さて年末恒例のドラゴンボート・ペーロン大会観戦記事の総集編。
今回は、今年私が観戦した主に近畿圏の十数大会の中で、
個人的に印象に残ったチームをいくつか紹介していこう。
観点については、まず優勝、入賞等の戦績が優れたチームが
いくつか、そして「惜しかった」(結果的に印象に残った)チーム群
である。これらをそれぞれ別部門で紹介する。
ただ、私も国内の全ての大会を観戦している訳では無いし、主に
近畿圏で実際に見てきた大会での印象なので、他地区の未観戦
大会では、ちょっと詳しい様子がわからない。
なので、あくまで私の個人的な観点である。
で、今回紹介できなかったチームも、またいずれかの記事で
取り上げたいと思っているので、そのあたりはあしからず。
まず、<戦績優秀の部>
この部門では、優勝回数、メジャー大会での優勝・入賞、あるいは
初優勝を含む複数回の入賞など、つまりは「強かった」と感じた
チーム群だ、4チームあげよう。
最初のチームは
「bp」および派生チーム (大阪・兵庫)
「bp」(軍団)の今年の戦績は凄い、
5月 京都宇治大会の優勝を皮切りに、
同5月の東京大会(未観戦)でも優勝
6月の大阪高石大会で優勝(ワンツー)
7月の日本選手権では連覇中の横綱「磯風漕友会」を倒しての初優勝
8月の京都久美浜(未観戦)優勝
同8月 鳥取東郷湖大会(未観戦)優勝
同8月 大阪KIX(関空)大会で優勝
と、ここまで参戦する全大会で優勝、このまま今年は全勝となるか?
と思われたのだが、
10月香川坂出府中湖ドラゴンカヌー大会(未観戦)で、
「磯風」サブチームの「GSD」に敗れて準優勝となって全勝が
途絶えた。
10月 静岡ツナカップで優勝、
そして迎えた今年の最終戦が
10月 滋賀「スモール選手権」だ。
「スモール選手権」では、予選からサブチーム「bp ネクスト」を
含め好調な様子が見られたが、決勝戦は超強豪チームが集まる
大激戦となった。
トップから5位まで僅かに1.5秒差という大混戦を制したのは、
サブチーム「bp ネクスト」であった。
この結果、一応「bp軍団」としては優勝なのであるが、
メインの「bp」は、惜しくも4位で入賞を逃した。
そういえば宇治大会でもサブチームの「beautiful people」が
準決勝での兄弟対決を制し優勝していた。(この時「bp」は3位)
サブチームも本家と同様に力をつけてきているという事であろう。
その為か?従来のような「ジュニア」という名称は無くなり、
「ネクスト」と名乗っているのかもしれない。
総合的に考えると、坂出の準優勝の他は国内大会では全て優勝だ、
やはり「bp(軍団)」の強さが際立った2016年であったと思う。
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さて次は
「東京龍舟」および派生チーム (東京)
現在の「東京龍舟」は大勢力である。
選手権クラスの大会では、3~4のチームをカテゴリー別に参戦
させ、場合により同一カテゴリーでのダブルエントリーもある。
「東京龍舟」という名前だけでは勿論足りず、「東京ドラゴン」
「TOKYO DRAGON」「東京龍舟マスターズ」「東京ドラゴン
パプリカ」「東京龍舟ワイルド」「東京龍舟プラチナ」と、
実に多くのサブネームを使うチームだ。
大勢力化したのは近年の東京近郊チームにおける変遷の多さかも
知れない。東京という土地柄、ビジネスや生活スタイルの変化が
激しく、有力なチームであっても活動再編などの動きが大きい。
そんな中、安定した「東京龍舟」に有力な選手達が集まってきて
いるようにも思われる。
理由はともかく、今年の「東京龍舟」の強さは本物だ。
上写真では、7月の日本選手権での混合決勝で大外の5枠から、
他の強豪チームをブチ抜いて優勝した非常に印象的なシーンだ。
日本選手権混合決勝では「INO-G」が連覇中、「関西龍舟」も
虎視眈々と数年ぶりの優勝を狙っていた超激戦区であった。
私は、その決勝戦では「INO-G」(結果2位)が有利かと思って
撮影アングル等のヤマをはっていたのだが、観戦ポイント手前から
