安価な中古ミラーレス機をベースに、マニアックなレンズで
アダプター遊びを楽しむというシリーズ記事、第63回目。
今回は、まず、このシステムから。

カメラは、SONY NEX-7
Eマウント最強の高度な操作系を誇る名機だ。
フルサイズα7の人気に押され、本機の中古が極めて安価
なのも大きな特徴だ、フルサイズが不要なのであれば、
本機がミラーレスのベストチョイスではあるが、高度で複雑な
操作系はビギナーでは使いこなせないだろう事が課題だ。
レンズは、SIGMA Macro 105mm/f2.8 EX DG である。
すでに第41回記事で紹介しているが、そのレンズはEFマウント
版の故障品(AF動かず)を5000円で購入したものであり、
本レンズはニコンAi(F)マウントの完動品だ。
本レンズを先に購入したが、描写力が良かったので、故障レンズを
安価に追加入手した訳だ、まあ結局のところ、マクロ撮影ではAFは
使わないし、そもそも、こうやってミラーレス機にアダプターで
使用する上では、AFが動いていても関係は無いのだが。

本レンズは、2000年代前半の、AF、フルサイズ対応、1対1
(等倍)マクロレンズであるが、これは旧型であり、2010年代より、
手ブレ補正や超音波モーター内蔵の新型となっている。
定価は旧型が発売時に7万円弱程度であったが、新型は発売時
には12万円近くもしていた。
私はマクロレンズには、AFは不要と思っているので、超音波
モーターはあまり魅力では無い、ただ、マクロレンズであっても
近接撮影のみしかやらないか?というと、そんなこともなく、
105mm中望遠レンズともなれば、上写真のように中遠距離被写体
を撮る場合もあるだろう。
まあ、そんな時にAFや手ブレ補正を使いたい(一眼)ユーザーも
居るかも知れないので、定価があまり高くならない、という条件で
あれば、そういう改良も有りかも知れない。
(けど、価格がかなり高価になってしまっているので、旧型の中古
という選択肢も十分あるだろう。あるいはタイミングを見計らい、
さらなる新型が出る直前に現行品の在庫処分を狙うか、だ)
ちなみに、上写真は、デジタルズームを2倍強かけているので、
換算350mm程度の画角となっている、こういう使い方は
ミラーレス機独自のものであるが、仮に手ブレ補正機能が
レンズやカメラに内蔵されていたとしても、あるいは電子マウント
アダプターを使用して、レンズの電気的性能(AF、手ブレ補正や
超音波モーター等)を発揮できたとしても、デジタルズーム使用時に
きちんと手ブレ補正が効く保証は無い。ミラーレス機で使う上では
結局それらの新機能は不要だと思う。

ところで、本レンズは、ニコン(AiAF)マウント版であるので
絞り環がついている。
近年のSIGMAレンズは、ほぼ全て絞り環が無い。
ニコン版であっても、Gタイプの、ボディ側から絞りを制御する
仕様になっているので、こういう絞り環つきレンズは今や貴重だ。
なお、Gタイプであっても絞りを制御するのは電子的情報ではなく
機械的なレバー絞込みであるので、マウントアダプターは存在
している、ただ、やはりアダプターで絞り制御をするのは
操作性上面倒なので、ミラーレス機で使う上では、絞り環が
ついているレンズの方がベターだ。
本レンズの出自等(これ以前の90mmマクロから105mmに
変わった理由等)は、第41回記事でも書いているので割愛する。
本レンズの描写力は一級品であり、性能上の不満は感じない。
ライバルを上げるとすれば、ご存知TAMRON 90mmマクロである
が、そのレンズについては、本記事のラストで紹介する事にしよう。
本レンズの最短撮影距離は31.3cmである、この撮影距離で
等倍マクロとなる。

