中古ミラーレス機にマニアックなレンズを組み合わせて
コスパの良いアダプター遊びを楽しむシリーズ、第62回。
今回はまず、このシステムから、

カメラは、SONY NEX-7
レンズは、中一光学 Creator 85mm/f2 である。
2014年末発売の比較的新しいMFレンズ。
各AF一眼用マウントで発売されているが、ミラーレス機用の
マウントのものは無い、ここではニコンFマウント版を
NEX-7に装着している。ちなみにフルサイズ対応である。
中一光学は中国のメーカーであり、f0.95超大口径レンズなど
ユニークな製品ラインアップを持っている。
本レンズは、85mm/f2と比較的オーソドックスなスペックであり、
価格も安価だ(新品購入価格は、2万円強程であった)
さて、85mm/f2というと、ロシア製Jupiter-9(第26回記事)や
OM85mm/f2(第35回記事)とか、このあたりの仕様の元祖とも
言えるゾナー(開放f値こそ違えど、京セラ・コンタックス版のゾナー
85mm/f2.8は第27回記事で紹介)あたりと比較したくなってくる。
しかし、ゾナー等と本レンズはレンズ構成が大きく異なる。
ゾナー系では、3群7枚とかで、いくつかのまとまったブロックと
してレンズは配置されているが、本レンズCreator 85mm/f2は
6群6枚という一般的なレンズ構成となっている。
さて、どんな写りをするのだろうか?

天候はあいにくの雨天、被写体のコントラストは低く、あまり
レンズ評価等はできそうに無い。
まあ良い、必要であれば、また天気の良い日にでも持ち出して
再度紹介する事にしよう。
レンズのサイズは85mmとしては小さい方、まあそうであろう、
85mmレンズは、いずれもポートレート用として背景を大きく
ボカせる大口径(f1.2~f1.4)版が殆どであり、
小口径(f1.7~f2.8)版は、さほどポピュラーでは無い。
とは言え、ニコンやキヤノンは、MF時代AF時代ともに大小口径を
両方ラインナップしているし、近年2010年代以降では、エントリー
レンズとして85mmのAF小口径単焦点も各社から何本か出ている。
で、サイズ感からすれば、OLYMPUS OM85/2は特別に小さく、
本レンズやRTSゾナー85/2.8は、それに続く第二集団という感じ
だろうか。まあつまり、そこそこ小さくハンドリングが良い
という事だ。(ただし、ガラスが詰まっているような密集感があり、
適度な重さとなっている)
最短撮影距離も85cmとなっていて、標準的であり、そのあたりの
性能は犠牲にはして居ない。

さて、ボケ質破綻が発生する模様だ。
当初、手間の花にピントを合わせ、ランプを背景としてボカそう
としたが、ボケ質が汚くなっているのを、絞り値で回避する事が
難しかった、雨天で傘をさしながらの撮影だし、撮影距離や
撮影アングルを変えるのも面倒なので、ピント位置を変えて
花を前ボケとする事としてみた。
本レンズは、AF(デジタル)一眼用マウントとは言え、
絞り込み測光となる。まあその事は、ミラーレス機では何ら問題は
無いが、一眼では絞るとファインダーが暗くなり、かつMFによる
ピント合わせもボケ質破綻確認や回避も、厳しくなるであろう。
この仕様だと、ミラーレス機で使った方が圧倒的に便利なレンズ
である(何故、AF一眼マウントなのか少々不思議だ)
で、絞りをフルレンジでコントロールする為、今回はND2の
ごく軽い減光フィルターを装着している。晴天であれば、
ND4かND8を装着する予定であったが、今日は暗いので、
ND2かまたはND無しで十分であろう。
だが、そうやって絞りを自在に制御できる条件を作ってみても
本レンズのボケ質のコントロールは難しい模様だ。

