シリーズ11回目、安価な中古ミラーレス機をベースに、
様々な「アダプター遊び」をしてみようというコンセプト、
ますますマニアック度を高めていくとしよう。

カメラはNEX-3、中古で1万円以下で購入できる、Eマウント
最初期の製品である。
レンズは、Lens Baby 3G である。
2007年の発売で、発売当初は4万円近くしていた為、
「遊びで使う価格帯ではない」と思って購入を躊躇っていたが、
現在2016年ともなると、中古価格は1万円を切っていて、
やっと「ちょっと試しに使ってみるか」という感覚で購入
できるようになった。
さて、Lens Baby とは、いかなるレンズか?と言うと、
以下の写真を見てもらえれば一目瞭然であろう。

まさしく「傾斜注意」である(笑)
つまり、レンズについている蛇腹を任意の方向に傾ける、
すると傾いた方向に平行な被写体には全体的にピントが合う。
逆に、傾いた方向に平行では無い被写体は本来ならばある
程度の範囲にピントが合うはずなのに、ほんの1点の局所的
にしか、ピントが合わない特殊なレンズである。
この方式は、ティルト・レンズという。
良く似た意味の用語で「シフト」というのがあるが、シフトは
レンズを平行移動し、ティルトは傾ける、という風に区別する
と分かりやすいであろう。
この機能を持つレンズは昔から存在している、その1例は、
いわゆる「蛇腹カメラ」である、比較的最近まで修学旅行とか
の記念撮影で、写真屋さんが頭から布を被りながら使って
いたアレである。
写真用語的には、蛇腹レンズというより「あおりレンズ」と
呼ぶことが多い。
「あおり」の用途としては、業務用写真等で例えば建築写真
で、下から広角で見上げて、建物が上すぼまりになる場合、
レンズをシフト(ずらして)してそれを防ぐことができる。
また、商品写真であれば、例えば斜めの台に置かれた
腕時計の全体にピントを合わせるため、シフトやティルト
機能を用いる事がある。
一眼レフ用の「ティルト・シフト」レンズは、ニコンやキヤノン
から発売されているが、数十万円もしていて一般のユーザーが
おいそれと購入する訳にはいかない、まさしく業務用であろう。
ニコンはMF時代から、PCニッコールというシフトレンズを
何種類か発売していて、私も1本所有しているが、シフト機能
だけだと、地味な、パース(遠近感)の調整などの用途しかなく、
遊びに使うというよりは、これも主目的は建築写真等用であろう。
ちなみに、PCニッコール 35mm/f2.8は、ニコンAiレンズに
しては珍しくボケ質に優れているので、E35/2.5(本シリーズ
記事の第9回に掲載)と同様に、近距離撮影にも適している。

およそ10年くらい前から、こうしたティルト・シフトレンズを用いて、
通常の風景写真をミニチュアのジオラマのように見せるという
撮影技法が流行していた。そうした効果を得るため、高価な
専門的レンズではなく、誰にでも買える価格帯で発売されたのが、
この Lens Babyシリーズである、海外のメーカー製なのだが、
現在では日本のKenkoが代理店をやっていて、色々なモデルが
販売されている。
レンズベビー3Gは、初代から3代目の製品であり、
冒頭の写真のように、様々なツマミ(レール)等がついていて、
微調整が出来るのがポイント、その後、このモデルは
「コントロールフリーク」という型に進化し、内部のレンズを
交換可能となったが、これも現在は生産終了となっている。