ただし、マクロレンズにおける何倍という数値は、フルサイズ
換算だとちょっと変わってくる。今回使用のNEX-7は、APS-C機
であるので、換算1.5倍マクロとなる。さらにデジタルズームを
使うと、撮影倍率は際限なく上がっていくので、ミラーレス機では
あまり何倍マクロというスペックに拘る必要は無いであろう。
そして、ミラーレス機では、銀塩時代のような100mm前後の
「中望遠マクロ」というレンズは、あまり発売されていない。
まあ、ミラーレス機の多くはセンサーサイズが小さいため、
100mm級のマクロでは長すぎる、というのが理由であろう。
各社ミラーレス用純正マクロは、だいたい 30mm~60mm
くらいの焦点距離に集中している。
なので、こうした中望遠マクロをミラーレス機で使うのは
意味のある事だ。

本レンズの中古購入価格だが、2000年代に25000円であった、
まあ、この値段ならば十分にコスパは高いであろう。
もう1本所有しているEFマウントの本レンズは、AF故障品で
5000円だったので、さらに文句は無い。
本レンズの新型の各電子機能(手ブレ補正や超音波モーター)
が不要であれば、旧型の中古は極めておすすめのレンズである。
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さて、次のシステム。

カメラが、望遠アダプター母艦の LUMIX DMC-G5
レンズは・・・・
これは何処メーカーの何というレンズなのだろう?(汗)
一応、SP-500 という名前が書いてある、韓国製MFレンズだ、
購入は1990年頃、製造は1980年代のレンズであろう。
望遠鏡の構造で、写真用レンズに転用したものだと思われる。
望遠鏡タイプであるから、恐ろしく鏡筒(胴)が長い。
(第38回記事で紹介した「ニコンおもしろレンズ工房 400mm/f8」
も同様であった)
レンズ仕様は500mm/f8、そして、テレコンが付属していて
上写真はそれを装着している状態、これで1000mm/f16の
焦点距離となる。
これらの焦点距離は、いずれもレンズ本体の場合であるから、
μ4/3機であるDMC-G5への装着時は、各々さらに2倍となり
1000mm相当、2000mm相当(テレコン使用時)の画角となる、
超々望遠レンズだ(・・というか、望遠鏡そのものだ)
最初、テレコンをつけた状態で2000mm相当で撮っていたの
だが、正直、撮るものが無い。
超遠距離撮影として、2kmくらい先の建物を撮ってみたが、
例によって手ブレがとんでも無いレベルで発生する。
本シリーズでは、以前も望遠レンズにデジタルズームなどを併用
した超々望遠撮影に何度かトライしていたが、換算焦点距離が
1500mmを超えると手持ちでは撮影不能、と結論づけていた。
2000mmは限界を超えている。一応撮った写真はあるのだが、
たまたま、ブレていなかった写真でも、超遠距離撮影は画質が
恐ろしく悪く、掲載に耐えなかった。
それに、テレコンを使うと、2000mm/f16相当の暗いレンズと
なり、内蔵手ブレ補正の無いDMC-G5で、焦点距離相当分の1の
1/2000秒以上のシャッター速度を稼ごうとすると、日中でも
ISO感度を手動で3200~6400まで上げなくてはならない。
あれやこれや制約があり、もうやってられない、ということで、
撮影途中でテレコンを外した。しかし、これでもまだ換算1000mm
相当の超々望遠となる、依然被写体に困るというのが正直な所だ。

基本は望遠鏡である本レンズだが、望遠鏡との差異がいくつかある。
まず、正立像である事だ、基本的に(天体)望遠鏡は倒立像で
あるので地上用として使う場合は、正立プリズムというものが
必要となる。本レンズでは、光学系で正立化しているのだろうが
余分なレンズが入るので画質が落ちている可能性もある。
次に、絞りがついている事だ。まあこれは写真用レンズとして
使う上では必須であろう。絞りは、開放f8からf32まである。
焦点距離が長いのでf8でも被写界深度は結構浅い、よって
絞り込んで使う場合も十分にある。
絞りは、ロシアレンズのようなプリセット方式であるが、
私はこの構造は嫌いでは無いので、むしろ助かる。
ただ、絞りリングはレンズ鏡筒の中ほどにある(ピントリングも
同様にレンズのやや前部にある)
けどこれは、手持ちでこのレンズを使う際には、重心を取る為、
必然的にそのあたりに左手を添える必要があるので、
むしろ意外に使いやすい構造となっている。