まあ、1970~1980年代のMF中望遠レンズで、f2~f2.8級、
そして、レンズ構成が5~6枚のものに、たまにこうしたボケ質
破綻の回避が難しいものがある。そういう類のレンズと同様と
見なせば良いかもしれない。
やや絞って中距離以上の平面被写体を狙うとか、比較的
近距離の撮影に持ち込み、絞りを開けて破綻が目立た無い
ように大ボケさせて撮るという感じになるだろうか。
あまり面白みが無いレンズなので、少々飽きてきてしまった(汗)
現代で新発売されるのは珍しいMF85mm単焦点レンズで
あったので何はともあれ買ってみたのだが、少々課題が目立つ。
まあしばらく使ってみて、弱点の回避方法を探してみよう。
遠くに野鳥を見つけたらので、NEX-7のデジタルズームを5倍
程度かけてみる。

換算600~700mm相当だ。NEXのデジタルズームは画素補完
ではなく、純粋な画像処理なので輪郭線等の画質の劣化が目立つ。
でもまあ、こういう使い方はミラーレス機の特徴とも言える、
3~4倍程度のデジタルズーム処理であれば、あまり画質劣化
も目立たないので、いざとなれば、換算300~400mm相当まで
随時望遠域を拡張できる、という風に考えれば良いと思う。
さて、本レンズCreator 85mm/f2 だが、まだ中古市場には殆ど
出回っていない模様だ。新品は2万円強程度と、安価とは言え
性能から見た感じでは、もう少し安価、例えば1万5000円程度
という値段であれば、しっくりくるように思える。
すると、中古で買うべきレンズであろうか・・
なお、絞り込み測光とボケ質破綻が出やすい、という事からして
このあたりの仕様・性能の弱点を助長するデジタル一眼よりも、
ミラーレス機で使うのがはるかに望ましいレンズだ。
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さて、次のシステム。

カメラが、PENTAX Q7
レンズは、TAMRON M118FM16 16mm/f1.4
CCTV(クローズド・サーキットTV)レンズ、すなわち
産業用Cマウントレンズである。
この手のレンズは、本レンズ16mm/f1.4を第4回記事および
第21回記事で、そして、Space社製7.5mm/f1.4を第54回
記事で紹介済みだが、今回は少し変わった使い方をしてみよう。
産業用(CCTV用)カメラモジュールは、監視カメラタイプや
USBでPCに接続するタイプなどが発売されている。
マウントは、Cマウントおよび CSマウントが主流だ、
以前は、Cマウントばかりだったのが、近年は、フランジバックを
5mm短くしたCSマウントのカメラモジュールが一般的になりつつ
ある模様だ。CとCSマウントは形状が同じでフランジバックしか
差異が無い。
で、CマウントのレンズをCSマウントのカメラに装着する際は、
5mm厚のスペーサー(CSマウント変換アダプター)を用いる。
今回のレンズはCマウントレンズであり、PENTAX Q7には、
Cマウントのフランジバックに合わせたマウントアダプターを
用いている。
では、ここでもし、CSマウント変換アダプターを1個あるいは
複数個使ったらどうなるか?(注:このアダプターは単純な
ねじ込み式リングなので複数重ねて使う事もできる)
これは、写真用レンズの世界で言えば「接写リング」を使用して
いるのと同じことになる。つまり、Cマウントの接写(マクロ)専用
レンズが出来上がることとなる。
今回は、CS変換アダプターを1個だけ使ってみよう。

これで、かなりの近接撮影が出来るレンズに変貌する。
システムのスペックをおさらいしてみよう。
まず、カメラはPENTAX Q7だ、センサーサイズは1/1.7型。
その実寸は、約7.5mmx5.7mmで、対角線長は約9.4mm
となる。(このあたりの一覧は、第54回記事参照)
レンズは1/2型対応だ、1/2型センサーの対角線長は
約8mmであり、Q7のそれよりも小さいが、本レンズは多少
イメージサークルに余裕がある設計の模様で、Q7に装着して
も画面周辺がケラれずに使用できる(第21回記事参照)
Q7装着時の換算画角は4.6倍なので、74mm/f1.4相当の
中望遠画角となる。
本レンズの最短撮影距離は、本来は30cmだ、
しかし、CS変換アダプター(厚さ5mm)を1個入れるだけで、
ワーキング・ディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離、
以下WD)がおよそ数cmの近接撮影専用レンズとなる。
そして、CS変換アダプターを2個、3個と増やしていくと、
さらに近接となり、被写体がレンズ先端に触れんばかりとなる。
さらに増やすと、WDがマイナスになる、
これはつまり、レンズ前の、どこにもピントが合わない状態だ。
ちなみにSpace社の7.5mm/f1.4レンズの場合は、
CSアダプター2個でWDがマイナスとなる。
恐らくだが、マスターレンズの焦点距離を超える長さの
接写リングを使うと、限界を超えるのであろう。

