2016年6月19日(日)に大阪府高石市「大阪府漕艇センター」にて行われた
「第6回堺泉北港スモールドラゴンボート大会」の模様より、中編。
前編では、「市内の部」のカテゴリーについて観戦記事を書いた。
本大会は、一種の実力別カテゴリー分けとなっていて、「市内の部」は、
地元ビギナーチームが中心のカテゴリーだ。
とは言え、近年ではドラゴン専業チームに匹敵する実力を持つ強豪チーム
も育ってきていて、下位カテゴリーとは言っても非常にハイレベルだ。
さて、今回中編では、ドラゴン専業チーム用の2つの上位カテゴリーの
「混合」、「オープン」のうち、「混合の部」の模様を伝えていこう。
ところで、冒頭の写真は、コントラストが低いように見えるが、これは
雨が強くなってきたからだ。
この日は朝から小雨模様、断続的に降ったりやんだりしていた、
しかし昼を過ぎるころから、雨脚が強くなってきた。
これは午前中でなくて、ある意味幸いだ。
午後は、雨にも慣れたドラゴン専業チームばかりだ、なにせ毎年、
必ずどこかの大会は雨となる、1年のシーズンを通じて、すべて晴天
に恵まれた年など、ここ十数年見ていた中では無かったように思える。
まあ、今の現役選手達も、最低でも数年は漕いでいるベテランばかり
である、雨が降ったくらいで驚くような人は誰も居ない・・・
が・・
皆、やっぱり雨には濡れたくないわけね(笑)
屋根のある建物の軒下で、満員電車のようにスシ詰めになる選手達、
どうせこれからレースをやってびしょ濡れになるので一緒だろう、とは
思うのだが、まあ、とはいえ一応はスポーツ競技だ、体温低下などで
身体的パフォーマンスが落ちるのは避けなくてはならないであろう。
こちらは、「チームBANANA」の選手達。
なんでも、誰かの海外のお土産で「BANANA BOAT」という名前の
日焼け止めクリームを貰ったので、喜んでいる模様。
しかし、この雨のなか「日焼け止め」が必要なのだろうか?
しかも、これを塗ると真っ白になるみたいだし・・・(汗)
B「ほら、名前がいいでしょう? バナナボート!」
匠「はあ・・ でも、それ、今塗らないといけないの?(笑)」
・・で、この後、ますます雨は強くなってきた、
ザーという音とともに、かなりの雨量。
これが、豪雨の状態で撮った写真。
これは、400mm望遠だ、APS-Cサイズ(1.6倍相当)の、EOS
デジタル一眼なので、640mmくらいの換算画角だ。
撮影距離は100mくらいか? つまり、被写体との間にかなりの距離が
あり、大量の雨粒が空中に浮いている、それが邪魔になってまともに
写らないのだ、これは勿論、どのような(高価な)撮影機材を使っても
防げない。
そして、そもそも今日は雨天が予想されたので、撮影機材は、
雨に濡れても良い、すなわち最悪壊れても良いような、安物ばかり
を使用している。
雨が降ると選手達は皆
選「匠さん、そのカメラ、防水?」
と聞いてきて、心配してくれるのだが、そのたびに
匠「いえ、でも雨用の安物ですから・・」
と答えている。
選「でも、この雨の中、写真撮れるのですか?」
匠「う~ん、遠距離は無理ですね・・」
ということで、まあ、レースの模様が撮れなくても、選手のスナップ撮影
等は、まだ可能なわけだ。
ちなみに、どれくらい濡らしたらカメラが壊れるかはだいたい承知している、
今回も、カメラの液晶部に水が入り、曇ってきてしまった、こうなると
危険信号である、その時点で乾いたタオルなどで水分をよくふき取り、
しばらく休ませる。本体内部、液晶やレンズ内部等の曇りはその時点では
完全には乾かないのだが、家に帰って数日間自然に乾かせばまず大丈夫だ。
しかし、電子回路の故障、レンズなど光学系ではカビ発生等の原因にもなり、
かなり危険な状態である事は確かだ。
実は、今日持ってきている LUMIX LX3というコンパクトのデジカメは、
数年前の琵琶湖ペーロン大会でのゲリラ豪雨で、背面モニターが浸水で
真っ白に白濁するまでのダメージを受けた、そこから自然乾燥により完全
復活するまで1週間を要したのだが、それでも、その後問題なく使えている。
それよりも、このコンパクト機はフードを装着しにくい(持っていない)
のが難点で、撮影前に構えたほんの一瞬の間にも、レンズ前部に雨粒が