このレンズを中古購入し、最初に困ったのは使い方がわから
無い事であった(汗)8年前の製品なので取扱説明書が無く、
ネットからのダウンロードも見つからなかった。
色々検索したが、ロックボタンがある、ということはわかり
(上写真、レンズの一番左側の小さいボタン)そこは容易に
理解できたのだが、そのロックを外すことが出来ない。
ロックを外さないと、レンズの蛇腹が固定されてしまい、
3本のレールで微調整をする事しか出来ないのだ。
15分ほどいじくりまわしていて、やっとロック解除の方法
が分かった、上写真レンズ右側部の、小豆(あずき)大の
2つの丸いツマミを、指で挟むのだ、すると、カチンと音が
してロックが外れ、蛇腹全体が自由に動くようになる。
こうしてロックが外れたら、蛇腹の前にある円盤部を両手指で、
持って、伸縮によるピント合わせとティルト(傾ける)操作を
同時に行う。
その操作で、大体の撮りたい位置が決まったら、そこでロック
ボタンを押す。以降は、傾きの調整は3本のレールの前の玉を
廻して行い、ピントの微調整はレンズ先端部のリングを廻す
事で(僅かな範囲だが)可能となる。
でも、この操作は極めて面倒である(汗)
で、このレンズベビーは、ニコンマウントの物を購入した、が、
ニコンのデジタル一眼だと高級機でしか露出計が効かないので、
ミラーレス+アダプターで用いるのが簡便だ。(Dヒトケタ等を
この目的に使うのはあまりに大げさだ、基本的には、ボディの
価格はレンズの価格を大きく上回ってはならない)
ミラーレス機で使う為には、勿論マウントアダプターが必要だ、
様々なミラーレス機で利用可能だが、ボディ形状と操作性を
色々考え、今回はNEX-3に装着している。
操作系的に言えば、NEX-3はアダプター使用時には、
MF操作や露出制御などを不得手としている。
しかしLens Babyの場合は、NEX-3の「ピーキング機能」を
頼りにし、ピントが合う場所、いわゆる「スイートスポット」を
見分けれるのが容易だ。
ピーキングとは、コントラスト検出方式において、被写体周辺
の輪郭線等、コントラストが高い場合、そこを赤や白などの
線で表示し、ピントが合っている事を示す便利な機能だ。
一般的なデジタル一眼レフの位相差検出AFでは、高精度では
あるが、それは測距センサーのある場所だけの話で、このように
任意の画面全体においてのピント検出はできない。ただまあ、
ピーキングでは、やはり位相差センサーに比べてピント精度が
落ちるのはやむを得ない。
で、Lens Babyであるが、しばらくは几帳面にロックして使って
いたのだが、私の三脚を使わない撮影スタイルにおいては、
ロックをした瞬間に、ピント位置やティルト位置がズレてが
変わってしまうので、ロックの意味が殆ど無い。
おまけに傾きやピントの微調整は、両手の指では足りないので、
NEX-3のカメラボディが小さいことを利点として、蛇腹を動かして
半固定した状態で、そのままシャッターを押す操作を行う事とした、
手が複雑な形になるが、難しいギターのコードを押さえるよりは
簡単であろう。楽器をやっていて良かった(笑)
NEXのピーキング機能は、中あるいは強に設定しておければ、
はっきりとスイートスポットがモニター上に写る、基本操作は
これで十分なのでEVF搭載機は、あえて持ち出さなかった。
指で蛇腹を操作して、スイートスポットが合えば、速やかに
シャッターを切る。勿論ハズレも多いが、快適なテンポで
撮影することができる。まあ、このレンズを使っている人は
この操作性では、恐らく1枚の撮影に数分かかると思うが
このような手持ち仮固定→撮影、という方法では、1枚あたり
数秒以下の短時間で撮影ができるので、出会い頭の動く
被写体とか、自分が動きながらでも、上手くすれば撮影が可能だ。

焦点距離(画角)は、APS-C機で50mm相当である。
ミニチュア(ジオラマ)風の写真が撮りたい場合は、ちょっと
これは狭いと思う。
ティルトの操作は、原理を理解していないと使いにくい、
また、理解していても、反射的につい逆の方向に傾けてしまう、
例えば、画面の右を流したいと思ったら左に傾けないとならない
わけだ。

