さて、ハイペースで進んでいるこのシリーズ記事も、すでに
9回目となった。
今回はまずこのシステムから。

カメラはおなじみのG1、非常に安価で、昼間のアダプター母艦
として使うには最適である。
レンズは、CONTAX Nシステム Planar 50mm/f1.4である。
(京セラ)CONTAX は、通称「RTSシステム」というマウントで、
1975年から2000年くらい迄、35mm判銀塩一眼レフと
そのレンズ群を発売していた、レンズ群には、カールツァイス
の銘があり、高性能のレンズとして神格化される位に
ファン層が多かった。1975年のシステム発売時には、
これらのMFレンズ群は、他社に比べて比較的高価であった。
その後1985年のミノルタα-7000の衝撃的なデビューから、
市場はいっきにAF時代にシフトした。
CONTAXは、そのAF化の波に乗り遅れてしまった。
それは技術的な問題というよりは、市場戦略的な面が
大きかったのであろう、つまり、高性能と謳われたツアイスの
レンズ群を、その性能を維持したままAF化することに対し、
メーカーやユーザーにも、ためらいがあったのだと思う。
また、CONTAX MFレンズはさほど値上げをしなかった為、
1990年代には、むしろ他社AFレンズよりも安価なくらいで
あり、高付加価値(つまり高価)な製品開発の必要性が
あったが、誰もが納得できるような製品群を出さないと、
ユーザーは付加価値を認めなかったであろう。
そんな状況で、AF化は遅れに遅れ、2000年前後になって
からだった。
鳴り物入りで登場した「Nシステム」は、35mm判銀塩に
留まらず、中判(645)フィルム用システム、そして来るべき
デジタル時代も見据え、共通化された新マウントが
「Nマウント」であった。
しかし、時期はデジタル到来の直前である、そして、その後の
2000年代前半からの市場の急速なデジタル化の波は、
さすがに予想ができなかったかも知れない。
Nシステムはそうした時代の荒波に揉まれ、数年間で、
いくつかの機種を発売した時点で、製造元である京セラ自体が、
2005年にカメラ事業から撤退してしまったのだ。
Nシステムは高価なシステムであったが、京セラCONTAXの
高級カメラ作り25年の英知を結集させて作らせただけあり、
銀塩一眼システムとしての完成度はかなり高かった。
だが、タイミングが悪かった、もう5年早ければ、きっと1つの
時代を築いていたであろう。
(その一例が 1994年のCONTAX Gシステムである)
高価な上に不人気であったNシステムは、市場では数年で
価格の下落が始まった、私は、2003年頃、このNシステムの
旗艦「N1」と、NP50/1.4,NP85/1.4 の2本のレンズを入手し、
2年間程それを使っていたのだが、時代は既にデジタル時代、
そして2005年に京セラの撤退、そんな理由で優秀であった
「Nシステム」も、他のいくつかのマウントと同様に「休眠状態」
に陥ってしまったのである。

