ミラーレス機を用いて、様々なマニアックなレンズを装着して
楽しむというシリーズ記事、早くも6回目だ。
今回は、まずは、ロシアン(旧ソ連製)レンズだ。
カメラはオールドレンズのマウントアダプター母艦として
使用している LUMIX DMC-G1
約7年前の2008年に発売されたマイクロフォーサーズの
1号機であるが、その割に完成度が高く、特に操作系に優れる。
最高ISO感度が低いのが弱点であるが、昼間使う上ではなんら
問題は無い。撮影枚数は既に3万枚を超え、そろそろ寿命に
近いが,、もう1台予備機を所有しているのでまだ安心だ。
中古はだいぶ玉数が減ってきたが、ぎりぎり入手する事は可能。
その場合の価格は1万円を切り8000円前後と超格安だ。
レンズであるが、HELIOS-44-2 58mm/f2.0 である。
ロシア(旧ソ連)製、恐らくは1970年代のレンズだ、
ZENIT社製と思われるが、当時のお国事情からも、詳しい事は
あまりわかっていない。
M42マウントなので、アダプター利用で現代でも互換性は高い。
しかし冒頭の写真のように、マイクロフォーサーズにM42の
アダプターを使う場合、アダプターの種類とレンズの組み合わせ
によっては、斜めに装着されてしまう場合がある。
まあ、このレンズの場合は、非対称な固定フードなどは付いて
いないので、実用上では気にする必要は無いのだが・・

写りは、撮影条件を上手く考えれば、なかなか良い感じに写る。
ボケ質が破綻しやすいが、例えば絞り値を微妙に調整する事で
回避は可能だ。

絞りはプリセット型である。ミラーレス機で、特に特殊な操作の
必要性が無い場合は、絞り環を最初から最大に閉じておけば、
もう1つのプリセット環で、連続的に絞り値を変化させて用いる
ことが出来、便利である。
プリセット絞りの意味だが、絞り込むと光学ファインダーが暗く
なってピント合わせがしずらくなる銀塩MF一眼レフの場合には
絞り開放でピント合わせをし、撮影時には絞り込む、という風に、
プリセット環の操作が必要となるが、EVFまたは液晶モニター
のミラーレス機は、ファインダー等が暗くならないので、その
操作は不要だ。また、特殊な操作というのは、例えば、絞り開放と
絞り込んだ値を、交互に瞬時に切り替えて使う等の場合だ。
なお、銀塩一眼レフでも、優秀な光学ファインダーを持つ名機、
具体的には、LX,NEW F-1 α9等では、暗くなってもピント合わせ
が可能なので、プリセット操作はミラーレス機同様に不要だ。
この手のプリセット絞り型のロシア製レンズは、絞り羽根は非常に
枚数が多くほぼ円形絞りになっている場合が多い、ただ、だからと
言って、ボケ質が良いのか?というのは全くの別問題だ。
絞り環を閉じて、プリセット環で絞り操作をする場合は、
クリックストップが無いので、具体的な絞り値を知る事は
できない。けどまあ、廻した感覚で絞りが開いているか閉じて
いるかを知ることは出来るし、カメラ本体が絞り優先モードで
あれば(まあ、AかMモードしか使用できないが)
プリセット環の操作で、シャッター速度が変化するのがわかる
それを見ればだいたいの絞り値は判断できるし、そもそも
ミラーレス機のEVFでは、絞込み操作で被写界深度(ボケ量)や、
ボケ質の変化が、だいたいわかるので「ここはf8でなくちゃ」
とかいう風に、絶対値的な絞り値を気にする必要は全く無い。
絞り込む場合は、被写界深度を稼ぐ場合か、あるいは意図的に
シャッター速度を変えたい時になる。

