安価な中古ミラーレス機に、マニアックなレンズを組み合わせ
コスパの良いアダプター遊びを楽しむシリーズ、第69回目。
今回は、まず、このシステムから、

カメラは、LUMUX DMC-G5
レンズは、CANON New FD100mm/f2
1980年代、New F-1と同時代のMF中望遠レンズ。
4群6枚とシンプルな構成で小型軽量である。
最初に言っておくと、本レンズはあまり好きでは無い、
というのも、ボケ質破綻が起こりやすいからだ。
銀塩時代から使っているレンズだが、銀塩一眼レフではボケ質破綻
の確認や回避が困難であった為、現像した写真を見ては、がっかり
する事が多かったレンズだ。

ボケ質など含めたトータル性能では、近年購入した小口径版の
FD100mm/f2.8(第54回記事)の方が優れているようにも思える。
しかし、現代ミラーレス時代においては、ボケ質の制御も
比較的容易になってきている、それに、欠点がわかっているので
あればそれを回避すれば良いだけだ。
例えば、ボケ質に問題があるレンズであれば、できるだけ
平面的な被写体を撮れば良いという事だ。
最短は1mと標準的だが、ボケ質破綻があるのであまり
近接撮影はしたく無い。
特徴としては、100mm/f2にしては小型軽量な事であろう、
が、100/2には、非常に優秀なレンズが数本存在している、
具体的には、CONTAX (RTS) プラナー 100/2(第32回記事)、
OLYMPUS OM100/2 (第19回記事)等である。
ただ、これらのレンズは大型だ。小型軽量を売りにする
OLYMPUS OMシステムにおいても、特に90/2と100/2は
大柄であり、銀塩OM一眼との重量バランスも良くなかった。
まあ、性能的には、やはり上記、P100/2,OM100/2が群を
抜いていると思うが、いずれも高価であったり、レアであったり
する事が課題でもある。

ボケ質破綻については、大口径レンズであるが故に、絞り値での
調整が最も簡単であろう。すなわち、例えば100mm以上の
望遠レンズで開放f値がf4クラスの場合、望遠撮影において
実質的に使える絞り値は、f4,f5.6,f8の3段階位しか無いからだ。
それ以上絞り込むのは、望遠としてのボケ効果の減少、デジタル
での絞りすぎによる画質劣化、シャッター速度低下によるブレの
危険性など、デメリットが多い。
だが、f2級望遠については、ボケ質破綻回避の為に使える絞り値は、
f2~f8まで5段階ある、この5段の絞り値の中で最もボケ質が綺麗な
ものを使えば良い、ただし、被写界深度の変化については作画意図に
直結する為に、そちらを優先するのは当然ではある。
写真を撮る上で画質を表現より優先してはならないの基本ではあるが、
そういう当たり前の発想は、なかなかビギナーから中級カメラマンには
定着しない。
まあ、写真表現より画質の方が見た目で分かり易いからであろう。
銀塩時代は特にそういう要素が強かったと思われ、例えば、絞りを
f5.6にして画質を上げる(注:MTF特性の上では、そのあたりの
絞り値でレンズの解像度が高くなる場合が多い)等である。
まあ、銀塩時代であれば、高々1/1000~1/2000秒の最高シャッター
速度の一眼レフで、絞りを開けすぎると、シャッター速度オーバー
になって撮れない事が多かった事への対策もあったのかも知れない。

基本的には、扱いが難しいレンズであり、銀塩時代においては
あまり好みではなく、同じCANONの同スペックのAFレンズの
EF100mm/f2を主に使用していた(注:現在は所有していない)
μ4/3機のDMC-G5に装着した時点で200mmの換算画角と
なるが、今回は、さらにデジタルズームやデジタルテレコンを併用
して400mmないし800mm相当の望遠レンズとして使っている。