それから、望遠鏡では画面中央部の画質が高く、画面周辺は
収差が発生して流れてしまう事があるが、本レンズの場合は
あまりそういう事は無い。けど、これはμ4/3機で使っているので、
画面周辺の収差は全てカットされているので、なんとも言えない。
そして、最短撮影距離は10mである!、この距離は極めて長く
通常の感覚で中距離被写体を探したとしても、たいてい
この距離内であり、最短をクリアできない。
よって、ピントが合うまで、数mバックして撮影せざるを
得ない状況が頻繁に発生する。
画質は基本的に良く無い。特に、解像度がかなり悪い、
ボケ質も悪いし、フレアも発生しやすい。
良いところが無いが、まあ、超々望遠である、という点だけが
長所なのであろう。

本レンズの購入価格だが、1990年頃に新品で約3万円であった、
正直高すぎた。でも、銀塩時代の当時、500mmという超望遠
レンズが欲かったとしても、メーカー純正品は高価すぎて
購入できなかったのだ。
通販でこれを見つけたのだが、買った当初は、このレンズで
野鳥とかを探して撮っていたのだが、なにせ、この長さのレンズ
であり、ハンドリングが悪すぎた、それに当時はまだこのような
超望遠が手持ちで撮れるとは思っておらず(フィルムなので
ISO感度が低い事も理由)、三脚まで持ち出していたので、
ますます面倒臭く、自然と休眠レンズとなってしまった。
今回、使用はおよそ20年ぶりだと思う、カメラの進化で
手持ち撮影が可能になったのは良い事だが、それにしても
被写体が無さ過ぎる・・
まあ、現代でこのレンズが必要なケースはまず無いであろう。
仮に、超々望遠レンズが必要であれば、例えば、第59回記事で
紹介した TOKINA 300mm/f6.3ミラーレンズがおすすめだ、
それであれば、μ4/3機で600mm相当が基本で、デジタルズーム
やデジタルテレコンを使えば、実用的に1200mm相当あるいは
無理をすれば2400mm相当にもなる。内蔵手ブレ補正機であれば
それを効かせても良いし(三脚撮影は最初から想定していない)
おまけにそのレンズは最短80cmの、ワーキングディスタンスが
長い超望遠マクロとしても使え、価格も中古で2万円を切る
安価なレンズなのだ。
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さて、次のシステム。

カメラは、初代μ4/3機 LUMIX DMC-G1
レンズは、ミノルタ AF50mm/f1.4(初期型)である。
1980年代のAFレンズ、αマウントである。
で、まず、このレンズを使う前に、ちょっとアダプターの
修理が必要であった。
第34回記事で、ミノルタAF85mm/f1.4 G(D) Limitedを紹介
した際、α-μ4/3アダプターの機械絞り機構が、レンズの
絞り羽根の力に負けて閉じてしまう、という話を書いた。
まあ、大口径レンズの絞りの力は強いのではあるが、それだけ
では無い、アダプターの機構が緩いのも原因であった。
しかし簡単には直せない、固いのを緩くするのは比較的容易だが、
緩いのを固くするのは難しい。
分解して、なんらかの粘度の高いグリス等を練りこんで、摩擦を
上げるしか無さそうだ。
最初「高粘度リチウムグリース」というものを購入して
注入してみたが、これでは、まだ粘度が足りない。
スカスカに廻るのみであった。
なので、写真レンズ用の「ヘリコイドグリース」を使用するのが
良さそうであったが、これはかなり高価なので(滅多にこういう
修理をする事もないだろうから)見送った。
代用品を調べたが、幸い、使えそうなものがあった。
ラジコン模型用の「アンチウエアグリス」というものだ。