カメラ本体のISO感度設定をAUTOにして撮影していると、
スローシャッターになると勝手にISO感度が上がってしまう。
よって、表現の幅が狭まる他、高感度ノイズのマネージメントも
出来なくなるので、できるだけISO感度はマニュアルで設定する
のが望ましいのだが、NEX-7,GXR,NIKON Df やFUJI X-T1
など、ごく一部のカメラでしかISOを常時ダイヤルで直接変更
することが出来ないので、ISO操作系が面倒なカメラの場合は、
ISO-AUTOにするのも、やむないかも知れない。
さて、このHELIOS(ヘリオス)44-2 58mm/f2 の弱点だが、
ロシアンレンズの例に漏れず、逆光に極めて弱い事だ。
たとえば画面内に、太陽などの強い光源が入ると、いや、
完全に光源が入らなくても逆光気味になっただけで、
盛大なゴーストやフレアが発生する。

ここで、ゴーストとは画面左下に見える光の乱反射の事だ。
フレアとは、画面全体に霧がかかったように白っぽくなる事。
この弱点を逆に上手く使えば、神社などを撮る際に、ゴーストを
入れて荘厳なイメージを出すこともできる。同様に、夏のビーチ、
都会のビル街等の写真でも、ゴーストを入れると格好いい。
意図的にレンズの弱点を利用する事がしずらい被写体の場合は、
ゴーストやフレアが出る条件を知った上で、それを回避して使う
のが良いであろう。最も簡単なのは順光、または日陰でしか
撮らない事だ。
HELIOS-44-2 の場合も、弱点を回避しながら使えば描写力は
決して捨てたものでは無い。このあたりがロシアンレンズの魅力であり、
ハマる人はハマる理由にもなる。
現在、このレンズの中古は、全く出ない訳ではないが、かなり
レアな部類であろう。私の場合は15年以上前に、大阪の小さい
カメラ屋で半分ジャンク状態で眠っているのを見て、レスキュー
した。値段を聞いたら、店長も「う~ん?」と唸ってしまった
ので、交渉の末、7000円で入手した次第であった。
----
さて、続けてロシア製レンズを紹介しよう。
ZENIT社製の魚眼レンズだ。

カメラは、PENTAX の唯一のKマウントミラーレス K-01だ。
既に何度も紹介しているカメラだが、ピント合わせに大きな
弱点を持ち、それは構造上の問題であるから回避できない。
したがって、ピント合わせに負担が少ない広角系AFレンズを
中心に使っているが、以前の記事で魚眼ズームレンズを使って、
まあ面白かったという事もあり、今回はMF魚眼レンズを使って
みることにした。
レンズは、ZENITAR-M 16mm/f2.8 魚眼レンズだ。
ZENITAR は、マニアの間では、ツェニターとも、ゼニターとも
呼ばれているが、正確な発音は良く知らない。
Mは、ここでは、M42マウントの意味だ。
他に、ロシアレンズで、マウントを表すアルファベットとして、
N(ニコン)、K(ペンタックスK)などがあるが、これは
全てのロシアレンズで当てはまるルールではない。ただ、多くの
場合に、こういう型番がついている事を知っていれば、国内外の
怪しげな中古屋さん等で、良くわからないレンズを見つけた際に
情報として役に立つかも知れない(キリル文字表記なので注意)
もう1つ、このレンズの開放絞り値と、焦点距離の表記は、
カールツアイスのレンズと同様に「絞り値が先」となっていて
2.8/16 と書かれている。私は特定のメーカーの製品にだけ、
そうした異なる表記ルールを適用するのは、混乱の元だと思って
いる。グローバル化、ユニバーサル化の、時代の風潮に適合しない
と思うので、少なくとも本ブログにおいては、ツアイスであろうが、
ロシアンであろうが、必ず焦点距離を先に記載することにしている。
さて、M42マウントとPENTAX Kマウントは、互換性が高い。

