2015年6月21日(日)、大阪府高石市の浜寺水路で行われた
第5回堺泉北港ドラゴンボート大会の模様より、後編。
前編では、市内の部を、中編では、ドラゴン専業チームによる
混合の部について紹介してきた、今回後編では、「オープンの部」
の激戦の模様についての記事にしてみよう。
匠「磯風漕友会さん、遠くからお疲れ様!」
磯「あ、匠さん。 久々にこの大会に来たけど、こんなに広い
会場でしたっけ?」
匠「確か3年ぶり、いや、4年ぶりでしたか?
その時は、勿論優勝してますよね、その後、”bp”さんが参加
しばじめて連覇していますよ、今日は楽しみな直接対決ですね」
磯「全力で頑張ります」
匠「今日は500m、磯風さんが2分5秒位、bpさんが2分7秒位
と予想しております、まあコースコンディションにもよりますが」
と言いつつも、オープンの部予選第一回戦の「磯風」のタイムは
驚異の2分1秒、これはもしかして夢の2分を切れるか・・?
(ちなみに、本大会第1回大会での磯風の優勝タイムは2分2秒だ)
本大会でのオープンの部への参加チームは、「磯風漕友会」の他、
「bp」「bpジュニア」「池の里Lakers!}「一寸防士」の5チーム、
これに、シニアカテゴリー扱いの「Rスポーツマンクラブ」と、
女子カテゴリー扱いの「Team 河童」が加わり、計7チームと
なっている。
シニア、女子のカテゴリーが各1チームなので各々順位戦は難しく、
便宜的にオープンの部にまとめている。昨年第4回大会では、混合、
オープン、シニア、女子を含めた「総合決勝」を行ったのだが、結局
オープンの部と同じ結果となり、今回は総合決勝は廃止されている。
以前の記事の「実力別カテゴリー大会」ではないが、現段階では、
従来のカテゴリー分けに色々と課題が出てきているので、様々な
試行錯誤が必要な状況となってきているという事であろう。
こちらは、「bp」のドラマー、通称「謎の美少女」
一昨年のbpデビューとともに、メインドラマーを務め、連戦連勝。
確か「日本選手権」で「磯風」との直接対決で敗北した他は、彼女が
スティックを持った試合で負けたことは無かったのではなかろうか?
そういう意味では「幸運の女神」かもしれない、昨年後半より、試験が
あるとかいうことで大会を離れていたが、本大会より現役復帰だ、
本大会の一昨年第3回大会での「bp」の優勝タイムは2分24秒、
また、昨年第4回での「bp」の優勝タイムは2分6秒であった。
第3回大会は、会場の位置も微妙に異なり、若干コンディションが
違っていたかもしれない、まあ、今日の場合、2分1~7秒あたりで、
「磯風」と「bp」が激突するのはほぼ間違いないであろう。
「謎の美少女」としては、唯一の敗戦相手である「磯風」へのリベンジを
果たしたいところだ。また、「bp」としても、かつて「磯風」に勝った事は
無い、いや、少なくとも国内の「ドラゴンボート大会」において「磯風」に
勝ったチームなど何処もないのだ。まあ、長崎ペーロンとかで「磯風」が
勝てなかったことは何度もあるのだが、長崎ペーロンは、コース毎の
条件も異なるので、いちおうそれは除外しておこう。
「bp」の兄弟チーム「bpジュニア」も、最近は好調だ、元々「都島」の
高校卒業生を中心とした若手チームであるが、昨年の海外遠征を経て
成長してきている。今年5月の宇治大会では、「都島」すなわち
「bpジュニア」が、本家の「bp」をおさえて初優勝を果たしている。
今日のレースは500mの中距離だ、「bp」のメンバーに聞くと、
b「最近はジュニアも伸びてきていて、殆ど差はない、しかも、今日の
大会は距離が長いので体力のあるジュニアの方がむしろ有利かも
しれない」
というコメントを残していた。
今年も「bp」(およびbpジュニア)は海外(カナダ)大会に遠征に行く、
成長著しい両チームと、横綱「磯風」の直接対決は、本大会の最大の
見所として、選手やスタッフの誰もが注目している。
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「池の里Lakers!」は、滋賀県のニュータウン「池の里」の住民による
「究極のご近所チーム」だ、以前は「町内会チーム」とも呼ばれていたが、
最近は前者のキャッチフレーズが主流。これで、滋賀の朝日新聞等にも
インタビュー記事が掲載されている。
強豪チームであることは間違いないのだが、優勝は数年前の「びわこ
ペーロン」の1度のみ、その後の同大会でも連続準優勝に甘んじている。
確か7年~8年ほど前だったか?「池の里」が、各大会であと一歩で
入賞ができず、「万年4位」という風に言われていた時期があった。
まあそれは「踊り場」の時期であり、その後は踊り場を脱出したのだが、