本レンズの中古購入価格は、1990年代に19000円程。
まあ、仕様と値段だけ見れば、あまり高価だという印象は無いが、
描写力からのコスパは良いとは言いがたい、例えば比較の対象
として第54回記事での、(旧)FD100mm/f2.8が、約5000円
という価格の割りに非常に良く写るレンズであったので、それと
比べるとコスパの悪さが目だってしまう。
現代においてはあまり必要なレンズとは言えず、もしCANONの
100/2が欲しい場合は、多少高価だがAF版のEF100mm/f2
の方が良いであろう。
そちらは本レンズより10年ほど新しい1990年代の製品で、
レンズ構成も6群8枚と、本レンズとはだいぶ異なっている。
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さて、次のシステム。

カメラは、お馴染み LUMIX DMC-G1
レンズは、TAMRON AF28-300mm/f3.5-6.3 XR
(Di LD Aspherical)
長い名前だが、モデル番号は「A061」だ。
2000年代発売のAF高倍率ズームレンズ、Di仕様でデジタル対応
とのことだが、元々銀塩時代のレンズでフルサイズ対応だ。
旧機種とは外観の差が大きいが、光学系に大きな変更は無い模様。
元々TAMRONは高倍率ズームを得意としていて、例えば1990年
代前半の AF28-200mm/f3.8-5.6 (71D)がその走りであろう。
ただ、71Dは最短撮影距離が2.1mと大いに不満な性能で、一応
クロースアップレンズが利用可能であったが、付け外しが面倒で
あるという課題を持っていた。
その後、同レンズは、1990年代後半に 671Dにリニューアルし
最短撮影距離は52cmまで縮まった。
だが、ブレイクしたのは、2000年代前半のXRバージョン
(A03)であり、レンズ自体がかなり小型軽量化され、
最短撮影距離もズーム全域49cmと申し分無い性能となった。
同時期に本レンズA061も発売され、こちらはちょっと大型
であったが、300mmまでの高倍率と、A03同様のズーム全域
の最短撮影距離49cmを大きな特徴としていた。
定価は200mmのA03が59000円で、300mmのA061が
66000円だったので、どちらを選択するかは迷いどころ。
両レンズは大ヒットし、中古市場にも玉数が豊富であったので、
結局私は、2000年代に両方とも購入した。
本A061はロングセラーとなり、デジタル時代になってからも
併売され、2014年まで生産が続けられていた。

今回の撮影環境は雨である、本レンズはμ4/3機に装着すると
換算56~600mmの望遠系ズームとなるので、雨はちょっと
不利だ、というのも雨中で望遠で遠距離被写体を撮ろうとすると、
途中の空中の雨粒の量が多く、コントラストの低下が甚だしい。
それはわかっていたのだが、超望遠域を使わなければ良いか、
という理由もあったし、私個人的には高倍率ズームというものに
殆ど思い入れが無い、つまり壊しても惜しくないレンズであった
からだ。
それに本レンズや200mmXR版は、中古市場には玉数が
豊富で、かつ安価であるので買いなおしも容易である。

あまり面白味の無いレンズである、ボケ質の破綻は発生しやすく
晴天時にはフレアの発生もある、望遠域では解像度も低下する
印象である。
本レンズは、元々の購入動機は、300mmという焦点距離を活かし
μ4/3機で600mm相当、つまりドラゴンボートの撮影に利用できる
のではないか?と思った事なのだが、実際に数回使ってみて、
望遠域での描写力と逆光耐性の問題で、その後の使用を諦めた、
といういきさつがある。
なお、最短撮影距離49cmは非常に強力なスペックである、
300mm時での撮影倍率は1/2.9倍となり、ほとんどマクロ
レンズと言っても良いであろう。