Nシステムのレンズをデジタルで復活させるのは、
他のオールドMFレンズには無い大きな課題があった。
普通のオールドMFレンズであれば、ミラーレス用のマウント
アダプターは機械的に製造すればそれで良い、ピントと絞りの
操作はレンズ側でまかなうことができるので、カメラ本体とは
何ら情報のやりとりをしなくても撮影はできる。
ただ、Nシステムの場合、新しいAFレンズであったので、
「電動絞り」であったのだ、ミノルタαやEOSでは、そうした
機構は、AFシステムの発売当初からやっていたし、頑なに
絞り環を残していたニコンやPENTAXでも、その後、普及レンズ
から順次、絞り環を省略し、電子的に絞りを制御するスタイルに
変えていった。
しかし、α、EOS,ニコン,ペンタックスは、それらのレンズ
を使用可能なデジタル一眼が現役バリバリで発売されている。
が、Nシステムにはそのボディが無い・・
Nシステムのレンズ自身を改造すれば、なんとかなったが、
その改造作業は海外で行われていて、非常に高額であった。
電子絞りのレンズの絞り制御を、ミラーレス機などの
マウントアダプターで実現するには3つの方法が存在する。
1)電子接点を儲け、カメラとレンズの情報のやりとりを
仲介するCPUとその情報変換プログラムを作る。
→いわゆる電子マウントアダプターである、1~2年前の
一時期Nシステム用のものが限定で発売されていたが、
現在は見当たらない。これは非常にコストがかかるし、
数が多くないNシステムでは、製品としては成り立たち
にくい事であろう。
2)マウントアダプターにレバーを儲け、そのレバーで
レンズの絞りを動かす部品を機械的に動かす。
→例えば、ミノルタ/SONY一眼αレンズではこれが可能だ。
なので、α→ミラーレス用のアダプターにはその機構が
ついている。安価に出来るが、一眼α(Aマウント)は
現在でも発売されているので、わざわざアダプターで
使用する意味があまりない。
そして、Nマウントレンズには、その機械的機構で絞り
を制御する仕組みが無いので、この方法は使えなかった。
3)マウントアダプター内部に、物理的な「絞り」を組み込み
レンズは開放のままであっても、マウントアダプター自身
の絞りを動かせる。
→Nシステムの場合は、簡単にはこれしか方法が無かった。
しかし、このアダプターはNレンズの流通数が少ないこと
から市場性が無く、なかなか発売される事は無かった。
が、数年前、KIPON社より、ついに、この機構を組み込んだ
N→μ4/3のアダプターが発売される事になった。
結局、私の場合、3)の方式で、無事Nシステムのレンズが
ミラーレス機で復活することになったわけだ。

復活したNプラナー 50/1.4を使うたびに思うのは、ともかく
大きいレンズであるということだ(ただし、重くは無い)
どうやら、MF時代の プラナー50/1.4の設計はそのままに、
レンズの周辺にAF機構を組み込んだ為に大きくなった
という事のようだ。
そうであれば、わざわざ NP50/1.4を使う必然性も少ない、
CONTAX一眼ファンであれば、おそらく殆どの人が持っている
P50/1.4を使えば、それで良いではないか?MF時のヘリコイド
の感触はMF版に分があるし、Nシステムのアダプターはレンズ
後玉以降に物理絞りがあるため、機構的に大きく絞り込む事は
出来ず、光学的にも光路が設計仕様とは変わってしまうため、
写りにも悪影響が出ている可能性も高い。
回折などの光学的劣化を少しでも減らそうと、当該アダプター
の絞りは、多数の絞り羽根の枚数で、円形絞りに近い設計が
なされている、が、ここで問題になるのは、絞りの形ではなく
後玉以降の光束を、無理やり絞りで遮ってしまう事なのだ。
でも、まあ、そのあたりはどうでも良い、気になるのであれば
あまり絞り込まなければ良いだけだ。あくまでレンズ性能の
美味しいところだけ使えば良い。そういう意味では、別に
絞り開放でしか使えないアダプターであっても、それでも
私は良かったのだ。 一度、そういうアダプターを「特注で
作ってくれ」とアダプターメーカーにお願いした事があったが
「特注は高価になりすぎる」と、やんわり断られてしまった事も
あった。「まあ製品化をするならともかく、市場性が少ないから
無理だろう」という話もその時にあった。

