ミラーレスの記事も、だんだんシリーズ化してきた。
「今何故ミラーレスか?」というと、1つの大きな理由として
「中古が安いから」というのがある。
家電化、消耗品化してきた現代のカメラ事情において、
特にミラーレスの世界は流行り廃りも多く、型遅れミラーレス機
の中古相場は、その実力(性能)とは比較にならないくらいの
破格の安値となっている。
次々と新しいモデルの開発を要求されるメーカーのスタッフも
さぞかし大変だろうと思うが、市場はどうしても新しいモノに
目がいってしまう。
本ブログにおける「イヤホン・マニアックス」のシリーズ記事も
そうだが、安価な価格からは想像できない高性能のイヤホン、
つまり、コストパフォーマンスの良いものにだけターゲットを
当てている。
本「ミラーレス・マニアックス」記事も、基本的には同じ発想だ。
”え?こんな高性能のカメラ(レンズ)が、この価格で?”という
コスト・パフォーマンス重視の発想が、このシリーズ、いや、
私の機材購入動機の骨子となっている。
さて、本記事は、まずはこのレンズから・・
前記事(1)でも紹介した、SONY のEマウント旧フラッグシップ
のNEX-7 に装着したレンズは、コシナ・フォクトレンダーの
COLOR-HELIAR(カラーヘリアー) 75mm F2.5 SLである。
2001年の発売で現在は生産中止。
フィルム一眼(すなわちフルサイズ対応)用のMFレンズで
発売当時は各MFマウント用で発売されていた、当時の定価は
5万円程で、購入価格は4万円強ほど。その後、しばらく新品在庫
が市場に比較的安価に出回っていたが、現在ではそれも無く、
また、玉数が少ないため、中古も、ほぼ入手不能となっている。
私が購入したのは、ミノルタMDマウントのもので、発売当時は
ミノルタのフィルム(MF)一眼レフである、X-1,X-700,XDに
装着して撮っていた。(それらのカメラは1990年代、3~7万円と
かなり高価であった)
で、現在、カラーヘリアーは、MD-NEX アダプターにて利用が
可能である、写りはこんな感じ。
最短撮影距離は 75cm 、同名のレンズでLマウント版が
存在したが、それの最短は1m位と、あまり寄れない模様だ。
フィルム時代は、その冷たい色味の描写が気になる(長所にも
短所にもなる)レンズであったが、まあ、デジタルで使うので
あれば、そのあたりの調整は、カメラ内でもPC上でも何とでも
なる。
2000年代前半当時の、コシナ・フォクトレンダーのレンズの
色作りの特徴であった、クールな中に赤色が鮮やか、という
点は、現在のデジタルにおいても引き継がれる。
優秀なレンズではあるが、しばらく使っていなかった、
いや、使えなかった、というのが正確であろう。
私が購入したこのレンズはミノルタのMDマウントだ、
フィルム時代、ミノルタのSR→MC→MD→NMDマウントの
レンズの中には、85mm前後の優秀な中望遠レンズが存在して
いなかった。 MC 85mm/f1.7というレンズを所有しているが、
ものすごいクセのある描写をするレンズで、万人におすすめ
できるものでは無い。また、このあたりの焦点距離のMD系
レンズは中古も殆ど無く、非常に入手しずらかった。
そういう意味で、MDシステムの中望遠の穴を埋めるために
カラーヘリアー75mmを21世紀になってから購入したのだが、
すぐに訪れたデジタル時代、そこでは、MC,MDマウントレンズ
は、当初、完全に見捨てられてしまったのだ。
まずミノルタはコニカミノルタとしてαシリーズをデジタル化
したのだが、当然、αマウントとMDマウントは互換性が無い。
ならばマウントアダプターだが、あいにくとMDマウントの
フランジバック(マウント面から、フィルムまたはセンサー
までの距離)は、43.5mmと、他社に比べて短く、つまり、
