年末恒例の本年度のドラゴンボート・ペーロン大会の総集編。
今回は今年最も印象に残った3チームを紹介してみよう。
ただし「ベスト大会編」と同様に、あくまで私が今年観戦した
大会やドラゴン関連イベントの中での情報であり、あくまで私の
個人的な感想での話なので、ここで選に漏れたからと言って
気に病まないでいただきたく思う。
そして今回は、今年のブログには載せていなかった未公開
画像も多数掲載している。写真の枚数が多いので上下を多少
カットして容量を少しケチっている(笑)ブログにはトータルの
写真容量制限があるのだ。まあ、まだ数年は大丈夫だと思うが、
特にドラゴンは横長画像が多いので、来年あたりからは写真の
無駄な上下のスペースは、できるだけカットして掲載する予定だ。
では、ベストチームのトップ3を発表しよう。三位から順番だ。
第三位:「bp」(大阪府/兵庫県)
レース戦績:★★★★★
ドラマ性 :★★
業界貢献度:★★★★
総合評価 :3.7
(注:各項目5段階評価、☆は0.5点)
ご存知「bp」である、正式名称は「Beauty Party」との
ことであるが、その名前で大会に参加した事は、数年前の
地方大会(例:東郷湖大会)など、わずかしかない。
公式に「bp」が活動を始めた3年前からは、ほぼ全ての
大会では「bp」の名前でエントリーしていると思う。
なお「bp」と小文字で書くのが通例の様子だが、
彼等の持ち物の中のロゴでは、「Bp」「BP]という表記も
ある模様なので、正式な書き方は良くわからない(汗)
それと「bp」の出身を「大阪府/兵庫県」としている件だが、
普通ドラゴンチームの出身地は、メンバーの住所は様々なので、
監督(またはリーダー、キャプテン等、代表者)の居住地に
することが一般的だ。
しかし、もう1つの要素として「練習拠点」というのもある。
チームの練習拠点を出身地としても特に問題は無い。
「bp」の場合、メンバーは大阪や兵庫に散らばっているし、
練習拠点も2箇所、大阪と兵庫にある。
なのでまあ、私の感覚では、「大阪府/兵庫県」というのが
「bp」の出身地であるのかな?と思っている訳だ。
さて、上写真は7月の日本選手権のオープンの準決勝で、
王者「磯風漕友会」をコンマ差で破った瞬間である。
(ただし、日本選手権では優勝は逃してしまった)
そう、「bp」の評価において、今年の「戦績」という項目
では、各チーム中最高評価の5点である。優勝した大会名を
それぞれ列記するのが面倒になるくらいの優勝回数の多さだ。
これは今年に限らず、活動を始めた2013年以降、ずっとそんな
感じであり、優勝回数は、すでに数十回に到達していると
思われる。推測であるが、恐らくは、国内最強チームの
「磯風漕友会」の優勝回数を抜いているのではなかろうか?
