さて、2014年ドラゴンボート総括は、ベスト大会編に引き続き、
ベストチーム編だ。
とは言え、ドラゴンでは、プロスポーツのようにチーム毎の順位や
ポイントや、○○率といった成績ががきっちり集計される訳でも無いので、
あくまで個人的な主観で、今年印象に残ったベストチームをあげてみよう。
今回は、チームのBEST 3 および次点を順次紹介していく事にしよう、
まずは第3位・・
第3位:TEAM 河童(大阪府)
大阪府立漕艇センター(高石市)を拠点として活動するドラゴン専業
女子チーム。
強豪チームとして知られ、男子にも引けを取らない。
たとえば、「女子カテゴリー」の無い大会では、男子チームに混じっての
予選レースとなるのだが、今年の堺泉北大会、宇治大会、猪名川大会、
ではそれぞれ予選レースで他チームを抑えて1位となり、ATC大会では
予選レース2位となっている。
また、本拠地高石の堺泉北大会では、男子や混合チームに混じって決勝に
まで進出している、同大会での決勝戦の結果は残念ながら5位であったが、
過去に遡れば和歌山・和歌浦大会で、男子ばかりのオープン決勝で3位入賞の
実績を持つ。
そして、「女子の部」がある”選手権”クラスのメジャー大会でも、今年は
かなり頑張っている、このカテゴリーには驚異的な実力を持つ女子超強豪の
「スーパードルフィン」が居るのだが、今年7月の日本選手権(天神)大会では、
「河童」は「ドルフィン」に 1.8秒差の準優勝、また、9月の「スモール選手権」
では「スーパードルフィン」を1秒差まで追い詰めての準優勝であった。
おまけに、「スモール選手権」、「猪名川大会」の各大会では「TEAM 河童」の
写真が、ポスターやチラシ、パンフレットの表紙を飾っている。
スモール選手権の時には、
河「あの看板欲しいなあ、貰って帰ろうかなあ」
と言っていたのだが、さすがにそれは無理だった模様だ。
まあ、ともかく、「河童」は、今年は様々な大会に積極的に参戦しているし、
その活躍も大変目立った年であったと思う。
----
続いて、第2位のチームは・・
第2位:津奈木(つなぎ)海龍(熊本県)
熊本の超強豪チームであるが、ただし、関西の大会への参加実績は
かなり少ない、具体的には、昨年は、日本選手権(天神)大会と、
第一回のスモールドラゴン選手権のみで、今年は、第二回スモールドラゴン
選手権大会の1回のみだ。
それでも強烈な印象を観客や他チームに与えたのは確かであろう。
まず、関西のドラゴンボートをリードする立場にあるチームといえば、
その筆頭にあげられるのは、兵庫県相生市の「磯風漕友会」であろう、
大会が”荒れる”のを嫌って、滅多に関西の大会には参戦しないのであるが、
エントリーした大会には、ここ数年、必ず優勝するという超強豪チームだ。
「磯風」が負けるのは、苦手なターン有りで、しかも、地元有利の条件である
「長崎ペーロン」くらいであるのだが、残念ながら私は「長崎ペーロン」を
観戦した事は無いので、「磯風漕友会」が優勝できなかったのを見た事が無い。
そして、同じオープンカテゴリーで大阪の筆頭格と言えば、やはり「bp」で
あろう、「磯風漕友会」さえエントリーしていなければ、参加する大会では
ほぼ常勝だ。
しかし、その常勝「bp」でも、「磯風漕友会」以外に、苦手として勝てない
チームが1つだけある、それが今回紹介している熊本の「津奈木海龍」だ。
具体的な例を挙げると、「津奈木海龍」がエントリーした昨年2013年の
「日本選手権(天神)大会」では、オープンの部決勝では、「磯風」優勝、
2位「津奈木」と、3位「bp」は、僅かに 0.03秒差であった。
同じく昨年2013年、「第一回スモールドラゴン選手権」では、準決勝で
「磯風B」(注:磯風はA,Bのダブルエントリー)、「津奈木」
「bp」「bpジュニア」の4強豪の争いとなった、2位までが決勝進出。
結果、「磯風B]が1位抜け、「津奈木」が2位抜け。
「bp」と「bpジュニア」は残念ながら決勝進出も逃してしまった。
そして本年、2014年、「bp」にとっては天敵とも言える「津奈木」は、
スモールドラゴン選手権に、「A」「B]の2チームをダブルエントリーだ。
「磯風」の同大会への参加は今年は無い、勝ちすぎて、大会を「荒らして」
しまう事を嫌ったのだと思われるが、”日本選手権”なのだから、強いチーム
が勝つのは当然だ、気にしないで来てくれれば良かったのに、と思う。
(しかし、そうなると、また雨になったかも知れないが・・笑)
「bp」としては、「磯風」が来ていないこの大会はチャンスだ、
だが、A登録の都合からか? 「bp」の派生チーム「DDT」と「都島」は
