2016年5月8日(日)に、京都府宇治市、宇治川塔の島付近で
行われた、ドラゴンボート大会「第4回宇治川・源平・龍舟祭」
の模様より、中編。
前編では、主に「市内の部」の成績について記載したが、今回は
オープンの部について紹介しよう。
オープンの部は、いわゆるドラゴン専業チームがエントリーする
上級カテゴリーであり、京都府近郊の関西圏のチームは勿論の事
たまに遠方からの参加もある。
今回は、遠方組としては、静岡県から「中電龍舟」が参加している。
オープンの部での参加チーム総数は32と、まずまず多く、
それは本大会が今年初の本格的大会であるから、シーズン・イン
としての力試し的要素もあると思われる。
そのため、勝敗を重視するチームが多い事は勿論であるが、
チームの次世代の漕手を育てる為に、新人選手を多数を乗せてくる
チームもいくつかある。
まあ、観戦側あるいは対戦側としては、チーム名を聞くと
「強豪」であったりするのが、実際に漕ぎ出してみると思ったより
スピードが乗らない事に驚く事も多々あり、その理由を聞くと
新人が半数くらい乗っていたりもする。
冒頭の写真の女子チーム「河童」も、今回はダブルエントリーの
内の1チームは、半数くらいが新人であったので、猛ダッシュを
予想していたのが、「ありゃりゃ・・」と、ちょっと驚いた。
後で「河童」のキャプテンに聞くと、そういう理由である事が
わかって納得した次第だ。
本シーズン緒戦であるから、逆にそういうのも意外性があって
観戦している分には面白い。まあ今後、日本選手権(7月)など
に向けて各チーム、ベストコンデイションに調整してくるので
あろうが、今回はとりあえず何でもありだ。
さて、こちらは、和歌山から参加の「熊野水軍」
「熊野水軍」は、ベテラン強豪チームであり、その前身である
「椅子の座ったNECCO」の時代から地方大会での優勝や
日本選手権での準優勝など、数多くの入賞実績を誇る。
近年は、同じ和歌山の強豪「もっこりドラゴンボート部」との
コラボで、「くまもっこり」あるいは「コロンズ」という名前で
出場する事も多いのだが、今回は「熊野水軍」単独編成との事だ。
まあでも、ご覧のように、どちらかといえば「仮装」が中心であり、
今回は、勝敗は度外視な模様だ。
女子選手のこの仮装はなかなか可愛らしいが、最初、長身の
男子選手のこの服装を見たとき、思わず「くいだおれですか?」
と聞いてしまった。「ちがいますよ! ウォーリーですよ」
と笑われたのだが、そういえば、くいだおれ人形は、横縞ではなく、
縦縞だったかな・・
こちらは「常翔喜龍」(じょうしょうきりゅう)、
大学のクラブチームであり、若さと元気さが売りだ。
もうチーム結成から何年も経つので、実力もなかなかのものである。
ただ、卒業してしまうとチームに残れず、基本的に現役学生が
優先な模様で、OB,OGは殆ど乗らない(漕げない)事が課題だ。
なので、年によって、実力値が若干ばらつく場合があるのだが、
学生チームなのでそのあたりはやむを得ない。
今年も、少しメンバーが変動している模様だが、さて今年の
実力はどんなものであろうか・・?
他にも多数の参加チームがあって、いずれも紹介していきたいが、
毎度の事で、記事で紹介できるチーム数には限りがある。
シーズンを通してというスパンでは、できるだけ様々なチームを
公平に紹介して行きたいとは思っているが、まあそれでも、
実の所は、記事として書く上では、何かしらの「ドラマ」や
「ハプニング」は、欲しいところだ、さも無いと、なかなか紹介する
文章にも困ってしまう(汗)
私は、ドラゴンボートは基本的には「人間ドラマ」だと思っている
ので、単に大会の結果やチームの戦績だけを記事として記する
のではなく、その裏にある様々な選手や関係者の人間的な
部分を、できるだけ紹介していきたいと常々思っている。
さて、予選が1回戦進んでいる、市内の部と同様にオープンの
部の予選も2回戦ベストタイム制だ。
勿論他の条件、10人漕ぎ、スモール艇、200m直線といった
レギュレーションも市内の部と同じだ。
こちらもレーン毎の水流などの差を公平化するため、1回戦
2回戦ではレーンを交代する事としている。
写真は「パイレーツ」大阪のベテランチームである。
大阪にはドラゴンを10年以上続けているベテランチームが
多数ある、現代においては、国内トップあるいは世界を視野に
入れて膨大な量の厳しい練習メニューをこなすチームもいくつか
出てきており、中堅チームが入賞する事は難しくなってしまったが
まあそれでも、楽しく皆で漕げる事もまたドラゴンの方向性としては
十分にありだ。
こうした状況から、一部の大会では、チャンピオン・リーグや
チャレンジ・リーグなどの実力別カテゴリー分けを採用する大会も