これは、8月のATC大会での「エキスパートの部」での
優勝シーン。以下、写真はすべて本年2015年の大会等からの
ものなので「今年の」という表記は省略しておこう。
ATC大会では、主力メンバーが海外遠征の直前の状況だった
ので「bp」は若手中心のメンバー構成になっていた。しかし、
それにもかかわらず、ぶっちぎりの速さであり、特に印象に
残っている。その後すぐに若手メンバーも世界大会に向かい、
若手チームは入賞こそ逃したが、そこそこの好成績を残したと
聞いている。
こちらは、9月、雨の「スモール選手権」、選手権オープンの部
決勝の後のウィニングランの模様、このカテゴリーでは「bp」
「bpジュニアB」「bpジュニアA」が、驚異のワンツースリー
フィニッシュを遂げている。3艘建て以上のレースでの、
3着まで独占は、確か、2014年のATC大会に続き、
史上2回目であったように記憶している。
チーム名だが、今年は「bp」をメインチームとして、
派生チームを「bpジュニア」と呼ぶ事がほとんどであった。
これは一昨年と同じ状況。
昨年は「都島」「DDT」というサブチーム名を良く使った
のであるが、今年はそれを控えて「bp」で統一していた模様。
昨年との違いの1つとしては、メインドラマー「謎の美少女」が
受験を終えて(?)メンバーに復帰した事である。
2013年デビュー時は、クールビューティーという印象が
強かった彼女であるが、多くの激戦を経て「bp」の顔としての
存在感が出てきており、笑顔もだいぶ増えてきた。
「成長したなあ」という風に感じられる。
クールといえば、「bp」のチームそのもの全体が、クールで
ストイック、おまけに競技志向が極めて強いように、従来は
感じられていた。ただ、先日の大阪の2つのイベントの記事
でも書いたように、今年、「bp」は、自らのチームの勝敗
よりも、ドラゴンの普及発展とか、そういう大局的な視点が
かなり出てきたように見える、これは非常に良いことである。
私が今回の記事でベストチームを選ぶ基準とした3つ目には
「業界貢献度」という項目がある。この項目は、文字で何と表現
するべきか迷ったのであるが、要は、自チームの事のみならず
大会の運営や、普及・知名度向上、デモンストレーションなど
チーム外や世間一般に向けた、様々な活動でドラゴン界全体に
貢献したかどうか、という点を評価している訳だ。
この点「bp」は、下期の大阪のイベントでドラゴンの広報活動
に貢献しているし、ちょっと広く解釈すれば、国際大会出場
というのも、プロパガンダ的な意味で、貢献度は高いであろう。
「bp」の今年最も印象に残ったシーンと言えば、6月の高石大会
(堺泉北大会)で、王者「磯風」を破って優勝したことであろう、
写真はその勝利の瞬間。
ちなみに、「磯風」のドラマーが横を見ているのは「不利な状況」
という事を示している。でも、たいてい「磯風」は不利であっても
これまではずっと優勝し続けてきた。レースでは、磯風ドラマーが
ここまで「ガン見」をしているは、尋常では無いなあ、と思って
いたのだが、やはり結果は0.05秒差で「bp」の勝利であった。
対する「bp」のドラマー「謎の美少女」は、勝利を確信した
ような「チラ見」が、「磯風」と対照的でなかなか面白い。
”ドラマー”で思い出した、本記事のベストチーム評価基準の
「ドラマ性」であるが(駄洒落か?汗)
これは、様々な記事で何度も書いている「魅せるドラゴン」を
実践できているかどうか?である。
つまり、レースや振る舞い等で「ハラハラ・ドキドキ」をはじめ、
様々な感情を見る人(観客・選手・スタッフなど)に与えられたか
どうか?という心理的な部分だ。
「bp」の「ドラマ性」の評価が2点と低いのは、
まあ、ある意味「磯風」や「海外強豪」が出ていない大会では、
「bp」が勝つのは当たり前であるからだ。
高石で本当に「磯風」に勝ってしまったのは、一つの「ドラマ」
ではあるが、あれだけ真面目に練習して、あれだけ様々な大会で
修羅場をくぐっていれば、いつかそんな日が来るだろうと予想は