NP50/1.4だが、例の「プラナーボケ」が出る。
これは、絞り、撮影距離、背景距離、背景の絵柄、等の条件
によって、ボケ質が破綻しやすいという事だ。
今回は、プラナーボケを避けるため、それらに配慮して撮って
いる。
そういう意味では、この50mmよりも新設計であるNP85/1.4
の方が、そのあたりは改善されている。今日もNP85/1.4の
方を持ち出そうかと迷ったのだが、85mmは、50mmに増して
さらに大柄なので、持ち出すのに、ためらいが出る程なのだ。
なお、Carl Zeissは、日本語表記では、「カールツァイス」と
「ァ」が小さくなるのが正式な模様だが。このブログでは昔から
ずっと打ち込みの手癖でツアイスと書いている。アをいちいち
小さく打つのも面倒なのだ(汗)そして今更変えるのも大変なので、
その点は、あしからず。まあ、ドイツ語であるから発音上の、
日本語の表記のどれが正しいと言うのも無いかも知れないし・・
ちなみに、キヤノンについては、「ヤ」は大きいのが正解で、
「キャノン」は、実は誤りである、けど、それをいちいち指摘
しても意味が無い。
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本レンズ、中古は玉数が少ないが、発売中止からまだ
10年程度なので、入手不可能という訳ではないだろう。
ただ、あえて、このレンズを無理して使う必要は無い、この
レンズの描写力が欲しい場合は、ヤシカ・コンタックス版の
プラナー50mm/f1.4をより安価に入手し、安価なヤシコン用
アダプターを買えば、全てのミラーレス機あるいは、一部の
デジタル一眼でも使用することができる。
その方がずっと合理的であろう。
さて、次のレンズは・・

SONY NEX-7に装着しているのは、NIKON シリーズE
35mm/f2.5である。
1980年頃に発売された、リトル・ニコンことNIKON EM用
のレンズ群を「シリーズE」と呼んでいる。
外装をプラスチックとし、軽量化とコストダウンを計っている。
いかにも安っぽい作りであるが、写りは悪くない。

このレンズは銀塩時代はNIKON FGに付けて使用していた。
本家の「EM」に装着するのがノーマルな使い方であるが、
EMは性能を割り切っていたので、個人的には好きになれず、
EMの改良板で、高性能化したFGで使っていた訳だ。
1980年代の国内市場においては、EMはやはり受け入れ
難かった模様で、むしろ海外市場でEMはブレイクした模様だ。
なので、シリーズEのレンズも、海外仕様のもの、海外のみ
発売したもの、あるいは海外からの逆輸入のもの、などが
中古市場に入り乱れていた。
私は、1990年代になってから中古屋で見かけたこのレンズを
「安っぽいなあ」と思いながらも、1万円台後半という安値に
惹かれ、買ってみて写したらびっくり、良く写るでは無いか!
むしろニッコールAiの単焦点より良いかも知れない・・
ということで、慌てて、シリーズEの50/1.8,100/2.8も続けて
購入した次第だ。いずれも1万円台前半と安価であった。
1990年代中ばあたりはシリーズEは、玉数もまだ多かったが
その後、第一次オールドレンズブームにより、中古市場からは
あっと言う間に消えてしまった。
元々、ニコンのMFレンズは、中古市場では人気があるのだ。
しかし、実のところは、Aiニッコールは、中古価格が高く、
コストパフォーマンスが悪いので、いくつかの必ず押さえて
おかなければならないレンズを除いては、あまり購入する気には
なれなかったのだが、このシリーズEに関しては例外だ。

最短撮影距離は、目盛り上は30cmだが、もうわずかに寄れる。
Ai/Ai-Sの広角系レンズの最短撮影距離は、ほとんどが30cm
であるが、同時期のAi-S 28mm/f2.8 は20cmとかなり寄れる。
まあでも、18mmレンズでの最短30cmは不満であるが、35mm
レンズであれば最短30cmで十分である。

f2.5は一般的な広角系単焦点のf2.8より、わずかに明るく
おまけに、寄れるとなれば、マクロレンズ的な使い方が
主流になるであろう。当時のニコンのマクロ(マイクロ)は
ボケが固いことが弱点であったので、こうした柔らかい
ボケ質のAiニッコールは貴重だ。
オススメのレンズではあるが、現在は中古の玉数が少ないのが
難点だ。私の友人でかなりの長期間このレンズを探している
人が居るが、ずっと入手できないままだと聞く。まあ、中古店
にフラリと入って探すのでは、なかなか見つからないと思う。
もしあれば、16000円程度まで、というのが相場だと思われる。
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さて、次は、ガラリと変わって「遊び用レンズ」だ。

