2015年9月6日(日)に、滋賀県大津市の「びわこ競艇場」で
行われた「第3回スモールドラゴンボート日本選手権大会」
(以下、スモール選手権)の模様より、中編。
本大会の前身の「びわこスプリント」より、非常に高い確率で
雨にみまわれる本大会、今年もまた雨となってしまった。
「磯風=雨男説」の証拠らしきものをつかんだ前編であったが
まあ、まだ確実とは言えないので、引き続き状況証拠を集めて
いくとしよう(笑)
さて、雨と暗さで、写真の撮影は絶望的な状況だ、
天気さえ良ければこの「びわこ競艇場」は、極めて環境が良い
大会会場であるので、そのあたりは惜しいところ。
そして、大会の内容は、極めて競技志向の強い、純粋な
ドラゴンボート選手権だ、全国から強豪チームが集まり、
10人漕ぎ(専用艇)、200mの短距離(スプリント)
従来からの競技向けのカテゴリー制度、本日は
「一般オープン」「選手権オープン」「選手権混合」
「選手権女子」「選手権シニア」の5つとなっている。
「選手権」というカテゴリーについては、日本協会「A登録」の
チームにおいては、海外大会代表権のポイントが加算される。
「A登録」ではないチームにおいても、順位は順位であり、
本大会での入賞、表彰の対象となる。
艇は専用艇ではあるが、一部のカテゴリーでのみ軽量の
「チャンピオン艇」を使用、この艇を使った場合のタイムは
50秒台となる。決勝進出タイムは各カテゴリーで差異は
あるが、だいたい1分を切る、50秒台後半くらいであろう。
一般オープン等のカテゴリーでは「旧艇」と呼ばれる重量級
の安定した艇を用い、この場合は、1分10秒を切るのが
決勝進出の目安となる。
冒頭写真は、その「旧艇」だ、
チームは、静岡の強豪「遠州舸(はやぶね)会」であるが、
今日は1分13秒と、決勝進出には、もう3秒程度足りない。
各選手権カテゴリーとも、予選→敗者復活→準決勝orB決勝
あるいは3回戦ポイント合計制により、最低3回づつは
漕ぐことができるレースフローとなっている。
こちらは「大阪産業大学 常翔喜龍(じょうしょうきりゅう)」
若手中心で元気がよく、しかも今日は予選で1分ジャスト
(新艇)とまずまずの好タイム、この分であれば準決勝くらい
まではあがってくるだろうが、「選手権混合」へのエントリー
なので、決勝へ行くには、もう2秒程度タイムを伸ばしたい所だ。
同カテゴリーの強豪チームは、静岡の「海猿火組」を筆頭に、
和歌山の「くまもっこり」、滋賀県の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」、
及び「小寺製作所」、京都の「すいすい丸」、兵庫の「BANANA」
そして大阪の多くのベテラン常連チームが参戦する激戦区だ。
けどまあ、実のところ、今日は、どのカテゴリーも激戦区だ。
こちらは、ここ1~2年成長著しい「すいすい丸」の旗。
前から、ここに書いてある文字は何かと疑問に思っていたので、
今日は聞いてみた。
匠「西大路に、姉小路、東大路・・ 京都の道の名前ですね」
す「ああ、これは、久美浜大会(京丹後ドラゴンカヌー大会)
に出場する際のチーム名なんです、実は、我々は、
久美浜から始めたチームなので」
匠「なるほど、そうだったのですね、久美浜、今年は、女子の部
で優勝おめでとうございます、男子はもう1歩で入賞という
ところでしたね」
す「詳しいですね、大会に来ていらっしゃらないのに・・」
匠「久美浜は、一度行きたいのですが、毎年、滋賀の他の大会と
かぶって見に行けないのですよ・・なので結果だけ見てます。
まあともかく、すいすい丸さんも最近は好調ですね、
先日の”びわこペーロン”も準優勝だし・・」
す「”びわペー”の時は、”吹田龍舟”さんに、あと一歩だった