今となって、また「万年2位」の踊り場に差し掛かっているかもしれない。
「町内会チーム」の最大の弱点は、新メンバーの補充が利かないことだ、
でも、今年、2名の新人が入ったらしい。もちろん、いずれも「池の里」の
住民だ。そのままチームが歳をとっていくという課題があり、来年から
「日本選手権」はシニアの部で出場するとの事だ。まあ、滋賀県の
子供の大会「ドラゴンキッズ」で連覇を続けていた「池の里ジュニア」
(注:bpジュニアとは異なり、実の子供達だ)が育ってきて、高校生
くらいになったら順次「池の里」もリニューアルするだろう。
そのころまでなんとか現役で持たせたいというのが、現在の「池の里」
の希望となっている模様だ。
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「一寸防士」は、中編でも紹介したように消防士のチーム、本大会には
よく出場している。以前は、この大会以外にも、よくいろいろな大会に
出場していたが、ここのところ、メンバー不足、練習不足が課題との
ことで、ちょっと大会への参加率が減ってきているようだ。
また、「Team 河童」は唯一の女子チーム、しかし、大会会場である
ここ大阪府立漕艇センターは、彼女達の練習拠点であり、地元の意地、
地元の利で、過去の本大会でも3位などの好成績をあげたこともある。
河童は、数年前のメンバー改編期を終え、最近は実力も安定してきている、
練習量も多く、参加する大会数も多い。各大会の予選レースなどでは、
男子チームをかわして上記に勝ち上がるシーンも多々目撃している。
本大会は地元ということで、むしろ、リラックスして試合に臨んでいる
模様だ。
「Rスポーツマンクラブ」は、現在はシニア扱いとなっているが、
かなりアクティビティが高いチームで、およそどの大会にも出場している、
最近、チームオリジナルキャラクターをデザインして、パドルステッカー
を新調、名刺などにも、オリジナルキャラクターを配している様子だ。
平均年齢現役最年長といってもあなどれず、各地の大会で、シニア
ではなく、通常のオープンのカテゴリーでも、多数の入賞や優勝の
実績を持つ。まあ、ベテランという言葉が最も似合うチームであろう。
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そして、結局のところ、オープンの部の決勝進出は、シニアや女子も
含めた各チームの2回戦ベストタイム制上位5組ということとなり、
「R」「磯風」「bp」「池の里」「bpジュニア」で争われることとなった。
さて、レース前、「磯風」の様子をまた見に行く。
匠「今日は海に落ちないでくださいよ」
と、磯風のドラマーに声をかける。
磯「あはは・・ そういえば、以前、落ちた所を撮られてましたね」
匠「ところで、決勝では2分切れそうですか?」
磯「ううむ・・(注:難しそうか?)まあ、頑張ってみます」
しかし、決勝に臨む「磯風」の様子だが、機嫌がよさそうだ。
この分だと、やはり「磯風」が順当に勝利かな?
あと、「磯風」と言えば、よく言われる「磯風=雨男説」であるが、
今日の大阪は、朝はしっかりした雨、しかし大会が始まる前に雨は止み、
「磯風」が出場する「オープンの部」が始まるころには、晴れ間も出る位で
あった、天候にも恵まれ、やはり「磯風」が有利か?
しかし、ドラゴンに限らず、多くの競技で言えることだが、強豪チーム
(選手)は、悪条件になればなるほど、強くなる(下位チームと差が出る)
ということもある。
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さあ、全チームの選手達、そして、スタッフ達も大注目のオープンの部
決勝戦がいよいよ始まった。
審「Are you ready? Attention Go!!」
繰り返すが、今日のレースは500m なので、ゴール付近でカメラを構えて
いるとスタート地点はあまりに距離が遠く、レース半分の250m、約1分を
経過したあたりからでないと、レースの様子や順位はまだ見えてこない。
(そもそも、距離が遠く、太鼓の音すらなかなか聞こえて来ないのだ)
しかし、ちょっと早め、200m地点くらいで、最大望遠で様子を見てみよう。
ふうむ、「bp」(3レーン)が、4レーンの「池の里」をかわしたな・・
「bpジュニア」はやや遅れている模様、そして、「R」はシニアなので、
この戦いに食い込むのは厳しいであろう。
注目の「磯」風は・・? まだ距離は200m程度 離れていて、しかも、
角度がついているので、順位はよくわからない。
しかし、感覚的には「bp」とほぼ同じくらいか、むしろ「bp」が先行して
いるようにも見える。
ううむ・・ 「磯風」、どうしたのかな? スタートのミスか?
