遠の画角の定義が曖昧になってしまっている様子だ。
個人的には、そのレンズを本来想定されるボディに装着した時の画角を
もって、それらの呼び方を決めるのも一理あるか、とは思っている。
すると、本レンズは標準レンズ扱いになるのだが、やはりちょっと
35mmを標準と呼ぶには抵抗もあるし、それに、他マウントのカメラに
アダプターで装着した時の扱いもあるので、さらにややこしい。
現状では、そのあたりの呼び名は微妙な扱いにしておくとしよう・・
なお、今回はDMC-GX7に本レンズを装着。換算画角は70mm相当となり、
もはや、これは準広角か標準か?という議論も意味が無くなっている。
本レンズの最大の特徴は最短撮影距離が23cmと、マクロでは無い
35mm単焦点レンズ群の中で最も寄れる、という点である。
第60回記事でも書いたが、この結果、近接撮影での被写界深度の浅さ
(すなわちボケ量)は、35mm/f1.4の大口径レンズの最短時を上回る。
そして、近接能力のみならず、描写力もそこそこ(かなり)良い。

超高価な各社35mm/f1.4 レンズは、値段だけ見てもコスパが悪いのに、
おまけに描写力に強い優位性を持たないものが殆どであり、本レンズ
の12000円という中古価格から比較すると雲泥の差だ。
本レンズのコスパは最高の5点であるが、上限を超えてもっとあげても
良いくらいである。

ちなみに、今回はμ4/3機にあえて装着している。元々はDT仕様で
あるから、恐らくAPS-Cサイズぎりぎりのイメージサークル設計に
なっているだろう、その画面周辺諸収差をカットして、レンズ光束の
真ん中の美味しい部分だけを使っている、これでさらなる画質安定性
の向上を狙っている訳だ。
まあ、高級牛肉とかで言う「一頭から少ししか取れない、どこそこの
部位を使っっているので、美味しいですよ」という贅沢な食べ方と
雰囲気的には似たようなレンズの使い方をしているという事だ。
普段色々と使っているレンズは銀塩時代からのフルサイズ用が
ほとんどであるので、APS-C機でも、この「美味しい部位」の効果は
得られるが、APS-C機用レンズの場合は、さらに、センサーが小さい
μ4/3機で使った方が画面周辺諸収差のカットの意味では有利という
事である。
ただし、前述のとおり、画角という概念は、もはや意味がなくなるので、
「35mmの焦点距離だから、こう撮る(撮りたい)(例:スナップ用)」
とかいった仔細なポイントに拘る人では、こういう風なレンズの
使い方は心理的に難しいと思うので、念の為。

で、本レンズの弱点だが、まあありふれた(エントリー)レンズであり、
かつ作りも外装がプラスチックで、ペナペナであり、安っぽい事である。
ピントリングもスカスカで、MF操作性は良く無い。
レンズ側のスイッチをAF側にしたままの方が、むしろトルクがあって
MFの感触が良いのだが、レンズの中の構造がどうなっているか
不明なので、安全の為、一応MFに切り替えて使っている。
これらの結果「マニアック度」の採点が少々落ちてしまっているのと、
「エンジョイ度」も、その最短撮影距離の短さがあるのにかかわらず
使っていて、ややストレスがある為、満点を与える事ができない状況に
なっている。
けど、実用価値は十分であろう、この値段であれば、過酷な撮影環境
(例:雨天、酷暑)などで酷使して壊しても惜しく無いレベルだ。
まあ、ただし、雨天で使う場合は、AFの効くSONY Aマウント
デジタル一眼に装着するのが良いであろう、傘をさしながらの
両手でのMF操作は面倒だし、そこまで無理をしても、スカスカのピント
リングを廻していたのでは、なんだか情けなくなってくる。
壊しても良いような、1万円くらいの中古デジタル一眼に、本レンズの
組み合わせと言うのが、過酷な状況においても極めて実用的なシステム
になりうると思う。
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第13位:トキナー Reflex 300mm/f6.3 MF MACRO