こちらがマウントアダプターを分解した状態、右下にあるのが、
その「アンチウエアグリス」だ。
少量チューブで400円強の値段であった、まあ滅多に
この手の修理などしないだろうし、この量でも十分だ。
このグリスをアダプターの回転部に塗布する。
塗布後はパーツを元のように組み立てて完了。
そして、結果は極めて良好、適度な粘りのある良質な回転感が
得られ、勿論レンズの絞りの力に負けてしまう事もない。
ただし、重要な注意点だが、この手の修理は本来は推奨できない。
特にビギナー又は技術がわからない人は絶対にやってはならない。
何故なら、もしグリースの量を間違えて多すぎたりしたら、
あるいは、グリースの質(粘度)を間違えて緩かったら、
あるいは、温度が高くなってグリースが溶けてしまったら・・
それらのケースでは、マウントアダプターからグリースが溶けて
垂れてきて、それがカメラのセンサー部やカメラ内部に、モロに
流れこんでしまう。これは勿論、確実にカメラが故障する(汗)
だから、グリースの量、質、特性、それらを全部理解してちゃんと
コントロールした上で慎重に作業を行い、かつ注意して使用しない
とカメラが壊れてしまうかも知れないのだ。
今回、DMC-G1でこのアダプターを使用しているのも、その延長線
上にあるリスク回避だ。中古が1万円以下と極めて安価な本機で
あり、かつ、本機では数万枚を撮影していて、すでに減価償却が
出来ている、だから万が一壊しても惜しくないのだ。
これらの条件を全て理解または制御した上で、自己責任でやらない
限り、こういう修理は安易にやってはらないと思う。

「危険な修理」とは言うものの、今のところ何ら問題は無い、
ちなみに、撮影日の気温は20℃強くらい、あとは、真夏とかに
使ってみて、グリースが溶けなければ、これでOKであろう。
(まあ、アンチウエアグリスの特性は、事前に少し調べてあり、
通常の使用状態では問題ないと思っている)
さて、本レンズ、MINOLTA AF50mm/f1.4であるが、
正直、好きでは無いレンズだ。
・・と言っても、他の記事で良く書いている「コスパが悪い」
という訳ではなく、描写そのものがちょっと苦手なのだ。
ミノルタの50mm/f1.4というと、大別して、MF時代の
MC,MD,New MD レンズ、そして、AF時代のα(AF)があるが、
MC50/1.4は、5群7枚、フィルター径55mmΦ(第44回記事)
MD50/1.4も、5群7枚、フィルター径55mmΦ
New MD50/1.4は、6群7枚、フィルター径49mmΦ(第32回記事)
α用AF50/1.4も、6群7枚、フィルター径49mmΦ(本記事)
つまり、MDとNew MDの間に断層があって、レンズががらりと
変わってしまったのだ。その理由はNew MDで小型化を図ったからだ。
当時はOYMPUS OMやPENTAX Mシリーズ等の小型軽量の一眼レフ
が人気だったし、ミノルタも若かりし頃の宮崎美子を起用したCMで、
X-7を大ヒットさせた所で、一般ビギナーユーザーに一眼レフが
普及してきた時代との事から、レンズを含めた小型軽量化は
メーカーとして必須だったのだ。