写真のような、とてもコンパクトなM42マウントアダプターを
カチリと嵌めるだけで、Kマウント機でM42レンズを使用できる。
他のマウントアダプターのように、大きなアダプターを装着し、
せっかくのレンズのフォルムが崩れてしまうような事もない。
(たとえば薄型が魅力のパンケーキレンズをアダプターで装着
すると、変なスタイルになってしまう)
で、KマウントとM42マウントの互換性が高いのは歴史的な背景が
理由にある。
PENTAXは35mm銀塩MF一眼の名機であるSPの時代(1960年代)
は、M42マウントを採用していた、まあ、当時のユニバーサルマウント、
つまりメーカーの垣根を超えて多くのレンズを相互に使えるように
しよう、という現代のマイクロフォーサーズの走りのような発想が
あったと言う事だ。
確かに、当時、国産でもPENTAXを始めいくつかのメーカーで
M42マウントが採用されていたし、海外においても、ロシア、
中国、フランス、アメリカなどで数多くのM42マウントのレンズが
生産されていた。しかし、M42マウントにも弱点はある。
ねじ込みなのでレンズ交換が手間なこと、自動絞り機構が実現
しずらかった事などがそれである。そこで、さしものPENTAXも
1970年代後半になって、汎用的なM42マウントを自社専用の
Kマウントに乗り換えることになった。
その後、いくつかの国産カメラメーカーでもマウントの変更を
したメーカーがあったが、古いマウントをばっさりと切り捨てて
しまって、大きく評判を落とした事がある。
当時のPENTAXは、SPシリーズがかなり売れていた事もあり、
M42マウントのユーザーを「ばっさり」切り捨てる事はしなかった。
Kマウントを始める際、M42マウントとフランジバックを共通にし、
さらに、Kマウントを僅かにM42より大きくすることで、安価な
マウントアダプターK(M42→K)をメーカーから供給し、多くの
M42レンズユーザーが、それで救われた。
この「マウントアダプターK」は、それから30年以上もの間、
PENTAXの純正アクセサリーとして定価1000円で販売されていた。
しかし近年、PENTAX がHOYAに吸収合併された際、このアダプター
の価格は、4000円近くまで、いっきに値上げされてしまった。
恐らくは「今時の価格ではない」という理由であろうが、
PENTAXが30年以上続けてきた「良心」が失われてしまったような
気がして、気分が良いものではなかった。
その後数年して、2010年代になって、PENTAXのカメラ部門は、
リコーイメージング社に買収されたが、マウントアダプターKの
価格は、今でも値上げしたままである。
さて、そんなわけで「孤高のKマウントミラーレス機」である
K-01にも「マウントアダプターK」を用いて、M42マウントの
レンズを装着する事は容易だ。
繰り返しになるが、K-01はピント合わせに致命的な課題を抱える
カメラだ、MFレンズを使う場合は、広角でパンフォーカス気味に
使うか、または開放f値が暗く被写界深度も深い「トイレンズ」
のようなものを装着するしか方法が無い。
MFレンズでも手ぶれ補正機能が効くが、その機能をONにしたまま
だと、電源を入れるたびにレンズ焦点距離の入力画面が出るので
うっとうしい。昼間などで、手ブレ補正が必要なければOFFに
してしまうのが良いであろう。
そして、あと1点、重要なポイントがある。
ZENITAR-M 16mm/f2.8 をマウントアダプターKで使用する際、
レンズ背面の「絞り連動ピン」を押し込むことができない。
この状態だと、全て開放絞りでの撮影になってしまうのだ。
他のミラーレス用M42マウントアダプターの多くは、
「絞り連動ピン」を押し込む仕様となっているので、こうした
レンズでも絞りの制御が可能だ。あるいは、AUTO/M の切り替え
機構を持つ、PENTAX純正M42マウントレンズ(Sタクマー等)や
ヤシカM42レンズ等では、そのスイッチを切り替えれば絞り操作が
有効になる。
また、プリセット絞りのHELIOSやJUPITERなどのロシアレンズも
絞り操作は問題ない。つまり、ほとんどのケースでは大丈夫
なのであるが、たまにこうしたレンズとアダプターの組み合わせ
により、絞り操作ができない場合がある、という事だ。
しばらくこのレンズを使っていなかったので、このレンズが
その「まずいタイプ」であることをすっかり忘れていた(汗)
撮影途中でそれに気がつき、前述の G1のヘリオスと交換して
使おうかと一瞬思ったが(それなら両者、絞りが動作する)
しかし、K-01にヘリオスをつけるとピント合わせが不可能に
近いので、それは断念した。それならば、魚眼で開放しか
使えない状態の方が、まだましだ・・
さて、詳細な話が長くなったが、ZENITAR-M 16mm/f2.8 の写り。