カメラがLUMIX G5、レンズはケンコー ミラー400mm/f8
このレンズは現役で販売されており、新品価格は2万円前後。
私は中古で購入、13000円程度だったと思う。
今回、何故このレンズを持ち出し、G5に装着しようとしたかは
「超々望遠撮影」を試してみたかったからだ。
アダプター遊び、と言っても、ただ、デタラメにミラーレス機と、
レンズを組み合わせれば良いというものではない、
その組み合わせでしか成り立たない何かの意味が無いと
ならない。
あるいは、カメラとレンズを組みあわせる事で両者の欠点が
相殺しあう、などのケースが望ましい。
意味が無い組み合わせ、つまり、カメラ・レンズのお互いの
長所を減らしてしまうような組み合わせは正しく無いという
事である。
そして、安価であることも条件の1つだ、現代のレンズに
比べてどうしても性能の劣るオールドレンズを、高価な価格で
購入し、かつ、高価なボディに装着するというのは、通常の
価値感覚であれば、まさに「浪費」であろうと思う。
さて、400mmミラーレンズであるが、まあ、ミラーレンズの
特徴などはずっと以前の記事にも書いたと思うので、今回は
割愛する。今回はミラーレンズの特徴ではなくて、単純に
その望遠性能に着目してみよう。
当該レンズは、400mmである、これを、あえてマイクロ
フォーサーズで使うことで、まず2倍相当の焦点距離となる。
つまり800mm相当の超望遠、しかも、このミラーレンズは
長さ10cm強、重さは500g強と、極めて小型軽量だ。
400mm超級レンズで、価格的に手が届く範囲のSIGMAや
TAMRONの超望遠ズームだと、その重量は2kg近くになって
しまう。おまけにそれらの超望遠ズームは、ミラーレス用ではなく
一眼用なので、800mmの換算焦点距離(画角)を実現するには
500mmないし600mm級の新鋭超望遠ズームが必要で、価格も
それなりに高価だ、おまけに、それらはカメラバッグには
絶対に入らず、専用または汎用のショルダーケースに入れて
持ち運ばなければならない、それはすなわち撮影のたびに
カメラに装着する必要があるということで、かなり面倒だ。
それらの課題をいっきに解決するのが、この軽量ミラーレンズ
であり、小型軽量のミラーレス機にも良くマッチする。
今回 G5を持ち出したのは、そのデジタルテレコンバーター
およびデジタルズーム機能を使いたかったからである。
デジタルテレコンは、2倍、および4倍。
デジタルズームは、さらにそれを1~2倍の範囲で調整できる。
このあたりの機能は、古いG1には残念ながらついていない。
ただし、デジタルズームは原理的に画質がかなり劣化する、
プレシジョン、スマート、EX,超解像、などと各社が呼んで
いる機能は、画素補完や、画像処理などで、できるだけ、
その劣化を防ごうとする処理である。
そして、ミラーレンズ自体の画質も、ガラスレンズの望遠に
比べて良くない。超望遠に惹かれて、過去4~5本程度の
ミラーレンズを購入しているが、いずれも画質的にはがっかり
するものであった。この400mmは比較的最近購入したもので、
まだあまり使い込んでいない、なのでまあ、どれくらい写る
ものなのか?という点でも試してみたかったわけだ。
まず、撮影地点。

鉄橋を電車が走っているが注目点はそれではない、画面中央に
赤色の四角で囲っている部分である、ここに「城」が見えている。
これはコンパクトのデジカメで撮ったもので、画角はおよそ
銀塩換算28mm相当の標準的な広角レンズであると思って
良いであろう。
まず、これをミラーレンズ(800mm相当)で撮るとこうなる。