ので悔しいです」
匠「そうでした、400mの決勝戦、”吹龍”さんが、最後でペース
ダウンして、”すいすい丸”さんが、ずいぶんと追い上げたの
ですが、2~3秒追いつかなかったですね。あと100mあったら
逆転していたかもしれませんが、まあ、でも、中距離には
中距離のペース配分があるし、しかたないですね」
す「まあそうですね・・」
匠「では、今日もがんばってくださいね」
こちらは、地元滋賀県の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
「すいすい丸」が久美浜大会を母体にしているのであれば、
「琵琶ドラ」は、ここ「スモール選手権」(旧:びわこスプリント)と
「びわこペーロン」が母体の大会であろう、母体となる地元大会
では負けられない意地がある。事実、その両大会では「琵琶ドラ」
は、過去、多くの優勝・入賞実績を持っている。
今日は「選手権混合」に2チームをダブルエントリー、
女子あるいは新人育成の「びわにゃん」チームを思い切ってカット
し、ほぼベストメンバーを2チームに集中させ優勝を狙ってくる。
地元滋賀県からは、同「選手権混合の部」には「小寺製作所」が
参戦、「小寺」は「選手権オープン」ともダブルエントリーで
あるが、いずれも強豪そろいのカテゴリーで今日は苦戦しそうだ。
滋賀県の他のチームとすれば、「一般オープンの部」では、
前編で紹介した高島ペーロン強豪の「松陽台(しょうようだい)」
が、ドラゴン艇にも慣れてきた模様で好調だ。
さらに、ドラゴン専業チーム「GPO」も、本家「GPO]の他、
「UBER GPO」をダブルエントリーさせている、
「GPO」も、主力メンバーの転勤などで、少しメンバーが
集まりにくくなっている模様であるが、今年の「びわこペーロン」
にも参戦しているし、滋賀県の各大会の運営スタッフ等で
尽力してくださっている。
今日、開会式で選手宣誓をしてくれた「近畿車輛電龍」
強豪そろいの「選手権オープン」へのエントリーであり、
メンバー再編中の「近車」であるから、本大会は新メンバーの
腕試し、他の強豪チームの敵情視察という感じであろうか。
さて、例によって、40数チームも参加しているチームの
全てを紹介することはとてもできない。
常連チームなどの紹介は、最小限として、できるだけあまり
他の大会でエントリーしない地元チームや県外チームの話を
混ぜていこうと思っている。
こちらは地元滋賀県から初参加「ニッパツ」チームである、
企業のチームとのことだが、ドラゴンはまったく初めて漕ぐ。
レース開始前に、彼らとちょっと話をしたら
ニ「あの~、パドルって言うんですか? 俺たち、持ってない
のですが、大丈夫ですか?」
匠「ああ・・ 周りにいる強豪チームは、マイパドルなんです、
でも、借りれますので大丈夫。ボートに乗る前に、バケツ
から取ってください、ライフジャケットも借りれますよ」
まあ、さすがに初めて漕ぐのでなかなか苦戦していた模様だが
それでも、重たい旧艇で1分17秒程度と、初めてにしては
善戦という感じか。
こちらの先頭は「堅田湖族」(かたたこぞく)チームだ、
本「スモール選手権」の常連チームであるが、元々は、
琵琶湖大橋の西岸「堅田(かたた)」地区で行われている
地元の「湖族船競漕」での常勝チームだ。
監督さんの話によると、その大会は、1980年代後半から始まって
いて「びわこペーロン」や「高島ペーロン」よりも、数年早かった
そうだ。まあ、すると「天神大会」と同じくらいか?、なかなか
長い歴史を持っている大会の模様だ、こんど機会があったら
見学に行ってみようかな? しかし、8月の上旬と言われていたので、
他の大会に被ると見にいけないのが辛いところだが・・