・描写表現力:★★★☆
・マニアック:★★★★
・コスパ :★★★★(購入価格:18,000円)
・エンジョイ:★★★★★
・必要度 :★★★★
・評価平均値:4.1

第59回記事で紹介した、2010年代の新鋭MF望遠ミラー(反射)レンズ。
これも「超」望遠と呼ぶべきかどうか微妙な焦点距離だ。
μ4/3専用レンズであり、換算画角は、600mm相当になる。
最大の特徴は、80cmという、望遠ミラーレンズとしては驚異的な
最短撮影距離だ。この結果、近距離域から遠距離域まで、被写体を
探す目線での「レンジ」(許容範囲)が極めて広い。
この被写体探しに関する面白さが、「エンジョイ度」で最高点の
5点を獲得している理由である。

そもそも、ミラーレンズの画質はガラスレンズに比べて良く無い、
加えて、超望遠レンズにおけるコンパクトさを優先するが故にか、
従来のミラーレンズは犠牲(欠点)も多々あった、画質もそうだし、
絞りが無い事や、最短撮影距離の長さや、(長所でもあるが)リング
ボケの発生などがそうである。
まあ、そういう点からすると、本レンズの設計コンセプトあるいは
性能は、従来のミラーレンズとは一線を画すように思える。
超小型軽量、最短の短さ、そこそこの画質、そしてカメラ側への情報
伝達は、純正AFレンズ並みである(EXIF、焦点距離情報、ピント距離、
手ブレ補正)そうした様々な長所があり、結果的に総合点も高くなった。
で、そもそもミラーレンズが、本ランキングの上位に入ってくるとは
事前には全く思っていなかったが、入力したデータをソート(並べ変え)
してみて、少し驚いた次第である。

弱点は従来のミラーレンズと同様である、若干の画質の問題、
リングボケ、絞りがコントロール出来ない事、逆光耐性が良く無い、
等から、「描写表現力」の項目はあまり点数が伸びていない。
絞りが無い事は、被写界深度調整やボケ質の調整が困難、という点で
かなり不利である。ただまあ、デジタルズームの操作系に優れた
DMC-G5を組み合わせているので、撮影距離(や背景距離)で被写界深度
を調整した後、構図調整はデジタルズームに頼るという「裏技」により
光量調整以外の点での、絞りの効果の代用が(若干だが)可能だ。
本レンズは、小型軽量な超望遠レンズであるということで、
μ4/3のセンサーサイズが小さい弱点を、逆に利点としていると思う。
μ4/3機ユーザーであれば必携のレンズであると思うが、手ブレが
怖い場合は、OLYMPUSのボディやDMC-GX7等の内蔵手ブレ補正機を
使うのが良いであろう。ただし、それらの機種は連続デジタルズームの
操作系は優れていないので、上記の、絞りの調整効果の一部をデジタル
ズームで代用する高度な技法を用いる事は難しいと思う。

なお、中古はなかなか出難いが、新品でも3万円台前半と、さほど高価
では無い。勿論、「コスパ」は良い方だと言えるであろう。
個性的なレンズで、中古市場での玉数も少なく、生産終了となったら、
2度と入手できなくなるかも知れないので、もう1本予備を買って
おきたいくらいである。その際、色違いがあれば嬉しいが、残念ながら
銀色1色しか発売されていない模様だ。
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第12位:カール・ツァイス Touit 32mm/f1.8

・描写表現力:★★★★☆
・マニアック:★★★★
・コスパ :★★★☆(購入価格:54,000円)
・エンジョイ:★★★★
・必要度 :★★★★☆
・評価平均値:4.1

第74回記事で紹介した、2010年代の新鋭AF大口径準広角単焦点レンズ。
ミラーレス機専用レンズでありAPS-C機のSONY E(NEX系)とFUJI X系の、
2マウントで発売されている、換算画角は48mm相当であり、まあ、これも
「標準レンズ」と呼んでも良いかも知れない。
シリーズによってはAFが効く事が近年のカールツァイスレンズの特徴だ。
2000年代までのツァイス銘の(一眼用)レンズは(京セラ・コンタックス
のNシステムを除き)、コシナ・ツアイスも含め、全てMFであった。