絞りは、固定のリング状(ディスク状)絞りの交換式だ。
開放でF2.0、以降、1段(絞り値√2倍)毎に、数枚の
絞り部品が付属している、しかし、これは専用の磁石のついた
用具で、レンズ前から引きずり出して、別のリングを入れる
という極めて原始的な交換方法である。このため、屋外の撮影
で、その時に必要な用途に応じて絞りを変えて撮る、という訳
にはいかない、ほぼ、つけたもので固定になってしまうのだ。
f値が明るいものは、当然被写界深度も浅く、スイートスポット
は殆ど無く、ほとんどピントが合わない。また、f値の小さい
絞り部品は、ピントは合いやすいが、周辺が流れる効果も少なく
なってしまう。どれか1つを事前に選ぶのは迷い所であるが、
実用的には、2番目または3番目のリングであろう、つまり、
f4またはf5.6という事になる。

まあ、現実的には極めて操作が難しいレンズであるとともに
このティルトによる光軸ずらしの光学的特性を理解して
ちゃんと使っているユーザー数はさほど多くないであろう。
なので、ジオラマ風写真を撮って、それで満足、という感じに
なるのだろうが、残念ながら、そういうスタンスではすぐ飽きて
しまう事であろう。
だいたい、そういった中央から周辺に流れる効果が欲しいので
あれば、今時のPC上のレタッチソフトでその効果を再現できるし、
NEX-7等のミラーレス機自身にも、そういうミニチュア効果の
エフェクトが搭載されている。
だから、単純なミニチュア効果を求めるのであれば、あえて
操作の難しいLensBabyを購入する必要は無い訳だ。
まあ、これを使うのは、撮影のその場その場で、面白い効果を、
半ば偶然的に得る、いわゆるトイカメラ的な要素を求めての事
だろうと思う。そして、真面目な商品写真などに使うには、
ちょっとレンズの性能的には難しいと思うので、あまり
ちゃんとした用途は期待できない。
使い方(操作性)が面倒なので、実のところあまり使いたくない
レンズではあるが(汗)まあ、欲しくて買ったのでしかたが無い。
いずれまた気が向いたら持ち出してみるとしよう。
さて、次のシステム。

カメラは「孤高のKマウントミラーレス」 PENTAX K-01
レンズは、FA31mm/f1.8 Limitedである。
以前のK-01の特集記事でも紹介したが、K-01のメインの
レンズはこれにしている。
このレンズは非常に高価な部類であり、それを逆に言えば
性能と価格がつりあわない、コストパフォーマンスが非常に
悪いレンズである。

ただ、もちろん、そこそこ写る。
定価14万円とかの、この価格帯で、たいしたことなかったら
それこそ怒ってしまうのだが、まあ「値段が高いから良いもの
であるとは限らない」と毎回言っているように、冷静に性能を
考えてみると、やはり値段には見合わない。
そもそもこのレンズの発売前、1990年代後半の銀塩時代の
末期に、FA43/1.9というレンズが発売された。当初「高価な
標準レンズだ」という認識しかなかったが、友人が購入したのを
ちょっと借りて 、当時のPENTAX 銀塩AF一眼フラッグシップの
MZ-3で使ってみたら、びっくり、極めて写りが良いのだ!
FA43を私もすぐに中古で購入し、その後Limitedシリーズの
第二段としてFA77mm/f1.8 Limitedが発売された。
FA43の素晴らしさがあったので、FA77は発売当日に新品で
購入した。
で、これはまさしく感動的な写りをするレンズであった。
PENTAX 銀塩MF一眼最高峰のLXに装着すると、ファインダー
を通して見るだけで、その高性能ぶりがわかるではないか!
こうしたレンズは無いわけでは無いが、数えるほどしかなく
10万円を僅かに切る定価においては、まさしく「スーパーレンズ」
である(=高性能かつ超高コストパフォーマンスのレンズの事)
このFA77mm/f1.8 Limitedについては、発売から15年以上を
経過する今に至るまで、私の中では、ベストレンズであると
思っている。「ナナナナを買わずして何を買うのだ?」と。
で、FA43,FA77という流れがあったから、第三段のFA31/1.8も
少し高価であったが、新品をエイヤっと、写りも確かめずに、
発売当日に購入。
そして、試写し、どん底まで落ちてしまったのだった・・(汗)
「まあ、確かに写りは悪くないけど、値段には見合わないよね」
つまり、FA43やFA77にあった、感動が無かったのだ。
コストパフォーマンス信条主義とすれば、できるだけ安価な
価格で、できるだけ高い性能を持たないと「スーパーレンズ」
にはならない、高価なだけで写りが悪いレンズは論外だが、
高価で、かつ写りが良くても、何かプラスアルファの要素が
無いと納得が出来ないのだ。
で、そういう事から、私の中では「嫌いなレンズ」の代表格と
して、FA31/1.8は長らく、ほとんど使う事はなかった。