の「東京龍舟」の猛ダッシュは予想外であり、少々驚いたと同時に、
そのまま最後までリードを保ってゴールした事は「お見事」という
他なかった。とても見ごたえのある混合決勝レースであった。
「東京龍舟」の同大会での優勝は8年ぶりだ。
また、同大会シニアの部でも「東京龍舟マスターズ」が同時優勝で
2冠を達成(過去にも同大会シニア優勝の実績あり)
なお「東京龍舟マスターズ」は、5月の東京大会もシニアの部で
優勝だ。
そして、迎えた10月の「スモール選手権」では、オープンの部の
「東京龍舟ワイルド」が頑張った。
最後まで5艇がもつれてゴールした大混戦の決勝であり、その中で
「東京龍舟ワイルド」は僅差で準優勝をもぎ取った。
なお、同大会の女子の部では「東京龍舟プラチナ」が頑張り、
見事優勝。
20人漕ぎと10人漕ぎの両選手権大会で、4カテゴリーで
優勝x3と、準優勝x1は、非常に立派な戦績だ。
ここ数年のドラゴン界は、やや「西高東低」の様相もあったのだが、
これでまた以前のようにイーブン(東西どちらも強い)という
状況に戻ってきたようにも思う。
写真は「スモール選手権」で沢山のカップやメダルを手にして喜ぶ
「東京龍舟」の女子選手達、来年もまた活躍を期待したい・・
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さて、次のチームは、2つ同時に紹介しよう。
「闘龍者」(とうりゅうもん)(愛知)+「龍人」(どらんちゅ)
(滋賀)
最近この2チームはコラボする事が多い、今年は特にその傾向が
あって「龍人」のチームに「闘龍者」の選手が乗っていたり、
あるいはモロにコラボチームを組む場合もある。
まあ異地区コラボだが、記事で良く書いているように最近では
珍しくなく、しかも滋賀と愛知だったら近い。
また、勿論2チームがそれぞれ単独でエントリーする場合もある。
写真は「スモール選手権」での普及の部の様子、
手間が「闘龍者」、奥が「龍人」である。
両チームの戦績だが、
まず7月、滋賀「高島ペーロン」で「龍人」に「闘龍者」の選手が
乗り込んでいた。
この大会は「龍人」は、ほぼ初出場(ほぼ、というのはずっと昔に
参戦した事があるが、メンバーも今とは違っていたとの事)
この大会はターン戦でしかも操船が極めて難しく、経験の浅い
チームはまず勝てない、しかし「龍人」は、初出場にして初優勝を
果たしたのだ。
決勝戦で他にはこの大会に慣れた強豪チームが多数居た中なので、
私はちょっと驚いた、ともかく「高島ペーロン」優勝は見事であった。
8月、福井の「九頭龍大会」(未観戦)では、「闘龍者」が
単独エントリーで初優勝。
同8月、滋賀「びわこペーロン」では「龍人」+「闘龍者」で
決勝進出なるも、惜しくも4位で入賞を逃した。
同8月、滋賀「ドラゴンキッズ」では、「龍人」+「闘龍者」を
主たる保護者(指導者)とした「大津SS」が小学生の部で優勝と
準優勝のワンツーフィニッシュ。
そして親子の部でも準優勝という見事な戦績だ。
上写真は、ドラゴンキッズ大会での「大津SS」チームである。
ちなみに、今年のみに限らず「ドラゴンキッズ」での「大津SS」は、
毎年の優勝および入賞実績を誇る、超強豪キッズ軍団である。
次いで10月「スモール選手権」には最初の写真のように「龍人」と
「闘龍者」が各単独エントリー、うち「闘龍者」は普及カテゴリー
準優勝という立派な戦績だ。そして「龍人」は準決勝で、ロープが
舵にからむという不運なアクシデントで、敗退となってしまった。
まあ色々あった年だと思うが、これまで多くの大会に参戦しながら
入賞は多数あれど、ほとんど優勝に恵まれていなかった両チーム
(「龍人」は途中中止となった「びわこペーロン」でのコールド
ゲーム優勝が1度あっただけ、「闘龍者」は今年の「九頭龍」が
初優勝。ただし勿論「キッズ大会」では多数の優勝実績がある)
が、各々初優勝を含む多くの好成績を上げたことは、やはり印象に
残る年であったと思う。
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さて<戦績優秀の部>のチーム紹介はここまでとし、