いや、「直線であれば、何処にも負けない」と自負する「磯風」だ、
私の予想では、「磯風」の「bp」に対するアドバンテージは2~3秒だと
踏んでいる、「磯風」に多少のスタートミスがあったとしても、それは十分に
取り返せるであろう。すると、まあ、勝負は後半戦、しかもゴール直前まで
もつれ込む可能性が高いだろう。 ・・これは面白くなってきたな。
そして400m地点付近、このあたりで、「bp」にハプニングが起こって
いることがはっきりした。
「ギョッ!」という様子で「bp」を見る、磯風のドラマー。
そう、「bp」の右7番の漕手の、首の周りに黄色いものが見える。
これは膨張式のライフジャケットだ。
何かのはずみに膨らんでしまったのであろう。
当の本人は、漕ぎつらそうだが、それでも漕ぐのをやめない。
そう、この時点では、まだ「bp」が、数mだが「磯風」に先行している
のだ、どんなアクシデントが起ころうが、さすがにここで漕ぐのを
止めることはできない。
「bp」の「磯風」に対しての初勝利、いや、「bp」に限らず、ここ
8~9年間で、どのチームも成し遂げられなかった「磯風」に勝利する
事が目前の状況なのだ。
レースは、残りほんの数十m、「bp」が逃げる、「磯風」が追う、
「bp」ここでやや失速か? ・・「磯風」が伸びてくる、抜くか?
いや、しかし、まだ「bp」がわずかに前だ。
ここで「謎の美少女」が気合を入れる掛け声をかけたかどうかは、
さだかではない、撮影地点からは艇まで少し距離があるから、
声は聞こえづらい。
一昨年の琵琶湖ペーロン大会では、デビュー間もない「bp」に対し、
決勝で同大会の優勝経験を持つ「池の里Lakers!」が猛然と襲い掛かった。
「琵琶湖ペーロン」に思い入れのある「池の里」だ、なにせ、その大会で
初めてドラゴンに乗り、真っ直ぐ進めず最下位になってから、およそ10年
近くかけて、涙の初優勝を遂げたのだ。強豪とは言え、新進の「bp」などに
負けられない意地がある。
レース後半戦で、「bp」と「池の里」が並走、優勝争いが混沌とした
その瞬間、それまで数試合でクールな印象の強かった「bp」のドラマーの
「謎の美少女」が「いけ~っ!」と大声をはりあげ、その声で気合の入った
(驚いた?)「bp」が僅差で「池の里」を下したことが脳裏によみがえる。
さて、昔の話はさておき、今は堺泉北大会の決勝戦だ、
熾烈な優勝争いは大詰めだ。
現役復帰した「謎の美少女」、いきなりシビアな最前線に立たされた訳だ・・
ゴールまで10m、5m、4、3、2・・・ そしてゴール!!