ただ、300mmレンズで49cmまで寄れば、普通に考えると、
もっと被写体が大きく写るように思える。
実際に そこまで撮影倍率が上がらないのは、恐らくだが、
撮影距離が近くなると画角は300mmをキープできず、
少し広く写るような設計になっているのであろう。
だがまあ、非常に複雑な内部構造を持つレンズであり、
小型軽量ながら、ズーム比10倍を超える高倍率ズームである、
300mmで思ったより大きく写せないという不満は、実際の
使用上では、全く気にならず、もしこれよりも大きく写したいので
あればマクロレンズを使えば良いだけだ。
本レンズの中古購入価格だが2000年代に1万円と安価であった、
レンズの程度は問題なく、単に銀塩時代の古いレンズである事と
市場に玉数が豊富な事、そして、APS-Cデジタル一眼での標準
ズームとしては、広角端が28mm(42mm換算)とちょっと足りず、
例えば、APS-C機用に焦点距離が調整されたAF18-270mm
(B003)や、その後のAF16-300mm(B016)に人気が集中して
いる事等が、本レンズが安価な理由であると思われる。
レンズ一本でどんな撮影でもこなしたいと考えるユーザー層で、
APS-Cデジタル一眼や、ミラーレス機において広角域の撮影を
必要としないならば、非常に便利なレンズであり、安価なので
コスパも悪くない、そしてフルサイズ機にステップアップあるいは
併用する際にも、本レンズであれば何の問題も無い。
ちなみに、広角域の不足については優秀な小型コンパクトデジカメ
例えば、GRシリーズ、FUJI XQ1/2 、LUMIX LXシリーズ等を
APS-C機と併用する手段がある。これらは広角の交換レンズを
購入するよりも安価であり、高性能コンパクトであれば広角域は
一眼に遜色の無い写りでもあるので、かなり適切な組み合わせ
となる。
さらに言えば、レンズ交換の手間やリスク(ゴミや落下破損等)
も無く、広角レンズよりもコンパクトの方が軽量な場合もあるので
ハンドリングも良い、という様々なメリットがある。
今回の撮影時にもRICHO GXR+S10 24-70mm相当の
小型機を持ってきており、これと本レンズとの組み合わせは、
様々な被写体をカバーする上で適切だ。
ちなみに、広角小型機を持って来ているという条件の上で、
あえて本レンズの望遠域の特徴を活かす為に、APS-C機では
なくμ4/3機を持ち出している。
この2台で24mm~600mmまでの画角をカバーでき、マクロ域も
両システムは得意なので、何も不満は無い。
なお、DMC-G5などのデジタルズーム母艦のμ4/3機を持ち出せば
望遠域を、1200mmあるいは2400mm程度まで伸ばせるが、
今回の撮影は雨天であるし、そこまでは不要とみて、安価な
DMC-G1を母艦としていた。雨天はちょっと色々と問題ではあった
が(本来のレンズ性能が発揮できない、MFがやりにくいなど)
まあ晴天時であれば、こうした組み合わせは非常に便利である事は
確かだ、けど、その分「安直である」という課題は出てくるので
趣味的な要素は、大きく減少してしまうのが問題ではあるが・・
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さて、次のシステム。

カメラは、LUMIX DMC-G1(予備機)
レンズは、MINOLTA AF50mm/f2.8Macroをマスターレンズ
としてZENJIX soratama 72(宙玉)を装着している。
すでに、第61回記事で、本「宙玉レンズ」を紹介しているが、
その際には、ワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体
までの距離、以下WD)の短いレンズをどれにしたら良いか迷いが
あって、かなり寄せ集め的なシステムを組んでしまっていた。
その後、マスターレンズとしてWDの短いレンズを色々試して
みた所、適切と思わたのは、第38記事で紹介した非常に優秀な
標準マクロのMINOLTA AF50/2.8であった。
レンズ先端からの宙玉までの距離を確保する為、延長可能なメタル
フードを3つ装着して、デザイン的にも前回よりはだいぶましだ。
ちなみに、メタルフードはその下部と上部の径が異なるものが大半
なので、サイズが合わない部分には、ステップアップリングを適宜
かまして調整している。各メタルフードの新品価格は1000円程度迄
であり、ステップアップリングは新品でも400円程度と安価だ。