魚眼ズーム PENTAX F17-28mm/f3.5-4.5 の紹介の記事
でも説明したが、APS-Cサイズのセンサーのカメラでフィルム用
の魚眼レンズを使うと、魚眼効果が著しく減ってしまう。
以前は、その減った効果が中途半端なので、銀塩魚眼を
APS-Cデジタル一眼に装着して使うことは嫌だったのだが、
最近は「僅かなデフォルメ効果を持つ広角レンズ」という風に、
解釈すると、なかなか面白いのでは無いか、と思うように
なってきた。
なので、「魚眼風にグワーっと曲がる」といった撮り方は、
しなくなっている。むしろ、魚眼効果が目立たないように
撮りたい訳だ。

そしてK-01の長所である「エフェクト母艦」としての役割、
すなわち、フィルター設定などの自由度が高く、かつその
操作系も、良好とは言わないまでも及第点である事から、
エフェクトを多用し、魚眼レンズとの組み合わせで、様々に
楽しむことができる。

そして、このZENITAR-M 16mm/f2.8 は「トイ魚眼レンズ」
ではなく、本格的な魚眼レンズである、開放f値は、2.8で、
30cm弱まで近接できるので、被写界深度を浅くした超広角
マクロのような使い方も可能である。

どうせ今回は「絞り連動ピン」の問題で、絞り開放にしかならない
ので、まあ、そうであれば開放を活かした撮影をすれば良い。
このZENITAR-M 16mm/f2.8であるが、これは1990年代
後半に東京のロシアレンズ専門店から通販で2万円ほどで新品
購入したものだ。現在、このレンズは恐らく入荷不能になっている
と思われる。中古はほとんど見ることはないが、全く出て来ない
という訳ではないだろう。新古品もあるかもしれないが、価格は
だいぶ上がっているかも知れない。
まあ、デジタル時代の現代において、あえて必要とされるレンズ
では無いとも思う、あくまでマニア向けであるが、銀塩時代で
あったならばともかく、今時、ロシアレンズにまで目を向ける
マニアも殆ど居ないことであろう・・

さて、次は前記事(5)でも1本紹介した旧コンタックスマウントの
レンズである。
カメラがNEX-7 Eマウント旧フラッグシップであり、フルサイズ
のα7シリーズ登場後は、その性能の高さからは考えられない程
安価な中古相場で流通している。
私は、このカメラをEマウントにおける、オールドレンズ母艦と
して使用、マイクロフォーサーズのG1と同様の位置づけだが、
マイクロフォーサーズ機では、焦点距離(画角)が2倍相当に
伸びてしまうのが、NEXだとAPS-Cなので 1.5倍相当で収まる為
主に広角系のオールドレンズを使う際に適している母艦だ。
レンズは、フォクトレンダー SC SKOPAR 21mm/f4
前記事(5)で詳しく説明したように、極めてマニアックな
S/Cマウント用のレンズだ。
銀塩・フルサイズ用の広角レンズであるが、APS-C機に装着
すると、約31mm相当の準広角の画角となる。