匠「そういった地元の大会に出ているチームの交流を図りたい
と思っているのですが・・」
堅「ああ、それは良いですね、それで参加チームも増えますね」
匠「では、また、そういう話が出たら、是非お願いします」
例の「地元大会交流構想」だが、どこの地方大会の運営の
方々も、賛同してくれている、あとは、実際に実行に移す
のみという事であろう・・・
色々個性的なチームが集まってきている「一般オープン」の部
だが、予選を見るかぎりは、前編で紹介した「しげる」と・・
こちらの手前1レーンの静岡の「海猿火組NEO」、
さらに同じく静岡の「中電龍舟」そして滋賀の「松陽台」
あたりが好調な模様だ。
上写真で、2レーンが相生の古豪「HANDARS」、ドラマーの
女性が横の「海火」の様子を見ているが、今回は決勝には、
やや届かないかも知れない。
ちなみに奥が、前述の初参加の「ニッパツ」だ、初漕ぎにしては、
まあ、悪くない。
同じ「一般オープン」の部で、静岡県の強豪「遠州舸会」に、
何言かアドバイスをしている模様の、同郷の「海猿火組」。
「遠州舸会」は予選はトップで抜けたもの、タイムは1分
13秒ということで、決勝に上がるにはもう2~3秒縮めたい
ところだ。次が正念場の準決勝、ここで2位以上にならないと
そこまでで敗退になってしまう。
次の準決勝は非常に見ものである、1レーンから、
「遠州舸会」「しげる」「中電龍舟」「東海龍舟」である。
何が見ものだって? と聞かれると、順番に、静岡、鳥取、
静岡、愛知のチームだ、つまり、関西圏の滋賀や大阪の
チームが1つも入っていない準決勝だ、かつて、関西圏の
各大会でこうした組み合わせのケースがあっただろうか?
いや、私が覚えている限りでは無い!
匠「面白い組み合わせですねえ・・」とレース待ちをしている
各チームに伝えたのだが、「??」と、ピンと来ない模様。
まあ、全チームの事を知っているのは私だけで、彼らは
お互いのチームの事は良く知らないのだ・・
匠「ほら、静岡、鳥取、静岡、愛知ですよ」
静「ほう、なるほど、全国区ですね!」
だが、本来であれば、日本選手権クラスの大会は、全国区と
なってしかるべきだ。けど、今回は、東京や九州のチームが
来ていないので、ミニ全国区という感じとなっている。
この状況を、あえて例えれば、日本初の「戦国シミュレーション
ゲーム」として歴史的価値が高い「信長の野望」の初代バージョン
(約30年前)が「17ヶ国版」と言って、信長の本拠である尾張を
中心に、関東から関西くらいまでの範囲を統一すれば勝利、
というルールであった。勿論、それ以降の「信長の野望」は
日本全国50ヶ国を天下統一しなければ勝ちにならないのだが、
当時のPC-8001などの非力な黎明期のパソコンでは、17ヶ国が
限界であったのだろう(まあ、でも、ゲーム史に残る名作だ)
そのゲームの画面での日本地図の範囲くらいから、ドラゴンの
チームが集まってきているというイメージだ。
できれば高校野球のように、全国全県から、ドラゴンチームが
集まってきて、真の「全国大会」が出来れば面白いのだが、
あいにく、まだ、全ての県にドラゴンチームが存在している
状況ではない、しかし、今年から、東北「猪苗代大会」も
始まった模様であるし、いずれは全国に広がっていくと思う。
そのミニ全国区準決勝の模様、手前静岡の「遠州舸会」の
女性ドラマーは「立ち叩き」という変わったスタイルだが、
今回だけ特別、と言う訳ではなく、以前からこの方式だ。
2レーンの鳥取の「しげる」が好調に先行している。
中盤で差は、ほぼ1艇身、この分だと他チームに3~4秒差を
つけた独走となるだろう、しかし、この準決勝はタイム戦ではなく
順位戦だ、ともかく2位に入れば良い、残る3チームの中で
2位に入るのはどこか? 静岡か、愛知か?