できていたので、あまり「驚いた」という感じでもなかった。
「bp」のラストに、ラフティングをしているという珍しいシーン。
今度、これでドラゴン艇とデモレースをして、勝ってくれれば、
「ドラマ性」が増えるかも(笑)
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さて、次は第二位のチームだ。
第二位:「池の里Lakers!」(滋賀県大津市)
レース戦績:★★★★
ドラマ性 :★★★★☆
業界貢献度:★★★
総合評価 :3.8
ご存知、最強の「町内会チーム」であり、滋賀県を代表する強豪
チームの1つである。「bp」の出身地が、大阪・兵庫と曖昧で
あるのとは対照的に「池の里」の選手は全員が「滋賀県大津市
池の里」の同じ住所を持つ。そう、勿論「町内会」であるからだ。
各地の地方大会の範疇では「町内会」チームは、いくらでもある、
ただ、全国大会レベルで活躍する、いわゆる「専業チーム」の
町内会チームは、さほど多くない。「池の里」以外の例をあげる
ならば、滋賀県高島市の「松陽台」、そして兵庫県相生市の
「陸(くが)ペーロン」が上げられるだろう。
「松陽台」は「高島ペーロン」をホーム大会としたチームで
あるが、近年、他地区の大会にも積極的に参戦している。
まだ滋賀県の大会中心であるが、今年は滋賀の4大会に
連続出場、もう「専業チーム」の仲間入りだ。
「陸ペーロン」は、かつては天神大会(現:日本選手権)で
連覇を遂げた超強豪チームであった、「陸」というのは、
兵庫県相生市陸(くが)地区の選手が中心であると言う意味だ、
「陸」も、町内会ゆえにメンバーの改編期を迎えていて、
ここ6~7年は、県外大会などへの出場も控えている模様だ。
昨年、相生ペーロンで彼等の様子を見たが、中学生の選手が
居るなど、かなり若がえっている模様だ、もう数年したら再び
全国レベルの大会で、またその強さを発揮できるかも知れない。
で、「池の里」であるが、「町内会」であることは長所にも
短所にもなる。長所は、結束力の高さ、モチベーションの高さ、
等であろう。たとえば、冬場であっても、隣の家の○○さんが
朝から走っている様子を窓から見れば、こちらの△△さんも、
走り込みをせざるを得ない。まあ、しんどい面もあるかとは
思うか、スポーツチームとして考えれば、メリットであろう。
短所は、メンバーの補充が困難なことだ。特に「池の里」の
場合は、”池の里地区の住民である”という純血主義を長く
貫いている。池の里地区というのは滋賀の新興住宅地、
すなわちニュータウンであるから、町が出来あがってしまえば、
その後は住民の出入りは殆ど無い。
なので「池の里」のメンバーも、ほとんど入れ替わりが無い。
そして、結成してほぼ10年強位だと思われるが、その間、
メンバーも、10数年分、全体に歳を取っていくわけだ。
今年は、ついに「池の里シニアLakers!」の名前で、グランド
シニア大会に参戦している、後継者を育てないと、ジリ貧に
なるのはわかっていると思うが、「純血主義」を曲げてまで
外部のメンバーを入れるかどうかは、重大な選択になるだろう。
しかし、ジリ貧と言いながらも、今年の「池の里」の戦績は
かなり立派なものだ。
こちらは、7月に行われた「高島ペーロン」の決勝戦での
「池の里」の模様(奥のレーン) 手前のレーンは、
昨年の本大会の優勝チームであり、池の里の盟友でもあり
かつ、ライバルの「小寺製作所」だ。
今年の決勝では、ターンの上手い「小寺製作所」を、わずかに
かわし、ターンからの立ち上がりで若干のリードを奪い、
そのリードを死守、見事「池の里」は本大会初優勝を遂げた。
続く翌週8月の「ドラゴンキッズ大会」では、親子の部で
「池の里ジュニアLakers!」が見事に優勝、この大会での
「ジュニアLakers!」の優勝回数はかなり多いのであるが、
なにせキッズ大会の子供とは「小学生限定」である。
町内会であれば、勿論子供の補充も困難、「bpジュニア」
のジュニアと異なり、こちらは「実子」であり、選手達とは
本当の親子だ。そして、子供達の成長は早い、小学校など