次いで<惜しかったが頑張ったの部>
この部門は、僅差での準優勝とか、苦労して勝ち取った優勝など、
ドラマチックな出来事が多かったチームを紹介していこう。
まずはこのチーム
「池の里Lakers!」(滋賀)
およそ10数年前に発足した「町内会チーム」である、
結成直後の10年程前は、参加する大会で惜しくも入賞を逃すケースが
続いていて、当時私は彼等の事を「万年4位チーム」と呼んでいた。
その後数年、どんどん強くなってきたのだが、優勝に恵まれない。
2011年にホーム大会である「びわこペーロン」で、伝説的な
「涙の初優勝」を遂げたのだが、その前後も惜しい準優勝が続き、
今度は「万年2位」と呼ばれていた。まあ、それらは決して馬鹿に
してそう言っている訳ではなく「もっと頑張れ」というエールなの
だが、その事は彼等にも良く伝わっている(彼等自身も「万年2位」
と自らを呼ぶ事もある)
2015年には「高島ペーロン」と「びわこペーロン」で2つの優勝の
栄冠となり「万年2位」を卒業か?という感じだが、
さて今年の戦績は・・
5月 宇治大会 2位!
6月 高石大会 決勝進出ならず
7月 日本選手権 準決勝敗退
7月 高島ペーロン 2位!
8月 ドラゴンキッズ 優勝(10人漕ぎ)
8月 びわこペーロン 優勝(20人漕ぎ一般 連覇)
9月 1000m選手権 2位!
9月 グランドシニア 入賞ならず
10月 スモール選手権 B決勝
・・という感じで、やはり2位が多く、3回もある。
ただ、「びわこペーロン」の連覇がやはり光っている。
20人漕ぎ一般は激戦区であり、そう簡単には優勝はできないのだ。
今後とも優勝を重ねて「万年2位」を本当に卒業したい所だろうが、
それよりも先に、これまでの4度の優勝(キッズ大会を除く)は全て
「ペーロン」と名前が付く大会ばかりなので、「ドラゴン」で優勝
したいところであろう。
町内会「純血」チームなので新メンバー補充が効かないところが
「池の里」の弱点であるが、そのあたりも積極的に何らかの対策を
行っていくのが良いと思う、それが来年の課題なのかも知れない。
そして次のチーム
「関西龍舟」(兵庫)
今年の前半の「関ドラ」は惜しい負けが多かった。
5月 東京大会(未観戦)では、混合、シニア、いずれも2位と聞く
7月 日本選手権では激戦区混合の部で決勝進出なるも惜しくも3位。
7月 高島ペーロンは「関ドラ」有志が、名前を変えて参戦、
決勝戦のターン直後までトップであったがアクシデンドで4位。
8月 KIX大会ではコンマ差の2位、という悔しい思いをした。
しかし、続く10月、静岡ツナカップで「芦屋人」(あしやんちゅう)
という名前で初参戦。
競技指向も強いこの大会で、見事初優勝でマグロをGETした!
さらに最終戦の10月「スモール選手権」の模様が2つ上の写真。
混合の部の決勝は全国から強豪の集まった超激戦区となった。
「関ドラ」(シンバ)は見事この決勝戦を制したのだが、
「選手権」クラスを1つでも取れば、まあ十分に見事な戦績だと思う。
なお「毎年連続優勝記録」というのが気になっている、過去の戦績
を全部調べないとならないので、大変なのでやっていないのだが
「関西龍舟」は、私が記憶している限り、毎年どこかでの大会で
必ず優勝しているように思えるのだ。
来年もまた引き続き優勝実績を重ねていっていただきたい。
それから、次のチーム
「中電龍舟」(静岡)
「中電龍舟」は、横浜大会のマイナーカテゴリー以外では
優勝経験の無い中堅チームである。
ただ、毎年非常に惜しい負け方をしているのだ。
今年の戦績は、
6月 横浜大会 優勝(昨年は混成チームで優勝)
7月 日本選手権 スモールの部 決勝4位
9月 愛知中川運河大会 3位
10月 静岡ツナカップ 2位(チャレンジの部)
10月 スモール選手権 普及の部 決勝4位
と、まずまず悪くない。
中部電力の企業チームであるので、メンバー補充は効く状態だとは
思うが主力メンバーとして育成していき、安定したチームとする
事が重要だろう。
後はメジャー大会入賞またはメジャーカテゴリーで優勝するのが、
来年の彼等の目標という感じだろうか・・?