APS-Cで画角が狭いとは言え、元々は広角であるから、
やや絞り込んでパンフォーカス気味にし、とっさの時でも
ピント合わせがほぼ不要な状態をキープしておく。

で、21mm/f4であるが、ほぼ同じスペックのレンズとして、
コシナ社から、LマウントおよびMマウント版の 21mm/f4が
販売されている。そして、Mマウント版は、現代においても
継続販売されている。
しかし、何故、わざわざ限定版のマニアックな、SCマウント
のレンズを買ったかと言えば、それは前記事の BESSA R2Cで
システムを組む為であった。
BESSA R2Cは、銀塩時代の末期、2000年代前半に発売された
旧コンタックスマウントの「唯一」の新品カメラ、ここに
21mn/f4,35mm/f2.5 および Jupiter9 85mm/f2 の3本の
旧コンタックスCマウントのレンズを揃えて、さてこれから
50mmは、本家ゾナーにしようか?、それとも、ロシア製の
コピーゾナーの Jupiter3 にしようか? と楽しく悩んでいた
時に、デジタル化の波が押し寄せ、Cマウントの懐古趣味など、
どこかに吹っ飛んで流されてしまったのだ(汗)
(当初、デジタル一眼でCマウントレンズを使う術は無かった)
でも、2010年代、ミラーレス機の登場によって、このCマウント
のレンズ群も復活することになった。レンズを手離さなくて
良かったと思うが、まあ、私の場合、元々、購入したレンズを
手離す事は、まず絶対と言っていいほど無い。

レンズ周辺のデコボコしたリングは、ピント合わせを補助
するための部品だ、レンズ下のレバーを廻して、この補助環を
取り外すことも簡単であるが、あえてつけたままにしている。
何故このようなものがあるか?といえば、旧コンタックス
マウントのカメラ、すなわち、本家の Ⅱa やⅢa、キエフ
(例:Ⅳ型)そして、BESSA R2C において、ピントを合わせる
操作は、カメラの上部にノコギリの歯のようなギザギザのついた
ダイヤルがあって、そこを廻すようになっていたのだ。
当然、ピント操作がやりにくいし、下手すると指に穴があいて
しまう(汗)くらい痛い。何故このような構造になっていたのか
良くわからないが、元々 70~80年くらい昔のカメラだったので、
当時の設計上の理由なのであろう。
で、ノコギリの歯は嫌なので、レンズを持ってピント操作を
する、しかしレンズのピントリングから、そのノコギリの歯
までは全て機械的に連動しているので、ピント操作が重いのだ。
それを補助して楽にピントリングを廻せるようにしたものが、
この付属品のリングとなっている。
SC SKOPAR 21mm/f4の発売時の価格はとても高価であった、
確か75,000円、同じスペックのLマウント版の5割増し位だ。
当時、限定数百本という事だったので、必要ならば新品で
買うしかない、中古なんて簡単に出てくるしろものでは
なかったのだ。カメラ屋で在庫を持て余すぎりぎりまで
タイミングを見て値切って購入、それでも55,000円位は
払ったと思う。今から考えると無用な買い物であったように
思うが、まあ、当時は欲しいと思ったのでしかたがない・・

