安価な中古ミラーレス機に、マニアックなレンズを組み合わせ
コスパの良いアダプター遊びを楽しむシリーズ、第59回目。
今回はまず、このシステムから、

カメラは、LUMIX DMC-GX7
レンズは、TOKINA Reflex 300mm/f6.3 MF MACRO である。
本レンズは、2012年発売という、比較的新しいμ4/3専用マウント
のミラー(反射)レンズであり、旧来のマウント互換性の高かった
ミラーレンズとはちょっとコンセプトが異る現代風の製品だ。
つまり、旧来のミラーレンズの場合、その構造上、絞り制御も
電子接点も不要なので、以前は同じミラーレンズが一眼レフ用や
ミラーレス機用の各マウントで発売されているのが普通であった。
本製品の、専用マウントであるメリットとしては、電子接点を
通じ、ボディにEXIF情報、例えば、開放f値と焦点距離を伝える
ことができるし、さらには、MFレンズでありながら、撮影距離
までもボディに伝える事ができる。(EVF内に撮影距離をバー
グラフで表示する事もできる)勿論手ブレ補正情報入力も不要だ。
加えて、本レンズの最大の特徴として、MACROの名の通り、
最短撮影距離は極めて短い80cmであり、撮影倍率が1/2倍の
準マクロレンズとなっている。

確かに、びっくりするほど寄れる、80cmというと、そこそこ長い
距離だが、換算600mmという焦点距離の効果で、予想を上回る
大きさで被写体が写る。
ミラーレンズというと、最短撮影距離が非常に長いものが多く、
寄れないことでストレスになる場合が多い。
だが、本レンズは「いくらでも」という感覚で寄れるので
かなり楽しい。
一般的には、望遠レンズの場合に最短撮影距離が長いと被写体を
探すのが難しくなる、そして、その際の目線も「遠距離目線」
となるのだが(=遠くの被写体にしか目が行かない)
望遠マクロレンズの場合は、その焦点距離の長さは、さほど問題
ではなく、近距離から遠距離までターゲットとする「マクロ目線」
としてレンズを扱う事が出来る。
まあ、本レンズも望遠マクロと言っても良い仕様であろう。
望遠マクロというと、第23回のマクロアポランター125/2.5SL
第27回のSIGMA APO Macro 180mm/f2.8が紹介済みで
あるが、これらのレンズは大きく重いのが弱点であったのが、
本レンズは小型軽量である。
それから、MFでの操作・設定上の注意点であるが、
GX7は、私は通常はMFレンズのつもりでピント操作をするのだが、
カメラは本レンズをAFレンズとして認識するので、「AF+MF」の
モードやMFアシストONに設定してあると、純正レンズのように、
ピントリングの操作に連動して自動的に拡大モードになる。
だが、毎回勝手に拡大されるのも構図確認が出来ず不便だ、そこで、
アダプター使用時の操作系と同様に、十字キーの左のみで手動拡大
できるように設定を変更した。この設定であれば、AFレンズ使用時
にも、左ボタンは、フォーカスエリア設定に自動的に切り替わる。
このあたりは、μ4/3の初号機 DMC-G1から続く、伝統的な優れた
操作系である。つまり、拡大操作系でのボタン操作が最小限で済む
事や、AF,MF(アダプター)の各々のレンズを付け替えた時でも、
何も設定をしなおす必要がなく、加えて無駄になるボタンが無い等
このあたり、DMC-Gシリーズでは非常によく考えられていて、
他社のミラーレス機の追従を許さない。
本レンズの弱点として、f6.3固定であり、被写界深度の調整が
効かない事がある(他のミラーレンズも同様だ)でも、これも
GX7やG5/6等のデジタルズーム機であれば、より遠くから
撮影しつつ、デジタルズームで構図を拡大方向に微調整すると、
実質上、被写界深度を深くできる、という裏ワザが可能である。

