ミラーレス機や、マニアックなレンズを紹介するシリーズ
記事の4回目。
ちなみに「ミラーレス機」「ミラーレス一眼」という表記は
可能だが「ミラーレス一眼レフ」という呼び方は誤りである。
何故ならば、一眼レフの「レフ」は、反射と言う意味であり、
元々一眼レフでは、ミラーを使ってフィルムまたは撮像素子
と、ファインダーへの像を両方結ばせる仕組みであった。
ミラーレスでは、そのミラーが無いのだから、同じ意味の
「レフ」という呼び名も、付け無いのが当たり前である。
なお、カメラ業界の一部では「ノンレフレックス・カメラ」という
呼び方を推奨している模様であるが、これはちょっと定義が広く、
また、一般に想像する「ミラーレス一眼」とは異なってしまうので、
販売店やユーザー等の間では、この呼び方は定着していない。
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さて、今回の記事は、「Cマウント」のレンズからだ。
Cマウントと言っても、旧コンタックスのレンジファインダー用
のマウントの事ではなく「産業用」というカテゴリーだ。

カメラは、PANASONIC LUMIX-G5 、レンズはTAMRONの
CCTV用レンズ M118FM16 16mm/f1.4である。
一般的なカメラユーザーに対し、このあたりのCマウント製品群
の市場背景の説明をすると、極めて長くなりそうなので省略する。
ごく簡単に言えば、これは監視カメラ等に用いるマウントである。
古くは、映画用カメラ、8mmカメラなどで使われたこともある。
比較的多くの産業用、業務用分野で広く用いられたマウントだ。
で、中でも、このレンズは、工業用、例えば、製品の検査などに
用いる高性能型である。
Cマウントにおける、16mm/f1.4というスペックの数値の意味は
一眼用(写真用)のレンズと同じなので、マイクロフォーサーズ機
に装着時の焦点距離(画角)は、銀塩(35mm判フィルム)換算で、
32mm/f1.4 相当となる大口径準広角レンズである。

しかし、このレンズのイメージサークルは、1/1.8型撮像素子用
である。マイクロフォーサーズの撮像素子は、そのサイズより
はるかに大きいため、撮像素子全体に光が行き届かない。
(つまり、ケラれる)
ちょっと、このケラれはうっとうしいので、以降の写真は画面の
中央部のみトリミングして掲載してみよう。

画面中央部は、他のCマウントレンズ、例えば監視カメラ用の
ものよりも解像度が高い、しかし、全体にディストーション
(歪み)が発生している、これはまあ、製品検査等の用途で
あるので、こういうものであろう。まあ、この小ささ(重量は
40g以下)からすれば、むしろ良く出来ている方であろう。
ピント範囲は30cm~∞であり、Cマウントアダプターを
用いれば、普通にミラーレス機に装着して写せる。
絞りとピントが変更可能、各々のロック機構もついている。
ちなみに、CSマウントというフランジバックを短くした規格が、
近年この分野では普及している。CSマウントアダプターという
安価なリングのようなものを用いれば、Cマウントレンズが
そのままCSマウント機に装着できる。この原理を逆用して、
CSマウントアダプターを中間リング代わりに、Cマウント機で
用いれば、さらに最短撮影距離を短くして、マクロレンズのように
使うことが可能である。
今日は、一応CSマウントアダプターも持ってきてはいるが、
付け外しが面倒なので、普通にCマウントレンズとして使って
みることにしよう。まあ、そのままでも、30cmくらいまで
寄ることができるので、大口径を活かしてマクロレンズ風に
用いることもできる。
なお、このレンズの価格は、特殊用途なので、やや高価である、
勿論、中古も一般のカメラ店には出回っていない。
かなりのマニア向けという事は述べておく。

さて、周辺がケラれる効果は、ヴィネット(ビネット)と呼ぶ。
レタッチソフト等で追加できるビネット効果は、周辺光量落ちと、
それに加えて、虫眼鏡のような画像周辺のピントのボケ効果を
個別に調整できるようになっている事もある。
その画像周辺のピンボケを狙ったレンズがこちら。

カメラが PENTAX Q7
レンズは PENTAX 07 Mount Shield Lens である。
焦点距離11.5mm(Q7 で 53mm相当)f9(固定絞り)だ。
ピント調整機構も無く、f9の深い被写界深度を生かした固定
フォーカス型のレンズだ。
写りは強烈な周辺ボケが発生する。