レンズをカメラから引っ込ませて装着する必要がある。
一眼レフでは当然ミラーがひっかかるので、これはできない。
フランジバックを長くして装着するとエクステンションチューブ
(マクロアダプター)などで、いわゆる「ゲタをはかせた」状態
となり、近距離専用で、無限遠の撮影ができなくなる、これは
勿論とても不便だ。
なので、マウントアダプター内に補正レンズをつけてフランジ
バックの調整をすることになるのだが、この補助レンズを後玉の
直後に入れると、画質がかなり低下してしまっていたのだ。
2000年代後半・・
「ミノルタMC,MDレンズはもう使えないかなあ・・」と
あきらめつつも、せっかくそろえた数十本のレンズを持て余して
いたのが、2010年前後になって、ミラーレス機、すなわち
フランジバックが極端に短いカメラが登場して、アダプターを
好きな長さで作ることが出来るようになったわけだ。
当然、MDマウント用のマウントアダプターも安価に出回るように
なった、当初のマイクロフォーサーズ用をはじめ、SONY Eマウント
現在はそれらに加え、FUJI Xマウント、CANON Mマウント、
PENTAX Qマウント等でMD用のアダプターを入手可能である。
まあ、そういう事情で、防湿庫で休眠していたMD、MCのレンズ
も自由にミラーレス機で使えることができるようになった訳だ。
同様な状況で、キヤノンFDマウント、コニカARマウント、
コンタックスNマウント、旧コンタックスCマウント等の
休眠レンズも、現代のミラーレス機で、アダプター利用で
復活することになった、まさにミラーレス機のおかげである。
ミラーレス機では、ほぼ全てのマウントのレンズが使用可能
であるので、様々なマウントのレンズを所有している場合は、
その組み合わせは、ほぼ無限となっている。
従来のフィルムあるいはデジタルの一眼の時代では
「今日はどのカメラとレンズを持ち出そうかな」といった
”楽しい悩み”は、同一のマウント内で収まっていたものが、
ミラーレスの時代になって、どんな組み合わせでも可能と
なってからは、あまり楽しい悩みでもなくなっていて、
なんというか「今夜の献立に悩む主婦」(笑)のように、
気持ちの半分は”苦しい悩み”となっているのが、ちょっとした
状況の変化だ。
カラーヘリアー75mmSL と同様のフォクトレンダーの一眼用
MFレンズでも、まだミラーレスとの組み合わせすらして
いないものもある。
「出先でのレンズ交換はデジタルになってからはしない」という
主義でやっているので、1日の撮影で持ち出せるレンズは、
1つのカメラあたり1本だけだ。しかも、仮に複数のカメラを
持ち出すとしても、全部同じ焦点距離のレンズばかりでは、
撮れる被写体も限られてしまうので、複数カメラの場合は、
広角+望遠とかいう組み合わせにせざるを得ない。
やっぱ、なかなかレンズ選びも、”苦しい悩み”なのだ。
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さて、次は、PENTAX のシステムの話だ、
PENTAX には、ミラーレス機が2マウント存在している、
1つは、以前から紹介している、Kマウントのミラーレス機
K-01であるが、Kマウントミラーレスは、後にも先にも
その1機種だけであり、恐らく今後もないであろう。
(実は、個人的には、それ1機種のみ、という唯一の仕様を持つ
機材が非常に好きで、そういうカメラやレンズは、中古が安いと
いった理由がなくても、ついつい購入してしまう・汗)
で、PENTAX の、もう1つのミラーレスが「Q」システムである。
こちらは、PENTAX Q7 非常に小型のレンズ交換式の
ミラーレス機だ。
この小型さは、カメラファンであれば、店頭などで見て
驚いた事であろう。
ただし、その小型さ故に、搭載されているイメージセンサーの