静岡の「中電龍舟」とは、レース前に話しをしていた。
「中電」さんとしては、勿論滋賀はアウェイだ、同郷静岡の
チームの選手以外で知っている顔は私しか居ない。
中「匠さん、どのチームが強いのですか?」
匠「え~、一般オープンの部でしたか?では順番に言いますね
まず同じ静岡の、ご存知「遠州舸会」と「海猿火組NEO」
愛知の「東海龍舟」、相生の「HANDARS」、滋賀の「松陽台」と
「龍人」、それと鳥取の「しげる」でしょうか・・」
中「え? どことどこですか? すみません、もう一度・・・」
今度は、パンフレットを持ちながら、私が言ったチームに
チェックを入れている、また、各チームの戦績や出自、特徴等
も私から伝えたが、それもパンフに書き込んでいる。
「びわこペーロン」の「日立建機」もそうだったが、こういう
チェックを真面目に入れるチームは決勝まで残ってくることが
多いと思う。
匠「ただ、いずれもメンバーによります、新人中心だったり
遠征用のメンバーであったりするかもしれません。
全てがベストメンバーだったら、残念ながら中電龍舟さんは、
決勝には残れません。けど、多分それは無いとは思いますが、
今あげたチームの少なくとも3つは潰さないとならないので、
かなり厳しい状況であることは確かです」
中「ふうむ・・大変そうですね」
匠「日本選手権ですからね、強いチームが全国から集まります、
けど、名前負けしていてもしかたないし、後は、実際に
戦ってみて様子を探るしかないですね。
準決勝あたりで何処と当たるかも重要ですね、他の全部を
倒す必要は無いし、組み合わせ次第の要素もありますね。
無事決勝まで行ければ、あとは出たとこ勝負になります。」
中「了解しました」
ということで、「中電龍舟」はこの準決勝で、なんとしても
2位に入らなければならない、まあ、それはどのチームも
同様だ。先行する「しげる」を除く3チームは終盤まで、ほぼ
互角の展開、かなりの混戦になったが、最後に頭ひとつ抜け
出したのは、見事「中電龍舟」であった。
名古屋の名門「東海龍舟」、御前崎の覇者「遠州舸会」は
残念ながら、ここでNR(ノーリターン)となってしまった。
いやあ、なかな見ごたえのある準決勝だった。「東海龍舟」は
女子メンバー比率が多くて苦戦していたみたいだったし、
「遠州舸会」は、慣れない県外遠征、しかも日本選手権という事で、
なんだか、やたらと緊張していた様子だった。それぞれ事情が
あったのだと思うが、まあ、これに懲りず、来年もまた頑張って
もらいたいと思う。
さて、こちらは、「IHI相生」チームだ、地元の相生ペーロン
のみならず、各地のドラゴン大会にも積極的にエントリーして
いるので、ドラゴン専業チームとしてもすっかりおなじみであろう。
近年の戦績としては、「チームSH(スーパーヒーター)」の
名前で参戦した2014年の「1000m選手権」で見事優勝。
本年2015年は、地元「相生ペーロン」では、1部で6位、
7月の「日本選手権」は、準決勝で超強豪チーム達に阻まれて
敗退となってしまった。
「IHI相生」の漕ぎ方は、他のドラゴン専業チームに比べて
少し特徴がある、何と言うか・・「上からパドルを突っ込む」
ようなスタイルなのだ、これは恐らく、相生のペーロン専用艇は
舷側が高いので、そういう漕ぎ方に慣れているのかも知れない
のだが、この漕ぎ方が、うまく艇の種類やコース条件にハマると
なかなか速い。昨年の1000m大会でも、重たい旧艇に、それが
マッチしたのだろう、その時は若手選手が中心のメンバー構成
であったが、陸上から見ていた監督やOB氏も、「なかなか
いい感じだ」と言っていたのを覚えている。
ただ、今日彼らが乗る、超軽量の「チャンピオン艇」では
うまく合っていない可能性もある。選手権オープンの部の