これはいわゆる「収差」である、収差について説明していくと
長くなるので、簡単に言えば、まあ、レンズの「欠点」である。
写真用のレンズは、この収差をできるだけ無くすように設計
されているのだが、逆に収差を活かす、あるいは積極的に
利用した写真用レンズとしては、ソフトフォーカスレンズ、
魚眼レンズ、トイレンズ(トイカメラ)などがある。
この 07 Mount Shield Lens は、典型的なトイレンズである、
大胆に収差が出るのが面白い。うまく使うと楽しい効果・表現が
可能である。
このレンズの価格は新品で4000円前後である。
中古はまず出ないと思われるので、欲しければ新品で買って
しまうのが良いであろう。

こうした写真は、Q7 の特徴である多彩なエフェクト(フィルター)
と組み合わせている、これは確か自分で設定した、USER効果
だったかな?
固定フォーカスということで、本来はパンフォーカス(どの
距離でもピントが合う)という仕様のはずだが、Q7 の 1/1.7型
撮像素子で被写界深度を計算してみると、近距離~無限遠の
全てにピントを合わせることは、どうしても無理な様子だ。
これは、以前の記事で紹介した、PENTAX Q用の魚眼風レンズの
03 Fish Eye でも同様、もしかすると、初期のQ/Q10 と
後期の Q7/Q-S1は、撮像素子のサイズが変わっている(後期
には大きくなっている)ので、初期の1/2.3型では、被写界深度が
深く、ピント調整範囲も大きかったのが、後期の1/1.7型では
ピントが合いにくくなっているのかもしれない。
(参考:オリンパスのボディキャップレンズ15mm/f8では、深度が
カバーできない為、レバー式のMFピント調整機能がついている)
ちなみに、Q7 に内蔵されているピーキング(ピント確認)機能
では、ピントが合っている、と表示される場合でも、実際の
写真ではピントが合っていない場合もある。
(カメラのピーキングレベルを調整できれば良いのだが、Q7では、
残念ながらその機能は無い→他機種では付いている事がある)
まあでも、トイレンズにそうした厳密性を求めてもしかたがない、
面白い効果を写真表現に活かすというのがトイレンズを使う
意味であり、高画質な写真を撮るのが目的では無い訳だから・・
なお、07 Mount Shield Lens であるが、一応ROMを内蔵して
いる模様で、マウントの電子接点を通じて、EXIF情報の記録や、
手ぶれ補正用の焦点距離情報もボディ側に伝えているであろう。
ただし、EXIFがあると言っても、絞り値は常にf9固定なので、
あまりありがたくは無いが・・・
ちなみに、冒頭のCマウントレンズであるが、PENTAX Qシステムに
使うと、周辺がケラれずに使える可能性がある。1/1.8型用レンズ
であれば、Q7 よりも、撮像素子が小さい Q/Q10が良いであろう。
いずれ気が向いたらQ用のアダプターでも購入して試してみるか。

さて、丸くなる(周辺光量が落ちる、周辺ピンボケが起こる)で
思い出した、そういえば、変わったズームレンズを持っていた筈だ、
しばらく使っていなかったので、防湿庫から掘り出してみよう。