ミラーレンズであるので、特徴的なリングボケが発生する。
リングボケは、長所でもあり短所でもある。
長所としては、そのボケを作画表現に用いる事ができる事、
短所は、背景がうるさく見え、うっとうしい事だ(特に、ミラー
レンズというとリングボケを出した写真ばかりになり、余計に
これみよがし感が強い)
私個人的には、なるべくリングボケを出さないようにして撮るケース
が多い。その理由であるが、リングボケは基本的に逆光条件で
出るのだが、殆どのミラーレンズは逆光耐性が良く無いからだ。
本レンズも同様であり、逆光にかなり弱く、フレアが出る。
一応ちゃんとした専用フードが付属しているが、今回は逆光耐性
チェックの意味もあり装着していない。だが、このレンズの場合は
基本的に常時装着した方がベターであろう。小型軽量のメリットは
若干失われるが、フードは勿論逆付けして収納できる。
(ただしピントリングを廻さないと嵌らないので若干面倒だ)
ミラーレンズというと、ガラスレンズに比べて描写力に劣るものが
多い。過去、本シリーズ記事でも何本かのミラーレンズを紹介して
いるが、いずれも描写力には問題有りであった、
第9回記事の、KENKO 400mm/f8
第20回記事の、MINOLTA RF250mm/f5.6
第32回記事の、TAMRON 500mm/f8
が、それである。
ところが、本レンズはミラーレンズながら、なかなか良く写る
レンズである。

これはなかなか便利なレンズだと思う、レンズ全長は66mmと
短く、重量は300gを切っていて、300mm望遠レンズとしては
信じられない程小型軽量だ。
おまけにフィルターが使用可能だ、通常の55mmΦねじ込み
の任意のフィルターが装着できる、これはミラーレンズでは
他に無い特徴だ。f6.3であれば、GX7の1/8000秒シャッター
では、速度オーバーになるケースは殆ど無いので、減光
フィルターは装着する必要は無いが、保護フィルターは
常用するのも良いであろう。
これでもう少し描写力が良ければ文句無しだが、まあそれは
ミラーレンズとしては、非常に頑張っている方であるので
やむを得ないと思う。
本レンズの中古購入価格だが、2010年代に18000円であった、
この価格であれば、コスパは良いと思う。
ちなみに、新品でも30000円程度と、さほど高価では無い。
ミラーレンズは銀塩時代から色々あるが、本レンズはそれらとは、
ずいぶんとコンセプトが異なるレンズだ。
現代風ミラーレンズとして、必携の1本かも知れない。
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さて、次のシステム

カメラは、RICOH GXR
ユニットは、A12 28mm/f2.5である。
しばらく登場していなかったが、使っていない訳ではなく、
というか、むしろ良く使う方のカメラである。
その理由は2つあって、GXR用のユニット(レンズ+撮像素子)
は、他のミラーレス機等では絶対に使えないので、ともかく
GXRで沢山撮って減価償却する(元を取る)必要がある事。
それと、もう1つは、GXRは2009年に発売、その後7年を経過
しているので、性能的な老朽化が厳しく、できるだけ早く使い
潰さないと、数年後では、たとえ壊れず動作していたとしても、
他のカメラに見劣りして使えなくなってしまうからだ。