お互いの位置関係を確認する「謎の美少女」と「磯風ドラマー」
私の目には、「bp」がほんの少しだが先行しているように見えた。
しかし、実際のところはわからない。
私は、もし「bp」が勝ったら、それは一大事だと思ったので、
少し興奮気味で周囲に居た数名の協会スタッフ達に声をかけた。
匠「いま、bp、勝ちましたよね?」
A「う~ん、この角度からでは良くわからない」
B「ほぼ同着みたいだったけど・・」
C「む~・・・」
D「わかりませんねえ・・・」
スタッフの誰もが、 狐につままれたような表情で、口をそろえて
「順位はわからない」という、いや、熟練のスタッフ達の事だ、
恐らく、「bp」が勝ったのはわかっていたかもしれない、でも、
それが信じられないのだ。
「bp」が勝った事が信じられないという訳ではない、「bp」は
これらのスタッフの前で、過去、少なくとも10回以上は優勝して
いるので、「bp」が勝つことは別に珍しいことでも何でもないのだ。
それよりむしろ「磯風」が負ける事が信じられないのだ。
ここ8~9年、少なくとも、関西の各大会で「磯風」が負けたシーン
は皆無だ。周囲に居て試合を見ていたベテランスタッフですら、
「磯風」が負けたシーンを目撃した人は非常に少ないであろう、それは
まだ「磯風」が勝ち始める前の、恐らく10年以上前の話になるからだ。
決勝審判は、勿論「審議」に入った、すなわちビデオ判定だ。
2年ほど前まで、ビデオ判定は、通常の毎秒30コマのビデオカメラを
使っていた。しかし、計算すればわかるが、毎秒30コマでは、約0.03秒
単位でしかタイムを計測できない、あるいは、毎秒4m以上の速度を
持つドラゴンボートだから、距離で言えば、約14cm刻みでしか、勝敗を
判定しにくいのだ。これは場合により、10cm差程度の超僅差になれば
ビデオ判定でも「同着」と見なすしかできなくなってしまう恐れがあった。
しかし、昨年くらいから、JDBA(日本協会)が導入した「高速カメラ」
によれば、毎秒100~120コマ程度の高速度撮影が可能となっている。
このビデオを使えば、100分の1秒単位以下、すなわち4cm程度の差でも
見分けられるようになっている。
数分後、審議の結果が出た模様だ、恐らく「bp」の対磯風初勝利であろう、
しかし、会場アナウンスでの発表はなく、勝者チームに、「ドラゴン旗」
(チャンピオンフラッグ)が渡される事を優先した模様だ、まあ、その方が
会場が盛り上がるので、それで良いと思う。
チャンピオンフラッグを運ぶ警戒艇が「bp」の艇に近寄り、旗を渡した、
その瞬間「ドォォォ・・」と、盛り上がる会場。
「bp」艇からも歓声があがる、選手達の表情はこの角度からは見えないが
ドラマー「謎の美少女」が、普段のクールな印象とは異なり、満面の笑みを
浮かべているのがわかる、漕手達もまた、同様に歓喜の表情であることは
間違いないであろう。
そして、負けた「磯風」は・・
これほどわかりやすい「呆然とした表情」は、他に無いくらいだ。
恐らくであるが、強豪「磯風」の選手と言っても、10年も現役トップを
守り続けることが出来るスーパーマンはほとんど居ないのではなかろうか?
つまり、「磯風」も、他チームと同様に、少しづつ選手の交代、変遷を
経て今の状態になっている。磯風が強いのは、個人ではなく、あくまで、
「チーム」なのだ。そうであれば、恐らく、今乗っているメンバーの殆どは
(長崎ペーロンはともかく)、ドラゴンの大会では無敗であったであろう。
それが初めての敗戦だ、まあ、「磯風」のK監督からは、昨年
「早く”bp”に追いついてもらいたい」という主旨の発言があったのを
記憶しているが(まあ、それはドラゴン界全体を思っての考えであろう)
「磯風」の選手達は、自分たちが負けることがある(負ける時が来る)とは
微塵も思っていなかったであろう。
2位の「チャンピオンフラッグ」を広げようともせず、呆然としたままの
「磯風」だが、その後、ようやく、ゆるゆると、ウィニングラン(ウィニング
=勝利、という気持ちではないだろうが・・)を始めた。
まだ気持ちの整理がつかないのか? 「磯風」は、かなりのスロー
ペースでパドルを動かしはじめた、その視線の先には、誇らしげに
ウィニングランを行う「bp」の姿がある。
ちなみに、決勝タイムだが、
bp 2分4秒90
磯風 2分4秒95
こう見ると、「磯風」はかつての優勝タイム(2分2秒)や、今日の予選
ベストタイム(2分1秒)より、3秒程度遅いことがわかる、まあ、でも、
それはコースコンディション(波や風)によっても、500mの中距離では、
数秒程度の誤差は出るだろうから「磯風」がミスをしていたとは言い難い。
それより、「bp」が、一昨年2分24秒、昨年2分6秒に対し、今年は