この時の撮影倍率、つまり、写真用マクロレンズで言う所の
1倍とか1/2倍とかは、ちょっと不明だ。
いや、不明と書いたが、実はわかる。
撮影範囲を測定すれば良い。具体的には、物差しを撮影して
みれば簡単だ。このシステムだと、およそ横幅2cmx縦1.5cm
程度の範囲が写る。
ここで言う撮影倍率とは、センサー面に実寸と同じ範囲が映れば
1倍となる。例えば、フルサイズ・センサーや35mm判フィルム
であれば、36mmx24mmの範囲が写れば等倍(1倍)である。
だが、Q7のセンサーサイズは小さく、7.5mmx5.7mm程度しか
無い。ここでは、およそセンサーの3倍の範囲が写っている事に
なるので、フルサイズ換算、約3倍マクロという事だ。

けど、ちょっと計算がおかしくないか?いや、考え方は合っている
のだが、小さいセンサーで撮影した写真をフルサイズ換算に
してしまうと、たいてい大きな倍率となるのだ。
例えば、銀塩用等倍マクロをマイクロフォーサーズ機で使うと
それだけで2倍マクロだ。で、いくつかのμ4/3機では、デジタル
ズームをかけてさらに画像を大きくできる、すると、4倍、8倍、
16倍マクロなんていうのが、ごく普通に簡単に実現できる。
そうであれば、何倍とか言ったところで、あまり意味が無いと思う。
この数値を性能評価の基準としたのは、あくまで銀塩時代の話だ。
なので、前述のように「撮影倍率はちょっと不明という」風に
あえて書いた。銀塩の等倍マクロより寄れて大きくは写せるけど、
これを3倍、と単純に言って良いものかどうかは疑問だ。
そして、ここではWDが極めて短いことが問題だ。
PENTAX Qシステムは、MFの操作系に課題を抱えている。
ピーキングは精度が悪く、そしてMF拡大操作系は、AF純正レンズ
でないと使えない(MFレンズでは拡大の術が無い)
したがって、PENTAX Qシステムに一眼用レンズを装着して
MFで使うことは、この仕様では困難、と判断して、Q7用の一眼
マウント用のアダプターは一切購入していない。
だが、1つだけの例外が、このCCTV用(産業用)レンズ用の
Cマウントアダプターなのだ。Cマウントレンズのイメージサークル
は、1/3型、1/2型、2/3型あたりが主流であり、そのような小さい
センサーサイズのレンズ交換式ミラーレス機は、PENTAX Q系列
しか存在しないからだ。
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で、超近接撮影は、大変疲れる。
おまけに、Q7のMFではピントが合っているかどうかがわからない、
撮影後に再生して確認しようとしても Q7の貧弱な46万ドット
モニターではピントはわからない。加えて、どうも FUJI X-E1や
PENTAX K-01と同様に、所定の再生解像度が出ていない模様だ、
まるでプログレッシブJPEGの再生を途中で強制停止したように、
空間周波数の低い部分しか再生されていない、つまり、これらの
カメラあるいは再生系部品には、なんらかの技術的問題があって、
結果的にMFでのピント精度がどうやっても出ない事になってしまう。
だんだんイライラしてきたので、CSマウント変換アダプターを
外してしまおう、この状態でも、Q7のMF性能では、ピント合わせ
が困難だが、まあ、超近接撮影よりも若干ましだ。