大きさは、当初は、1/2.3型と、普及型コンパクト・デジカメと
同様の小ささであった。(QおよびQ10)
本機、Q7から、センサーは、やや大型化され、1/1.7型と、
2000年代後半の高級コンパクトデジカメと同等のサイズと
なった。
Q7の発売日は比較的新しく、2013年である。
しかし、冒頭の話のように、ミラーレス機の中古相場の下落は
恐ろしく急であり、2015年現在、発売からわずか2年にして
Q7ボディの中古価格は1万円台前半にまで落ちてきている。
前記事(1)のGXRシステムは、発売後6年を経過している為、
1万円程度で購入できるのは不思議ではないのだが、Q7の
この安さは驚くべきことだ。勿論、安い中古だからと言っても、
ボロボロな状態ではなく、キズ1つ無い綺麗なものだ。
上写真で装着しているレンズは、PENTAX-03 FISH-EYE
と言い、いわゆる「魚眼風レンズ」のトイ(玩具)レンズだ。
完全な画角180度の対角線魚眼ではなく、センサーが大きい
(=画角が広い)Q7装着時でも、170度強という感じだ。
価格(定価)は9000円前後、中古ならば5000円は切ってくる。
ピントはMF、絞りは固定でF値はf5.6と、魚眼レンズにしては
比較的明るく、すなわち被写界深度が浅いので、ピント合わせを
ちゃんとやらないとピンボケになる。
ピント確認は、ピーキング機能を使っているが、この機能は
このQ7に限らず、他のミラーレス機であっても、あまり信頼性
が高い機能とは言えないので、まあ、多少のピンボケは覚悟で
あるし、とは言え、絞り値を変更して被写界深度を深くする事も
できないので、画面内の近距離から遠距離まで全てにピントが
合うパンフォーカス状態にすることは出来ない。
それに、感覚的な話だが、どうも無限遠にピントが来るように
MF範囲が調整されていない模様だ。パンフォーカス撮影を
前提としているレンズであれば、後方被写界深度の計算値に
無限遠が来る仕様とする事で、まあそういう事もあるのだろう。
(Q7からセンサーサイズが大きくなった事の影響もあるかも)
魚眼レンズは、描写の効果としては面白いのであるが、
私も、フィルム時代の昔から何本かの魚眼を買っていたが、
「すぐ飽きてしまう」のが難点であった。
何故飽きるかといえば、「自分が思うように撮れない」からだ。
つまり、自分が、こう撮りたいと思っても、撮影ポジションを
変えて、わずかにレンズを傾けたりするだけでも、画面の様子は
大きく、ぐにゃりと歪んでしまう。 ビギナーであれば、自分が
想像もできない偶然性のある写真効果が得られるので、楽しいの
かも知れないが、撮りたい画(え)を狙って撮る場合、魚眼の
デフォルメ効果は簡単に予測できないので、自分の思い通りに
ならずに、イライラとして、結果、飽きてしまうわけである。
まあ、あまり魚眼のデフォルメ効果を強調せず、おとなし目に
撮ることは可能である。
魚眼の歪みの特徴は「画面の中心点を通る対角線は歪まない」
ということである。
たとえば、魚眼で、水平線などが曲がらないように撮るには、
その水平線をきっちりと画面の中心線上に配置すれば良い。
この写真で、水平線はほぼ直線だ。が、手前の石垣は、
勿論実物はまっすぐであるが、大きく湾曲して写っている。
実は、空も大きく湾曲して写っているのだが、雲の分布は不規則
なので、人間の目では、曲がっているとは通常は認識できない。
同様な手法で、被写体における真っ直ぐな直線を、魚眼構図上で
中心点を通る線上に置けば、そこだけは曲がらずに写る。
まあ、だから魚眼は、使いようによっては面白いのであるが、
なにぜ自分の意図通りに撮るのは非常に難しい。
(というか、魚眼の歪みを計算に入れた構図が想像できない)
それと、超広角レンズや魚眼は、余計なものが多々写り込んで
しまうのも課題だ。まあ、それが被写体であればともかく、
