安価な中古ミラーレス機と、マニアックなレンズを組み合わせ、
「アダプター遊び」の幅を広げる、というコンセプトの記事、
シリーズ12回目。

カメラは、いつものDMC-G1、マイクロフォーサーズ初号機、
現在は安価であり、操作系に優れる為、主にオールドレンズ
のアダプター母艦として利用している。
レンズは比較的オーソドックな、CANON FD 50mm/f1.4
このレンズは、CANON の銀塩名機(旧)F-1 と同時期の
1971年に発売されたものである。
これは銀塩時代から使っているもので、もしかしたら中古の
ボディとセットで買ったかも知れないが、まあ一応6000円
相当の価値としておこう。
この時期のMFのFD標準レンズは極めて多くの種類がある、
まず、開放f値は、f1.2,f1.4,f1.8の三種類が存在する。
その中で、f1.4とf1.8は焦点距離が50mmであったが、
f1.2版に関しては、50mmでは設計が難しかったのか(?)
55mmの焦点距離となっている(この時代では他社も同様で、
大口径版は55,57,58mmといった風に、少し焦点距離が長い)
で、同じf1.4やf1.8版であっても、コーティングが優れた
S.C版や、S.S.C.バージョンがあったり、AL(非球面)版が
あったりしていた。
種類が極めて多い上に、すべて同じような焦点距離なので
仮にコレクター・マニアであっても、コンプリートするのは、
なかなか難しいであろう、私も数種類を保有するのみである。
ましてや、FDマウントに留まらず、それ以前のFLマウント版や
以降のNEW FD版があり、f2.0版や焦点距離58mm版なども
加わり、極めて種類が多い。それらの標準レンズの合計数は、
おそらく20種類を超える事であろう。
私も銀塩時代は、FDやNFDレンズをキヤノン F-1やNew F1
などに装着して楽しんでいたが、まあ、これらのマウントの
互換性は高かった。
FL,FD,NEW FDの各マウントは、物理的なサイズは共通だが、
絞りの動作機構やレンズの装着方法が異なっている。
特に大きい差はレンズの装着方法であり、FDはリングを
廻して締め付け外す場合は同じリングを逆回しにする方式。
NEW FDはボタン一発でレンズを外すことができる。
マニアの間では「しっかり止まるFD方式の方が好き」という
人も多かったと思う。
ただし、ミラーレス+FDマウントアダプターを用いた場合は、
レンズの脱着方法にそうした差異はあるものの、装着後は、
どれも絞込み測光で、いずれのタイプのレンズでも同様な
操作性で使用することが出来る。
(ただし、アダプター側でのプリセット絞り操作は必須だ)
で、今日用いるFD 50mm/f1.4は、これらのキヤノンMF時代の
各ジェネレーションのだいたい真ん中あたりの時代に位置し、
また、性能的にも、これらの各種の標準レンズ群の中では
中庸なポジション(=普通)となっている。

レンズの最短撮影距離は45cmと、50mm標準レンズとしては、
ごく普通だ。レンズ構成も6群7枚と、これは一種のガウス型
(変形ガウス、あるいは変形ダブルガウスとも呼ばれている)
であろう。つまり、この時代の他の標準レンズと殆ど同じだ。
まあ、これより少し前の時代は、標準レンズと言えば、
ほとんどが「テッサー型」であった時期もあり、変形ガウス型
もまた、近年に至るまで(変な表現だが)標準的な標準レンズ
であったので、まあ、つまりは、この時代の標準レンズは
どれを買っても、極端に言えば「殆ど同じである」という事に
なるであろう、

まあ、ほぼ同じレンズ構成という事もあり、この時代の標準
レンズは、どれもたいてい良く写る。すなわち、優秀な構成で
あるからこそ多くの標準レンズに採用されたという事であろう。
欠点は、例によって他のレンズ同様に「ボケ質の破綻」である。
本シリーズで、良く「ボケ質が破綻しやすい」と書いているが
わかりにくいかも知れないので、今回は実例を上げてみよう。