結果的に今回の目論見は失敗であろう(汗)
原理上では、Cマウントレンズで、CSマウント変換アダプターを
1個または複数装着すれば、超マクロレンズになる、それは正しい。
けど、それを上手く実際の撮影で使用できるカメラが無いのだ、
Q7が最も適切だとは思ったのだが、スペック上合致するだけで
実際のフィールド(屋外)の撮影ではMFが壊滅的にNGだ。
恐らく、顕微鏡のように、スライド式の支柱にでもカメラや
レンズをつけて、完全に固定できるようにして、動かない
被写体を撮る、つまり学術(医学的)用途、あるいは産業用途
(工場での製品検査とか)では使えるが、これで普通に写真を
撮るのは無理だという事だ。
Spave社7.5mm/f1.4 および、もう1本のCCTVレンズ(未紹介)
でも、同様のスーパーマクロ撮影をやってみるつもりだったが、
それらは保留としておく、まあおよそ実用的な撮影では無いからだ。
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さて、次のシステム。

カメラは、SONY NEX-3
レンズは、MINOLTA AF20mm/f2.8 である。
ミノルタα時代のAF広角レンズ、ピントリングの幅が狭いので
恐らくは初期、すなわち1980年代後半~1990年代前半位の
レンズであろう。
本レンズは、魚眼を除き、ミノルタαの最広角単焦点レンズで
あった(ズームでは広角端17mmスタートのものがあった)
このため、ミノルタαシステムで、さらに超広角が必要な場合は、
トキナー17mmや、タムロン/シグマの14mmを装着するしか
方法が無かった。
まあ銀塩時代では20mmは超広角であったかも知れないが、
APS-C機に装着すると、換算30mm相当と平凡な広角画角
となる。

しかし、描写力としての解像感やボケ質はなかなか良いレンズだ。
思えば、銀塩時代でも評判が良かったように記憶している。
最初に本レンズの問題点をあげると、形状および操作性である。
まず形状だが、異常にレンズ口径が大きい。
例えば、同時期の同スペックのレンズ、ニコンAiAF20mm/f2.8
のフィルター径は62mmΦだが、本レンズは72mmΦもある。
しかし、レンズの前部だけ大きく、すぐに細くなるので、
妙な感じの雰囲気だ。
その異形に加えて、MFでの操作性が問題だ、初期のαレンズは
ピントリングが異常に細い、レンズの形状が奇妙な故に、ピント
リングも手探りで見つけにくく、慣れないと厳しいのだが、
そもそもこのレンズが必要な状況は現在ではあまり多くなく、
慣れようがない。
まあでも、これらは些細な問題であり、描写力そのものには
さしたる不満は無いレンズだ。

前述のピントリングの件だが、何故そこまで細いのか?
というと、ミノルタは1985年に世界初の本格的AF一眼レフを
発売したメーカーだからだ。
まあそれ以前にもコンパクト銀塩カメラではAFは普及していたし
一部に実験的にAFを搭載した一眼レフも存在はしていた。
でも、コンシューマーレベルで実用的なAF一眼と多数のAF交換
レンズ群を発売したのは、α-7000(および、続くα-9000)が
最初であったのだ。
α-9000はなかなか好きなボディで銀塩時代には愛用した、
その話は本シリーズには関係ないし長くなるので割愛するが、
1つだけ特徴を述べると「唯一のフィルム手巻き上げAF一眼」
であったのだ。
で、αシリーズでAF化に成功したミノルタは、その後は
カメラの様々な自動化を手掛ける、その極端な一例としては、
「オートズーム」(カメラが勝手にズームして適正な構図を
探してくれる)という機能だ。
さすがに現代から考えると「超おせっかい」な機能であったのだが
時代はバブル期であり、カメラの世界も「イケイケ・ムード」が
漂っていたのだ。
その時代の感覚では、MFでのピント操作なんて「古臭いもの」で
しかなかった、だからレンズも「AFレンズなのでMFは使わないで
良いでしょう?」というコンセプトで、ピントリングを極端に
細くしたという事なのだろうと思う。
でもミノルタはまだマシな方だ、一部の他社AFレンズでは、
MF操作が一切できず、AFオンリーというものもあった(!)
今から考えると、かなり奇妙な話だ。
結局「MFはやっぱり必要」となって、その後ミノルタのレンズも
世代が変わるたびにピントリングも広くなっていった。
これは昔の笑い話ではなく、たとえば現代のミラーレス機専用
レンズもその多くが無限回転式のピントリングになっている。
これは一見便利そうに見えて、その実、MF操作では最短や無限遠に
速やかにピント合わせが出来ない、つまりMFに関しては改悪だが、
これもバブル期の勘違い同様、ミラーレス用レンズではMFは不要、
というコンセプトなのだろうか・・・?