だが、その小型化が失敗だったのではなかろうか?
New MD以降の新型の描写がどうも好きでは無い。
本レンズは銀塩時代から使っているが、何故気に入らない描写
なのかは良くわからなかった、今回ちょっとそのあたりも注意
して見てみると・・
優秀なDMC-G1のEVFと拡大操作系をもってしても、絞りを比較的
開けた状態では、ピントの山がわかりにくい。通常のレンズでは
ピントのピークははっきりしており、よって、立体的被写体に
おいても、ピント面とアウトフォーカス部の差ははっきりするが、
本レンズではそのあたりが曖昧なのだろうと思う。
まあ、いわゆる描写が甘い、というのに似通っているが、
解像度が不足するという事とは、ちょっと違うかも知れない。
絞り込むとピント面は比較的はっきりするが、被写界深度も
深くなるので普通の写りになってしまう。結局f1.4の大口径
である事が性能上、活かせていない事となってしまう。
一般的にこれはどうなのだろう? 性能が低いと言うべきか、
あるいはそういう特性と言うべきか? ともかく、私個人と
しては好きで無い描写だ。
まあ、New MD50/1.4 しての元々の設計は、1970年代後半と
古いレンズなので、小型化を優先した結果として、これくらいは、
当時は許容範囲だったのかも知れない。
まあ、それだったら、αでAF化した時に設計を見直せばよかった
のかも知れないのだが、New MDは1980年代前半の発売、
これはαの発売(1985年)の僅か数年前だ。
で、最初のα-7000の発売時に、AFレンズのラインナップを
一通り揃える必要があったのだと思う。
逆に言えば、それがきっちり揃っていたから、αは市場に絶大な
インパクトを与えたのだ。
余談だが、ほぼ同時期に発売された、CANON T80は、CANON
初のAF一眼であったのに、AF性能、仕様と操作系、およびAFレンズ
のラインナップの少なさから、α-7000に完敗した。これらを一般に
「αショック」と呼ぶ。可哀想に、T80は、CANONの歴史上
「存在していなかったカメラ」にされてしまい、後年の同社の
カメラ年譜ポスター等からも省かれてしまった。
CANON 後継機のT90は、AFをやめ、MFに逆戻りしたくらいである。
(ちなみに、T90は相当優れたMF一眼であり、銀塩時代にかなり愛用
した、まあαショックの後だから、AFでの勝負を避け、究極のMF
一眼を目指したのであろう)
まあつまり、そうした時代だ、市場に影響を与える為には
AFレンズは実用的なものをきちんと揃えておく必要があった。
この状態で、なかなか新規のレンズ設計を行うという訳には
いかなかったのであろう、従来のNew MDをそのままAF化した状態で、
本レンズ、α用AF50mm/f1.4は誕生した。
そして、おまけに、本レンズはαの初期型なので、ピント
リングが極めて細く、MF操作性が悪い。
後期型では、多少外観等が変化したが、レンズ構成は変更が
無かったと思われる。
およそ20年という非常に長期にわたり、本レンズは製造され
続けた、結果、製造コストは安価になったと思われるが、
描写力は疑問を残したままの状態が続いた。
2000年代、αがSONYに譲渡された後も、SONY版50mm/f1.4
レンズ(SAL50F14)の構成はミノルタ時代のまま6群7枚であった。
まあ、SONYも当初は、ミノルタのレンズラインナップをそのまま
引継いだので、性能見直しの余裕は無く、やむを得なかったかも
知れない。
SONYは、その後50mm/f1.4をツァイス銘のプラナーに置き換えた
(SAL50F14Z)こちらは、5群8枚構成と、これまでのミノルタ系
50mm/f1.4とは全く異なる物となっている。
(もっとも、定価も3倍以上高価になってしまったが・・)

本レンズの購入価格だが、1990年代に 9000円であった、
この値段なら、さほど高価では無いと思うのだが、定価もそこそこ
安いレンズであったのだ。
50mm/f1.4の標準レンズは、本レンズでなくてもいくらでもある、
あえて本レンズを選択する理由は少ないであろう。
ミラーレス機で使うのであればなおさらだ、MFでもAFでも
好きなレンズを選べば良い、本レンズは、ちょっと経緯が
複雑であったので、性能的に課題を抱えているが、他の標準
レンズであれば、そういう問題点は少ないであろう。
なお、現在SONYのα(A)マウントには、エントリーレンズ
としてAPS-C専用のDT50mm/f1.8(未紹介)がある、定価2万円
強と極めて安価なレンズだが、いずれ本レンズと比較してみよう。
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さて、次は今回ラストのシステム。