”選手権の部”にはエントリーできない、本家「bp」単独で、超強豪で天敵の
「津奈木海龍」の「A」「B」チームに立ち向かう事となった。
「津奈木」の「A」「B]の振り分けだが、「A」は現在の若手主力メンバー
そして「B]は、55歳以上のシニア選手を半数以上含むベテランチームだ。
しかし、普通に考えると、シニア選手は体力的に不利だ。
以前の記事「スーパーハンデ戦」の執筆時に調べたデータによると、
55歳以上のシニアの場合、1人あたり 0.75程度のハンデを与えて、ほぼ
フラットな条件となる。
すると、「津奈木B」には、約3秒のハンデを与えても良いという事に
なうのであるが・・
実際の大会で決勝に残ったのは「bp」、そして「津奈木A」「津奈木B]
さらに、「津奈木」の地元熊本のでのライバルチーム「怒涛飛沫」(どとうしぶき)
であった。
九州勢3チームに立ち向かう「bp」、せっかく「磯風」欠場で、初の「日本選手権
優勝」というビッグタイトルを手に入れる可能性のある状況であるのに、
目の前に立ちはだかる「津奈木」の壁は強大だ。
結果、「津奈木A」が、「bp」を 0.7秒差で抑えて優勝。
「bp」は、またしても天敵「津奈木」に破れてしまったのだ。
驚いたのは、55歳以上の「津奈木B」が「bp」に遅れる事約1.2秒で
事3位に入賞した事だ、これは正直言って凄い、快挙と言っても良いであろう。
まさしく「スーパーシニア」、私が「津奈木」をベストチーム第2位に推した
その理由が、この「スーパーシニア」チームの大健闘にある。
大会後しばらくして「津奈木海龍」からメールがあった、
私が「スモールドラゴン選手権」の観戦記事で書いた、この「スーパーシニア」
という呼び名が、彼らは大変気に入ったという事である。
---
次いで、今年頑張った第1位のチーム・・
第1位:小寺製作所(滋賀県)
8年程前からドラゴンボートを始め、主に滋賀県の大会を中心に出場、
入賞実績は多数あったのだが、これまで優勝には恵まれなかった。
そして、この大会、2014年7月27日に行われた「びわ湖高島ペーロン大会」
にて、ついに悲願の優勝を勝ち取った。
写真はその決勝戦の模様、600m(ターン有り、300m往復)のこの大会だが、
「小寺製作所」は、難しいターンに見事成功、復路でトップに立った。
中央のピンクのユニフォームが小寺製作所チームだ、写真奥は、盟友にして
ライバルの「池の里Lakers!」 これまで8年間、常に「小寺」を1歩リード
しつづけてきた「池の里」であるが、この瞬間、ついに「小寺」の後塵を拝する
事になってしまったのだ。
手前レーンは、この大会の昨年の覇者、地元強豪の「松陽台」だ。
残り250mで「小寺」としてはまだ気が抜けない状況ではあったのだが、
ここが踏ん張り何処である事は、誰よりも「小寺製作所」チーム自身が
わかっていたであろう。
初優勝を喜ぶ「小寺製作所」チーム。
小寺製作所という企業チームとしては、ついにここまで来たか、という感じ
であっただろうか?
しかし、今年の「小寺製作所」の快進撃は、ここで終わる事がなかった。
(写真は、琵琶湖で行われた「ドラゴンキッズ大会」(親子大会)の模様)
「びわ湖高島ペーロン大会」”優勝”
「東近江ドラゴンカヌー大会」一般の部”3位”入賞、女子の部”準優勝”
「ドラゴンキッズ大会」(「平野チーム」として出場)
親子の部”優勝”、小学生の部”準優勝”
「びわこペーロン」10人漕ぎ混合の部”準優勝”
「スモールドラゴン選手権」シニアの部”3位”入賞。
「グランドシニア大会」”優勝”
「Head Of The Seta」往復7kmの超長距離戦;タイム”新記録”達成。
これが今年の「小寺製作所」の全戦績だ、ちなみに、もう1試合出場して
いるのだが・・
「琵琶湖1000m選手権大会」敗退
短距離におけるロケットスタートを得意とする「小寺」、メンバーの年齢層も
やや高い、そんな理由からか、どうも長距離は苦手な様子だ。
だが、たった1試合の敗退はともかく、綺羅星のごとく輝くこの戦績は凄い、
まるで超強豪チームのようだ、まさに”小寺黄金期”が到来したという感じだ。
欲を言えば、来年以降は、滋賀県以外の大会にも是非積極的に挑戦して
いただきたく思う、
---
さて、次点の印象に残ったチームをいくつか挙げてみよう。
次点:Rスポーツマンクラブ(大阪府)
現役最年長クラスのベテランチーム、活動は非常にアクティブであり、
関西圏を中心に多くの大会に参戦している。
今年の戦績であるが、
「琵琶湖1000m選手権大会」”3位”入賞。