しかし、近年のK-01の購入とともに、この極めてアンバランス
なカメラ、すなわち物凄くお洒落なデザインなのに、その構造上
ピント性能が極めて低いという重大欠陥を持つ、という状況を
鑑みて、このK-01のメインレンズをどうしようか悩んでいたのだ。
K-01のピント合わせが問題なのは購入前からわかっていた。
一応私は「技術」というものは分かるので、K-01の仕組みで
ピントが合う筈が無いのは予想できており、そこは覚悟して
購入したのだ。
で、結局、組み合わさったのが、このFA31mm/f1.8だ。
やや広角なのと最短30cmと普通の性能なので被写界深度が
あまり浅くならず、カメラ側のピント合わせの負担が若干少ない
という理由だ。
すなわち、コントラスト検出AF方式では、被写界深度が極めて
浅い状況、例えば、大口径レンズ、望遠レンズ、マクロレンズ、
最短撮影距離に近い近接撮影等においては、ピント検出精度が
足りない状況に陥ってしまう可能性が高い。しかし私の主な撮影
スタイルでは、それらの条件の全てに当てはまってしまうのだ。
だったらMFレンズを使えば良いか?と思ったが、これもK-01の
構造および操作系では根本的に無理だ、詳しく説明していると
長くなるので省略するが、ともかく苦手なのである。
なので、AFで、できるだだけ広角で、かつ「デザインが良い」
(注:これはK-01と組み合わせる上で、とても重要なポイントだ)
という当該レンズは、FA31mm/f1.8しか所有していなかった訳だ。
まあ、近年のAPS-C用のDA15mm/f4 Limitedの方が、
この目的には合致しており、小口径で小型軽量なのでAF動作の
負担も少ないことは想像つくが、これは残念ながら所有していない。
DA15/4は中古も意外に高価で、K-01救済の為の出費としては
デカすぎる(コスパが悪い)と思い、断念したのだ。

余談が長くなったが、FA31/1.8の写りは勿論悪くは無い。
特に優れているのは、逆光においてもフレアやゴーストが
殆ど発生しない事。まあ、それらが作画意図的に必要な場合
は積極的にそれらを取り込むために、むしろフレア・ゴースト
レンズは歓迎なのだが、そうで無い場合は本能的にフラット光
で撮ってしまう事が多いのだが、例えば、モロに背景に太陽光
が入るような無謀な状況でも、FA31/1.8はゴーストがほんの
僅かしか出ない。よほど凝った(コストのかかる)内部構造に
しているのだろうが、まあ、私にとっては、それは若干過剰な
性能だ。ゴーストが出てもいいからもっと値段を下げて欲しい。
(例:SIGMA 20/1,8, 24/1.8, 28/1.8の大口径広角3兄弟が
理想的→これらは最近f1.4版にアップデートされたが、同時に
とてつもなく高価になってしまった)
他の長所だが、様々な撮影距離や絞りにおいても背景ボケ質が
破綻しにくい事。つまり、いつでも綺麗なボケが得られるのだ。
まあ、これはFA Limitedシリーズの他の2本と同様の特徴だ。
ただし、FA31はFA43やFA77と違って(準)広角レンズだ、
よって、絞り込んで使う場合も多い(今回の写真は比較的絞りを
開けて使っている、ボケ質を紹介したかったからだ)
で、絞って使う場合だと、せっかくの大口径も、高品質なボケも
活かせない状況だ、絞れば1万円の広角レンズと性能は
大差ない。(例:SIGMA 30mm/f2.8DNと比較する等)
なので、このレンズは他のFA Limitedに比べ、使い道が難しい、
すなわちコスパが悪いレンズとなってしまう、という事だ。
まあ、グダグダと文句を言っているが、それでも結構、最近は
K-01と組み合わせて愛用している頻度も多いので、だいぶ
「嫌い」という感覚は薄れてきたのかも知れないが・・
さて、次のシステム