今年は静岡の「御前崎大会」が会場工事の都合で中止となって
しまったが来年には再開されるであろう。
彼等の地元であり「ホーム大会」なので、まずそこで1回勝って
おきたいかも知れない。
さて、次のチーム
「小寺製作所」(滋賀)
お馴染みの滋賀の強豪チーム、ただし現状の参戦は、ほぼ
滋賀県内の大会に留まり、遠征は京都の宇治大会どまりだ。
今年の戦績だが、
5月 宇治大会(京都) 予選敗退
7月 東近江大会 優勝(女子の部 連覇)
7月 高島ペーロン 3位
8月 堅田舟競争 優勝
8月 ドラゴンキッズ(”平野スポーツ少年団”として指導、同乗)
親子の部 優勝(大会レコード)と3位
小学生の部 3位 10人漕ぎの部 2位と3位
8月 びわこペーロン 3位(「滋賀県の部」として特別優勝)
9月 大阪府民大会(OPALで開催) 2位
9月 1000m選手権 3位
9月 グランドシニア 入賞ならず
10月 スモール選手権 B決勝 2位と4位
こうやって書き出してみると、戦績は、なかなかのものだ。
殆どで優勝または入賞となっている。
これだけの実績を上げていたら<戦績優秀の部>にノミネートしても
よかったように思うのだが、気になるのが「全て滋賀の大会である」
という点だ。
これは「小寺製作所」自身も勿論意識していて、滋賀の大会を
全制覇すれば(残るはびわこペーロンと1000mだけだ)、
県外の大会にも参戦するという目標になっているとの事だ。
そして「長距離が苦手」と自他ともに言われていたのだが、
中距離戦の「高島」(600m),「堅田」(500m)のいずれでも
優勝経験があり、今年は1000m戦も3位であったので、
長距離でもいけるような気がしてならない。
来年は滋賀県大会全制覇に向けて是非頑張っていただきたいと思う。
さて、次のチーム
「吹田龍舟倶楽部」(大阪)
お馴染みのベテランチームであるが、今年の戦績はまずまずだ。
5月 宇治大会 入賞ならず
6月 高石大会 2位(混合の部)
7月 日本選手権 bpとのコラボチームで混合決勝 4位
8月 久美浜大会 6位
8月 びわこペーロン 優勝(10人漕ぎ混合 連覇)
8月 KIX大会 決勝 5位(入賞)
10月 スモール選手権 準決勝敗退
この中で光るのは、びわこペーロンの2連覇であろう。
なにせ、10人漕ぎ混合のカテゴリーは超激戦区なのだ。
本来、びわこペーロンは地元チーム率80%の大会なのに、
このカテゴリーにだけ多くのドラゴン専業チームが集まり、
非常に厳しい状況となっている。
そんな中、昨年も今年も優勝というのは、本当に凄い事だと思う。
また、今年は「すいすい丸」(後述)とも、多くの大会で激戦を
繰り広げた、良きライバル関係という感じだろうか・・?