広角レンズでは豆粒ほどでしかなかった、遠くの城が
電車の架線の枠の中に見えてくる。
まあ、800mm程度の超望遠であれば、ぱっと構えて、だいたい
その位置に被写体を捉えることができる、これは、私がドラゴン
ボートの撮影で、換算600mmないし750mm程度の超望遠撮影
に慣れている事もあるかとは思うが、そのあたりの焦点距離を
超えると、いきなり難しくなる。1000mmともなると、カメラを
構えても、まず被写体をフレーム内に捉えることはできない。
天体望遠鏡のように、倍率の低い副望遠鏡がカメラにも
ついていればと思う。(まあ、それと類似の機能を持つ
ロングズーム・コンパクト機も発売されていたが・・)
ここでG5のデジタル・テレコンをONにする、倍率4倍なので、
いっきに、3200mm相当の超々望遠となる。

この撮影は手持ちだが、3200mmともなると、もうフレームは
動きまくっていて、何がなんだかわからない状態だ、
ちなみに手ブレ補正は、カメラにもレンズにも入っていない、
まあ、機械に頼るとか、それ以前の問題で、まずどこを見て
いるのかがさっぱりわからない。
で、ブレないためには シャッター速度は、一般的に
「焦点距離分の1秒必要である」という公式があるので、
1/3200秒が推奨である。
けど、G5の最高シャッター速度は1/4000秒までだ。
日中であるのに、ISOを1600まで上げたが、ちょっと構図が
ブレるたびに、シャッター速度が4000の限界点に到達し、
赤色で警告を出し始める。
ここからさらにデジタルズーム2倍をかけてみよう、都合
6400mm相当だ(!)

6400mmは驚異であるが、こうなると、画質が非常に悪い。
ただなんとなく写っているだけである。これだったら、高倍率の
天体望遠鏡やフィールドスコープの方がましかも知れない。
そして、依然手持ち撮影だが、そもそも被写体がフレームの中
に入ってこず、常時ブレて動いているような状況だ、これでは
ゴルゴ13クラスの超人的なスナイパーでも無い限り、
ぴったりど真ん中に被写体を捉えることすら不可能だと思う。
天体望遠鏡で思い出した。天体望遠鏡や双眼鏡には、倍率
という概念がある、望遠鏡の場合、全体の焦点距離を接眼
レンズの焦点距離で割って倍率を出す。例えば全長1000mm
の望遠鏡に、10mmの接眼レンズを装着したら、1000÷10で
100倍という事になる。しかし、これは感覚的にわかりにくい。
双眼鏡の場合は、肉眼で見た場合と、双眼鏡で見た場合の
大きさの比率を、視野角などで計算し、それを倍率と呼ぶ。
双眼鏡とカメラを比較した場合、カメラの標準レンズ50mmを、
およそ1倍と考え、例えば10倍の双眼鏡であれば、カメラで
言うところの500mmレンズにほぼ相当する模様だ。
まあ、天体望遠鏡は、計算で倍率を出すが、概念的には
双眼鏡と同じと見て良いであろう。
しかし、カメラの場合は、倍率という概念は本来は無い.
レンズの焦点距離あるいは画角でそれを表現する。
「何倍ズーム」と良くコンパクトデジカメの仕様などに書いて
あるのは、あれはズーム比という意味であり、ズーム比とは、
ズームレンズの望遠端焦点距離を広角端焦点距離で割った
値の意味だからだ。
だから、ズーム比では、初心者が間違って想像するように、
被写体が肉眼に比べて、その数値だけ大きく写るわけでは無い。
例えば 28mm~280mmのズームレンズは「ズーム比10倍」
である。しかし、標準レンズ画角との比較であれば、
双眼鏡風に言えば、それは6倍弱にしかならないのだ。
ロングズーム・コンパクト機等でも、過剰な表記が顕著だ、
30倍や40倍といった表記があっても、それはあくまでレンズの
広角端からのズーム比にすぎない。おまけにデジタルズームが
そのスペックに加わっていたりすれば、たとえズーム比で
あっても、途中の焦点距離を自在に(シームレスに)使用する
事はできない。
こういう意味の無い「何倍」の表記は、ユーザーを混乱させる
だけなので、本来は、やってはならない事だと思う。
余談が長くなったが、本レンズの焦点距離はデジタルズーム
使用時に最大6400mm相当である、これを双眼鏡や望遠鏡風の
倍率の概念で示せば、50mm標準レンズに対して128倍である。
さて、ミラーレンズによる超々望遠撮影を、もう1例、