近年では増えてきている。
今回の宇治大会も、市内の部とオープンの一種の実力別
カテゴリーなのだが、オープンの中は細分化されてはおらず、
例えば女子中心のチーム(「河童」や「スピリッツ」等)や
シニアチーム(「Rスポーツマンクラブ」等)、ビギナー
チーム(「タカラ舟」等)は、多少の苦戦を強いられる事に
なるだろうと思われる。
こちらは地元強豪の「すいすい丸」だ。
最近、京都府ドラゴンボート協会が発足した模様であるが、
過去、それがなかった時には、「すいすい丸」は、滋賀県
ドラゴンボート協会に所属していた、このため、ちょっと
調整がややこしくなりそうだが、バリバリの地元チームであるし、
京都南部のみならず久美浜(京丹後)にも顔が効く
「すいすい丸」であるから、まあ今後、是非中心になって
京都府協会を盛り上げていっていただきたく思う。
その件はともかく、「すいすい丸」は、本大会のオープンの部には
ダブルエントリー、うち「京都工場保健会・すいすい丸・家族検診」
チームは、予選1回戦でいきなりの1分5秒の好タイムを叩きだす。
地元だし、スポンサー企業の目の前での大会でもあるから、
気合が入っているのであろう、それにしても、超強豪の「bp」に
1秒差のタイムはなかなか立派なもの、近年でも優勝などの
実績を持つ強豪チームではあるが、今年の「すいすい丸」は、
さらに強くなっている模様で、今後の大会もまた楽しみだ。
なお、もう1チームの「すいすい丸・プレミアドッグ」も
予選1分8秒台となかなかのもの、写真はどちらがどちらの
チームだったか良く覚えていないので、2枚掲載しておこう。
他に1回戦で速かったチームだが、まず「bp」と、それと
「beautiful people」である、こちらは聞きなれない
チーム名だが、まあつまりは「bpジュニア」である。
「bp」は、「都島」やら「DDT」やら、変わった名前で
周囲を煙に巻くこともあるのだが、英語名の場合は、基本的に
「b」と「p」がついていれば、「bp」だとわかってしまう(笑)
他にも「beauty party」とか「beginning point」あたりも
たまに使う事があるので、そういう名前を見たら要注意(笑)
あとは「Rスポーツマン・オールドボーイ」「吹田龍舟」
「中電龍舟」も、それぞれ1分10秒を切っていて、このあたりが
準決勝に残りそうな気配であるが、まあレーン交代を行う
2回戦が終わってみるまで最終結果はわからない。
私の予想では、準決勝進出ラインは1分5秒台までであり、
今のところ、それをクリアしているのは「bp」の2チームと
「すいすい丸」の計3チームしか無い。
で、準決勝に進めるのは4チームなので、残りの1つの枠を
巡って、2回戦では、より熾烈な戦いが繰り広げられるであろう。
「チームBANANA」も、今回ダブルエントリー。
「BANANA」や「吹田龍舟」は、ダブルエントリーの際に、
極めてユニークなサブタイトルをつける事が多い。
今回の「BANANA」の場合は「タンキュー」と「ベロー」だ、
「それは何か?」と聞いてみると、映画の「ミニオンズ」の
「ミニオン語」というものらしい、タンキューが「サンキュー」で
ベローが、「ハロー」という意味になるのだそうだ。
あいにくその映画はまだ見ていないのだが、話を聞いて興味が
出てきたので、今度レンタルして観てみよう。
こちらは、「近畿車輛電龍」の元クルーの外国人選手が復帰
していた、近畿車輛では、以前は東南アジアからの研修生が
中心になってチームを構成していたのだが、2年ほど前に
ほぼ全員が帰国してしまい、現在は日本人選手中心の
チームとなっている。
彼に「ひさしぶり」と声をかけてみると、「5年ぶりくらいかな?」
と返事された、日本語もだいぶ上達した模様だ。
以前は英語で話をしていた記憶があるのだが、聞く所によると、
現在は日本の企業で働いているらしい、まあそれならば、
日本語が堪能になっているのも当たり前かも知れないが。
しばらくは、あまり漕いでいなかった模様で、「ひさしぶりに
漕ぐと結構キツい」と言っていたが、まあそれはともかく、
懐かしい顔がまた見れたので良かったと思う。
外国人選手といえば、こちらは、滋賀県の強豪チーム
「龍人(どらんちゅ)」の助っ人選手。
一応英語で話をしたのだが、実際のところはスイス人の
スキーインストラクターだそうだ。
私が「スイスに行った事があるよ」というと、「へえ、印象は?」
と聞かれたので「物価が高い、マクドでも1000円以上もする!」
と答えたら、ちょっと苦笑されてしまった。
まあ、実際、スイスの物価の高さは有名であり、スイス人は、
多分その事を、あまり良くは思っていないのであろう。
「龍人」はなかなか交流範囲が広い模様で、どこから繋がったの?