前回第61回記事の宙玉システムでは、宙玉が大きく写りすぎて
なにか不自然であったが、本システムでは、まあ想定したような
適正なサイズで写る、WDあるいは撮影距離が近すぎると、
被写界深度も非常に浅くなり、宙玉の周囲が完全にボケてしまい
なんだかわからない部分も、今回は適宜あまりボカさない事が
できるようにもなった。
ただし、マクロレンズで近接撮影なので、元々の被写界深度は
かなり浅い、この場合は、マスターレンズの絞りを、ほぼ最大まで
絞り込んでいるが、それでもちょっと不足気味(ボケが多い)だ。
もう少し撮影距離(WD)を伸ばせば、被写界深度も深くなり
宙玉周囲のボケ量を減らせるが、マスターレンズもフード延長も
すべて選びなおしとなり、その際は宙玉の撮影サイズも小さく
なるので、あまり面白く無いかも知れない。
なお、宙玉は上下反転して写るので、撮影時の構図決めは
感覚的に難しいのは前回のシステムとも同様であり、その点は
写真用レンズを使うかぎり回避できない。
ちなみに、本写真は上下反転して掲載している。
なお、宙玉の位置が正確に真ん中に来ていない模様であるが
それはシステム的にどこかで、ずれの誤差が出ているのであろう
もし気になるならばほんの少しだけトリミングすれば良いと思う。

被写界深度を稼ぎたいために、常に大きく絞り込んで、結果的
にスローシャッターとなるので、ブレ表現も面白い。
ただし、構図上の問題もある、つまり、宙玉は円周魚眼レンズと
同じような特性を持つので、画面内で、歪み(ディストーション)
を意識し、それを減らしたいと考えるならば、画面内の直線部は
画面中心に向かうように合わせなくてはならない。
勿論全ての直線部を中心に向かわせるのは不可能であるから、
主要な部分(水平線や、建物など)のみだ。
逆に、魚眼的な歪みを強調したい場合は、直線部をあえて
画面中心線とは異なるようにして、魚眼っぽさを出す。
だが、実際には、撮影時のこれらの構図的な配慮は極めて難しく、
上写真のような不意な被写体では、そこまで考えて調整する
余裕は無い。対角線や円周魚眼で沢山撮影し、そのあたりの
構図感覚を鍛えればなんとかなるのかも知れないが、魚眼系は
それを専門として撮っている人以外では、あくまで「特殊なレンズ」
という扱いなので、そんなに膨大な撮影経験を積むわけにも
いかないであろう。

これは構図を整えているつもりなのだが、微妙に左右のバランス
が異なる、それを正確に合わせるのは、システムの工作精度の
問題もあって、困難であるようにも思う。
ただまあ、これは魚眼レンズではなく、あくまで「宙玉」だ、
そういう意味では、トイレンズの延長線上にあるシステムで
あるから、あまり魚眼の構図などにこだわらず、楽しく撮影が
できればそれで良いとも思う。

なかなか面白いシステムになっているが、注意点としては
システム全体が極めて脆弱なところだ。
ねじ込み部の数も非常に多く、どこかが緩んで脱落する
リスクも大きい、それを避けるために今回は、いずれの
ねじ込み部も、ちょっと力を入れて締めこんだのだが、実は
この時マスターレンズ先端に保護フィルターを入れていたのが、
フードをねじ込みすぎて保護フィルターが割れてしまった(汗)
まあ数百円というフィルターなので気にしてはいないのだが、
何故保護フィルターを入れたままフードをねじ込んだのか?
と言えば、その分数mmでもWDを稼ぎたかったからだ、
ねじ込みの問題が無いとしても、ちょっとでもシステムをどこかに
ぶつけたりでもしたら、フード等が変形して、先端部の宙玉が
脱落する危険性もある、本システムの中ではマスターレンズの
次に宙玉は高価(約6000円)なので、これを落としたら台無しだ。
ということで、移動中などは、システムが壊れないように
手でしっかり持ち、ひんぱんに各ねじ込み部の緩みを確認する等の
作業が伴う。なお、ネジロック剤等で固定してしまうのも良いか?
とも思ったのだが、フード類は汎用品であるから宙玉だけに使って
いる訳ではなく、宙玉を使わない際には分解して他のレンズ用に
使う場合もあるので、固定してしまう訳にもいかない。
「宙玉」に適したマスターレンズであるが、標準マクロよりも
もう少し広角のマクロが良いかも知れない。ただ今のところ
フィルター径も含めて適正と思われるレンズが見つかって
おらず、いずれ30mm~35mm級マクロあたりで、宙玉に適した
WDとフィルター径のレンズを見つけるまでは、本ミノルタ標準
マクロを宙玉用のマスターレンズにしようと思う。
なお、本マスターレンズ使用前に、前回第68回記事で紹介した
ミノルタAF50/3.5標準マクロも試してみたのだが、こちらは、
撮影倍率が1/2倍のレンズなのでWDが足りず、このフード長では
宙玉にピントを合わせる事ができなかった。
マクロレンズであっても宙玉の使用はそう簡単ではない、そして、
ビギナークラスの持つ標準ズームレンズなどでは、相当フード長を
長くしないと宙玉は使用できないと思われるので、購入の際は
注意が必要になると思う。
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次は、今回ラストのシステム。