ついて、写真の一部が滲んでしまうことが多発する。
他の一眼レフ2台(望遠、広角レンズをそれぞれ付けている)には、
各々フードを装薬している、フードは、晴天時にはハレーション(光線)
対策、雨天ではレンズ前に雨粒がつくことを防いでくれる。さらに言えば、
ドラゴン撮影の現場では随時色々な場所に移動するのでレンズがどこか
にぶつかるなども日常茶飯事だ、仮にハードな衝撃を与えるような事に
なった場合でも、フードがあれば、ある程度ショックは吸収してくれる。
まあでも、基本的に私は雨中の撮影は慣れてるし、前述のように、
壊れても良い機材ばかりなのであるが、そもそもドラゴン大会の
撮影環境はとても苛酷だ、
高価なカメラを(自慢がてら)平気で持ってくるようなビギナーカメラマン
とかには、決して、雨中や、酷暑、潮風、砂埃などが常であるドラゴン撮影
は推奨できない。
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しかし、雨が酷い・・
まあ、強風になったり雷が鳴ったりしない限りは、大会は中止になる事は
無いとは思うが、望遠撮影が効かない現状では、なかなか厳しいものがある。
ん・・・ この雨の中、大阪協会スタッフのKさんは、傘も指さずに頑張って
いる模様だ。
匠「おや、Kさん、大雨なのに、あんまり濡れてませんね・・」
K「あはは・・ ハゲてますねん」
それはハゲではなくて、スキンヘッドだと思うが・・
しかし、さすがに生粋の大阪人、とっさの自虐ネタは見事なものだ。
さて、どうしたものか・・
「混合の部」の1回戦は既に始まっている、けどまあ、レースの模様は
2回戦を撮っても良いし、今、雨の中無理に撮ってもしかたないであろう。
選手の中には、スマホで「高解像度レーダー(ズームレーダー)」の
画面を見ている人もいる、このレーダーは詳細な雨雲の状況が見えて
便利だが、過去データが中心で、未来については1時間後までしか
予測されない。「雨雲レーダー」であれば、数時間先まで雲の状況が
予測できるが、実際に雨が降るかどうかという点では、あまり精度は
高くないし、高解像度の方よりも地域のメッシュがだいぶ粗く、
ピンポイントの地域の天候は分かり難い。
選「匠さん、ほら、ここ(高石市)あたりに、雨雲が出たり出なかったり
不安定みたいですね、これではいつ雨がやむか、わからないなあ」
匠「そうみたいですね、今日はもう1日中、降ったりやんだりかも」
こちらは放送席、解説はベテランのOさん、
和歌山や大阪の各ドラゴン大会で、もうかなり長い期間ドラゴンの
解説をしている方だ。
地元のビギナーチームなどは次々に新しい聞きなれないチーム名が
出てくるので、MC(アナウンサー)はなかなか大変だが、ここからは、
お馴染みのドラゴン専業チームばかりだ、
実況を聞いていると、予選1回戦、「TEAM BANANA 利休」が調子が
良さそうだ。ちょっと様子を見てみよう。
う~ん、まだ雨が強い、おまけにレンズ(フィルター)も結露で曇って
しまっている、保護フィルターと前玉の間の空間と外気の温度差が
大きい模様だ。フィルターを外して、しばらく置いておこう。
「TEAM BANANA」だが、今回は2チームをダブルエントリー。
それぞれ「利休」「羽衣」とサブネームをつけている。
「BANANA」クラスのベテランチームの多くは、本来の20人漕ぎ
の大会に対応できるようにメンバーを揃えている、したがって、
10人漕ぎの大会の場合は2チームを参加させる場合も多い。
本大会でも、混合の部では「BANANA」の他、「すいすい丸」
「吹田龍舟」が、ダブルエントリーだ。
また、オープンの部でも、「bp」「TEAM河童」「近畿車輛電龍」が
ダブルエントリーしている。
今回、ちょっと変わったパターンは、「Rスポーツマンクラブ」で、
オープンと混合の2カテゴリーにダブルエントリーしている。
なお、近年、ダブルエントリーの際に、識別のサブネームは、
ユニークな名前をつけるチームも増えてきている、
前述の「TEAM BANANA」の「利休」「羽衣」もそれだ。
そういえば、サブネームの草分けとなった「関西龍舟」は、
今回の大会は不参加であった、どうしたのだろう?
