安価な中古ミラーレス機をベースとして、アダプター遊びを
楽しむというシリーズ記事、第73回目。
まず、このシステムから。

カメラは、LUMIX DMC-GX7
レンズは、OLYMPUS OM SYSTEM 35mm/f2
1970年代のOM一眼レフ用、MF大口径準広角レンズ。
当時のオリンパスは、各焦点距離で、大口径f2版と、
小口径版が並行してラインナップされていた。
その際、多くの小口径版は、フィルター径が49mmΦ、
大口径版は55mmΦで統一されているのは何度か書いて来た通り。
本レンズも55mmΦとなっている。
ちなみに、小口径と大口径の定義は、ちゃんと決まっておらず
その焦点距離において、開放f値が相対的に明るいものを大口径
そうでないものを小口径と呼んでいる。
個人的には、標準レンズの場合は、f1.4以下が大口径、
その他の広角~中望遠ではf2以下が大口径という感じの認識だ。
だが、ズームの場合は、f2.8以下を大口径と呼ぶ場合が一般的には
殆どである模様だが、まあ、単焦点の感覚からは、f2.8は完全に
小口径の部類だと思う。

μ4/3機であるDMC-GX7に装着した際の画角は、70mm相当と、
準広角というよりは、中望遠程度の画角となる。
まあでも、APS-C機に50mm標準レンズを装着した際の75mm
相当と、ほぼ同じ画角なので、デジタル時代においては、むしろ
このあたりは慣れ親しんだ画角だ。
で、オリンパスの35mmレンズは優秀なものが多い、
銀塩時代で最も印象に残っているのは、銀塩コンパクト機の
μ-Ⅱ(ミューツー)だ(1997年発売、35mm/f2.8レンズ搭載の
銀塩単焦点機)このカメラは、当時から流行していた「ポケモン」
(ちなみに、TV視聴者が発作を起こした「ポケモンショック」
事件は、1997年12月のことであった)のキャラクターと同じ名前
であり、確かこちらのカメラが少し先だった筈だが、それでも、
本機は「ポケットモンスター」という愛称で呼ばれていた、
これはつまりアニメのポケモンに絡めた事と、さらには
「ポケットに入る超高性能カメラ」という表現でもある。
確かに小型軽量で胸ポケットにも入り、かつ描写力は極めて
高かった(個人的には、当時のRICOH GR1sやCONTAX T2と
いった高級銀塩コンパクト機よりも描写が好きなカメラであった)
で、他の35mmレンズ搭載オリンパスカメラについては、第48回
記事でOM35mm/f2.8を紹介した時にも少し書いてあるので、
今回は割愛するが、その記事でのOM35mm/f2.8も、かなり良く
写る印象のレンズであったので、f2版の本レンズにも期待が掛かる
のだが、感覚的な印象からすると、どうも小口径f2.8版の方が
少し写りが良いようにも感じる。

最も気になる点は、ボケ質であろうか・・
f2版では、多少の破綻が発生し、回避操作の必要がある、
それでも本質的にあまりボケ質は良くなく、f2.8版の方が
素直な気がする。
本レンズの構成は、7群8枚であるが、私のお気に入りの
CANON New FD35mm/f2(第4回記事)や、
CANON EF35mm/f2(第68回記事)とは、ちょっと構成が
異なる模様である。
あと35mm/f2では、ロシア(ウクライナ)製の
MIR-24H 35/2(第14回記事等)も気に入っているが、
これのレンズ構成は忘れた(汗)
まあでも、本レンズも、言う程悪いレンズではなく、35mm/f2
級は 各社ともなかなか良いレンズが揃っているようにも思え、
なかなかの激戦区だ。
なお、デジタル時代においても、SONYやニコンのエントリー
レンズ(しかし良く写る) 35mm/f1.8や、新鋭のTAMRONの
高性能35mmm/f1.8等、これらのスペックでもまた激戦区と
なっている。