今回使用しているユニットは、まずA12ということで、これは
APS-Cサイズ撮像素子の1200万画素である事を示す。
まあ、今となっては当たり前のスペックか、画素数的には
他のカメラと比べると少々見劣りする。これでも2009年
当時はこうした小型のボディにAPS-Cセンサーを搭載している
機種など無かったのだ(注:NEX-3/5は、2010年発売)
これがつまり、性能的老朽化とう事であり、たったの数年で
周囲の新型カメラが皆、恐ろしく進化してしまうので、相対的に
使えないカメラとなってしまうのだ。
これがあるから、高価な新品デジタルカメラを買ってはならないと
思っている、それを大枚叩いて買ったところで、2世代ほど新型の
カメラが出る頃には、古くて使えない、と思うようになるであろう。
だが、私の場合は、常に数年前の中古カメラを買う事にしているので、
GXRの古い仕様であっても、特に問題なく使えている。
本システム(GXRと28mmおよび50mmマクロ)は、発売当初から
欲しかったのだが、しばらくは高価すぎて手が出なかった。
しかし、近年、かなり相場が下落してきたので、2015年に
それらを購入した次第であった。
レンズは、28mmも50mmマクロも描写力には非常に定評がある。
ただ、ピントが合えば・・の話である。
近接撮影やら被写界深度が浅い、被写体が小さい時や絵柄によって、
AF精度が極めて悪くなる(というか、ピントが合わない)ケースが
頻発する。
そして、背面モニターの解像度は低く、別売EVFの解像度も同様に
低く、かつやや高価(EVF搭載ミラーレス機が買えてしまう)
さらに拡大操作系も良く無いことから、総合的に、MFで撮るという
選択肢は無い。
万が一(汗)AFが合ったら、その時は、A12型ユニットは
どちらも大変良く写る。

レンズの焦点距離は28mmと書いてあるが、これは銀塩換算
であり、実際の焦点距離は18.3mmである。
最短撮影距離は20cmと、焦点距離からすれば標準的だが、
GRシリーズ等で「寄れる」印象のある、RICOHのカメラで
あるから、もう一声最短撮影距離が短ければよかった。
ただまあ、それでますますピントが合わなくなるのであれば
このあたりまででも十分ではあるが。
総合的に、画質、ボケ質、逆光耐性など、いずれも問題ない、
欠点はただ1つ、ピント問題のみである。
それと、実焦点距離にしては被写界深度が浅すぎるように思う
点が少々不思議である(iいずれ詳しく検証してみよう)

本システムの中古購入価格だが、2015年時点で、GXR本体が
1万円台前半、A12 28/2.5 が26000円程度。
2016年現在、相場はさらに下落傾向、本体は1万円強、
A12 28/2.5は2万円台前半で購入できるであろう。
すると、このセットで3万円台中ほどの価格となる。
APS-C機で、28mm相当というとRICOH GR/GRⅡがあるが、
初代のGRの中古相場が4万円からなので、まだこちらの方が
少し安い。ちなみにGRの方がGXRより新しい為、最短撮影距離は
10cmに短縮され、ISO感度もGXRの3200に対し、
GRはISO25600と、雲泥の差だ。
これをどう見るかで違うのだが、まあ、一般的にはGR(Ⅱ)の方
が使いやすいであろう。さらに言えば、GRの方が今後長く使える
可能性が高い。
ただ、私個人としてはユニット交換のできるGXRの方が楽しいと
見て、GRを選択しなかった訳だが・・
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さて、次のシステム

カメラは、PENTAX K-01 このカメラも(GXRと同様に)構造・
仕様上、AF/MFとも致命的と言える弱点を抱えている。
今回使用するレンズは、KENKO ピンホールレンズ 02
ピンホールなので、ピントを合わせる必要が無い訳だ、
ピント合わせの苦手なK-01に、これほどマッチするレンズは
無いであろう。
だが、本レンズを購入する前に、2つのチェックポイントが
あった、これを事前に確認しないと買う訳には行かない。
その1「暗いレンズなので(手持ちで)撮れるのか?
(あるいは、ファインダーが真っ暗にならないか?)」
その2「一眼レフ用との事だが、何らかのミラーレス機(K-01で
なくても良い)に、装着可能か?」
そのあたりの詳細は後述するとして、まずは写り。