あった、PENTAX F17-28/3.5-4.5 フィッシュアイズームだ。
このレンズはフィルム時代に使っていたもの。その当時、市場で
唯一のフィッシュアイ(魚眼)ズームであり、魚眼の効果(画角)
をズーミングで変化させることができる。
私は、こういう「唯一のもの」というのが好きで、ついつい
購入してしまったのだ、しかしフィルム時代であれば良かった
ものが、デジタル時代になり、撮像素子が35mm判フィルムの
サイズから、APS-Cサイズの撮像素子まで小さくなり、同時に
魚眼の効果が殆ど出なくなってしまった。
フルサイズのPENTAX のデジタル一眼があれば良いのだが、
現在、2015年に至るまで、PENTAX からフルサイズの一眼は
出ていない(2016年以降に発売の噂はあるが・・)
まあ、この問題は、当然私の問題だけではなく、メーカーとしても
課題となっていたのであろう。
デジタル時代、APS-Cセンサー用にチューニングしなおされた
DA10-17mm Fish Eye ZoomがPENTAX から発売された。
けど、私としては、滅多に使わない魚眼レンズであるので、
わざわざデジタル(APS-C)用に、魚眼ズームを買いなおす気には
なれなかった・・(あるいはこの風変わりなレンズの為だけに
他社フルサイズ機と、PENTAXマウントアダプターを購入するという
酔狂も、勿論やっていない)
まあ、という事で、 F17-28/3.5-4.5 Fish Eye Zoomは、
お蔵入りとなっていた訳である。
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余談であるが、銀塩時代、フィルムのサイズに合わせてレンズは
設計されていた。それが、デジタル一眼の時代になると、撮像素子
のフォーマット(サイズ)がまちまちになり、従来の一眼用のレンズの
画角が皆、変わってしまった。まあ、広角が無い、という点以外は
画角の変化はさして問題ではなかったのだろうが、当時のユーザーは
誰もが気持ち悪がったものだった。広角レンズの不足もあり、カメラ
メーカーやレンズメーカーは、デジタル(=APS-C)専用の
レンズ群のラインナップを急速に普及させた。
でも、ここ数年、各社のフルサイズのデジタル一眼が一般的に
普及しはじめると、今度は、それらのAPS-C専用レンズ群が
使えなくなってしまう。
同一メーカーでAPS-Cとフルサイズのデジタル(または
ミラーレス)一眼をラインナップしているメーカーのユーザーは、
高性能な新機種にアップデートしようとして、フルサイズの一眼に
買い換えると、今までのレンズが全部使えなくなっていまうという
問題が発生した。これは皆、不満に思っていないのであろうか?
いや、下手をすると、普通のユーザーは、あまりレンズなど沢山
買わないのかもしれない、だから1~2本のレンズごと旧機種を
丸ごと手離して新機種を買えば良いという事なのだろうか・・?
でも、私が昔から言っているのは「(デジタル)カメラはどうせ
すぐ古くなる(仕様的に陳腐になる)ので、お金をかけるならば
レンズの方だ、なので、だいたいの予算配分を
「カメラ2対レンズ8位にするのが良い」という事を推奨している。
けど、高価なフルサイズ一眼を買ってしまったら、そういう予算配分
は、まず無理だ。しかし数年すれば、もっと性能の良い新機種が
登場する。ならば、ユーザーは高価なボディの買い替えに踊らされて
いることになってしまう(汗)色々な記事で述べているが、現代の
製品価格体系は性能と価格が比例していない。
だから高価な商品を買ってしまう(買わされてしまう)のは、その製品
の自分なりの価値をよく理解して、価値と価格のバランスに納得を
してから購入しないと、買う側が不利(負け)になってしまう。
まあ、こういう市場の事情であるから、少し古い型のカメラの中古が
恐ろしく安価な相場で販売されている訳だ。
ミラーレス機の世界では、特に新製品のサイクルが速く、
中古価格の暴落の傾向がとても強い。
だが、新製品でも、基本性能は殆ど変わっていないのだ・・
結局、私の場合、近年はそこに注目して、安価なミラーレス機の
中古を色々と買って使っている訳だ。
で、レンズの方は、カメラが変わっても使い続けることができる、
今回、およそ10年ぶりくらいに、PENTAX F17-28を使って
みるのもそういう特徴の賜物だとは思う。やっぱ、ボディより
レンズに予算配分をかけるのは必須であろう。
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さて、 F17-28/3.5-4.5 Fish Eye Zoomの話に戻ろう。
で、このデジタル時代(APS-C)では「使えない」フィッシュアイ
ズームなので、何年間も防湿庫の肥やし状態ではあったのだが、
どうせなら、まあ、例の 「唯一の(孤高の)ミラーレス」
PENTAX K-01と組み合わせて使ってみよう。

構造上、ピント合わせに致命的な課題を抱える K-01であるが、
大口径や近接撮影時の被写界深度の浅いときに、ピント精度が
足りない訳であり、被写界深度の深い広角レンズであれば、
さほどそれは問題にはなりにくい。
まあ、魚眼レンズでもそうであろう、そして、使えないものと
使えないものを組み合わせて、なんとか使えるものにしようという
例の「毒をもって毒を制する」発想もまた、依然としてある。
しかし、このデザインのアンバランスさはどうだ(汗)
お洒落な事が、K-01の数少ない長所であるのに、デザインの悪い
魚眼ズームと組み合わせた事で、目も当てられない状態だ(汗)
実は、この時代のPENTAX のAFレンズはどれもデザインが悪い。
何本か所有している他の FA(型番)レンズも同様だ、☆(スター)
であってもそれは同様、それが解消されるのは 1990年代後半の
FA Limitedシリーズの登場を待つことになる。