デジタルテレコン併用、それを2倍として、140mm相当の画角だ。
今回もGX7の内蔵手ブレ補正は使っていない。デジタルズームや
デジタルテレコン使用時には、手ブレ補正の焦点距離設定が
面倒で実用的では無いし、日中であれば、そもそも手ブレ補正が
必要な程のスローシャッターになるケースはまず無い。
で、開放f2は日中使うには明すぎるので、一応NDフィルターを
準備してきてあり、必要に応じ装着する事にしている。
MD4級のフィルターであれば、最低ISO125のGX7でも、
最高シャッター速度1/8000秒とあいまって、絞りをフルレンジ
で使用する事ができる。
それと、オリンパスの35mmが出てくると毎回書いている話だが、
昔読んだ誰かのエッセイか何かで「OMに、35mmと85mmレンズ
を2本持って旅に出る」というものがあり、印象に残っている。
うち、85mmについてはf2版(第35回記事)で間違い無いだろうが、
35mmは、本レンズかf2.8版だったかは良くわからない。
でも、f2.8版の方が重量が、本レンズの3/4程度しか無いので、
よりコンパクトで旅行向きだったかもしれない。
まあ、今時μ4/3のミラーレス機の例えばPEN Fでそれと同じ事を
やっても、換算画角が70mmと170mmだ、これではちょっと望遠に
偏りすぎるので、広角がもう1本欲しいところだが、そうやって、
あまりゴチャゴチャと機材を持っていったら、そのエッセィだか
での身軽な旅のイメージが台無しだ(汗)
小型軽量で高性能な、ある意味、旅行向けとも言えるDMC-GX7
との組み合わせにおいても、やや本レンズOM35/2は大きく感じる。
オリンパスOMシステムは、小型軽量・高性能が売りである、
レンズもしかり、f2級の大口径レンズは、サイズも大きく価格も
高いので、ある意味ちょっと身構えて撮るような点もあるので、
同じ焦点距離でも、f2.8やf3.5級の小口径の方が気楽な雰囲気で
使えるの良いのかも知れない。

こちらもデジタルテレコン併用、輪郭がパキパキになるのが
ちょっと難点であるが、まあ、準広角レンズ1本で、様々な
画角に対応できるのは、ミラーレス機ならではの遊び方だと思う。
本レンズの中古購入価格だが、2000年代前半に19000円であった。
少し高かったと思うが、まあ、大口径版はいずれも高価であったし
第一次中古カメラブームを少し避け、相場の動きを見て少し安く
なったところで購入した記憶がある。
現代では、OMのf2級レンズはちょっとレアで入手しずらく、
あったとしても、かなりの高目の相場になってしまっている。
OMの35mmレンズに限って言えば、OM35/2.8の方が、現代の
相場は安価で(概ね1万円程度まで)かつ写りもかなり良いので、
そちらがオススメだ。
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さて、次のシステム。

カメラは、SONY NEX-7
レンズは、フジノンT 135mm/f3.5
1970年代の、フジカSTシリーズ用のMF単焦点望遠レンズ。
マウントはM42である。Tは「テレ」で「望遠」の意味だ。
本レンズには初期型と後期型が存在し、後期型は、
EBCの名を冠し、多層コート化され、同時に開放測光用の機構
を組みこんでいる。
で、EBC型は一般的なM42機に装着するのは非常に危険である。
例えば、第45回記事で紹介したオリンパスのM42開放測光レンズ
のように、ボディに装着すると外れなくなってしまう事故が
発生するかも知れない。
しかし、現代においてミラーレス機でM42マウントアダプターで
使用する際は、外れなくなるリスクは少なく、最悪外れなくなった
としても、アダプターをつけたまま使用するという逃げは可能だ。
けど、そういうリスクを負いたくない場合は、各社独自の
M42開放測光機構レンズは、使わないのが無難である。
まあでも、本レンズは初期型であり、マウントは普通のM42だ、
外れなくなるリスクは、ほぼ無いという事だ。