こちらが「ボケ質が破綻」した状態。
マニアなどの間では「ボケ味が悪い」という風に表現される
事もある。さらにちなみにだが、ボケの「量」と「質」は勿論
全く異なる基準である、マニアが言う「味」とは「質」に近い
ものであり、決してボケの「量」ではない。
なのに、近年、一部のメーカーの初心者向けカメラでは、単に、
絞り優先モードで絞り値を変化させて「ボケの量」を変える
という操作の事を「ボケ味の調整」と称している事がある。
”ラーメン”の味(質)と、量(大盛りとか)は、まるで違う
概念である事は、勿論誰でも知っている事だ、味と量を
同一視するのは不自然である事は言うまでも無い。
そういう、初心者ユーザーを混乱させるような用語を使う位で
あれば、単純に「絞り値を変えればボケの量が変わる」と
説明した方が、はるかにストレートであろう。
さて「ボケ質の破綻」はレンズの問題ではあるが、そこからの
回避は、1:撮影距離 2:背景距離 3:背景の絵柄
4:絞り値 5:カメラのセンサーサイズや詳細なパラメータ設定
の、いずれか、または複数を変えることで回避可能な場合がある。
このうち、5のカメラのセンサーサイズなどは撮っている最中では
普通は変えることはできないし、詳細パラメーターも、あまり影響
が無いかも知れないので、ごちゃごちゃいじくっても殆ど意味は
無い。よって、最もシンプルなのは「絞り値」を変えることだ。
ただし、それも常に絞り込めば良い、という訳ではなく絞りを
開けて回避する場合もある。
上写真では、撮る際に「ボケ質が破綻してそうだ」という
事がわかったので、絞り値や撮影距離を微妙に変化させて
破綻を回避するように撮りなおしたのが以下の写真である。

という事で、ボケ質が破綻しやすいのは多くのオールドレンズ
の欠点であるが、常にボケ質が破綻するという訳でも無いので、
場合により、破綻を回避できる可能性もあるという事は覚えて
おくと良いと思う。
銀塩時代は、撮影した後、現像するまでボケ質の破綻は
わからなかった。ファインダーで見ていても、スリガラスを
通った画像を見ているので、ボケ質は良くわからないのだ。
しかも自動絞り(開放測光)なので、プレビューしなければ
絞り開放でのボケ質(&量)しか見ることはできなかった。
だから、現像してみて”がっかり”という事が殆どであり、
それを回避する術などは、当時のマニアですら、考えもせず
「レンズの性能が悪い」と決め付けてしまう事もあったと思う。
現代のミラーレス機でも同様だ、絞込み測光である事は
ボケ量・ボケ質を知る上で、一眼レフに比べて、極めて大きな
メリットであるが、モニターはもとより高精細のEVFで見ても、
ボケ質(の破綻)は、完全にはわからない。
けど、幸いにして現代のデジタル時代はフィルムでは無いので
撮影・現像コストは限りなくゼロに近い、なので、ちょっと
ヤバそうだと思ったら、絞りや撮影距離、撮影アングルなどを
微妙に変えながら、沢山撮っておいて、ボケ質が破綻していない
ものを選べば良いわけだ。

さて、今日FD50/1.4を持ち出したのは、秘密兵器をテストして
みたかったという理由もある。
FD50/1.4のフィルター径は55mmΦと、この時代以降の各社の
50/1.4が49mmΦ、52mmΦあたりであったことに比べて大きい。
また同様に、レンズ自体も大柄である。
その大柄なレンズである事を利して、レンズの前に、このような
秘密兵器をつけてみよう。

コケシ状の奇妙なレンズ、これは、KENKO MC FISHEYE 180°
という「魚眼フロントコンバージョン」レンズである。
コンバージョンレンズとは、マスター(=主)レンズの前後に
装着し、主に焦点距離(画角)の変更を目的とするアクセサリー
である。リア(後ろ)コンバージョンには、テレコン(望遠に
する)、レデューサー(APS-C機でフルサイズの画角となる)
等がある。
ちなみに、リアコンではレンズのf値が変わる、これはつまり
f値とは、焦点距離÷有効口径、という式で表されるから、
焦点距離が長く(大きく)なれば、式に応じf値も大きく(暗く)
なるのは容易に理解できるのであるが、フロントコンバージョン
例えば、ワイコン(画角を広くする)、魚眼コンバーター、
マクロコンバーターなどでは、f値が変化しない。
そして、その光学系の概念は直感的にはわかりにくく、ましてや
この魚眼コンバーターに至っては、どういった原理になって
いるのかすら把握しずらい(汗)
このコンバーターは、銀塩時代のものであるが、どうやら
標準レンズ(50mm)に装着すると円周魚眼となり、100mm
レンズに装着すると、対角線魚眼となる模様だ。
FD50mm/1.4の、55mmΦの大柄なフィルターネジに、この
魚眼コンバーターをねじ込んで使用する、だが、その操作は
撮影の最中には面倒だし、そして「コケシ」(笑)をつけた
ままでは、小型のカメラバッグにしまうのも困難になる。
(ちなみに、コンバーター側の部品を交換すれば、55mmΦ
以外のレンズにも装着する事が可能だが、他の径の部品は付いて
無かったか、あるいはどこかにしまいこんで見つからない・汗)