下手をすると、自身の指、自身の影、はては着ているものの
一部、帽子のつばや、靴のつま先など、注意しないとすぐに
それらが写ってしまう。トリミングしてカットすると、魚眼
写真の本質が変わってしまうので、(例:中心線で無いのに
直線に写っているなど)それも、あまり好ましくない。
以下余談であるが、2000年代はじめ、デジタル化の波が
押し寄せ、当初のデジタル一眼が、APS-Cサイズのセンサー
を搭載していたため、それまでのフィルム用レンズの画角が
変わってしまうという問題が発生した。まあ、数年も撮って
いれば慣れてくる事なのだが、標準50mmや、広角28mm等、
フィルム時代に慣れ親しんだ画角が変わってしまうことに
抵抗があったベテラン諸氏も多かったことであろう。
で、その際、実際には、問題の多くは画角が変わることではなく、
「広角レンズ」が無い、ということであった。
広角28mmの画角を実現するには、APS-C機では、19mmの
超広角を持ち出さなくてはならない、まあ、これくらいならばなんとか
フィルムのレンズでも普及していたのだが、フィルムでの20mm
以下の超広角領域は、APS-Cでは、10mmとかいう焦点距離
となり、そんなレンズは存在していなかったので大変だった。
(すぐにデジタル専用の超広角レンズが発売され始めたが・・)
で、魚眼レンズは、もっと深刻な影響があった、
フィルム時代の、対角線魚眼や円周魚眼は、デジタルのAPS-C
では、画角が狭く「全然魚眼風に写らない」状況だったのだ。
なので、私も、手持ちの魚眼レンズは「使えない」ものとして
封印せざるを得なかった、まあ、現在では、デジタル専用の
魚眼レンズも出ているし、フルサイズのミラーレス機も出て
きているので、いずれ問題にはならなくなるが・・
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さて、PENTAX Q7 だが、さすがに魚眼レンズ専用機とするのは
勿体無いであろう、コンパクト並みのセンサーサイズとは言え
レンズ交換が出来るという大きな長所を持っている。
こちらは、02 Standard Zoomである、焦点距離5-15mm、
Q7の画角において、(35mm)フィルム換算で、23mm-69mm
という使いやすい画角となる。
f値は、f2.8-f4.5と、やや明るめの標準的なスペックである。
(さらに言えば、Q7側からON,OFF可能なNDフィルターを
内蔵し、Q7自身でも2000分の1秒以上の高速シャッターを、
電子シャッターに切り替えることができるという便利な機能を
持っている。記事(1)のGXRのレンズ群や、ノクトンのように、
NDフィルターを常時つけておくという必要性が無い)
で、安っぽい標準ズームを使わなくとも、Qマウントにおいても、
マウントアダプターは存在する。
しかし、5mmが23mmになるということで、焦点距離の倍率は
4.6倍と非常に大きい。ならば、望遠レンズを使えば、例えば
200mmの望遠を使えば、1000m近くの超々望遠レンズと
なるので美味しいじゃあないか?と思うかも知れないが、
バランスの問題もあり、大きなレンズはQシステムには装着が
しずらい。
またMFでのピント合わせは、本システムでは絶望的であるので
その点でもマウントアダプターの使用は、趣味的な要素でしかない。
いずれ小型軽量の望遠である、ミノルタの250mmのミラー(反射)
望遠レンズでも装着して、1150mm相当の超々望遠で遊んで
みようかとは思っているが、観光地の100円望遠鏡同様に、
すぐ飽きそうで、自分の中では、その優先度は低い。
それと、PENTAX純正標準レンズとして、01 8.5mm/f1.9が
存在しているが、これの購入優先度も低い。大口径が必要で