EBC型では無いので単層コーティング仕様のレンズだ。
しかし、本シリーズでは、過去、単層コーティングのレンズを
何本も紹介してきているが、実用上、さほど大きな差は無く、
光線状況などに注意して撮れば、あまり問題は無い。
で、実は銀塩時代には、フジノン銘のレンズは「良く写る」と
マニア間では定評があり、私も、名機フジカST-801と何本かの
M42マウント(もどき)のフジノンレンズを揃えていたのだが、
銀塩からデジタルに変わる2000年代前半、フジのシステムは
もう不要とみて、そっくり処分(譲渡)してしまった。
他にも、ペトリやマミヤ(35mm判)、コニカMマウントの
システムも同様にその際に処分したのだが、フジカのシステムを
不要と判断した最大の理由は、前述のマウント互換性に乏しい
事があった。
見かけはM42だが、他のカメラに装着できない、無理につけると、
第45回記事での「高価なRTSⅢに外れないレンズが・・」事件が
また起こるかも知れない、という恐怖感があったのだ。
よって、その後も十数年にわたり、フジノンM42レンズは購入
する事がなかった。しかし近年、ミラーレス時代になって
アダプター使用で安全性が増した事から、試しに再購入したのが、
本フジノン135mm/f3.5であったのだ。

それと、「フジにはフジ」の理由から、今回、ミラーレス機は、
X-E1に装着して使ってみようとしたのだが、毎回書いているように
X-E1はMF性能に致命的とも言える課題を抱えたカメラであり
本レンズは使用困難と見て、MF性能に優れたNEX-7を
持ち出している。
描写性能だが、ボケ質破綻が少々出る。
まあでも、40数年前のオールド望遠レンズなので、当時の
レベルとしてはこんなものであろう。
例えば、同時代か少し前の、PENTAX スーパータクマー
135mm/f2.5(第41回記事)などは、性能的に酷いものであり、
それに比べたら、だいぶましな方だろう。まあ、比較するならば
単層コートのスーパータクマー 135/3.5の方が同じスペックで
公平だが、残念ながらそのレンズは所有していない。
(非常にポピュラーなレンズで、かつ現代では非常に安価に
入手できるのであるが、PENTAXでは似たようなスペックの
レンズを色々持っているので、それは買わなかったのだ)
で、ボケ質破綻については、まず被写体の選び方や、絞り値、
撮影距離、背景のパターンなどで回避はできるレベルだ。

このような、ボケをあまり伴わないような被写体や構図に
すれば、その弱点は表面化される事は無い。
レンズの最短撮影距離は1.5mと、135mmレンズにしては
やや物足りないが、まあ、当時の135mmとしては普通であろう。
ただまあ、デジタルズーム機能搭載のNEX-7だし、おまけに
(今回はその機能を用いていないが)M42アダプターは
ヘリコイド内蔵タイプであり、最短撮影距離を短縮できる。
両機能を適宜用いれば、最短の1.5mの制限は無いに等しく、
いくらでも、という感じで近接拡大撮影が可能となる。
(注:いずれの機能も、やりすぎは画質劣化を伴う)

こちらはデジタルズーム機能で拡大したもの、撮影距離は
トンボの逃げない2.5~3m程度であり、デジタルズーム倍率は
2.5倍程度にしている。なお、デジタルズーム使用時にはボケ量
およびボケ質は変化しないので、その点は便利である。
本レンズの中古購入価格だが、2010年代に3000円程であった、
まあジャンク扱いではあるが、レンズや外観は綺麗なものだ、
単純に「ニーズが無い」という理由で、捨て値となっていた
ものであろう、レンズキャップなども付属していなかったが、
そのあたりの予備は沢山持っているので問題は無い。
現代において必要なレンズでは無いが、まあ、購入時に予想
したよりは、よく写る普通のレンズであるとは思う。
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さて、次のシステムはトイレンズだ。