さて、PENTAX F17-28/3.5-4.5 Fish Eye Zoomである。
K-01のAPS-Cサイズの撮像素子では、このレンズによる魚眼効果は
殆ど無い。まあ、以前の記事で、魚眼効果は対角線の直線性を意識
することで、歪曲が強く出る構図と、そうで無い構図があると説明
したが、ここでは比較的魚眼的な効果を出さないように撮っている。
(つまり、”魚眼っぽく無い”という事が言いたい訳なので・・)

こちらも同様、魚眼っぽさをあまり出していない(左の鉄塔が、
曲がっているのは分かると思うが)
なお、これらの写真は色味がちょっと特徴的だが、これは、
K-01の長所である多彩なエフェクト(フィルター効果)を
用いているからだ。
私の場合、K-01を、一種のエフェクト母艦として用いているので
それらの機能を呼び出しやすいように、K-01の本体上部の、
赤と緑のボタンにそれらをアサインしている。

ちなみに、前述のPENTAX Q7もエフェクトが強力なカメラであるが
K-01とはちょっと内容が違っている。たとえば、色抽出は、K-01が
使いやすく、2色と各々の強度を簡単に選択することができる
(Q7でも可能だが、通常、INFOボタンから別MENUを呼んで、さらに
いくつかのボタン操作をしないと、同様な機能を実現できない)
上の2枚の写真は、いずれも色抽出のフィルター効果を含んでいる。
まあ、でも、K-01が全て優位という訳ではなく、Q7では擬似HDR
機能がついていて、なかなか便利だが、K-01にはそれが無い。
で、以前の記事でも述べたが、近年の多くのコンパクト・デジカメ
やミラーレス機等にも、エフェクト機能は搭載されている。
けど、問題は、それらが使いやすいかどうか、という点だ。
フィルターを呼び出すのに、露出モードダイヤルやメニューボタン
を使い、さらに種類を選ぶという操作系は、正直かったるい。
また、露出モードを変えてしまうことで、絞り調整や露出補正が
効かなくなるなど、カメラ設定上の制限が色々と出てしまうのも
NGだ、ところが、K-01やQ7では、それらが非常に上手く機能
して、バランスよく操作系が成立している。

まあ、結局、ある機能が使いやすい、ということは、操作系上の
長所であり、その長所を生かして、カメラを使えば良いという事
になる。完璧なカメラなんて存在しないのだ、だから、カメラは
1台で済むという訳でも無いし、所有するカメラの弱点ばかりに
目が行って、色々と不満に思ったりする必要も無い事であろう。
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さて、今回も例によって、変なレンズばかりの紹介記事に
なってきたので、最後は少しまともなレンズの紹介をしよう。

カメラが PANASONIC LUMIX-G5 、
レンズは CANON の New FD 35mm/f2 である。
キヤノンのNew FD時代(New F1と同じ1980年代)の
レンズであるが、広角系がなかなか良い。
特に、開放F値がf2の大口径広角シリーズ(24mm/f2
,28mm/f2,35mm/f2)は、なかなかのものだ。
ただ、問題点を言えば、FDレンズの中古は、現在では品薄で
標準レンズとかの良く出回っているレンズ以外をあまり見た事が
無い。まあ、しばらく、デジタル一眼で使えない(FDレンズ用の
マウントアダプターが作りにくい)時代が続いて玉数が減っていたし、
その後のミラーレス時代に入って、比較的容易に利用可能となった
ので、FDレンズを持っている人は、なかなか手放さないのであろう。

MF一眼レフ用のオールドレンズでは、広角は性能的に不満が
ある事が多い、まあ、広角に限らず、マクロや望遠もイマイチで、
まともなのは標準レンズくらいだったりする事も多々あるのだが、
キヤノンのNew FDに関しては、むしろ広角が良いということは、
ちょっと不思議である。