まあ、強豪の「関ドラ」の欠場で、今回の大会での「混合の部」は、
各チームの実力が極めて近接していて、上位入賞チームの予想が
非常に困難な状況だ。
それゆえ、予選1回戦のタイムを参考にする事は極めて重要だ、
好調な模様の「TEAM BANANA 羽衣」のタイムは、56秒44、
これが1つの基準となるであろう。
直感だが、今回のように実力伯仲の状況だと、各チームは数秒以内の
タイム差しかつかないであろう、すると、だいたい、56秒~59秒の範囲に
各チームが集中すると思われる。本カテゴリーでは、2回戦の合計タイム
で決勝進出が決まるので、2レース平均の上位が、およそ57秒台までが
決勝進出の条件となるだろう。
けど、2回戦合計制はなかなか厳しいルールだ、例えば、1回戦でちょっと
出遅れて 58秒台だったとする、予想される決勝進出平均タイムは
57秒台であるので、2回戦で挽回するためには、56秒台を出さなければ
ならない。
が、このタイムは、混合の部では、ベストに近いタイムとなるだろう。
したがって、1回戦でちょっとミスった時点で、それを取り戻すのは既に
困難な状態であり、著しく不利な状況に陥ってしまう訳だ・・
B「今日はなかなか調子が良いな、引き続き頑張ってくれたまえ」
・・そんな会話がなされているような雰囲気だが、実は何を話して
いるのか知らない(汗) まあ、本日好調の「BANANA」であるから、
そんな風なイメージの写真が撮りたかったのだ。
ちなみに、後で出てくるが、「TEAM BANANA」関連で、もう1枚、
ちょっと仕組んだ写真を撮っている。
よく、銀塩(フィルム)時代から写真を撮っているベテランのアマチュア
カメラマンが、「写真とは、真を写すものだ」という言葉を良く使うが、
実は、現代の写真では、そういう事はカケラも無く、ほどんどが撮影者が
ある意思(意図)を持って撮った映像なのだ。これは「真を写す」とは、
まるっきり逆の方向性を追っているようなものである。
その事に気がついたのは、10年ほど前に何度か「報道写真展」を見に
いった時であった。
「報道」といえば、ガチガチに真実を写すような世界だと思っていたのが
実際には世界各国の報道カメラマンが撮った写真は、あきらかに撮影者が
その映像を見る人に対して、何らかのメッセージを込めたものであった。
悲惨な戦争や災害のシーンを写しながらも、その中でも笑っている子供達
を撮るのか、悲しんでいる人達を撮るのか、そういう選択で、撮影者の
意図するメッセージはまるで変わってくる。
そして、そういうレベルはまだ序の口だ、中には、その現場の状況からは
まず有り得ないような、何らかの強い撮影者の意図を打ち出した写真も、
多数(というか、殆どそうだ)あったのだ。
そこには受動的に「真実を写す」等と思えるような写真は1枚も無かった。
その事実は「写真」というものの概念を理解する上で非常に重要な事だ、
今回はドラゴンの記事なので、これ以上の詳細は長くなるので割愛するが、
例えば、ドラゴン関係者が上の写真を見れば、見る人全てが、好調な
チームの選手を激励しているようなイメージを持つ事であろう。
でも、もしかしたら、このシーンは、
「今日、レース終わったら、飲みにいくか?」といった話をしているの
かもしれない(笑)、だが、その真実はどうでも良い、そして写真を見る
側の人が色々と想像する、という要素も多々ある。いずれにしても
「写真は真実を写すもの」では、まるでなく、むしろ、撮る人の意思(意図)
をどのように映像的に反映するのか、というものである事がわかると思う。
雨も小降りになってきて、レンズの曇りも直って復活してきた。
ところで、実は、レースの写真も、「真実を写すもの」ではない、
レースを撮ろうとする際、まず「組み合わせ表」を見て、参加する
チームを知る、常連チームばかりのレースの場合は、それぞれの
チームの実力値はわかっているので、スタートからゴールまで
どのようにレースが展開するかは、長年のドラゴン観戦の経験から、
ほぼ確実に予想する事ができる。
つまり、スタートから、序盤、中間地点やゴール前で、各々のチームの