あっと言うまに卒業していくのだ。
悪い事に、池の里にはもう次の世代の小学生は居ないとの事だ、
まあ、親御さんチームがシニア(40歳以上)に届く年齢で
あるから、なかなか小学生の子供達の居る世代では無い。
だから今年の「キッズ」では「恐らく最後の参加(優勝)になる
だろう」と「池の里」は言っていた。
まあ、でもモノは考えようであり、前述の「陸ペーロン」が
子供達が中学生になっていて、数年後には新生「陸ペーロン」
を担う存在になるだろうから、「池の里」も同様に、
数年前「キッズ大会」で連覇の黄金期を迎えた最強キッズ
メンバーが、数年後や10年後には、バリバリの若手メンバー
として新生「池の里」を支える事になるであろう。
それを楽しみに、なんとか、あと数年は「池の里」は
現役を維持していただきたいと思う。
「池の里」の「ホーム大会」は「びわこペーロン大会」である。
ホーム大会というのは、そのチームの出身大会であり、
通常は思いいれも強く、最も力を入れている大会の事だ。
当初「池の里」は、ホーム大会の他は、びわこ周辺で行われる
いくつかの大会にエントリーするに留まっていたが、数年前
より、大阪地区の「日本選手権」や「高石(堺泉北)大会」
にも活動の幅を広げている、「日本選手権」での最高位は、
決勝進出の「5位」であったが、まあ、とは言え全国区である
選手権大会レベルでの決勝進出は見事なものである。
ただ、これだけの実力を持ち、かつ、多くの大会に参戦して
いながら、「池の里」の「優勝」実績は、キッズ大会での連覇を
除いては、2011年の「びわこペーロン」における「涙の初優勝」
のただ1回のみであった。じゃあ、他の大会ではどうだったのか?
といえば、これが見事な「万年2位」状態であった。
もう、今年の記事で、何度「万年2位」と書いたか、わからない
くらい多くの回数、その表現をさせてもらっていて、あまりに
「池の里」に失礼であるようにも思うのだが、準優勝というのも
それはまあ立派な戦績であると思うので、私自身は「万年2位」
という表現に、見下した意味は無いと思っている。
むしろ、また優勝する為の励みなって良いかな・・・とも。
そして彼等に最大の優勝チャンスが巡ってきたのが、8月下旬の
「びわこペーロン」であった、国内超強豪チームが海外遠征で
不在。ここで優勝しなければいつする?というチャンスであった。
しかし、その状況は「池の里」だけのアドバンテージでは無い、
ライバルの「小寺製作所」も、「龍人(どらんちゅ)」も、
いずれも滋賀の強豪チームだ。勿論各々優勝経験もある。
どのチームも気合が入った「三つ巴」の戦いであったが、
結果は「池の里」が見事に優勝。(4年ぶり2度目)
ふう、しかし、「池の里」のレースは、本当に「ドラマ性」が
高い。チーム評価点では、「ドラマ性」が、4.5点と非常に
高く、ドラゴンの全チームの中でもトップクラスだ。
「池の里」は別に派手なパフォーマンスも、何もやっていないが
「魅せるドラゴン」である事は間違いない。
ハラハラ、ドキドキという要素があって、まさしく観客になんらか
の感情を持たせてくれる。ただ、それは、彼等の内情を知って
の上での話だ。確かに戦績も大事であるのだが、別にそれは
「万年2位」でも「無冠の帝王」でも良いと思う、
野球で言えば、西武→巨人の清原選手は、なかなかタイトルに
恵まれなかったが、それでも人気は絶大であった。
阪神球団も滅多に優勝しないが、関西での人気は磐石だ。
関西人は「弱いのが良い」「応援したくなる」「たまに優勝する」
「ハラハラする」「采配が悪い、オレ(観客)が監督をやってやる」
といった風に、阪神というチームを様々な側面からとらえている。
そんな感じで「池の里」も観客の感覚とともに、やっていけば
良いのではなかろうか?
今年もまた、沢山のチームを見てきた私が思うに「池の里」の
ドラマ性は、全チームの中でピカイチである。
であれば、優勝とか戦績とかよりも、その恵まれた天性の
特徴を、ドラゴン普及の為に役立てていただきたいようにも
思うが、いかがだろうか?