まあしかし、今の時代、「このレンズの画質がどうのこうの」
とか言うマニアの数は、かなり減ってしまった。
そりゃあ、フィルム時代は、カメラなんてのはフィルムを入れる
ただの箱であったのだから、フィルムを選んだら、後はレンズを
変えてみるしか、マニアなりの楽しみ方が無かった訳だ。
けど、デジタル時代なってからは、カメラの設定の幅は広がり、
画像処理エンジンの差もあるし、エフェクトだって普通に使う、
PC上でのレタッチによる画像編集の幅も非常に大きい、
そうした状況の変化の中で、レンズという、全体の中の1つの
パーツにすぎないものについて、うんぬんかんぬんと言う庫とは
少なくなったという訳なのだろう。
ましてや、写真を撮る目的が、以前と今では大きく異なって
しまっている。
フィルム時代は、写真の多く目的は、ハレの日(特別な日)や
特別な場所、特別な状況での映像を、綺麗に残す事であった。
しかし現代では、写真は映像コミュニケーションの1つとして
の役割である、写真を撮る状況は、あくまで日常であり、
あるいは写真を撮る意味は、被写体と撮り手の間で生じる
感情や感覚すらも求められるようになってきている。
ただ単に綺麗なだけの風景写真などは、面白みが無い、という
理由で、むしろ嫌われるようになってきている時代だ。
そんな中、レンズの写りがどうのこうの、というのは、あまりに
時代感覚のずれを感じてしまう、それはまあ、良く写る高性能の
レンズは誰でも欲しい訳だが、その商品価格の傾向も、この数年、
以前とは大きく異なってきている。
具体的には、10年ほど前であれば、超高性能の単焦点レンズは
10万円前後も出せば購入できた、それは、一般的な性能のレンズ
の価格と、せいぜい2~3倍くらいの差しかなかったのだ。
それが近年では、本当に性能を追求した超高性能単焦点レンズの
新製品は、10数万円はおろか、数十万円という価格にまで高騰
してきている。これはどういう意味であろうか?1つは、たとえば、
そこまで性能を高めようとする様々な最新技術が使われている、
あるいは、近年の数千万画素に及ぶ最新カメラの高画素化に、
現在のレンズは対応できて居ない為、その対応を行っている・・
まあ、それが一般的な解釈であろう、でも、逆に、うがった見方を
するならば、そこまで高性能のレンズを欲しがる人が居なくなって
いるという事実もあるのではなかろうか?
売れないならば、開発・製造コストの減価償却の為、価格を上げ
ざるを得ない。それはまあ、当たり前の経済原理だ。
その結果、最新の1万円台の高性能単焦点レンズと、20万円の
超高性能単焦点レンズの価格差は10倍以上、でも、そこに10倍の
価格差に見合う性能差があるかどうか?
一般的撮影環境においては、それは極めて疑問である。
また、前述しているが、21世紀の経済原理は非常に複雑だ、だから
価格が高いものが、必ずしも性能が良いものであるとは限らない。
21世紀の時代の製品は原価やコストには依存せず、購入してくれる
ユーザーの価値感覚に対して、「いくらで売れるか?」という点が
最も重要なのだ。
ここが20世紀の時代と21世紀の製品価値観が最も大きく変わった
点だと思う。
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では、ラストにもう1枚、CANON New FD 35mm/f2による写真を、

さらに余談であるが、最近、レンタルビデオ店で、10年ほど前の
TVドラマ「のためカンタービレ」を借りて来て見ている。
まあ、昔も見ていたのだが、再度見ていて気がつくことがあった、
それは、「のだめ」のストーリーの中で、「従来のクラッシック
音楽の演奏家は、楽譜に忠実、あるいは作曲者の意図に忠実」
というものを目指していたのが、「のだめ」においては、
それを打ち破り、「表現や個性」というものを非常に重視して
いるという新しいコンセプトが番組で強く打ち出されている事だ。
カメラにおいても、2000年代後半は、これと同様に、従来の
写真の価値観、すなわち「綺麗なものや珍しいものを映像に残す」
というものが、デジタル化とあいまって、急速に打ち破られて
いった時代であろう。
尤も、ポピューラー音楽においては、楽器のデジタル化は
カメラのそれよりも15年も前の1980年代から始まっていて、
さらにシンセサイザー登場までさかのぼれば、それは1970年代
より始まっていた。
少なくとも「音色」の多彩さ等の音楽の表現力や個性においては、
ポピュラー音楽では、1970年~1990年代に爆発的に変化している。
ただ、クラッシックの世界では、その流れが入ってこなかったので、
その時代感覚のずれを「のだめ」では言いたかったのかも知れない。
カメラの世界はデジタル化が遅れ、2000年代に入ってからだ、
そして、まだ15年、まあ、一般の方がデジタルカメラを持つように
なってからは、僅かに10年ほどだ、そうした中、デジタルカメラの
普及における「写真」そのもののユーザー価値感覚の変化も、
今、ちょうど、急速に変化している時期になってきている。
「綺麗なものや珍しいものを映像に残す」昔の写真の世界観は
もうだいぶ失われてしまってきている時代なのであろう・・
さて、ということで、少々長くなってきたので、本記事はこの
あたりまでで・・
また、引き続き、本シリーズを続けていくとしよう。