カメラが、SONY NEX-3 Eマウントトイレンズ母艦だ。
レンズは、 Loreo PC Lens In A Cap 35mm/f11
2005年発売のトイレンズであるが、現代で言うところの
オリンパスやフジのボディキャップレンズ的テイストのものである。
で、PCの名が示すように、パースペクティブ・コントロール、
つまり「シフトレンズ」としての機能を持つ事が大きな特徴だ。
シフトレンズについては、第37回、第52回記事で、
PCニッコール35mm/f2.8を紹介しており、その時にも書いたが
焦点距離35mmのシフトレンズをAPS-C機に装着した場合、
「ほとんどシフト効果は出ない」という事がある。
厳密にはシフト効果は出ない事は無いのだが、1枚の写真を見て
すぐ分かるレベルでは無い、という意味だ。
シフトだが、そもそも、広角系シフトレンズにおいては、
例えば、高いビルを見上げて写すと、先すぼまりになるという
遠近感(パースペクティブ)を、そうならないように、あるいは
より強く遠近感を出す為にコントロールするという意味だ。
また、望遠系シフトレンズでは、被写界深度を平行面以外の
被写体においても均一になるようにする目的も出てくるが、
(例:斜めに置かれた時計や宝石などの商品全体にピントを
当てるなど)もっとも、これはティルトレンズの方がその効果は
良く出るので、ティルト&シフトの両機能が搭載されている物が多い。
例えば、ニコンPC85/2.8、キヤノンTS-E90/2.8等であるが、
いずれも商品撮影等の専門的用途が主となる高価なレンズであり、
所有していない。
さて、本レンズは、そんな本格的なシフトレンズではなく
あくまでトイレンズの類のものだ。

で、これはシフト効果を使っているが、その効果は単体の写真では
良くわからない。同じ場所で同じ構図でシフト有り無しで撮って、
やっとなんとか差がわかる程度でしか無い。
それをやっても良いが「たったこれだけか?」と、がっかり
するだけなので、以前のPCニッコールの記事の際にも比較掲載は
していない。
PCニッコール等の本格シフトレンズでは、シフト方向はレンズを
自由に回転させて決めれるが、本レンズは、上下左右にレンズが
5mmくらいまで移動するだけの簡単な構造だ。
上の紹介写真では、下方向に5mmほどシフトしており、
レンズ上部に目盛りの白線が見えている。

これは横方向にシフトした例、といっても、これでもやはり
わかりにくいであろう。
で、f11という暗いパンフォーカスレンズでありながらも、
このように強くシフト機能を使うと、遠景ではピントが合わなくなる。
なお、前回第72回記事でのディルトアダプターの場合においても、
被写界深度の深い魚眼レンズを使ったとしても、遠景等でピント
が合わなくなったので、同様の状況に思えるかも知れないが、
そもそも、ティルトとシフトとは構造や効果が全く異なるので
両者の状況は同一理由では無いので、念のため。
で、本レンズは、このようにシフト機能でパンフォーカスに
ならない事があるからか、f22の絞り値に切り替えて使用できる
という、ちょっと気が効いた仕様となっている。
絞り値の変更は、レンズ下部のレバーを動かせば済むが、
f11とf22の2つしか選択できない。
銀塩カメラでは恐らくf22まで絞ってしまうと手ブレ必至と
なるだろうが、まあ、そのあたりはデジタルだ、初級機NEX-3と
言えどもISO12800までは使える。
NEX-3は、AUTO ISOではISO1600迄と限界があるが、手動ISO
設定を行えば最高感度まで使えるので、例えば第66回記事で紹介
したような f250相当のピンホールレンズであっても、ぎりぎり
使える。f22程度だったら、余裕という感じであろう。
しかし、シフト機能はやはり殆ど効かないので飽きてきた。
元々本レンズは一眼レフ用の各種マウントで発売されていた
ものであり、2005年発売と言えども、銀塩一眼での使用を前提と
しているのであろう。