来年もまた「びわこペーロン」をはじめ、いくつかの大会での
優勝を狙っていきたいところであろう。
次は、その近年大成長の「すいすい丸」だ
「すいすい丸」(京都)
5月 宇治大会 オープン4位 市内の部4位
6月 高石大会 優勝と3位(混合にダブルエントリー)
7月 日本選手権 B決勝 優勝
8月 久美浜大会 優勝(女子) 2位(男子)
8月 びわこペーロン 優勝(10人漕ぎ一般) 2位(10人漕ぎ混合)
8月 KIX大会 「河童」とのコラボ「すいか」で混合決勝 4位
10月 スモール選手権 決勝 4位(混合)
ダブルやトリプルエントリーが多いのだが、それでも参戦した
殆どの大会で上位という戦績となっている。
主力は「トレイン」と「工場」のツートップ体制であり、
この2チームを同カテゴリーや異なるカテゴリーにうまくエントリー
して、入賞率を高めている様子も見られる。
上記「吹田龍舟倶楽部」とは、殆ど同じ大会にエントリー、多くの
優勝争いの激戦を繰り広げたのが印象的だ。
また、地元宇治大会の運営に参画し、同大会の発展、盛り上げに
尽力して下さっている。
私の個人的な希望をあげれば、宇治大会に多数参戦している地元
のビギナーチームを、なんとか専業チームに育てあげ、京都での
ドラゴンボート競技をとりまとめる中核的な存在になって
いただきたいと思っている。
さて、次のチーム
「東海龍舟」(愛知)
チーム発足からは、まだ9年くらいだと思うが、その間、出場する
大会の殆どで決勝進出という非常に安定した実力を誇るチームだ。
この事から、本ブログでは「名古屋の名門」と彼等を呼ぶ事が多い。
しかし、愛知県のチームである事から、地元の中川運河大会
(未観戦)の他は全て遠征試合となる。
この事で、遠征の日程や場所などによってはメンバーが変化して
しまい、結果的に実力値がバラつく事もある模様だ。
同様に参加カテゴリーも遠征メンバーにより、混合やオープンと、
変わってしまう事もある。
今年の戦績は
6月 高石大会 3位(オープン)
7月 日本選手権 準決勝敗退(これは珍しい事だ)
8月 びわこペーロン 10人漕ぎ混合 予選敗退(これも珍しい)
8月 KIX大会 「琵琶ドラ」とのコラボ「あめちゃん」で優勝(混合)
9月 愛知中川運河大会(未観戦) 2位
10月 静岡ツナカップ 優勝(チャレンジの部)
10月 スモール選手権 決勝 5位(オープン)
遠征数が多いし、都度、混合、オープンとカテゴリーも変化して
しまう。しかし、今年の優勝は2回あり、まずまずであろう。
日本選手権では混合で毎年たいてい決勝進出していたと思うが、
今年は決勝に残れず、彼等にしては珍しいという印象があった。
愛知県においては、前述の「闘龍者」とともに、県外遠征する
専業チームは貴重である。
ここも京都同様に地元チームを育ててドラゴン強豪県にして
いただきたいという個人的な希望がある。
さて、次のチーム
「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」(滋賀)
本ブログでは「琵琶湖の雄」と紹介し続けている、昔からの
ベテランチームである。
が、どんなチームでも長期間続けていたらメンバーの変遷がある、
場合により、主力メンバーが多数抜けて弱体化しまい、再編成
(再興)に数年を要してしまうチームもある。
あるいは最悪は、活動を休止せざるを得なくなってしまうかも
知れない。
しかし「琵琶ドラ」は、優れた選手育成、起用方法を用いて、
その問題を克服しているように思える。
まずは常に新人選手を補充している、ここまではどのチームも
やっている事なのだが、新人選手を多数乗せると当然チーム力
は弱体化する事が殆どであり、そのままレースに出ると戦績が
振るわない、これだとモチベーションが低下してしまい、
新人選手が定着しないリスクもある。
が、例えば「琵琶ドラ」の場合、2回戦制+決勝戦のような
パターンの大会で、1回戦目に主力メンバーを多数乗せ、そこで
ある程度のタイムが出ると2回戦目では新人選手を多数乗せる。
この時、タイムが若干落ちる事もあるが、トータルタイムでは
安全圏だ、そして決勝戦ではまた主力を増やし入賞を狙っていく。
無事入賞できれば、結果が伴うので新人選手には実際の貢献度