艇が、どのような位置関係になるのかが、だいたい事前にわかる訳だ。
まあ、年間約十大会の観戦、各大会は数十レース、それを十数年も
続けていれば、少なく見積もっても、5000レース以上を観戦している
ので、そういう事がわかるという訳だ、つまり経験値から来るものだ。
そのレース展開と、撮影ポイント、撮影するカメラのレンズの画角、
等を考えると、画面内に、どのように各チームの艇が入るかは、
レースが始まる前に予想がつく、ならば、そこで必要なことは、
「その写真を、どう見せたいのか?」という点だ。
それがレース写真における最も重要な事だ。
今回の「混合の部」のカテゴリーは、「実力伯仲・混戦模様」である、
だから、写真もそのように撮る必要がある。
決して、好調なチームが他のチームを引き離しているような写真を
撮ってはならないのだ、そうでないと、今回のこのカテゴリーの特徴
の説明にならない。
できるだけ、ごちゃごちゃとチームが密集しているような瞬間を狙って
(というか、あらかじめ事前に予想して、撮影ポジションを決めて)
撮らなければならない。
まあ、それが、「写真とは真を写すものではない」という事なのだ。
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さて、予選では、「BANANA」の他、「すいすい丸」の2チームも好調だ、
だが、その事も、予め予測はできていた。
なにせ、近年の「すいすい丸」の成長は甚だしく、練習量も凄いし、
強豪チームの元へ遠征しての練習もあると聞く。
勿論、モチベーションも高い、それらにより、各地の大会での入賞・優勝
という結果にも結びついている。
さらには、昨年末に「京都府ドラゴンボート協会」も発足した所であるし、
「すいすい丸」は、数少ない京都府南部のドラゴン専業チームとして、
今後、その中核的役割を担うべきである、という意識もある事だろう。
「すいすい丸」の2チームと、「BANANA 羽衣」の他、どこが決勝進出の
候補となるのだろうか? 決勝に進めるのは4チーム、残りの枠は1つだ。
予選1回戦を見る感じでは「チーム浪わ」「吹田龍舟倶楽部S]
あたりが、57秒台だ。
予選2回戦を見ると、「Rスポーツウーマンクラブ」
(注:「Rスポーツマンクラブ」の男女混合カテゴリー用バージョン)
もタイムを伸ばしてきている模様だが、2回戦合計タイム制であるので、
やはり予選第1回戦から好調のチームで無いと厳しい。
2回戦、残る1つの決勝候補チームは、やはり「吹田龍舟S」あたりか・・
ああ、しかし、レンズの曇りは完全には復活せず・・(汗)
何故ならば、天候が少し回復した状態で、レンズ内部にまだ入り込んで
いた水分が蒸発してきているのであろう、完全に乾くまでには時間が
かかりそうだし、降ったりやんだりの今日の天候では、1日中、こんな風
にレンズも曇ったり晴れたりであろう、うっとうしいが、まあしかたがない。
予選2回戦を終え、決勝進出チームは以下の4チームとなった
「すいすい丸トレイン」「すいすい丸工場」「TEAM BANANA 利休」
「吹田龍舟倶楽部S」
すべて今回ダブルエントリーのベテラン常連チームであるが、
この中で、ここ1~2年のスプリント(短距離)系の各大会で、入賞から
遠ざかっているのは、「BANANA」であろうか?
「BANANA」は、3年程前にチームで自前の艇を購入し、モチベーションも
上がったのか?それから、しばらくはチームの戦績も好調であったのだが、
一昨年後半くらいからは、ちょっと停滞気味であった。
だが、昨年の最終戦、長距離の1000m大会で2位に入っているし、
それ以前の1000m大会でも、確か2013年が優勝、2012年が
2位だったか?と記憶している。
恐らくだが、長距離戦が得意なチームになってきているのかもしれない。
やはり、「すいすい丸」の2チームが前述の通り有利であろうか・・
でも、ダブルエントリーの両チームのメンバーバランスは聞いていない、
どちらかをメインチームとしているのか?、実力を平均化しているのか?