で、画角は、デジタル時代でセンサーサイズが変わっている
場合は、どう計算すれば良いのか? マイクロフォーサーズで
画角2倍だから、50mmレンズは100mmと考えれば良いのか?
いや、多分、そのように単純なものでは無いであろう。
このコンバーターには、マスターレンズの焦点距離を設定する
リングがついている、しかし、それを変える意味があるのか?
よくわからない原理を考えてみても、なんとなくそれは意味が
無さそうであるのだが、焦点距離設定を変えると、同時に
最小絞り値が変化する仕組みのようだ。焦点距離が長くなると
最小絞り値が大きくなるので、つまり被写界深度が深くなる
という事なのだろうか?そうであれば意味は分かるが、じゃあ
その時、マスターレンズの絞りは何の意味を持つのだろう?
加えてピント合わせもよくわからない、このコンバーターには
ピント機構が無い。マスターレンズのピントを無限遠にすると
だいたい魚眼もパンフォーカス的になる模様だが、コンバーター
自体の解像度が低く、実際に、そのようになっているかどうかの
確認が難しい。近接撮影ではマスターレンズのピントを繰り出せば
いけそうな気もするが、そもそもほとんどパンフォーカスなので
そうした操作もどこまで効いているのか良くわからない。
わかっているのは、μ4/3 で、50mm標準レンズにつけると、
ほぼ「対角線魚眼」の写りになるという事だ・・
(まあ、マスターレンズに広角レンズを使えば、円周魚眼風の
写りになるという事だが、今回はその実験については割愛しよう)

まあ、どうせトイ(玩具)レンズの一種だ。細かいところは
どうでも良い。問題は楽しい写真が撮れるのかどうか?だ。
このレンズを15年くらい前に購入した際には、当時はレアもの
であったので、大枚1万円台の後半を出して買ったのであるが、
現在であれば、相場は1万円以下であると思うし、実際の
価値(=使い道)を考えると、まあ数千円という感じであろう。

さて、このシリーズ記事では、過去何度か、魚眼レンズの
紹介をしているが、銀塩専用に設計された魚眼の場合は、
デジタルのAPS-Cやμ4/3のセンサーで使っても、魚眼の効果
が出なくなってしまう、と書いたことがある。
しかし、この魚眼フロントコンバージョンレンズにおいては、
センサーサイズが(フィルムより)小さい場合でも、
そのままの魚眼効果を出すことが出来るのが特徴だ。
だが、これも何度か魚眼の記事に書いているように、魚眼の
撮影は極めて難しい、それは歪みの予想がつきにくいから
という理由も大きくあると思う。
で「魚眼では中心点を通る対角線(放射線)上の直線被写体は
歪まないで写る」という特徴も何度か書いてきたが、それを
構図や作画意図に反映させるには、やはりなかなか難しい。
以下、具体例をあげよう。

Y字路の端からの建物の撮影だが、その際、構図を写真的に
考えるのではなく、中央の道路標識が、魚眼レンズの構図上の
中心点を通る対角線(放射線)上になるように、撮影アングル
を決めている。よって、道路標識の直線性は保たれている。
次に、構図をある程度考えて、そちらを優先にしてみよう。

撮影位置も変化する。すると、道路標識は画面内の対角線から
外れてしまい、結果的に道路標識が大きく歪んでしまった。
これはずいぶんと写真の印象も変わってしまう、撮影位置の
移動は、ほんの数十cmなのだが、たったそれだけなのに
写真のイメージの変化は、はるかに過激である。
だからまあ、魚眼は難しい、という事になるのだろうと思う。