で、最後になるが、ベストチーム編でも「池の里」は2位でした、
「万年2位」を意識してこの順位をつけたわけではなく(汗)
あくまで、各チームを公平に評価していたら、こうなったという
事で、念のため・・・(笑)
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さて、最後に第一位のチーム。
第一位:「海猿火組」(静岡県)
レース戦績:★★★★
ドラマ性 :★★★☆
業界貢献度:★★★★☆
総合評価 :4.0
ご存知、静岡の最強チーム「海猿火組」である。
地元静岡の、御前崎大会・ツナカップ大会のみならず、
大阪の日本選手権、滋賀のスモール選手権の常連チーム
でもあるので、すっかりおなじみのチームであろう。
今年、圧巻だったのは、9月の「スモール選手権」において、
3つのカテゴリーにそれぞれ「海火」チームをエントリーし、
優勝・優勝・準優勝という、あわや「3カテゴリー同時制覇」を
実現しそうな状況であったのだ。
(3カテゴリー制覇は、確か2012年の「びわこペーロン」で、
「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」が実現している、そして、
その他には前例が無かったと記憶している)
全国区の「選手権大会」での、これは、なかなか立派な
成績であり、チーム評価の「戦績」として加点の対象となる。
おまけに、同じく「選手権」大会である7月の「日本選手権」
では、「海猿火組」と、それに加え東京の{TAITAM X」や、
「BON OYAGE」等とのコラボチーム「FUJIYAMA ALL STARS」で、
見事シニアの部で優勝を遂げた。
しかも「FUJIYAMA ALL STARS」は「日本選手権」で2連覇
という快挙である。「選手権」大会での連覇は、過去、数えれる
くらいしか例がなく、殿堂入りのレベルである。
さらに言うならば、昨年も今年も逆転勝利である。
シニアの部は2回戦制であるのだが、通常2回戦制での逆転劇は、
ほとんど有り得ない。つまり、チームの実力値というのは、ほぼ
均一なので、何度やっても同じ順位になるのが当たり前だからだ。
昨年の「日本選手権」優勝で「FUJIYAMA ALL STARS」は
今年、国際大会への代表チームとなり、カナダに遠征している。
まあ、両「選手権」大会で、これだけの実績をあげていれば
「レース戦績」4点という評価でも、まだ少し足りない位だ。
そして、「海猿火組」の練習拠点は、静岡県の御前崎市
および、静岡市清水区である。
そう、これらの場所は、いずれも、ドラゴンボート大会を
行っている。静岡での大会開催はこの2箇所のみである。
勿論、これらの大会は、その立ち上げから運営に至るまで
「海猿火組」が大きく関わっている事は言うまでもない。
まあ、一応「静岡協会」という立場ではあるが、1つか
せいぜい2~3のチームが元となって、大会を作り上げて
しまうという事も、他では殆ど無い事であろうと思う。
で、「海猿火組」は、近年は地元の大会で優勝する事は無い。
つまり、もう「海火」が強い事はドラゴン界の誰もが知って
いる事だし、地元チーム相手に勝っても意味が無いのである、
その結果「御前崎大会」も「ツナカップ大会」も参加チーム
思いの、大変気持ちの良い大会に成長していきている。
特に「ツナカップ」は、前記事「ベスト大会編」で1位を獲得
している事からも、全国屈指の「おもてなし大会」として、
参加チーム・選手達の満足度が極めて高い大会となっている。
ただ、今年の「御前崎大会」は、アクシデントに見舞われた。
6月の大会当日、風速15m/sを越す超強風が吹き荒れ、開会式の
直前に、やむなく「中止」という事になってしまったのだ。
朝から、50チーム近くの多くの選手達が、集まってきている。
大会運営側の立場を考えると「絶体絶命のピンチ」であるが、
ここを、ジャンケン大会の奇策でなんとか乗りきったのである。