カメラは NEX-7 、Eマウントの旧フラッグシップだ、操作系
全般に優れ、アダプター使用時の操作系も及第点であるので、
MFの難しいレンズの場合で、マイクロフォーサーズほど換算
焦点距離の倍率を高めたくない場合(換算1.5倍)に用いている。
レンズは・・・何て書いてあるか読めない(汗)
キリル文字を無理やりアルファベットに当てはめると
KALEINAR-5N 100mm/f2.8となる。
最後のN(キリル文字ではH)は、以前のロシアレンズの記事でも
説明したが、ニコン用という意味である。
けど、このマウントは、実際はKIEV-19というウクライナ製の
カメラ用のマウントで、ニコンAiマウントとは微妙に異なるので
注意が必要だ。
このレンズは20年近く前に、ロシア製のレンズを7本まとめて
東大阪の中古店で購入した際の1本であり、それらはジャンク
レンズであったので、値段は7本で2万円という超格安であった。
その中に、このKALEINAR-5N が2本入っていた、「2本も
いらないよ」と思いつつも、ニコンの銀塩カメラ(FAだったか?)
に装着しようとしたら、固くて装着できない。これはヤバイ
(付けたら取れなくなる)と思い、その1本は使用を断念。
もう1本の方を別のニコンのカメラ(FE2だったか?)に装着すると、
なんとかこれはOK、しかしキチキチで非常に固い・・
1~2度試写してみると、なかなか良く写るが、カメラから
外れなくなったりマウント部を壊してしまうリスクもあるので、
ほとんどそれからは使っていなかった。
(注:瞬間絞込み測光方式を採用する、ニコンFG,FA,F4などの
銀塩一眼では Aiマウントの周辺に、それ用の部品がついている
ので、KIEV-19マウント用のこうしたロシアレンズでは、装着が
出来ない場合がある、とも聞いた事があるが、真偽はわからない。
まあ、今時のデジタル時代においては、どうでも良いことなので、
その為の実験や検証はしていない)

長年このレンズの事を、すっかり忘れていたのだが(汗)
先日、ロシアレンズのヘリオスを使ったときに、そういえば・・
という感じで思い出した。
マウントが危ない、という事も同時に思い出したのだが、まあ、
ミラーレスの場合は、アダプターなので、仮にレンズが外れなく
なっても、あまり大きな問題では無いだろう。
そして、私が使っているニコンAi→Sony Eのマウントアダプター
は中国製で、ほんの僅かにレンズの締めつけが緩い。試しに
本レンズをつけてみると(元々固いのが)カチリと見事に嵌った。

いやあ、なかなか良く写るではないですか、
NEX-7の画像処理エンジンのおかげもあるかも知れないが
まあ今回、NEX-7の方がレンズの10倍高いというイレギュラー
な使い方(私の場合、基本は、カメラよりレンズの価格を高く
するのがコンセプトだ)なので、カメラのおかげ、というのは
方針に合わないので、そう考えるのはやめておこう。
でも実は、正直言うとボケ質の破綻が著しい。
これはこのレンズだけに限らず、この時代(1970年前後)
の中望遠レンズは、多くがそんな特性を持っている。
ボケ質破綻の回避は、ここのところオールドレンズで散々遊んで
いるので、だいたい身についてきた(ごく簡単に言えば、背景の
絵柄の選択と、それに応じた絞り値の選択である、しかし、実際
の所は、被写体距離、背景距離等の影響もあり、複雑だ)
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まあまあ良いレンズなので、では、例のアレを試してみるか?
アレとは「デジタルズーム超々望遠撮影」である。
先日の記事で、マイクロフォーサーズ(LUMIX G5)+400mm
ミラーレンズ+デジタルテレコン4倍+デジタルズーム2倍で、
都合6400mm相当!という、超々望遠撮影を手持ちで敢行した
のだが、その際、遠距離の伏見桃山城をターゲットにして、
超々望遠での想像を絶するブレ量に辟易しながら撮影していた。
6400mmでの対角線画角は、僅かに 約 0.38度であった、
ちなみに、一般的な200mm望遠レンズでフルサイズであれば
対角線画角は約12度である。12度に比べると、0.38度は
まさしく針の穴である。
今回は、100mmレンズ+APS-C(1.5倍)+デジタルズーム10倍
(NEX-7での最大値)で、都合1500mm相当である。
対角線画角は、約1.6度となる。