以上の達成感もあり、モチベーションが上がる。
豊富なメンバー数が居ないとなかなかできない戦略だが、この
手法は効果的だ。
上記に限らず、様々なパターンにおいての選手の起用方法
(マネージメント)や育成方法に優れているのが、「琵琶ドラ」
が長期に、わたりトップクラスの実力値をキープできる秘訣なの
だろうと思われる。
今年の戦績だが、
5月 宇治大会 僅差で決勝進出ならず
5月 東京大会 決勝 5位
7月 日本選手権 決勝 5位
8月 びわこペーロン 女子の部 優勝、20人漕ぎ一般 2位
8月 KIX大会 「東海龍舟」とのコラボ「あめちゃん」で優勝
9月 大阪府民大会 3位
9月 1000m選手権 優勝(混合)
10月 スモール選手権 決勝 5位(混合)
豊富なメンバー数の利を活かし、混合、オープン、女子等の複数の
カテゴリーに同時エントリーが出来る事も「琵琶ドラ」の特徴で
あろう。その結果、入賞率は高く、毎年一定の戦績をあげることが
できる。(これは琵琶ドラだけの特徴ではないが、それが出来る
チームは多くは無い)
今年の「琵琶ドラ」の戦績には優勝もいくつかあるが、
超激戦区の「両選手権」で、いずれも決勝進出というのは、とても
立派な戦績だ。
「選手権」クラスでの決勝進出は、地方大会優勝と同等くらいの
実績と考えても良いと思う。
次はラストのチーム
「Rスポーツマンクラブ」(大阪)
超ベテランチームだ、選手の平均年齢はかなり高く「現役最高齢」
チームであるといえる。つい数年前までは70歳代後半の選手も
居た位である。
しかし、だからといって遅くは無い、しかも積極的に全国各地の
大会に継続的にエントリーを続けている。
その事は以下にあげる戦績を見れば明らかであろう。
5月 宇治大会 僅差で決勝進出ならず
5月 東京大会 B決勝 2位(連続出場で表彰の実績あり)
6月 高石大会 決勝進出ならずも、多数の「JP系」チームを招致
して市内の部にエントリーさせた功績は大きい
7月 日本選手権 「好きやねん大阪」で参戦 準決勝敗退
8月 久美浜大会 7位
8月 KIX大会 決勝 5位
9月 大阪府民大会 優勝
9月 1000m選手権 入賞ならず
9月 グランドシニア 優勝
10月 スモール選手権 準決勝敗退
現役最年長チームであるので、年齢ハンデ戦のグランドシニア
大会での優勝は磐石だ、大差をつけての圧勝であった。
他にも大阪府民体育大会で優勝がある。
「R」としては、グランドシニア戦以外に、どこかで優勝又は
入賞が出来れば、その年の戦績としては十分という感じであろう。
また、東京大会や日本選手権(旧天神)、久美浜等の大会には
長らく(20年以上)出場を続けている、その息の長さもまた
「R」の特徴であると思う。
「堅田船競争」「高島ペーロン」などの地方大会にも日程が合えば
是非出場してもらいたいところだ。
また「JP系」(郵便局系)チーム、「WAYG」等の若手チームの育成、
編成や普及にも尽力している、このあたりも評価ポイントだと思う。
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さて、これで一応各部門での全チームの紹介は終わりなのだが、
他にも印象に残ったチームがいくつかある、それらはチーム名だけ
あげておこう。
「IHI相生」(兵庫)~1000m選手権3連覇がお見事!
「海猿火組」(静岡)~両選手権で決勝進出とツナカップ大会の運営
「INO-G」(埼玉)~東京大会優勝、日本選手権2位等の実績
「暴漕連合」(東京)~東京東大島大会優勝、スモール選手権2位
「松陽台」(滋賀)~各大会で入賞まであと1歩、来年初入賞なるか?
それと、九州勢(伊佐龍舟、JRC水俣)も印象に残った、津奈木や
不知火といった強豪とともに、また来年は関西の大会にも参戦して
いただければ幸いだ。
同様に鳥取の「しげる」も地震の影響で「スモール選手権」に今年
は参戦できなかったのが残念だ(高石大会には参戦して決勝4位)
来年もまた是非、関西圏の大会に出場してください。
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これにて、本年のドラゴンボート(ペーロン)関連シリーズ記事
【熱い季節2016】は全て終了、また来年のシーズンが楽しみだ・・