参加した選手達は、せっかくの大会が突然に中止となり、
がっかりするか、あるいは怒り心頭に達するか?、という
不穏な状況において、このジャンケン大会は、意外なまでの
盛り上がりを見せる事になる。静岡の大会特有の豪華な賞品を
公平に取り合って、選手達もかなり満足されたようだ。
中には「この大会に参加しつづけ、初めて入賞賞品を貰いました」
と感激した地元ビギナーチームも・・
選手達の気持ちを逆撫でせず、無事ピンチを切り抜けた手腕は
なかなかのものである。(まあ、数年前の琵琶湖のキッズ大会で
同様に、強風で大会が途中中止となり、ここもジャンケン大会で、
切り抜けた前例はある)
また、「海火」は、静岡で「ドラゴン体験乗船会」や
「船舶安全講習会」等、いくつもの一般向けイベントも行っている。
彼等のメンバーには「海上保安庁」など、海の安全のプロも多い
ので、このあたりはお手の物だ。
ちなみに、数年前の「御前崎大会」で、ビギナーチームの艇が
転覆し、あわや、という状況では、「海保」の現役潜水士数名
による、速やかかつ鮮やかな救助活動は、「お見事」と言うしか
無い状況であった。そういう意味でも、静岡の大会での安全は
彼等により保証されている。
そして、(昨年の台風中止以来)無事に実施された10月の
ツナカップ大会での、見事な「おもてなし運営」と合わせ、
私の「業界貢献度」の評価点は、各チーム中最高点の
4.5点となっている。
「ドラマ性」についてであるが、「海猿火組」は、4~5年前
までは、かなり競技志向が強いチームであった。
まあ、例えば関西や関東からは全国レベルの強豪チームが多数
輩出されているのであるが、東海地区からも「静岡ここにあり」
と、名前を知らしめたい、という気持ちもあったのであろう。
そして「海猿火組」は、選手権大会のみならず、関西の多くの
大会に参戦し、多数の入賞などの好成績を残し、その名前が
全国区へ知られていった。また地元御前崎・ツナカップの両
大会でも優勝し、静岡最強の名前を欲しいままにしていた。
しかし、どのチームにもあることだが、2年ほど前より、
メンバーの改編期を迎える。ここでチームの再編に失敗すると
そのままズルズルと、それこそ「竜頭蛇尾」になってしまう
チームも多い中、「海火」は、この難局を、僅か1年半ほどの
短期間でクリアし、今年、新生「海猿火組」として、様々な
好成績を残した訳だ。 これはまさしく「ドラマ」であろう。
しかも、もう数年前の「海火」のように、勝敗にガツガツした
雰囲気はなくなっている。
大会運営に尽力し、周囲のチームや大会参加選手達を
思いやれる「大人のチーム」に見事に成長した訳だ。
今回、「今年印象に残ったチーム」として取り上げた事は
いずれも私の個人的な印象である、私が知らない部分でも
各チーム、様々な「ドラマ」が存在しているのは確かである。
1つだけ各チームへアドバイスだが、大会のパンフレット等での
チーム紹介文に「○○(場所の名)で練習しているチームです、
がんばります」といった文章がかなり多いのだが、観客の期待
する部分は、各チームのレースの背後に潜む「人間ドラマ」
なのだ。だからだ、できるだけ、そういうドラマに結びつく
ようなエピソードを紹介していただければ、と思っている。
今回の記事では「しげる」や「Rスポーツマン」「IHI」
など、次点として紹介していきたかった印象に残ったチームも
色々あったのだが、文字数の関係もあり、また別の機会、
とさせていただこう。
では、最後にもう1度、ベストチームランキングのまとめを・・
第一位:海猿火組(静岡県)
総合評価:4.0
第二位:池の里Lakers! (滋賀県)
総合評価:3.8
第三位:bp(大阪府/兵庫県)
総合評価:3.7
評価点数が全てやや低めだが、「まだ成長の余地あり」という
事である。各チームのさらなる発展を期待したいと思う。
さて、今年の【熱い季節2015】記事は、これで全て終了、
また来年のシーズンまで、それでは皆様、良いお年を・・