さすがにピンホールレンズ、ボケボケの写りだ(汗)
でも実は、これはピンホールの中では画質的には良い方である。
例えば、第3回記事、第46回記事で紹介したRISINGと比較して
みれば一目瞭然だと思う。
あと自作のピンホールレンズがあった筈なのだが、10年以上
前に作ったので、どこかへしまいこんで見つからない、
そして、自作のそれも、たいした写りではなかった。
(つまり、自作では小さな真円の穴を開けるのが難しいのだ、
そのあたりを適当にしてしまうと、画質への影響が大きい)
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では、このレンズの購入前に確認した事の詳細だが・・
第1の問題、暗いという点であるが、仕様ではf値が250という
事で、これで手持ち撮影が可能かどうかを検証してみよう。
まず、フィルム時代に常識的に言われていた事であるが、
晴天時、ISO100のフィルムを使用して、絞りをf16にした時、
シャッター速度は100~125分の1秒となるという、露出あわせ
のテクニックがある、これを知っていれば、露出計が無くても
写真が撮れたのだ。
で、ピンホールのf値はf250だが、ちょっと数字が半端なので
技術計算でお馴染みの数字のf256と仮定しよう、するとこれは
露出の段数で言うと8段違うと言う事になる。
そして、8段分の露出差をカバーするには、ISO感度も同様に8段
上げる、すなわち、この計算は2の8乗で、100を256倍すれば良い、
結果はISO25600があればOKという計算だ。
手持ちのミラーレス機の中では、PENTAX K-01がAUTO ISOの
ままでISO25600まで上がるのでこの目的にはぴったりだ。
それに、AF/MFともピント合わせに弱点を抱える K-01だ、
ピント合わせが一切不要なピンホールレンズは最適であろう。
あとはマウントの問題だ、調べると「Pマウント」と書いてある。
「あれ KENKO のこの手のレンズは、昔から ”Tマウント”では
なかったっけ? で、Pマウントって何だっけ?」
さらに調べると、ネジ径42mmΦ ピッチ1mmという仕様だ。
「なんだ、M42スクリューマウントでは無いか」
そうであれば、PENTAX 純正の「マウントアダプターK」で
KマウントをM42に変換できるし、他のミラーレス機に装着する
場合も、各々M42アダプターは持っているので大丈夫だ。
ちなみに、Tマウントの仕様は、ネジ径は42mmΦでPマウントと
同じだが、ピッチが0.75mmだ。両者を混在して無理にネジ込もうと
すると、ネジ山を潰してしまったりするので、やってはならない。
あとはフランジバックか・・Kマウントに装着できるのか?
このピンホールレンズの焦点距離は50mmという事だが、そもそも
これはレンズで無いので、ともかく付けさえすれば良い。
この焦点距離は一眼用のアダプターを使った時の数値だと言う、
するとニコンで46.5mm、EOS(EF)で44mmがフランジバック値
なので、各々3.5mm,6mmの調整をしているのであろう。
PENTAX Kマウントは、フランジバックが45.5mmなので、
ニコンとEOSの中間だ、すると4.5mm程度は奥まって装着する
事になるが、元々ピンホールは焦点が無いパンフォーカスなので、
とりあえず付きさえすれば問題はなさそうだ。
なお、この時の仮想焦点距離は45mm前後、APS-C機の場合での
銀塩換算画角は68mm前後と、ピンホール的撮影の用途にはやや
狭いと思われるが、まあやむを得ない、フランジバック長と
センサーサイズで画角は決められてしまうのだ。
ちなみに、この時のf値は計算上では45mm÷0.2mmでf225となる。
・・ということで事前の計算上では、すべて問題無いと判明。
なので、本レンズを購入してみよう、付属品として一眼レフ用の
アダプターが別売されているが、それは不要と思われる。K-01に
でも他のミラーレス機にも、そのままでM42アダプターで装着すれば
良い。

実際に撮ってみると、AUTO ISOは12800または25600の
間でシャッター速度は、1/60秒または1/125秒で推移している、
これは計算どおりであり、手持ちで十分に撮れる。
背面モニターにも(多少ノイジーで動きも遅いが)画像が
しっかり写り、構図の確認が楽だ(ちなみに、一眼レフの
光学ファインダーでは、真っ暗で画像が見えない)