なにげない公園の風景、この写真の画角は、24mm相当
程度だと思う、逆光状態で、左上から中央にかけ、ゴーストが
入っているが、これは、「条件が逆光である」という意味で
残してある。
画面中央の赤色の四角で囲っている部分(ベンチ)にネコが
居る、これを、まずデジタルズーム無しの800mm相当で撮る。

逆光なのでフレアが出ている、つまり、画面が白っぽくなる
現象だ。これを少しでも防ぐために、このミラーレンズには、
立派な金属フードが付属している、逆光に弱いという事なの
であろう。しかし、そのフードをつけると、せっかくの小型
という長所が失われるので、今日は持ってきていない。
そして、こんなに明るい日中であるのに、このベンチのネコ
を撮影しようとすると、3200mmや6400mm相当という
焦点距離では、それに見合うブレ限界のシャッター速度を
稼ごうとすると、f8固定のレンズではISO感度を12800迄
上げないと撮れない、当然ノイズは酷く、さらに画質は劣化する。
では、さらにデジタルズームを駆使して6400mm相当。

やはり、前例と同様、かなり画質が悪い、これもまた
単に写っているだけ、という状態だ。
で、デジタルズームによる画質劣化以前に、
こうした超々望遠撮影は大きな問題点がある。
それは、前述の通り、どこにレンズを向けているのかが、
わからないという事だ。
2つ前の広角の写真を見れば、その中の、針の穴ほどの部分
に着目して、そこにぴったりとレンズを向ける事になる、実際に
やってみたらわかるが、極めて難しい。
ブレの問題も非常に大きい。絶え間なくブレて動く画面フレーム
では、被写体のネコを探すこと自体が極めて困難だ。
感覚的には、焦点距離で1000mmを超えたら、もう実際には
ターゲット(被写体)を一発で探して入れる事は困難であろう。
ちなみにこの手の撮影で三脚は使えない、ネコなんて、この数秒
後には、どこに逃げてしまうやも知れないわけだ。公園の階段の
上でネコを発見して、悠長に三脚を立てたりする暇は無いし、
そもそも、腰をすえて三脚を立てて、動かずに止まっている
被写体を狙うなんて事は、最初から全く考えていない。
だから当然三脚も持ってきていない。
、
ミラーレンズがMFであることもまた難しさの1つの要素だ、
そうやって色々と苦労する割りには、面白く無い撮影だ、
遠くの被写体をあえて狙う必要があるのか?
お城も、ネコも、遠くから撮らず、近づいて撮れば良いだけの
話だし、近寄れば、また、撮影アングルやフレーミングの
自由度も格段に増す。遠距離からでは、そのあたりの工夫が
しようがなく、ただ単に、一定の角度から撮るしかない。
ということで、前述のように、LUMIX DMC-G5の強力な
デジタルズーム機能と、小型軽量の超望遠ミラーレスを
組み合わせて、面白い効果(長所)を引き出す、といった
もくろみは、残念ながら失敗してしまったように思える。
単に遠くから大きく被写体を写せるだけではつまらないのだ・・
まあ、そういう感じだが、せっかくミラーレンズを持ち出して
いるので、その特徴のリングボケを楽しむことに方針変更を
しよう。

リングボケについても常識の範囲だし、書くと長くなるので
割愛する。興味があれば古い記事などで探して欲しい。
さて、そろそろ文字数が限界なので、次回記事に続く・・