本レンズはトイレンズであり、描写力は期待できないが、
それでも、シフト機能を使わず、絞り込んで普通に撮影した時の
描写は意外に悪くない。
ちょっと、テッサー(第47回記事)とか、インダスター26M
(第32回記事)に似ているような気もする。
ちなみに、最短撮影距離は1mと長く、かつ開放絞り値も
大きいため、背景をボカすような撮影はまず出来ない。
本レンズの購入価格だが、2010年代に量販店で新品で2000円台
前半であった、かなり安いが、発売時も3000円強だったと思う。
多分、売れないので在庫処分モードになっていたのであろう。
量販店の場合、カメラ製品は発売当初は販売価格は他よりも高目な
場合が多く、あまり新品を買う気になれないが、長期に渡り販売
しているものや、在庫処分の場合、驚くほど安価に新品が売られて
いる場合もある、そんな時が狙い目であろう。
現在、量販店には新品は殆ど残っておらず、欲しい場合は販売元
などを検索して通販で買うのが良い思う。
なお、シフト機能が無いバージョンも存在している模様だ。
そちらの方が少し安価に入手可能かも知れない。
シフト機能は、APS-C機では効果が少ないので、ミラーレス機
でのボディキャップレンズのようなものが一眼レフでも欲しいと
思うユーザーであれば、そちらでも十分なようにも思う。
なお、いわゆるトイレンズっぽい描写にはならずに、普通に
写ってしまう、LOMOやHOLGA等とは性格が異なるので念のため。
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さて、次は今回ラストのシステム。

カメラは、LUMIX DMC-GF1
μ4/3最初期のカメラであり、小型軽量だがEVFが内蔵されて
おらず、MF性能はかなり厳しい。本来は小型AFレンズと
組み合わせる事が望ましいが、たまにトイレンズやMF広角レンズ
の母艦としても使用している。
レンズは、KONICA AR HEXANON 28mm/f3.5
ARヘキサノンは1960~1980年代のコニカ製MF一眼専用の
マウントであり、他マウントと互換性は無い。
おまけにフランジバックも短く、デジタル一眼にはアダプターで
装着できない、2000年代前半のデジタル時代に入ってすぐ、
これらのシステムを手離そうかと迷ったが、コニカは保留して
おいた、というのも、写りの良いレンズが多かったからである。
10年間程、ARレンズをまったく使っていなかったのだが、
2010年代、ミラーレス時代に入り、ARマウント用のアダプター
が自在に作れるようになってからは無事復活を遂げた訳である。
ちなみにARとは、このARマウントの初代のカメラ(1960年代)
が、AUTOREXという名前だったのから、との事だ。
AUTOとは、絞り優先AEが使えるという意味であり、まあ、
他社に比べてもその機能の搭載は早い方だったと思われる。
そして、銀塩時代には、時に「神格化」されるほど写りが
良いとされていたヘキサノンであるが、それは一部のレンズの
場合の事であり、まあ一眼用ARヘキサノンでは、
「中には良いレンズもある」といった感じである。
一眼用広角28mmである本レンズはいかに・・?