さて、余談が長くなったが、本レンズ、AF20/2.8の話に戻る。
最短撮影距離は25cmと、20mmレンズとしては(最短は20cmが
標準性能なので)これは寄れない方であり、やや不満である。
他にはあまり弱点は無い、まあ比較的優秀なレンズである。
本レンズの中古購入価格だが、1990年代に36000円と、
かなり高価であった。勿論高すぎたと思っているが、
当時はまだ新しいレンズであったのでしかたがない面もある。
で、まったく同一のレンズが、現在のSONY製Aマウントレンズ
にも引き継がれている、ちなみに定価は75600円と高価すぎる。
現代においては、まず、必要なレンズかどうかを見極めるのが
先決であろう。フルサイズでならまだしも、APS-C機では
画角的には標準ズームなどに含まれるので平凡だ。
APC-Cでは、実用的な超広角が欲しければ、10mm台のレンズを
選択するしかないという事だ。
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さて、次は今回ラストのシステム。

カメラは、LUMIX DMC-GX7
レンズは、TOKINA AT-X840AF 80-400mm/f4.5-5.6
1990年代のAF超望遠ズームレンズ。
テレ端400mmまでのレンズは当時は貴重であったと思われる。
少々重たいレンズであるが、それでも他社400mmレンズよりも
ずいぶんと小型軽量である。
古いレンズであるが、そこそこ良く写る。

本レンズの購入は、2010年頃と比較的最近。
購入目的は、ドラゴンボート撮影用予備レンズである。
ドラゴンの記事で良く書いているように、当該分野の撮影では
APS-C機で換算600mm以上、すなわち400mm以上のレンズ
が必須となる。勿論手持ち撮影であり、一箇所に留まる訳ではなく
大会会場を隅から隅まで動いての撮影であるから、できるだけ
小型軽量でなくてはならない。
で、最大の課題は過酷な環境であること、酷暑、豪雨、潮風、
砂埃等、撮影者へはもとより、撮影機材への負担が非常に大きく、
機材はいつ壊れてもおかしくなく、高価な機材を使用する事が
できない。
それでも、慣れてはいるので、過酷な環境の中でも、カメラや
レンズは壊れる直前の状態でなんとか使い続けるようにして
いて、故障に関しては、数えるほどしかない(まあ、それでも
故障はするという事だ)
まあ故障まで行かないまでも、全ての使用機材はボロボロであり、
常に予備機が必須である。
で、高価な新品レンズや新品カメラを買う訳には行かないので、
使えそうな機材があったら、中古で買っておくのが良い訳だ。