とも思える驚くようなメンバーがたまに入っている。
そして「龍人」の選手の中には非常に英語に堪能な人も居て
ちょっと驚いた、なんでも仕事がら海外とのやりとりや出張が
多いと聞いたが、それにしても上の外国人選手の彼と話して
いる様子を見ると、見事なものだ。
さて、「龍人」と同じ滋賀県勢では、「琵琶ドラ」「池の里」「小寺」
も当然本大会には参加している、このあたりが滋賀の4強であり
いずれのチームも、地元滋賀の大会で優勝経験を持ち入賞も
多数ある、今のところ、滋賀県勢は1回戦ではちょっとタイムが
伸びていない模様だが、実力チーム揃いなので、2回線でポンと
好タイムを叩きだし、準決勝へのダークホースとなるやも知れない。
こちらは、外国人選手ではなく(笑)「関空飛龍」の舵手の方。
「関空飛龍」は、昨年度シーズンの最終戦とも言える、静岡の
「ツナカップ」で優勝している。
まあその時は、女子チーム「河童」とのコラボであったが、
遠征試合での優勝はたいしたものであった。
その際、ずいぶんと楽しげにしてしていたのが印象的だったので
「昨年のツナカップはどうでしたか?」と関空飛龍のメンバーの
方にも聞いてみると、皆、口を揃えて「ツナカップ、最高でした!」
との話が出てきていた。
まあ、私が思うところの、国内で最も満足度の高い大会であるから
それもそうだろうと思う。申し込み期間が短く、定数を超えると
抽選になってしまう大会なので「今年も早目に申し込んでおきます」
との話であった。
静岡の大会は、もう1つ毎年6月に「御前崎大会」があるのだが
今年の「御前崎」は、会場の港に、津波防止の「防潮堤」を作る
工事が入って場所が使えず、残念ながら中止となってしまった。
静岡では、様々な港で同様な工事が行われている模様なので、
ツナカップの会場も、現状の清水港から、いずれ変わるかも
知れない。
ちょっと男性ばかり出てきたので、むさくるしい(失礼・笑)
事もあると思い、本大会イチオシの美人ドラマーだ。
彼女は「琵琶ドラ」の新人鼓手の模様。
しかし、女性鼓手には美人が多いと思う。
古くは「金竜隊」の”アネゴ”や、関空大会での竹中工務店の
新入社員ドラマー、近年では「鈴与龍舟」の”鈴与のマドンナ”、
「bp」の”謎の美少女”など、いくらでもあげれ、きりが無い。
(すみません、他チームの女性鼓手も、皆さん美人なの
ですが、なかなか全員は書けませんので・・汗)
まあ、女性の登用は、軽量化という意味もあるのだろうが、
男ばかりのクルーを太鼓のバチさばき1つで見事に
コントロールしている様子もあって、実に格好よい、
まさしく「ドラゴンの華」であろう。
女性ドラマーをもっと増やすと、ドラゴン人気も上がるよう
にも思えるが、まあ、残念ながら、美人ドラマーは結婚等で
突然の引退という事も多々あるので、そのあたりが
難しいところになるだろうか・・
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さて、2回戦が始まる前に、昼食休憩だ。
なにせ今日は56レースの長丁場、昼食もしっかりとっておく
必要がある、スタッフ用のお弁当をいただいたが、今日は気温も
高く、そんな時はたいていおなかが減るので、ちょっと足りなかった。
余っているお弁当があったみたいだったので、貰いにいこうかとも
思ったが、少々厚かましいので今回は遠慮しておこう。
選手の1人に、余ったスイーツ券(注:本大会の主催は、宇治の
商店街であり、宇治スイーツの券が参加選手達に配られる)
をいただいたので、ソフトクリームでもいただいて、おなかを
満たすことにしようか・・
うん、なかなか美味しい。
ちなみに、気温が今日のように高い時は、ソフトクリームや
アイスクリームよりも「かき氷」の方が良く売れるという話を
聞いた事がある。
どうやら、甘いクリーム系は、すぐにのどが乾いてしまう
という事が、その理由の模様だ。
本日の気温は、27度近くまであがっている。
GWでこの気温というのも不思議なものだ、しかし、過去、たしか
GWに雪が降ったこともあったように記憶しているので、これも
また異常気象の1つだろうか・・?
オープンの部の2回戦が始まった模様だが、記事が長くなってきて
いるので、今回はこのあたりまでとしよう。
なお、オープンの部でも市内の部と同様に、全てのチームの
紹介は、とても出来ない、50チームともなると、全チームと話を
するのも時間的には無理なので、やむを得ないところだ。
次回後編に続く・・・