上記は晴天下の話であり、やや暗い場所となると、
(ISO25600が上限なので)シャッター速度がどんどん低下
してくる。でも、経験上、屋外でのシャッター速度の低下は、
暗所でも8倍までだ、すると、1/15秒というあたりまで落ちる
事になる。
換算画角が68mm前後、すなわち基準手ブレ限界シャッター速度
は、1/60秒となる、まあ、1/30秒は1段落ちなので、しっかり
構えていれば問題ない、が、1/15秒となると2段落ちなので、
EVFの無いK-01では、カメラを体に密着すると構図がわからなく
なるので腕を前に伸ばして撮影せざるを得ず、例えば肘をどこかに
固定するなどしないとちょっと苦しい。
だが、K-01には手ブレ補正機能が内蔵されている、よって、
手ブレ補正をONにすれば、1/15あるいは1/8秒までシャッター
速度が落ち込んでも撮れるであろう。
問題は手ブレ補正をONにすると、電源ONのたびに、うっとうしい
焦点距離入力メニューが出てくる事だ。けど、幸いにして
K-01では簡単な操作系で、手ブレ補正のON/OFFが出来るので
少し暗い被写体で手ブレ補正が必要な時のみONにすれば良い。
その際の焦点距離だが、K-01のフランジバック長と同等の
45mmに設定しておけば良いであろう。(一度設定しておけば
電源を切っても値を保持している)

あと、問題点としては、これはどのデジカメでも同様だが、
レンズを絞り込むと(f値を大きくすると)撮像素子上の
ゴミが写ってしまう事だ。
本ピンホールレンズは、f225と大きい値なので、ゴミがあると、
たちどころに黒い点として写り込んでしまう。
私の場合、デジタル一眼やミラーレス機で、屋外でのレンズ交換は
できるだけしないようにしている、よって、幸いK-01も、あまり
ゴミがセンサーには付着しておらず、黒点は最小限で済んでいた。
まあでも、ちょと気になる2~3個程度の黒点は、今回はレタッチ
(スタンプツール)で修正している。
本レンズの購入価格だが、2010年代に新品で3000円程であった、
ボディキャップを用いて自作すれば、かなり安価に出来るので、
自作派からすれば、少々高く感じる値段かもしれないが
穴(ピンホール)の精度は自作より格段に高いと思うので、
興味があれば新品で買ってしまうのも良いかも知れない。
ちなみに、すべてのカメラで快適に使用できるものでは無い、
一眼ではファインダーが見えないだろうし、多くのミラーレス機では、
AUTO ISOはあまり高感度に行かないので、手動ISO設定が
必須となる。それでも手ブレにも注意する必要があるし、
さらには、センサーのゴミも結構うっとうしい。
写りも基本的にボケボケなので、何をどう撮りたいか、良く
考える必要がある。
総合的に、なかなか難しいレンズではあると思う。
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さて、次は今回ラストのシステム

カメラは、NEX-7
レンズは、OLYMPUS OM-SYSTEM G.ZUIKO 55mm/f1.2だ
1970年代~1980年代のOM用のMF大口径標準レンズ。
Gの意味はレンズ構成で、これは6群7枚レンズだ。
ちなみに近年のM.ZUIKOは、μ4/3用レンズという意味であり、
Mの文字に、レンズ構成を示す意味は持たせていない。

描写力は、ちょっと古臭いイメージもある。
すでに、オリンパスの標準レンズとして、
第26回記事で、OM50/1.8
第43回記事で、OM50/1.4を紹介している。
うち、本来であれば最も描写力に優れるのは、OM50/1.8で
あったのだが、ジャンク購入品で、残念ながらカビが繁殖して
本来の描写力を発揮できなかった。
また、OM50/1.2という大口径レンズも存在するが、そちらは
所有していない。(本レンズのリプレイス版だと思われる)
この時代、f1.2の大口径レンズは、50mmmと言う焦点距離では
実現しずらく、55~58mm程度の、ちょっと長めの焦点距離に
なってしまう事が殆どであった。
本レンズも後玉を見ると、パツンパツンで、これ以上大きくすると
マウントに入らないギリギリの大きさであるように見える。