レンズを購入したのは京都の中古屋さん(現在は営業していない)
常連ではなく、それ以前にレンズを購入した事も無い小さな店だ、
まあ、常連として通っていたら、私が変なレンズ(笑)を欲しがる
のは店の方でもわかっているのだが・・
匠「すみませ~ん、そのトキナーのレンズ見せてください」
店「(店長さんは、ちょっと困った様子で)ああ、これですか・・
これねえ、ちょっと古いレンズなんですよ・・」
匠「はい」(勿論、どんなレンズであるかは知っている)
店「400mmの望遠ですが、ちょっと重いですよ、何を撮られるの
ですか?」
匠「スポーツ関連とか・・」
店「ふうむ、三脚がいると思いますよ、あと、オートフォーカスが
とても遅いです」
匠「ああ、大丈夫ですよ。何とか手持ちでMFで撮りますので」
店「そうですか・・(心配そうに)では、どうされますか?」
匠「欲しいんですが、ちょっとキズとかあるし、もう少し値段が
安かったらねえ・・」
店「では、ちょっとだけおまけしておきます、19000円で
どうですか?」
匠「はい、では、それでお願いします」
これまでドラゴンで使用していたレンズは、TAMRON 200-400/5.6
が主力である、予備機も含め現在2本使っているが、いずれも
2万円台で中古購入している。
それより小型で、2万円を切った値段であれば文句は無い。
開放f値は、変動型ではあるが、400mmテレ端では、TAMRONと
同じf5.6であり十分である。
噂によれば、本レンズは、1990年ごろにすでに設計を完了
していたが、生産されず、TAMRON 200-400/5.6の発売に触発
されて生産・発売に至ったとのことだ。定価はTAMRONが
約7万円に対し、本レンズは約9万円だったとのこと。

実際にデジタル一眼レフで使用すると(本レンズは、EOS-EF
マウントである)やはりAFの遅さは問題になると思う。
ドラゴンボートの撮影でも数回使ってみたが、AFが厳しい。
なので、MFで使うことになるのだが、ここで大きな問題が・・
これは先ほどのミノルタAF20/2.8の問題点と根幹は同じなのだが、
基本的に「AFで撮影する事を前提とした」構造になっている点が
ある。
具体的には、ピントリング、ズームリングがどちらも回転式の
操作性となっている事だ。
本レンズを実際にカメラに装着して構えてみるとわかるが、
当然レンズとボディの重心近くを左手で支える事となる。
デジタル一眼との組み合わせでは、その重心は本レンズの
マウント側のズームリング近く、この状態では手持ちのままで
指でズーム操作が可能である。ピントはAFにまかせておけば
レンズ前部にあるピントリングは操作しなくても良い。
だが、MFにしてしまうと、ズーミングとピント操作が同時に
出来ないばかりか、少しだが、カメラを持ち替えないと重量
バランスが保てない。MFではズーミングとピント操作は頻繁に
発生するので、そのたびにカメラを持ち替えているのでは
実質的にMF撮影は出来ない、という事とイコールだ。
さて、現代、ミラーレス一眼に本レンズを装着すると、
(特殊な電子アダプターを使わない限り)必然的にMF操作となる。
この時、軽量なミラーレス機との重量バランスの重心はデジタル
一眼の場合よりさらに前になり、前部ピントリングと後部ズーム
リングの中間くらい、この位置からは、カメラをホールドしながら
の両リングの自由な操作は絶望的だ。
よって、かなり頻繁にカメラの持ち替え操作が必要だ、
これは極めて不便である。
ちなみにライバルのTAMRON 200-400/5.6の場合は、
直進式ズームにレンズ先端のMFリングだ、こちらも操作性が
良いとは言い難いが、それでも(多少アンバランスにはなるが)
ズーミングとピントの同時操作が出来る(この時、右手のホールド
が重要なので、グリップのあるデジタル一眼でないと難しい)

ということで、MFでは操作性に難有りのレンズであるが、
描写力的にはあまり不満は無い。400mmを活かした遠距離
撮影では少しフレアが出る場合があるのと、解像力が少し
低下するが、価格と仕様からすれば許せる範囲だ、なにせ
取得価格は前述のように 19000円であったのだ。
現代において必要なレンズかどうかは少々疑問であるが、
現代の一眼用超望遠ズームはいずれも重量級だ。
AFの遅さを抜きとすれば、デジタル一眼で本レンズを使うのは
さほど悪くはない。なお、ミラーレス機では(まだ高価では
あるが)300mm級、400mm級のズームレンズも出できて
いるので、そちらの方がはるかに小型軽量で実用的であろう。
さて、今回はこのあたりまでで、次回記事に続く。