あれば、フォクトレンダー ノクトンシリーズのF0.95をはじめ、
F1.2~F1.4級のレンズを、新旧合わせ多数所有しているので、
マウントアダプターで利用できるのであるが、しかし、あえて、
センサーサイズが小さいQマウントで、大口径のボケを楽しむ
という気には、ほとんどなれない。(MF操作も無理だし)
それに、02 Standard Zoomの描写はさほど悪くない、
1つの理由は、Q7に内蔵された「ディストーション補正」の
機能をONにしているからであろう、レンズの収差の1つ、
つまり、ディストーションを良くカメラ内で補正している。
PC上でも、これは補正できるのだが、画角と撮り方で歪みが
目立つ場合とそうでない場合があり、補正量もまちまちであるから
安モノのレンズを使って多数の写真を撮る場合など(たとえば
ドラゴンボートの撮影など)後で補正が大変だ。あまりに気になる
場合以外は、知らん顔して掲載してしまっているのだが・・(汗)
そして、Q7のようなシステムでは、真面目に写真を撮るような
ものでも無いと思うので、その内部設定はかなりいじくりまわして
いる。
加えて、Q7には以下の「クイックダイヤル」が存在している。
このダイヤルには、色々な機能をアサイン(割り振って)しておき、
ダイヤルを廻して呼び出すことが出来るのだが、割り振れる
基本機能の自由度はあまり高くない。なので、私は、最も遊びに
特化した「スマートエフェクト」を設定している。
こちらが、先の写真と同じ場所で、スマートエフェクトの
「ドラマチックトーン」に切り替えて撮ったもの。
たとえばPENTAX には、Q7以外に、Kマウントの、K-01 や、
一眼のK-5等にもHDR機能がついているが、それらは、3枚の
露出差撮影による合成の本格的HDR(ハイダイナミックレンジ)
合成機能だ。PENTAXのカメラの弱点は、その合成処理に非常に
時間がかかること、場合により10秒程度待たなくてはならず
その間、次の撮影ができない、よって、これまでPENTAXのカメラで
HDR撮影をする場合は、他のカメラを必ず併用して、後処理待ち
の間は、他のカメラで撮影していた。
他社の「ダイナミック」系のエフェクトでは、1枚撮影の擬似
HDR機能なので、処理時間がとても短く、かつ、3枚も撮らない
ので、電車などの動体撮影にも対応できる。こうした機能は特に
コンパクトのデジカメに多く、一眼などでは普及していない。
PENTAXにも、その機能が欲しかったのが、まあ、私の持っている
PENTAXのシステムの中では、やっとQ7でそれが実現できた訳だ。
前面のクイックダイヤルをさらに廻して「ソリッドモノカラー」を
呼び出してみよう。
これは、色抽出ができる、硬調のモノクロ撮影だ。
抽出色は選択できる、まあ、このあたりは以前からのPENTAX機
にも搭載されている機能だが、必要なときにすぐ呼び出せるか
どうかという操作系も重要なポイントだ。
現在の設定は抽出色は赤、他の色に変更も可能であるし、
抽出するレベル(度合い)も調整できる、が、まあ、
それらを、撮影時にちょこちょとこいじくっているのも辛気臭い
ので、逆に「今の設定で上手くいきそうな被写体」を探して
撮ることになるのであるが・・
これは微妙に抽出色が残っているケース、
まあ、不思議な感じで、面白いといえば面白い。
クイックダイヤルに設定できるエフェクトは、USERという
モードが1~3まであるが、ちょっとこれの設定はビギナーには
難しい。けど、実は、これを使うとエフェクト設定のの自由度は
格段に高くなる、つまり、ホワイトバランス、デジタルフィルター
カスタムフィルターの3種を自在に変更後に、その設定で
撮影した写真を再生中に、その設定をUSERに登録するのだ。
デジタルフィルターの種類などは、他社カメラと同等であるが、
PENTAX のホワイトバランスには、CTE(カラー・温度・