例によって、デジタルズームにより画質はかなり落ちるが、
先般の G5での3200mm~6400mm相当よりはかなり良い、
G5のデジタルズーム倍率はトータルで8倍なので、
NEX-7の10倍より画質劣化は緩和されそうなものであるが、
まあ、元々のレンズ性能の差であろう。(かたや画質的に
問題のあるミラーレンズだ)
ちなみに、どちらのシステムにも手ブレ補正は入っていないが、
それはあまり関係ない、もはや手ブレ補正機能でカバーできる
範囲はとうに超えている事であろう。

KALEINAR-5N 100mm/f2.8 あなどりがたし、という感じで
あろうか、まあ、ロシアレンズ(ウクライナだが)に
ハマる人は、こういう所、つまり、値段とは比べ物にならない
高性能に惹かれるのであろう。
まあ、コスパ至上主義の私であるから、こういうレンズは
勿論大歓迎である。

うん、やっぱ良い感じの描写をする。
まあ、どうせ、逆光になると、ヘナヘナになってしまうのが
この手のロシアンレンズの宿命なのだが、その欠点は十分に
承知の上なので、フラット光(曇天や日陰、やや暗い状況など)
でしか撮らないというのもコツだ。

こういう背景、つまり、水面や木漏れ日など光源が入る場合は、
撮影距離や絞り値に応じては、ボケ質が破綻しやすい。なので、
この状態では、この被写体状況にしては絞っている(確かf8位
かな?)本来は、絞りf4くらいで撮りたいところだが、
EVF上でも少しわかるくらいにボケ質が破綻しかけていたので、
絞りを1段さらに1段と絞って、ここに落ち着いたのだ。
NEX-7の236万ドットEVFは、マイクロフォーサーズ機のG1~G5
の144万ドットEVFに比較してピントの山はむしろつかみにくいが、
解像度が高く、綺麗に見える他、ボケ質がややNEX-7の方が
分かり易い模様だ。
なお、絞り値の調整をレンズ性能(例:MTF等)の発揮の為に
使うマニアが居るかも知れない。例えば「このレンズはf5.6の
時に最も性能が良いから、f5.6で撮る」等である。
しかし、絞りの用途は、そういう物では無いのは言うまでも無い
基本は、絞り優先モードにしておき、まずは被写界深度の調整、
そして、応用として、シャッター速度の調整用途である。
で、さらなる高度な使い方として、ボケ質の調整がある訳だ。
(MTFとは、平面的な被写体を一定の距離から撮影した際、
画面上の各方向で、特定の空間周波数(=被写体の細かさ)を
どの程度判定できるか、といった、レンズ性能のごく1部の評価
データに過ぎない。例えばボケ質等はこの値には含まれていない。)
まあ、本記事で紹介した FA31/1.8 のような特性のレンズでは
絞り値の変化によるボケ質の変化も起こりにくいのであるが
レンズによっては、ボケ質破綻は大きな問題だ。
そんな場合に、絞り値に変更によるボケ質向上は、主にオールド
レンズ使用時の基本的なテクニックとして覚えておいて損は無い。
さて、長くなってきたので、次回記事へ・・