ただし、今回の使用カメラが、AF/MF性能に課題を持つ X-E1だ、
AFの本レンズを使用しても、ピント合わせには苦戦する場合が多い。
AF速度は、まだましな方だが、精度が悪いのだ(全く合わない、
あるいは合っていると表示されるのに、実際には合っていない)
じゃあMFで撮れば良いか?というと、これがまたX-E1ではNGなのだ。
毎回同じような説明(文句)となるので割愛するが、ともかく、ピントを
合わせるという、写真を撮る上で基本となる性能に重欠点を持つカメラだ。
そんなにピントが合わないものか?と思っているX-E1ユーザーも居る
かもしれない。でも、その理由はなんとなく想像がつく。
先日、(絞り環のついている)本レンズを使っていて、絞込みすぎて、
誤ってA位置にまで入れてしまった、普段絞り優先で使っているので、
シャッターダイヤルはA位置である、この状態では、どちらもA位置
となると、カメラの露出モードは「プログラム・オート」となる。
この事自体は良い事だ、1990年代の銀塩AF一眼名機PENTAX MZ-3
等でも採用された優れた「操作性」だ(注:「操作系」の話では無い。X-E1は、
「操作性」は他機種よりも優れるが「操作系」は極めて劣悪なのだ。)
で、このとき、プログラム・ライン(線図)の様子をちょっと見て
みたが、かなり強烈に絞り込む方向なのだ。
ごく普通の被写体を普通に構えて撮っているのに、f7.1とか、
f9、f11あたりまで平気で絞り込まれる。
ちなみに、ND4フィルターを装着した状態で、AUTO ISOモードだが、
この場合、AUTO では最低のISO200だと、ND4の効果で、シャッター
速度はかなり低下する。何故こんなリスクを負うようなプログラム
線図になっているのか一瞬疑問に思ったが、すぐに答えは出た。
つまり「ピント精度が不足しているから、絞り込んで回避している」
のだと思う、そこまで絞り込めば当然、被写界深度がかなり深くなり、
一般のビギナーユーザーが撮るような平面的被写体においては、
X-E1の酷いAF性能・精度でも、このクラスの準広角(32mm)レンズだと、
Pモードにしておけば、多分問題は無い。
まあ、性能上の欠点を仕様でカバーするのは、当然の処置であるとは
思うが、なんとも確信犯的のようにも思えてしまう。

で、、私の本レンズにおける撮り方は、基本的に絞りは開放近くが
メインだ、f2.5くらいを中心に(注:1/3段刻みで絞り環は廻る)、
ほぼf1.8~f4.5の間で撮る。
これは被写界深度とボケ質(注:X-E1は開放測光だが、シャッター
を半押しすることで、これらは確認できる)の調整の為だ。
そもそも、本レンズは「ツイート」と称しながらも、レンズの前部には
「プラナー」と書いてある、絞りを開けて使わない「プラナー」なんて、
マニアの常識からすれば有り得ない話だ。
だが、こういう撮り方の場合、X-E1ではAF精度不足で、かなり厳しい
という訳だ。
ちなみに、プラナーとは言え、ボケ質破綻は起こり難いレンズだ。

本レンズの長所は、勿論その「描写表現力」であり、
弱点は、その価格の高さだ。
Xマウントで使う上では、本レンズの同等品は、FUJI XF35/1.4
同 XF35/2あたりがあるが、まあ、それらではなくTouit 32mm/f1.8
という選択肢は十分あると思う。それ故の「必要度」の得点の高さだが、
例えば本記事第14位のSONY DT35/1.8は、本レンズの1/4以下の
価格である。そして、描写力表現力は僅差、最短撮影距離は本レンズは
30cmであり、23cmのDT35/1.8には手も足も出ない。
そういった意味では「コスパ」は良いとは言い難い本レンズではあるが、
まあ5万円台であれば、全然ダメという事でも無いであろう。
本レンズをXマウントで選択する意味はある、1つは、Eマウントは
APS-C機とフルサイズ機が混在していて、APS-C専用本レンズは使い
難い事、そして、Xマウント用レンズには絞り環が存在していて操作性が
良い事である。
操作性の良いX-E1等Xマウント機との組み合わせはなかなか良いと思う。
(繰り返しになるが、あくまで「操作性」であり「操作系」では無い)
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さて、次は今回ラストのランキング。
第11位:ミノルタ MC ROKKOR PF 50mm/f1.7