そして、「吹田龍舟」もあなどりがたい。昨年は、大阪ATC大会3位、
滋賀県びわこペーロン大会優勝、など、いくつかの入賞実績があり、
勿論、実力派チームだ。
さて、いよいよ混合の部の決勝レースが始まった、
レーン番号(順)は、手前1レーンから、「すいすい丸・トレイン」
「すいすい丸・工場」「TEAM BANANA利休」「吹田龍舟倶楽部S」
となっている。
私の撮影ポイントは、ゴール地点。この為、1レーンの「トレイン」
は、角度の関係の錯覚で、ゴールに近づくほど速度が上がって見える、
スタートしてから中間地点までは、2レーン、3レーンの「工場」「利休」
がやや先行しているように見えた、だが、これはあくまで角度の関係だ。
実際のところは、1レーンの「トレイン」と4レーンの「吹龍」の
トップ争いと見ていた。1レーンの「トレイン」がやっと視野に入って
きたので、最大望遠で漕ぎをチェックしよう・・
うん、磐石のように見える、右から左への極端なアングルの関係で
現在は他チームより遅れて見えるが、真横から見れば実質的には
トップであろう。
さて、決勝は4チーム戦であるから、1チームだけ入賞できない、
これは、ちょっと辛いものがある・・・
「BANANA 頑張れ~!!」
ダブルエントリーのチームが多いため、チーム全体の約半数が
レースに出ていて、残りの半数が応援に廻っている場合も良く見る。
でも、実は、この写真は決勝ではなく、他のタイミングで撮ったものだ、
でも、決勝戦のさなかに、ちょっと出遅れている「BANANA」をチーム
メイトが応援するのは当然だ、だから、全く不自然な要素は無い。
これが前述の、写真は真実を写すものでは無い、と書いたもう1つの例だ。
まあそれは良い、実際にこの場面では、BANANAのチームメイトは勿論、
他の場所から応援している、ただ、それは私の撮影ポジションからは遠い
位置であったので、レースと応援は、同時には撮りようが無いのだ。
さて、決勝戦の途中であった。
2番手は・・ 「吹龍」かな? でも、「工場」と良い勝負だ・・
「吹龍」の様子を最大望遠で見てみよう。
まずまずという感じだ、「吹龍」が2位争いにからむのは間違いない。
さて・・ 1着は恐らく「トレイン」であろう、2番手にもし「工場」が
入れば、「すいすい丸」史上では初の「ワンツーフィニッシュ」だ。
「関西龍舟」「トリッドストーム」「琵琶ドラ」といった、本大会の混合の
部の入賞常連の強豪チームが不参加の今回、「すいすい丸」が、
それ(ワンツー)をやるとすれば、唯一無二のチャンスだ。
しかし、「吹龍」だって負けてはならない、3位と準優勝では、やはり
気持ちの持ちようが変わる、今年のシーズンの調子を上げていく為にも
シーズン序盤(5~6月)の大会成績は重要だ。なにせ、翌月7月には
「日本選手権」(天神大会)もあるのだ、各チームは勿論そこにシーズン
前半のターゲットを当てて、コンディションやモチベーションを調整して
きている訳だ。
各チームには、それぞれ「勝ちたい理由」がある、意地と意地の
ぶつかり合いの終盤だ・・・
「混合の部」の結果だが、
優勝:すいすい丸・トレイン 58秒50
準優勝:吹田龍舟倶楽部S 1分00秒53
3位:すいすい丸・工場 1分01秒84
となった、「すいすい丸」は、ワンツーフィニッシュこそ逃した
ものの、まあ満足のいく結果であろう。
「BANANA」は、1分3秒台、ひさびさの短距離戦入賞のチャンスを
逃してしまった・・ 帰ってきた「BANANA (利休)」のメンバーが言う
B「おっかしいなあ・・ 予選では、ウチらのチームが最速の
タイム(56秒44)を出していたのになあ・・」
まあ、確かに、雨や風でレース条件が変わってしまって、各チーム、
予選より3~4秒程度タイムを落としているのは確かだ、しかし、
予選より7秒落ちは、ちょっと何かしらのミスがあったのかも知れない。
匠「まあまあ、BANANAさん、今年のシーズンはまだ始まったばかりだし、
また長距離の1000m大会とかで頑張ってくださいね」
B「そうでした! 1000mは得意です! 頑張ります!」
さて、表彰式(注、閉会式&表彰式は、オープンの部の決勝終了後に
行われているが、便宜上、混合の部の表彰の模様を先に伝える)
写真は、準優勝「吹田龍舟倶楽部S」(大阪)の表彰の模様、
他チームの女子選手などからも「カッワイイ~」と歓声が上がっていた。
こちらは、優勝&3位の「すいすい丸」(京都)の表彰の模様、
しかし、「すいすい丸」も本当に強くなった、ここ3~4年での急成長
チームの典型例であろう、前述したが、チームのモチベーション
が高いというのが最大の理由として上げられるであろう。
高いモチベーションで沢山練習し、その結果として、入賞や優勝などの
戦績がともなってくる、すると、さらにモチベーションが上がって、
さらなる練習をするようになるし、強いチームであれば有力な新人選手
もチームに入ってくるかもしれない、つまり好循環が起こっている訳だ。
もし、これが全て逆になると・・・ まあ、それは言うまい(汗)
さて、「混合の部」の結果については、このあたりまでで、
次回「後編」は、「オープンの部」の観戦記事としよう。