現代のミラーレス機において、こうした休眠レンズが蘇るのは、
本当に喜ばしい限りだ。
ちなみに、ビューファインダーが付属していたようにも記憶
しているが、デジタル時代になって画角が合わくなり、
どこかにしまいこんでしまった。当時のBESSA R2Cで使用する際、
内蔵ファインダーの画角に21mmの視野枠がなかったので、
外付けファインダーは必須であったが、現代のミラーレス機で
用いる上では、EVFや背面モニターにちゃんと画(え)が映るし、
パララックス(=視差、レンズの位置とファインダーの位置が
違うため、見た目と写真の構図にずれが起こる事)も無いので
便利だ。
さて、SC SKOPAR 21mm/f4を使って撮っていると、正直言うと
飽きが来る。これは特に、その最短撮影距離の長さが原因に
なっているのであろう。 レンジファインダー機、たとえば、
ライカやベッサ、旧コンタックスなどは、その構造上、距離計
の連動範囲が、通常90cm以上となっている。よって、それらの
レンジ用レンズ群も広角レンズであっても、通常の最短撮影距離
は90cmだ。このSC SKOPAR 21mm/f4も同様に90cmである。
しかし、広角レンズの面白さというのは、近距離の被写体に
おいて、360度、どのアングルからでも立体的に撮ることが
でき、かつ、そのアングルによって、遠近感(パース)や、
背景の映り込む範囲が変化するなど、そうした立体的な思考で
被写体を自由に捉えることができることが、広角の特徴なのだ。
けっして、広い風景を広く撮るというのが広角レンズの使い方
ではない。中距離のスナップ撮影に徹するというのでも不足だ。
それでは、広角レンズの特徴・長所の、ごく一部しか見ていない
事になってしまう。
だから、最短撮影距離が90cmの広角レンズともなると、ほとんど
その場に立ち尽くし、遠くの景色を平面的視点で捉えるような
撮り方しかできない、これは大きなストレスだ。
あるいは、ブレッソンのような個性的なスナップ写真が撮れれば
楽しいかも知れないが、そんな万に1つの偶然を求めて、街中を
徘徊するのも時間の無駄であろう。だいいち、今時そんな撮り方
をすれば、肖像権とか盗撮疑惑とかでしょっぴかれてしまう(汗)
まあ、なので、何枚か撮ると、撮影上の工夫が全く出来ない事で
飽きてしまうのだ、レンジファインダー用のレンズやカメラで
優秀と言われているものが多くあるのは勿論知っているが
私が、そういう物を買う気になれないのは、この撮影技法の
制限から来ることが理由だ。
私が、一眼レフなどの銀塩カメラにハマっていた銀塩時代、
よく周囲の人達からは、
「ライカとかは買わないの?」と聞かれたものだ。マニアは
勿論、一般の人でもライカは高級カメラの代名詞であったのだ。
私は「ライカは老後の楽しみ」と冗談交じりで言っていたのだが、
実のところ、ベッサシリーズやフォクトレンダーのレンズなどは
当時、ちょくちょく購入していた、そして、レンジファインダー
のシステムを使ってみて、こうした撮影上の自由度の低さに辟易
して、早々にレンジファインダー機に見切りをつけていた。
だからレンジ機を、特に高価なライカなどを購入するつもりは
当時から毛頭なかったのであったが、銀塩時代は、ライカ等の
カメラやレンズは神格化されており、周囲のカメラ好きの人達に、
ライカを全否定する発言は許されない時代でもあったのだ。
そういう意味での「老後の楽しみ」発言であった訳だ。
余談が長くなったので、SC SKOPAR 21mm/f4 の話に戻ろう。
撮っていると飽きてくる、という話からであった。
例えば、個性的で、遊べる機能が沢山入っている PENTAX K-01や、
Q7を使っていると、こんなときには、あれやこれやエフェクトを
使って楽しむことができる。そうでもしないと写真を撮る上での
創造性という楽しみ方が、平面的被写体を、受動的に広角で
パシャリと撮っているだけでは、満足できない訳だ。
NEX-7は、本格的な撮影に適したカメラではあるが、オールド
広角レンズの母艦とする上で、「撮影に飽きてしまう」リスク
も含んでいる事はわかっていたので、その特徴的な操作系である
「トリプルダイヤルコントロール」の、第二セットを
エフェクト系と露出補正にカスタマイズしてあり、ナビゲーション
ボタンの1発で、その「遊び機能」を呼び出せるようにしてある。

これは「ミニチュア横(中)」モード、中央の横のみが普通の
写りで、範囲外は、大きくボケてミニチュア撮影のような雰囲気
の写真になる。ここでは、周囲の背景を整理して、あえて
その効果があまり出ないように撮っているが、もっと出そうと
思えば、背景を選べば良い。

このモードは結構奥が深く、また、これに限らずNEX-7の
エフェクトは結構強力なものがついている、課題とすれば、
エフェクトを選択するのに、ダイヤルを使うと、エフェクト数が
とても多いので、一回りするまでOFFに出来ないことだ、
このあたり、PENTAX Q7のように必要なエフェクトを選んで他の
ダイヤルにアサインできるようにすれば、もっと使いやすくて
面白いものになるのだが、元々操作系に沢山の課題を含んでいた
(練れていない)NEXシリーズだ。NEX-7で、その大半がクリア
されて、とても使いやすくなった事だけで満足するべきかな・・
さて、もう文字数が限界なので、次回記事に続く。