絞り開放とかだと、描写が甘いというケースもあるため、絞って
使う事も多いレンズである、しかし、そうであれば、せっかくの
開放f1.2が活かせない。
まあ、この当時(1970年代)は、各メーカー間の大口径開発競争
もあって、f1.2版は「とりあえず作ってみました」という要素も
大きいレンズである、つまり設計に無理をしているという事だ。
f1.2版は、勿論他の標準レンズに比べて高価であったであろう、
「高いから良いレンズであろう」と期待して買うユーザーを
裏切る事になるのだが、これはいつの時代でもそういうもので、
「高価であるから良く写る」という公式は成り立たない。
まあ、それでも、f1.4版よりほんの僅かに明るいという長所を
活かし、暗所での撮影に適したという触れ込みであったのかも
知れない。
現代のミラーレス時代においては、ISO感度設定の自由度も高く、
f1.2の必然性が殆ど無いが、勿論、浅い被写界深度を活かした
ボケ表現は得意なレンズである。

ISO感度の自由度が高いと書いたが、NEX-7の最低ISOは
100であり、最低感度にしても、最高1/4000秒のシャッター
では、日中では多くの状況で絞りを開けることができない。
よって今回は、ND8減光フィルターを装着している、
これでもシャッター速度オーバーになるケースは稀にあるが、
まあ多くの状況で、絞りをフルレンジで使用できる。
カメラの性能として、超高感度よりも、超低感度が欲しいと
以前から思ってはいるが、なかなか低感度機は開発されない。
そういうものを必要としているユーザー層が少ないからだとも
思うが、それにしても低感度化は開発陣から無視されすぎて
いるようにも感じる。
描写力はやはり総合的にやや劣る、絞りを開けると解像度が
低く、ボケ質破綻も発生しやすい、逆光耐性はそこそこ良いが
安心は出来ず、様々なオールドレンズの弱点全てに気をつかい
ながら撮影する必要がある。
重量も310gと、小型軽量を謳ったOM-SYSTEMにしては重く、
50/1.8の2倍近くの重さがある、全体に大柄だが、それでも
フィルター径を55mmΦに抑えているのは、当時のオリンパスの
標準化思想によるものだ(多くのレンズを、49mmΦ、55mmΦで
統一している)
また、最短撮影距離も45cmと、他の標準レンズと同じレベル
に抑えているのはさすがだ、普通、f1.2級標準レンズの最短は
60cmくらいまで伸びてしまう事が殆どなのだ。
銀塩MF時代、下手をすると製品ラインナップの差別化の為に、
低価格帯のレンズはあえて最短撮影距離などの性能を落として
いると思われるケースもあった中、こうしたオリンパスのユーザー
利便性を最優先する設計思想は立派である。
なお、現代のデジタル時代でも、最短撮影距離では無いが
カメラの画像処理エンジンの機能制限をして低価格機との
差別化をしているケースも見受けられ、ユーザー視点としては、
ちょっと面白くないと思う時もある。

本レンズの中古購入価格だが、1990年代に20000円であった、
これはちょっと程度が悪いものを値切ったので、当時としても
相場よりかなり安かったと思われる。
現代では玉数が少なく、レア品である故に「時価」となるで
あろう、5万~6万円という高値で取引される例もあると聞く。
ただ、その値段では、勿論の事コスパが極めて悪い、
単純に性能から許容できる価値としては、やはり2万円迄だ。
値段が高いから、とか、開放f値が明るいから、と言って
良く写る高性能なレンズである訳ではない。
まあ購入当時は、第一次中古カメラブームであったので、
ついついノリで買ってしまったレンズではあるが、現代で
あれば仮に見つけても興味を持つことは無いであろう。
それだったら、(カビてしまった)OM50mm/f1.8を買いなおす方が
先決だと思っている。その価格は1000円であったが、ジャンクだと
必ずカビているという訳でもなく、むしろ問題なく使えるレンズの
方が多いくらいだ、今度3000円程度でレンズに問題が無いものを
見つけたら買っておこうと思っている。
文字数限界につき、次回記事に続く。