「グランドシニア大会」2チーム出場で、”準優勝”および”3位”入賞。
「北港スプリント大会(秋)」bpを抑えて”優勝”
という、なかなかのもの。
(写真は「グランドシニア大会」より、手前が「Rスポーツマンクラブ」)
なお、北港スプリントでは、bpは新人6名を含んでいたのだが、それにしても
70歳台の選手2名を含むベテランチームながら、この戦績は立派だ。
次点:しげる(および、東郷Dragon[=しげる+加藤家])(鳥取県)
鳥取県という遠方ゆえに、関西の大会にはあまり参戦していない。
ホームグラウンドの大会は「東郷湖ドラゴンカヌー大会」と聞く、
この大会で毎年上位を争っているのが、「しげる」や「加藤家」である模様だ。
今年は関西の大会には2試合参戦している、
「宇治大会」”3位”入賞。
「スモールドラゴン選手権」一般オープンの部”準優勝”
2戦して2度の入賞、しかも、その対戦相手が凄かった。
宇治大会では、「しげる」として出場、準決勝では、「bp」3軍団、すなわち
「bp」「DDT」「都島」と当たり、惜しくも「都島」に敗れて決勝進出を
逃したが(注:宇治大会は2艘建て)決定戦無しの3位確定。
琵琶湖の「スモールドラゴン選手権」では、「東郷Dragon」として出場、
一般オープンの部の決勝で、またしても「DDT」「都島」そして「関空飛龍」
と当たる、「宇治」の雪辱、とばかり、「都島」をかわし、「DDT」に次ぐ
準優勝となった次第だ。
次点:打艇(だちょう)龍舟倶楽部(大阪府)
、
関西圏の多くの大会に出場する、中堅常連チームであるが、これまでほとんど
勝ち星に恵まれていなかった。
しかし、今年の戦績としては、
「北港スプリント(春)」bpに次いで”準優勝”
「九頭龍ドラゴンボート大会 」”優勝”
九頭龍大会は、福井県で行われている地方大会であるが、大阪から
遠征しての参戦、しかも、ここでの優勝は”2連覇”とのことである。
ローカル大会とは言っても優勝は実力と運とを兼ね備えていないと、なかなか
簡単な事ではないと思う、ましてや2連覇となれば、立派な戦績だ。
それから「打艇龍舟倶楽部」のキャプテン「トーマス」氏は、なかなかマルチな
趣味を持っている。
こちらは、今年の「大阪マラソン」の沿道応援ステージの模様。
メインボーカルが「トーマス」氏、その名も「THOMAS CLUB」という名で、
ライブハウスなどで、多い時は月に2~3回のステージをこなしているらしい、
ドラゴンと音楽の両立、これもなかなか大変な事だとは思うが、
ともかく、今年印象に残ったチームとして「打艇龍舟倶楽部」を上げておこう。
次点:DDT(大阪府)
正式名称「道頓堀ドラゴンボート大会 Comming Soon!」というチームだ、
・・まあ、とは言え、「bp」の派生チームとして誰もが知っている。
bpの派生チームには、他に「都島」(大阪市立都島工業高校M's Power)
がある、スモールドラゴンの大会で3チームでエントリーする場合は、
「bp」「DDT]「都島」の3軍団を編成する。
レギュラー(22人艇)のドラゴン大会の場合は「bp」「bpジュニア」
の2編成である事が多い。
3チーム編成の場合、すべてのチームが同一カテゴリーで出場したケースで
過去「bp」以外の派生チームが優勝した事は無い、ATC大会しかり、
宇治大会しかりだ、これはすなわち、あくまで「bp」に主力メンバーを
集めているという事なのであろう。
しかし、今年、いくつかの大会で、bp3軍団は、変則的なエントリーを
行った事がある、1つが「スモールドラゴン選手権大会」で、この時は
恐らく登録の関係であろう、「bp」が「選手権オープンの部」、
「DDT」と「都島」が「一般オープンの部」での出場となった、
この時の結果は、「DDT」が同カテゴリーでの”優勝”、「都島」が”3位”
であった。
また「第1回猪名川ドラゴンボートフェスティバル」の大会においては、
「bp」無しで「DDT」と「都島」の2チームでエントリー。
この時は、オープンの部決勝で両チームの激突となって「DDT]が勝利した。
すなわち、「bp」の影に隠れていて目立たないが、今年は「DDT]が
2回優勝しているのである。
----
という事で、今年印象に残ったBEST チームのまとめだ。
第1位:「小寺製作所」
第2位:「津奈木海龍」
第3位:「TEAM 河童」
次点 :「Rスポーツマンクラウ」「しげる(東郷Dragon)」「打艇龍舟倶楽部」
「DDT」
さて、これで今年の「熱い季節」は、すべて終了。
また来年のシーズンはどんなドラマがあるのだろうか?
それでは皆様、良いお年を・・