予選では、「bpジュニアA」に阻まれ、同敗者復活戦では
「bpジュニアB」と当たるなど、組み合わせの不運もあって
決勝進出ならず。
まあ、とは言え、今回の選手権オープンでは、どこからどう
上がっても、超強力な「bp」3兄弟に当たってしまうので、
組み合わせがどうであっても、やむなし、という要素もあるが・・・
漕ぎ方、で思い出した、上写真は「選手権女子の部」の
1回戦の模様、2レーンが女子強豪の「Team 河童」だ。
「河童」は、本大会の第2回大会で、ポスター、パンフ、
看板の表紙写真を飾り、特に「看板」がお気に入りで
河「あの看板が欲しい」と大会本部にかけあった模様だが
本「毎年使うのでダメ」と言われた模様。
匠「写真だったら、いくらでもあげるのに・・」
と言ったのだが、
河「いや、看板が欲しいんですよ」
匠「ああ、そりゃ無理だ(笑)」
というやりとりがあった、まあ、その写真は、第1回大会の
模様であって、勇壮でダイナミックな漕ぎの模様が大会本部の
目にとまったのだと思うが、その時の漕ぎと、今回の漕ぎは
まるで違っている。
匠「え~!? なんだ、”河童”の、あの漕ぎは・・
全員が前傾せずに直立している、手だけで漕いでいる
ようにも見えるし。手抜き? いや、それにしては速い・・
いったい、なんなんだ??」
河童が1位で帰ってきたので(ちなみに、女子の部は
3回戦合計ポイント制だ、1位が10点となっている)
話を聞いてみよう。
匠「河童さん、あの漕ぎは?」
河「新方式ですヨ、まだフォーム改造中、楽して速いという
テーマですネ、でも、完成まであと5年くらいかかるかな?」
匠「ふうむ・・ なるほど」
なんだか良くわからないが、まあ、多少変則的であったとしても
それで速ければ問題ない。
「河童」は、メンバーの3分の1がシニアになってきていると聞く
将来の事を考えると、なかなか若さにまかせた漕ぎで通すという
訳にもいかないのであろう、
匠「男性メンバーを入れて、混合とするのは?」
とも言ったが、まあ、ずっと「女の園」を守ってきた河童では
それは難しい話であろう、河童からは
河「う~ん、新しい漕ぎにしているし、合わないかも」
と、間接的に、男性を入れるのは難しい、という返事があった。
さて、今日は雨模様なので、レース進行は「巻き」(早目)と
なっている、昼の段階で約30分ほど早まっているので、
昼休みを取ることとなった、昼休みには、地元大津の
ストリートミュージシャン(「GPO」の知人らしい)が
弾き語りを披露、こういう試みはドラゴン大会では珍しいが
まあ、なかなか悪くない。
しかし、雨は止む様子もなく、断続的に降り続いている。
「荒天」にならない限りは、ドラゴン大会は実施されるのだが
以前であれば、まあ、よほどでないと、中止は無かったが、
近年、そうした「雨に強い」ドラゴン大会も、超大型台風や
超強風、ゲリラ豪雨、爆弾低気圧等で中止になった大会も多い、
前編で少し紹介したMJO等、地球規模の環境変動のタイミング
になってきているのかもしれないのだが、確かに、ドラゴン大会
でも確実に実施できるという訳にはいかないのが、運営側の
頭の痛いところであろう。
今日のような状況では、一般観客の来場も期待できないし、
もう、天候が荒れないうちに、さっさと大会を成立させて
しまうに限ると思う・・
写真は、「選手権混合」のB決勝の模様、手負1レーンから
「打艇龍舟倶楽部」「風」「浪わ」「未来」だ。
匠「まるで、北港スプリントのようですね」
と、大阪を中心とするベテラン常連チームの決戦となった、
これが決勝戦であれば凄いのだが、B決勝である。
「B決勝」とは「下位決勝戦」の事で、レースフローにより
若干の差異はあるが、だいたい準決勝に残れなかったチーム