さらにタイムを伸ばしていたことに注目するべきであろう。
つまり「bpが確実に進化している」と言っても過言では無い。
本部席の前をウィニングランで通過する「bp」、今度は選手達の表情も
見えた、やはり、皆、とても嬉しそうだ。
後方はるかかなたに「磯風」、依然、ショックから回復していないのか、
まったく力の無い漕ぎを続けている。まあ、勿論、ウィニングランは、
サービス・パフォーマンスの一種、あるいはアンコールのようなもので
あるから、優勝したチームが、全力の漕ぎを披露したりする事が普通で、
2位3位のチームは、優勝したチームに華を譲る要素もある。
でも、ここ最近は、2位3位であっても、派手に水しぶきをあげて「悔しさ」を
アピールしたりする。まあ、それくらいの「感情表現」があっても、それは
容認され、むしろ、観客サービスとしては適切であるようにも思う。
つまり、それは「磯風」が2位になったことが無いから、2位のチームが
「どのようにウィニングランをしたら良いのか」が、わからなかったのかも
知れない・・
さて、「bp」のメンバーが陸にあがってきた。
まあ、予想通り「bp」の選手達は皆嬉しそうだ。
意地の悪い事をしようとしたら、負けた「磯風」の選手達の表情に重点的に
カメラを向けることもありかもしれない、しかし、それは、カメラマンとして
「ドラマを求めすぎる」行為だと思う。ドラゴンや選手の事を理解していれば
決してそういう事はできない。(それを知らない人ならやるかもしれないが)
あるいは、スポーツとしての結果をちゃんと受け止めるのであれば、敗者に
対しては、せいぜい「お疲れ様でした」と声をかけるくらいで、相手側から
声をかけてこない限りは、「残念でしたね」などとは言ってはならないのだ。
カメラマンはそこまで無神経に選手達の気持ちに立ち入ることはできない。
おっと、帰ってきましたね、自動膨張式ライフジャケットを、アクシデントで
膨らませてしまった「bp」のF選手だ。
F「これ(ライジャケ)が、こう、首にからんじゃって・・」
匠「ううむ、大変でしたねえ・・」
F「必死に漕いでいたので、ライジャケの紐にひっかけてしまったみたいで」
匠「なるほど、でも、良く漕ぎを止めないで頑張りましたね、
優勝、おめでとうございます」
「bp」おめでとう、しかし、私としては、「これで天神(日本選手権)が
面白くなった」と、翌月(7月)の試合にすでに心が飛んでいた。
まあ、これで「bpが磯風を超えた」とか、そう単純には思えない
それは「bp」の選手達だってそうだ、後で幹部選手から聞いた話だが、
b「磯風さんは、ベストメンバーではなかったかもしれないし、
たまたま何らかのミスがあったのかもしれないですね」
という事である。
そして、「磯風」のK監督も、帰り際、私に向け、
監「天神が本当の勝負だな、まあ、匠さんも期待していてください」
と言い残して、チャーターのバスに向かって去っていった。
確かに「堺泉北港大会」は前哨戦にすぎない。1ヵ月後、7月19日の
日本選手権が最終決戦であろう、そこで巻けたら何の言い訳もできない、
そう、次こそが本当の正念場だ。
そして、「bpジュニア」も、3位に入賞。
まあ、いちおう嬉しそうなのだが、前月の「宇治大会」に続き、
bp若手チームが連覇、というわけには、さすがに行かなかったし、
しかも、この決勝戦では、上位の2チームに10秒以上の差を
つけられてしまっていた。
「bp」からは、「ジュニアも伸びてきているので、実力の差は無い」と
期待されているし、兄弟チームでの海外遠征も控えている立場としては、
今回の決勝戦は、彼らにとっては、あまり納得のいく結果ではなかった
のかもしれない、しかし、まあ、ともかく、こちらもまた同様に
「天神(日本選手権)大会」での結果が全てであろう・・
ということで、さらに次の大会が楽しみになってきた。
さあ、では、最後に、ちょっと珍しいショットで本大会を締めくくろう。
ここ漕艇センターをホームグラウンドとする女子チーム「Team 河童」の
珍しい私服姿だ。
今日の大会では残念ながら決勝に残れなかったので、地元の利
(部室がある)で、早々に着替えての決勝戦観戦であった模様、
いつもの、男子チームにも引けをとらない女子強豪チームのイメージからは
ちょっと違う雰囲気で、なかなか女の子らしくていい感じではありませんか、
まあ、最近好調な様子なので、また、今年の他の大会では、おおいに、
他の男子チームを苦しめる存在であって欲しいと思うし、そして、あわよくば
磯風の姉妹チーム、こちらも女子超強豪の「スーパードルフィン」に対しても
日本選手権大会で、大接戦、あるいは、あわよくばの下克上を実現したいと
思う、そんなシーンを楽しみに想像しながら・・今回の記事を終えるとしよう。
次回大会記事に続く。