魚眼での上記の「直線性」を意識するのであれば、画面のどの
部分に直線を配置して安定性を持たせ、逆にどの部分を曲げる
かというのが構図上のポイントになる、上写真では、橋の横に
ある水道管に直線性を持たせるようにしているが、画面下部の
対象性とかにも撮影時に注意する必要があるだろう。
また、カメラを完全に水平にしたとしても、この写真では僅かに
被写体に対して平行が保たれていない(右部が手前に引かれている)
平面的な傾きのみならず、ヨー、ピッチ、ロールという3次元的
な傾きをちゃんと意識するのも非常に重要だ。勿論これらは全て
手持ち撮影だ(道の真ん中で三脚を立てる人は居まい)
なお、デジタル水準器という機能が搭載されているカメラが増えて
きているが、それは普通は1次元的なロール方向の計測だけしか
できないので、前述のような、左右や上下の傾きのチェックに
ついては無効だ。だから、水準器だけに頼るのもおかしな話だ。
逆に言えば、魚眼をちゃんと使い込めば、3次元の傾きについて
良く意識する練習になるかも知れない。
で、構図上は、ほぼ同じ撮影ボジションで、画面のどこの
直線性に注目するかを変えると、全体の構図ががらりと変わる、
例えば、ここで右上のビルに注目し、これの直線性を保つように
すれば、以下のようになる。

右上のビルの直線性を確保しながら、同時に水道橋の直線性も
キープする、その上で、画面下部の橋の欄干の曲線をアクセント
にする。まあ、あれやこれや考えて撮る必要があるので、
難しいし、実際にどんな歪みになるのかも事前に予想しずらい
ので、ともかく魚眼は難しい訳だ。
総合的には、まあ、この魚眼コンバーターは遊び用途であり
画質も使い勝手も、本格的魚眼レンズにはかなわない。
長所はたた1点、APS-Cやマイクロフォーサーズの、小さい
センサーでも、ちゃんとした魚眼効果の写りが得られるという
事だけである。まあ、その目的の為だけに購入するのは、
厳しいとは思うが・・
----
さて、次のシステムだ。

カメラはNEX-7 、Eマウント機の中では最も優れた操作系を
持つカメラだ。アダプター使用時やMFの操作系も及第点であり
マウントアダプター母艦に適している。
レンズは、MINOLTA のMFレンズ
MC TELE ROKKOR 100mm/f2.5である、
上記 CANON FD 50/1.4の同時期の1970年代(後半)の
レンズだ。
MINOLTA のMFレンズもCANON のR→FL→FD→NEW FD
という変遷と同様に SR→MC→MD→NEW MDと進化していて、
だいたいMCレンズは、キヤノンのFDレンズの時代に相当している。
1980年前後、銀塩MF一眼レフは一般ユーザーにも普及しはじめ、
同時に小型化やコストダウンが計られた、それはボディのみならず、
レンズにおいても同様である。
そのため、小型化された新型レンズは色々と設計に無理があり、
ゆえに、新しい時代のCANON NEW FDよりも、古いFDが良い、
あるいは、MINOLTA MDよりも古いMCが良い、というマニアも多く、
中古市場では、古いタイプの方が全体的に相場が安価な事も含め、
FDやMCレンズは、オールドレンズの入門用としては最適である。
このMC 100/2.5は、銀塩時代の末期、2000年代前半に購入した
もので、市場はデジタル化が進み、MC/MDレンズはデジタル一眼
ではアダプターが作りにくかったため、相場か暴落、このレンズ
の購入価格は僅かに3000円であった。
以前の記事でも書いたが、ミノルタMFの中望遠レンズには優秀
なレンズが少ない。なので、ラインナップの穴を埋めるために
購入したものだが、まあ、現代のミラーレス時代では、各種の
アダプターを用いればメーカー(マウント)の壁を越えられる
ので、そうした意味は無くなってきている。

MDに優秀な中望遠が無いということであるが、MC85/1.7という
超クセ玉が存在している、このレンズと同時期のレンズであるが
何故?と思うほど、ボケ質がおかしい。あまりにも変なので
今回ちょっと紹介しようと思って防湿庫から掘り出してみると
絞りがネバっていた(汗)まあ、完全に使えない訳では無いが、
絞りが閉じきれず、ひっかかるたびにアダプターを外して調整
しなくてはならない、それは非常に面倒なので断念し、こちらの
レンズを持ち出した次第だ。本レンズにおいては、その
MC 85/1.7の不気味な(笑)ボケは無く、比較的素直である。
なお、このシステムでは、カメラの方がレンズの10倍高い
というイレギュラーなパターンとなっている、基本はあまり
カメラの方を高くしない事、アダププター遊びでは、特に
そのあたりのバランスは大事だ。その背景には、デジタルカメラ
の価値は年々大きく下がってくるので、高いカメラの購入は
意味が無いという事もあるだろう。
まあ、このレンズの場合は、購入価格が安すぎたのもあるかも
しれない、今では入手しずらいレンズであるが、性能からの
価値感覚的には7000円~9000円くらいのものだろう思う。
こうした価値感覚は大事であり「この性能(や用途)であれば、
いくらまでは出せる」という事は中古機材購入時にいつでも
意識しておく必要がある。珍しいから、とか、最新だから、と
言った理由で、必要以上に高価な機材を買ってしまったりすると
時間が経ってから後悔するケースが殆どだ。