エンハンスメント)という独特なモードもあり、通常は色再現性
を良くする為のものだが、色飽和しそうな状態で使うと、思いも
よらぬ色調になる場合がある。それと、たとえば、トイカメモード
の周辺光量落ちや、トーンブレイク設定などと上手く組み合わせて、
独自かつ独特なフィルターも作れる、というマニア向けの機能だ。
ただし、その作った設定で撮った写真が、ダイヤル設定時の
サムネイル画像となるので、しょーもない実験撮影がそのまま
選択画面に出てしまうのが、ちょっといただけない場合があるが・・
まあでも。凝った設定も楽しいのだが、要は、その設定した
内容に合う被写体を見つけること、こちらの方がずっと楽しい。
赤の色抽出がとても印象的だ。
今回の記事は、ほとんどPENTAX Q7の紹介で終わって
しまった感もあるが、まあ、この「ミラーレス・マニアックス」は
今後シリーズ化していく予定なので、また面白いシステムを
順次紹介していくことにしよう。
なお、当方の当面の課題としては、複数ある防湿庫が
すでにいっぱいいっぱいになっていて、ぎゅうぎゅうに
カメラやレンズを押し込んでいることだ(汗)
もう1台防湿庫を買おうにも、置く場所が無いし・・
古いカメラやレンズを処分すれば良いのだろうが、基本的に
物持ちが良くて、メカ好きであるから、それもできないんだよね・・
物持ちが良い、という事で、最後に余談だが、私はデジタルカメラ
を購入した際、「元をとったかどうか」の判断に「1枚3円の法則」
というルールを昔から提唱して、かつ実践してきた。
購入価格を撮影枚数で割り、それが3円になった時点で、
減価償却済み(=元がとれた)と判断する。
2000年代前半、デジタル一眼は中古でも10万円前後と高価で
なかなか、元はとれなかった。10数年かかって、最近になって
やっとそれが実現できたカメラもある。(その間、古くなっても
使い続けなくてはならない、という厳しいルールだ・汗)
2000年代後半、デジタル一眼の中古価格が5~6万円、
コンパクトで2~3万円となって、まあ「1枚3円の法則」は適正な
状況であった。これはまあ、次々にカメラを購入しないようにする
という、戒めでもあった訳だ、(”まだ元が取れていないのに、
次を買うのか?”と) デジタル一眼で2万枚程度、コンパクト
で1万枚程度が、まあ、元を取るための指標となるであろう。
ちなみにレンズはこの法則には含まない、カメラボディと違って
レンズは長期間、ずっと使い続けるし、レンズ毎の撮影枚数の
把握は困難だからだ。
そして、2010年代、本シリーズ記事のようにミラーレス機の
中古価格は下がり、1枚3円など、あっと言うまに到達して
しまうようになった。なので、私もルールを多少厳しくして
「1枚2円の法則」に”デフレ”しようと考えている。
ただし、RICOH GXRやPENTAX Q7などはやや特殊である。
というのも、これらのレンズは、他のカメラで使用することは
ほぼ不可能だ、だとすると、ボディ単体だけの価格ではとらえ
られず、これら専用で使うレンズの価格も、購入価格に合計して
考えなければならないだろうか・・? そうすると、GXRの場合は、
ボディと3本のレンズで安価とは言え、7万円強の出費だったので
24000枚撮影で1枚3円をクリアかあ・・ これは厳しいなあ・・
(GXRがそこまでスペック的、耐久性的に持つとは思えない・・)
まあ、そういう判断基準で、機材を購入するかどうかを決める
というのも悪くないと思う、「え?レンズつきで1万円台?」
等を見たら、ついついミラーレス機に手を出してしまうのが
心情だろうが、「このシステムで1万枚撮るぞ!」というのが
可能かどうか? 元が取れるかどうか?、そこがミラーレス機の
購入検討のポイントになるかも知れない。
次回シリーズ記事に続く・・