カメラは、LUMIX DMC-GX7
レンズは、TAMRON SP90mm/f2.8 Macro (72E)
タムロンの「90マクロ」には、様々なバージョンがあるが、
本 72E型は、1996年の発売のAF版だ。
既に、第31回記事でK-01に装着して紹介しているが、そちらは、
PENTAX Kafマウント版で、絞り環がついているタイプ。
本レンズは同型だが、αマウント用で絞り環が無い。
本レンズや「90マクロ」全般についの情報は、第31回記事や、
第8回記事のSP90/2.5(MF版)を参照してもらうとしよう。

本レンズ、すなわち通称「90マクロ」(シリーズ)は、
銀塩時代は必携のレンズであった、それはマニアはもとより
中級以上のユーザーでもだ。MF時代にはMF版の90マクロ、
AF時代にはAF版の90マクロが、必須レンズであったのだ。
しかし、2000年代、デジタル時代に入ってからは、
「90マクロ」は必携のレンズとは言い難くなってしまった、
APS-C機では、90mmは、ちょっと長すぎる(狭すぎる)画角と
なってしまったからだと思う。
だがまあ、マクロレンズは、銀塩MF時代のものを除き
銀塩AF時代以降のものであれば、どれも非常に良く写る。
90mmの焦点距離が長いと言うのであれば、APS-Cデジタル一眼
やミラーレス機には、50~60mmの標準マクロ、あるいは、
30~35mm級のマクロを使えば良いであろう。

90mmが長すぎるという件だが、それはレンズを望遠と考えてしまい、
望遠目線で被写体を捉えるのであれば、確かにそうかも知れないが、
本レンズはマクロレンズである、マクロであればマクロ目線で
被写体を探す事で、画角の問題はあまり関係なくなるのだ。
この件は、本シリーズ記事では、望遠マクロ系の紹介の際に必ず
出てくるのだが、言葉で説明するのが難しい内容だ。
というか、ズームレンズで育った現代のビギナーの場合、
被写体を画角の広さ・狭さで捉える「平面的視点」にどうしても
なってしまう、これを「被写体と背景」という「立体的視点」
に変えていかないと、なかなか上記「マクロ視点」についても
理解しずらいかも知れない・・
で、最短撮影距離は29cm。冒頭のSIGMAより2cmほど短いが、
これは 90mmと105mmという焦点距離の差であろう。
等倍マクロというのは、銀塩またはフルサイズセンサーに
同じ大きさが写るという事であるから、これら等倍マクロの
撮影範囲は、どれも同じ横36mmx縦24mmとなる。
まあしかし、それは最短撮影距離で最大倍率を得た場合の話だ、
そして、前述したように、ミラーレス機で、何倍マクロというのは
あまり意味の無い話でもある。

本レンズの中古購入価格だが、2000年頃に25000円であった、
これは、冒頭に紹介したSIGMA Macro 105mm/f2.8 と
同じ中古価格である。
現在中古市場に豊富にある90マクロの中古としては、これは
少し高い値段であったが、時期的に発売後間もない頃であった
ので、しかたがないであろう。
ちなみに、第31回記事で紹介した、PKマウント版の同一
レンズは、もう少し後に2万円くらいで購入している。
SIGMA 105mmとTAMRON 90マクロ、どちらを選ぶか?
というのは難しい選択であろう。特に、手ブレ補正や超音波
モーターなどの新機能がついている最新型は 6~7万円も
してしまうので高価だ。
まあ、どちらを選んでも全く問題は無いと思う。
どうしても微妙な差が気になるならば、旧型の中古を両方買って
しまうという選択肢もあると思う、それでも新品を1本購入
するより、むしろ安くなる。
結局、私も良いレンズ、使えるレンズだと思って、各2本づつ、
都合4本も買ってしまった訳だから・・
あと、マウントによっては中古の価格がばらつく時がある、
ニコンやキヤノン版マウントは高価であったりする、
新型では手ブレ補正機能の関係でそういう事もあるのだが、
旧型の場合でも同様にマウントで相場は変わる、なので、
αやPENTAXのデジタル一眼であれば、ボディ内手ブレ補正が
あるので、安価で手ブレ補正の無い旧型でも問題なし、という
判断も可能だ。
さて、今回はこのあたりまでで、次回記事に続く。