色味などがちょっと独特なイメージがあるが、今回、GF1の
設定は被写体に合わせてかなり頻繁に細かく変更している。
というのも、GF1のMF性能はたとえ広角レンズであっても
ピント合わせが苦しいので、絞りをf8前後まで絞り込んだ
パンフォーカス撮影、いわゆる銀塩時代の撮影技法を使って、
まずピント合わせの負担を減らしている。
でも、そうした技法では、極端に言えば、被写体を見つけて
ただシャッターを切るだけの作業であり、クリエィティブや
テクニカルな要素が殆ど無い、つまり、飽きが来る撮り方で
あるので、そこに、何か工夫する要素を持たせようとする為、
GF1のフィルムモード あるいは、マイカラーモードを多用
しているという次第だ。
余談だが、ビギナーは「マニュアルモードで撮ったら
クリエィティブな写真が撮れる」と誤解しているケースが
極めて多い。
マニュアル露出モードは、ISO、絞り、シャッター速度の関係を、
かなりはっきり意識しながら撮るという事では勉強にはなるが、
あくまで露出値が変わるだけであり、絞り優先で露出補正を行う
のと同じ結果となる。
だから、マニュアル露出モードで撮るよりも、絞り優先の方が
操作性的には簡便であるし、そのモードでもISOやシャッター速度
を意識すれば同じである。そして、マニュアル露出で撮ったから
クリェイティブな写真が撮れるはずもなく、そういう写真が撮れる
かどうかは、あくまで撮影者が、どのように作画表現を行いたいか
という意図で決まる話である。
さらに言えば、ビギナーが「マニュアルモードで撮る」といった
際に、その多くは、マニュアル露出モードのみならず、ピントも
マニュアルフォーカス(MF)にして撮っている!
つまり、マニュアルとは何か?という意味が全くわかっていないのだ。
まあそれはともかく、ピントをAFに任せようが、MFで撮ろうが
ここも作画表現上はまったく同じ結果だ、フォーカス設定も決して
方法論の話ではなく、あくまで、画面のどこにピントを合わせるか?
という表現上での意味でしか無い。
つまり、どういう写真にしたいのか、というのをまず最初に考え
ないとならない。それを考えずに、ただ単にマニュアル露出に
したからといって、何も写真は変わらないのだ。むしろ面倒で
あったり、その結果露出設定のミスなどが発生したりして、
その失敗が、たまたま、超アンダー(ローキー)とか、
超オーバー(ハイキー)写真となったからと言って、それが
「クリエィティブが写真が撮れた」という事とはまったく別問題だ。
ミスによる失敗写真を自分の手柄に転化してはならないと思う。

さて、AR28/3.5だが、写りはどうだろうか?
ただ、その点については、パンフォーカス撮影技法では
良くわからない、というのが実際の所だ。
過去に紹介したARレンズの中では、AR35/2.8(第7回、第60回
記事)が、まあまあであり、他のARレンズ(40/1.8,50/1.7
52/1.8,57/1.4,135/3.5,200/3.5)あたりは、
普通、という感じのものも多かったように思う。
本レンズもそれら「普通」クラスのように思う。
このあたりは、銀塩時代は、もっとARレンズ群はちゃんと良く
写ったようにも記憶しているのだが、高々シャッター速度
1/1000秒のコニカMF一眼レフでは、少し絞って撮るのが基本で
あったし、そうした銀塩時代の撮影技法と、現代の絞りを
フルレンジで活用する技法との差異による要素も大きいかも
知れない、結局の所、絞込みパンフォーカス撮影では、
レンズ性能のごく一部しかわからないようにも思える。
本レンズの最短撮影距離だが、30cm弱と、28mm広角としては
まあ一般的である。

こちらがほぼ最短での撮影、絞りは開放まであけているが、
ボケ質はあまり悪く無い。
総合的には、平凡なレンズとも言えるであろう、
まあ時代が古いレンズであるので、さすがにしかたがない、
その昔は神格化されたヘキサノンも、50年も時代が過ぎれば、
その古さは拭えないと思う。
本レンズの中古購入価格だが、本年2016年に5000円弱であった、
通常の相場より安かったのは、レンズ内「大ゴミ」有りの
ジャンク扱いだったからである。
購入動機は、せっかくこのコニカARシステムをデジタル時代に
なっても残し、ミラーレス時代に復活したのだから、入手可能な
ARレンズはできるだけ所有しておこう、と思ったからだ。
ただ、この「大ゴミ」は、安価に名レンズを入手するという
「醍醐味」にはならなかったのが、ちょっと残念かも知れない。
あと2本ほど試してみたいARヘキサノンはあるが、ちょっと
入手しずらいものなので、探すのは難しいかも知れない。
結局、AR35/2.8だけあれば、ARレンズは十分かな、
という気もしてきた・・
次回シリーズ記事に続く・・