ミノルタ MC/MDの135mm~200mmの望遠レンズには、
良いものが多い、MCの標準レンズも同様だ、でも広角や
中望遠には良いものが少ない。
銀塩時代は、各社(各マウント)で、各々そうした得手不得手の
傾向があり、広角から標準、望遠からマクロなどに至るまで、
1つのメーカーでいずれも良好、というラインナップを組む事は
困難であった、これはMF時代はもとより、AF時代の単焦点や
ズームでも同様である。
(なので結局、様々なカメラマウントを揃え、それぞれの
美味しいところだけを使うという事になってしまうのだが・・)
が、デジタル時代になってからは、各社の画像処理エンジンの
性格が異なり、またPCでのレタッチが前提になってしまって、
各社の各レンズの絶対的な性能は、それらの影に隠れて、
わかりにくくなってしまった。
同時に、レンズ選び(遊び)の興味も大幅に減少した、と言う事
も言えるであろう。
現代のデジタル一眼用AFレンズをアダプターで他のミラーレス機
等に装着する意味は殆ど無い。それをするくらいならば、
そのメーカーの一眼を買ってしまった方が、様々な操作性的や
性能的な制約(AF、絞り制御、距離エンコード情報、EXIF等)が
発生しないので、便利だし楽で早いからだ。
今使っているカメラを手離し、その資金で別マウントの新機種を
購入するというケースもあるかも知れないが、趣味でカメラを
やっているならば、そうした自転車操業ではなく、自分が可能な
範囲で、趣味にはちゃんとお金をかけるべきだし、だいいち型が
古いカメラだと言っても、最新機種に対して圧倒的に性能が
劣るわけでは無い。まあ、高感度性能などで古いカメラでは
撮れないシチュエーションもあるかも知れないが、それはむしろ、
いつどこで、そのカメラを使うか?という撮り手の問題だと思う。
仮に最新機種を入手したからと言って、レンズの組み合わせの
問題は依然残る。単純な画素数やら連写性能やらISO感度
といった、目に見えるスペックの他、操作性や操作系などの
要素もあり、全ての点で満足できるカメラなんて、そう簡単には
出て来ないであろう、そう考えれば、新しいカメラに次々に
浮気するのは、ある意味「幻想」を持ってしまっているのかも
知れない。今付き合っている異性より、新しい彼氏・彼女の方が
魅力的に見えるのは、いたしかたない。けど、色々すったもんだ
の末に乗り換えても、今度は、また新しいパートナーの欠点が
色々と目だって、嫌になってくるということは、古今東西、ごく
日常的に起きることだ。
古いカメラでもちゃんと、その長所短所を理解してあげて、
うまくそれらを引き出してやる事が、趣味としてカメラで
遊ぶ上での重要なポイントであると思う。

さて、この MC100/2,5であるが、シチュエーションを選べば
まずまずの写りをする時がある、しかし、例の「ボケ質破綻」は
勿論出るし、そもそも、そんなに「感動的な写りをする」という
レンズでも無い。
「優等生」あるいは「問題児」であれば、現代のミラーレス機で
わざわざ使う上では、興味も出てくるかもしれないが、凡庸な
性格であれば、なかなか使い道も出てこない事であろう。
どうせ写真を撮るならば、もっとクセのある方が楽しいからだ。
そういう意味では、何でもできるマルチな優等生も面白くない。
しいて言えば、ある特別な条件の時だけ優等生になるという、
一点突破型の、たとえば、音楽だけが得意とか、歴史なら
まかせておけ、とか、そういう個性的な生徒(レンズ)の方が
その長所を引き出す楽しみがあって、ずっと面白いかもしれない。
----
さて、もう1本レンズを紹介したいところではあるが、そうすると
記事の文字数限界をオーバーしそうなので、また次回に続く
という事で・・