カメラは、SONY NEX-7
フルサイズα7人気の影で安価な中古相場で入手できるEマウント
機である、ミラーレス機の中では、最強かつ高度な操作系を誇り
基本性能も高く、コスパは極めて良い。
そろそろ減価償却(1枚2円の法則)が完了しそうなので、
追加で予備機を入手しておこうかとも考えている。
レンズは、CANON EF50mm/f1.4 USM
1990年代頃のAF単焦点大口径標準レンズ、
レンズ構成は6群7枚、最短撮影距離は45cmと、
どれも50/1.4としては標準的で、他の同クラスのレンズと
比べて特に優れているという点は無い。
あえて特徴をあげるとすればUSM(超音波モーター)使用で
かつ、フルタイムMFが可能であるから、AFとMFをシームレスに
使用できる。ただ、その点については、ミラーレス機に装着
する上では、特殊な電子アダプターを使用しない限りは、
MF操作オンリーとなるので、長所とはなりえない。
なお、一部のUSMレンズやSTMレンズは、アダプター使用時に
MFがまったく動かないものがああるが、本レンズに関しては
そういう事はなく、非電子アダプターでも利用が可能だ。
ただ、USMの駆動を軽減するため、ピントリングの回転角は
かなり少なく、ヘリコイドのトルクフィーリングも良くないので、
基本的にMF操作には向かず、本来はミラーレス機で使用する
べきレンズではなく、EOSとの組み合わせが適正と思われる。