・描写表現力:★★★★
・マニアック:★★★
・コスパ :★★★★★(購入価格:2,000円)
・エンジョイ:★★★★
・必要度 :★★★★☆
・評価平均値:4.1

第35回記事で紹介した、1970年代のMF小口径標準レンズ。
小口径というのは、他の標準レンズでf1.2~f1.4級が、ごく普通に存在
している事からの比較であり、本ブログでは標準(焦点距離50mm前後)
レンズの場合は、f1.7、f1.8,f1.9,f2,f2.8等を「小口径」と
称している。
ただ、これが35mmの焦点距離のレンズであれば、f1.7は十分に
「大口径」であるし、一般的にはf2.8通しのズームレンズを「大口径ズーム」
と呼ぶ場合もあるので、その口径の定義はかなり曖昧だ。
なお、近年では、f2通しやf1.8通しのズームも登場しており、
今後ますます「大口径」の定義は曖昧になると思われる。
(個人的には、f2.8のレンズはズームであっても小口径と呼びたい位だ)

で、本レンズは、MF小口径標準レンズの代表とも言える。
現に、同一評価得点で、MINOLTA MC PF 55mm/f1.7もあったし、
「コスパ」の評価点の関係で、ここまで順位は上がっては来なかったが、
他の様々な小口径標準も、いずれもかなり良い得点を出しているのだ。
本レンズだけが特に順位が上がったのは、何と言ってもその価格だ、
2000円は、特別に安価だったのではなく、「ジャンク標準大放出時代」
の2010年頃においては、本レンズの中古価格は、1000円~3000円
という相場が普通であった。
「コスパ」は勿論5点満点だが、前述の DT35/1.8が12000円でも
5点であったので、本レンズは7点くらいまで加点しても良い位だ。

弱点は2つ、まずは、ごくありふれたレンズであり「このレンズだけ」
といった特徴を持たない為、「マニアック度」の評価が低い事がある。
そして、「描写表現力」であるが、40年も前のレンズであるが故に、
逆光耐性がやや弱い事がある。
最短撮影距離も50cmと、標準レンズにしては微妙に長い。
また、(回避はさほど困難では無いが)「ボケ質破綻」も発生する。
これらの微細な弱点が少しづづあって「描写表現力」には、あまり
高得点を与える事ができない。

で、ミノルタMC/MD系標準レンズは多数あるものの、f1.4級においては、
これで決まり、という強力なものが無く、色々な種類の標準レンズを
買わざるを得なかった、そうした中で本レンズの存在は決定打に近い
状態にあると思うので、本レンズの「必要度」は高い。
だが、デジタル一眼レフには、フランジバックの関係でMC/MDレンズを
制限無しで装着する事はできない、よって、ミラーレス機で使う事に
なるのだが、その際、マウントの自由度は高いので、あえてミノルタ
のMF標準を使わなければならない理由は少ないであろう。
あるとすれば、ミノルタ銀塩MF一眼の名機、X-1,XD,X-700などを
もう一度防湿庫から引っ張り出して使う場合くらいだが、まあそれは
今時では、かなり酔狂な遊び方かも知れない・・
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さて、これで、15位~11位までの今回のランキングは終了。
なお、同じ4.1点の評価点であったが、今回紹介できなかった番外の
レンズとしては、以下の2本がある。
4.1点 タムロン AF 200-400mm/f5.6 LD(第71回)
4.1点 ミノルタ MC PF 55mm/f1.7 (第51回)
これらも、一応15位~11位相当という事で、名玉である事には違いない。
そして、今回の記事で紹介したレンズは(前回記事も)、いずれも
同一得点なので、順位は、あくまで便宜上のものである。
さて、名玉編2はこのあたりまでで、次回、名玉編3に続く・・