によるレースで、簡単な賞品が出たりする場合が多い。
B決勝をやる意味の1つは、敗退したチームでも、もう1度漕ぐ
チャンスを与える事、たとえば、本大会では、B決勝に残れば、
予選、敗者復活に加えて、3本目を漕ぐ事ができるので、
参加チームの満足度が高まる。賞品が出ればなお良いし、
途中で負けてもすぐに撤収させず、決勝戦から閉会式まで
残ってもらうという意味もあるかと思う。
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さて、ところで、この会場の「びわこ競艇場」であるが、
一流の競艇用設備である、400m以上の長さを持つ閉水面
ではあるが、厳密には湖水と繋がっていて、ミシガン観光船の
波が若干影響する模様だ。
水面横には巨大な「オーロラビジョン」(電光掲示板)があり、
ドラゴン大会でも、レースの模様や、参加チーム名、リプレイが
映し出されるというなかなかのもの。
近年、私の感覚だが、どうやら画質が良くなった模様だ、
カメラを変えたのかもしれない。
以前、よく雨の降る本大会で、どうしてもレースの写真を
撮るのが難しく、オーロラビジョンに映る映像の写真を
撮ったこともあった、まあ、雨で難しいのは現在でも一緒
なのだが、もう「雨ではまともに撮れない」と開き直って
いるので、そのあたりは気にしなくなってきている(笑)
ちょうど観戦していた、「浪わ」の監督さんが、ビデオを
撮ろうとしている。
匠「雨の中、ビデオも大変ですね、撮れますか?」
浪「いやあ・・厳しいです、いっそオーロラビジョンの
方を撮ろうかと・・」
(あはは、私の考えと一緒だ)
浪「でも、オーロラビジョンにビデオを向けると、縞が出て
しまって・・匠さん、これは、どうやったら撮れますか?」
匠「高度な設定をするならば、露出をそのままでシャッター速度
を変えるんですよ、そうすると、画面の走査線と同期したり
外れたりして、うまく撮れるシャッター速度があります」
浪「なるほど、タイミングをずらすのですね!仕組みはわかり
ますが、確かに高度な設定だなあ、難しそうです」
匠「なら、普通にレースを撮れば良いのでは? この雨では
写りが悪くなるのは、やむを得ないですよ」
浪「まあそうですね、このまま頑張って撮るかな・・」
ところで、環境の良いこの「びわこ競艇場」ではあるが、
本来、ここは、競艇の為の施設であるから、ドラゴンボートで
使う際は、色々と施設の設備保全に気をつけなくてはならない
事が多数ある。
例えば、ゴミ箱、灰皿などは、施設備え付けのものは使用禁止だ、
ドラゴン大会用に、指定されたゴミ箱、灰皿を使わなければ
ならない。
5階立ての立派な観覧席は、ドラゴンでの使用は、1階、2階が
選手あるいはスタッフ用、5階の一部は放送席となっているが、
選手達は3階以上に上ってはならない。
また、観覧用ウッドデッキは、ドラゴンの選手達が準備運動で
走ったりすると、床が抜けてしまう場合もあるので、走るのは
禁止だ。
さらに、ドラゴン艇は、コースの防波設備などに触れてはならない、
非常に高価なものであり、壊すと弁償が大変だからだ。
多くの制約があるが、「会場を使わせていただいている」という
事は忘れてはならない、もし、何か、壊したりしてそのままに
したりすると、もう会場を貸してもらえなくなってしまう(汗)
他の記事でも書いたが、選手達は、趣味としてお金を払って
参加しているので、お客さんであると言えばそうなのだが、
だからと言って、あまり無茶をすると、ドラゴン大会そのものが
出来なくなってしまうリスクもある、せっかく好きでやって
いるのだから、無用なトラブルは起こさないようにマナーや
ルールを守るのが肝要だと思う。
さて、本記事も、もう文字数が限界だ。
以降、後編に続く・・