f1.4の大口径レンズであるので、晴天時には絞りをフルレンジ
で使用可能とするためには、ND4~ND8の減光フィルターの
装着が望ましい、ただ今回は雨模様の曇天であったので、
そこまでの暗いフィルターは必要でなく、ND2程度の減光
フィルターを探したが、あいにくフィルター径の合うものが
手元になく、PLフィルターを減光フィルター代わりにする事とした。
PL(偏光)フィルターは、主に晴天時に被写体に対する太陽光
の乱反射を抑えるものである。樹木の乱反射、建物の反射、
水面での乱反射などを抑えることが可能だ。
しかし使い方はちょっと難しく、太陽光、被写体、撮影者の
3点を結ぶ角度が90度になるようにし、さらにPLフィルターが
その際、もっとも暗くなるような角度に廻しての調整が必要だ。
銀塩時代には、描写表現やコントラストの向上効果を期待して、
主にベテラン層等でPLフィルターの装着は好まれていた。
ただし、カメラのAF化で旧来のPLはAF精度に問題が出て、
円偏光(CPL)フィルターを使わなければならなくなり、
それは高価であった事が1つの問題点であった。
またビギナーのシニア層などでは、正しいPLの使い方をマスター
しないまま、周囲からPLの使用を半ば強要されるような風潮も
あった模様で、結果的に減光効果だけが出てしまい、シャッター
速度が低下し、低感度のフィルムでの一眼撮影では手ブレを誘発、
その対策の為に無駄な三脚が必須となる等、悪循環が起こって
しまった模様である。
正しいPLの使用法は知識と経験と技術が必要なのでビギナー層
には容易では無い、よって、悪循環を起こすくらいなら
PLを使わない事も1つの選択肢ではあったと思う。
またPLをつけていたとしても、それが不要な場合は外す等は
当然の処置だったとも思う。(そうしている人はまず居ないが)
まあ、デジタル時代、高感度のISO設定が使えるようになって
PLの弊害は少し減った、ただ、依然ビギナーのシニア層では
PLを常時つけっぱなしにしている状況もよく見かける。
で、今回は、雨天気味の曇天と、まあほとんどPLの効果が
出ない状況である。そこをあえてPLを使うのは、その
1~2段(つまり1/2から最大1/4)の減光効果のみを目的として
いるからだ、PLは偏光効果により光束の特定方向のものを遮る
ので、原理的に、最大2段(1/4)程度まで光量が低下する。
この結果、開放f1.4のレンズは、開放f2~2.8と同等の
露出値となり、明所においてもシャッター速度オーバーにならず、
絞りを開放から最大までフルレンジで活用できる。
だた、今回使用しているアダプターは機械絞り内蔵型であり、
このタイプは、あまり絞り込むことは構造上はできず、
また、本来の絞りの位置とは異なる場所に絞り羽根があるため、
被写界深度の調整やボケ質破綻回避も、思うようには出来ず
微調整程度の目的にしか使えない、
それに加えてPLでの減光操作もあるので、かなり面倒くさい
システムとはなっているが、まあ、やむを得ないであろう。

ボケ質は、一見良さそうであるが、ボケ質破綻は、かなり
頻繁に発生するレンズであり、回避するための処置が必須だ。
まあ、ライバルのニコン標準50/1.4(第49回記事)に対抗する
意味合いもあって、解像力重視で結果的にボケ質への配慮は
少ない設計コンセプトのレンズなのだろうと推測される。
キヤノンには、EF50mm/f1.8という小口径版も存在し、
これもまたニコン AiAF50mm/f1.8(第39回記事)と同様に
高描写力であると聞いているが、残念ながら当該レンズは所有して
いない。安価(中古で7000円前後)なので、EF50/1.8も何度か購入
しようと思っていたのだが、初期型を狙っていて、それは高価だし、
かつ初期型の中古は現在殆ど無く市場にはⅡ型が殆どだ。
まあ、FD50mm/f1.8というMF時代のレンズは持っているので
(未紹介)当面はそれで代用する事としようか。
本EF50/1.4は、2000年代半ばに、ちょっとピントリングの動きに
問題が発生して、修理しようと思ったのであるが、
何故か自然に復活、その後10年以上経過するが、問題なく使用
できている、きっとどこかのカムか歯車の噛み合わせが悪かった
のが、偶然正常な位置に戻ったのであろう。

結論から言えば、普通に良く写るレンズではあると思うが、
コスパはどうだろうか?
本レンズの購入価格は、1990年代に25000円と、
やや高価であった、でも、それでも相場よりは少し安目であり、
中古相場は、その後も3万円ほどで推移している。
ややコスパが悪い気がするので現代において必要な
レンズかどうかはちょっと微妙なところである。
50mm/f1.4級は、最近各レンズメーカーから超高性能な
現代的なレンズも出ているので、性能だけを追求するならば
そうした最新レンズも良いかも知れない。
けど、それらは非常に高価だ。
MF操作に問題が無いのであれば、50mm/f1.4は他社のもの
でもMF時代から完成度の高い優秀なものがいくらでもある。
ジャンク同然であれば、それらは数千円と安価に入手可能だ。
どうしても、EOSで、AFでなければならないのであれば、
前述のEF50/1.8ⅡやSTM版も存在しているので、ますます
EF50/1.4の必然性は少なくなるかも知れない。
次回記事に続く。