2014年11月3日(祝)に、大阪「北港マリーナ」
(旧・北港ヨットハーバー)で行われた、本年度最後の
ドラゴンボート公式戦「大阪府民体育大会(北港スプリント・秋)」
の模様より、後編。
天候は晴れ、最高気温19℃、風は海側からでやや強く4~7m
潮流も同じくフォロー、コンディションは良いが若干肌寒い。
参加チーム数は12、ただし、適宜合同チームとして編成される。
レースは直線200m、2艘建て、予選2回戦ベストタイム制、つまり
上位2チームが決勝進出、決勝はマッチレース、いちおうタイムで
3位を決めるが3位は賞状なしの賞品のみ。
・・というルールだ、選手&スタッフの9割以上が、ドラゴン大会に
慣れたベテランなので、細かく説明する必要もなく、極めて順調に
大会は運営されている。
予選の模様であるが、上位からこんな感じ
1位 pp 55秒57
2位 R+パイレーツ+もっこり 56秒18
3位 BANANA +いっとこ 57秒78
4位 吹田龍舟倶楽部+近畿車輛電龍 59秒34
5位 チーム未来+team 風 59秒35
6位 打艇龍舟倶楽部+フォーティーズ 59秒49
4~6位はほぼ同着であるが、「bp」そして「R混成」チームが
頭1つ抜け出た感じとなり、決勝進出となった。
決勝に向け、艇に溜まった水をかき出す作業もスタッフの仕事だ。
ドラゴンボート大会の内規としては、「続けて漕ぐ場合は30分
以上あける」というのがある。
その為、フレンドシップレース(勝敗無関係のエキシビジョンレース、
体験乗船なども兼ねる)を1レース挟んでいるのだが、「R」などの
選手も、フレンドシップに乗船していたため、さらに30分ほど
時間をあけて、決勝は12時45分スタートとなった。
選手達は、続くBBQ懇親会が待ちきれないのか「ビール」「焼肉」
など口々に言っている(笑) ただ、今日は寒いので、もしかすると
ビールは売れ残ってしまうかもしれないが・・
さて、所定の時間が過ぎて、いよいよ決勝戦のスタートだ。
「bp」のドラマーは、高校教師のT氏。
今日の「bp」は、クルーの半数近くの8名が、新人、すなわち、
来シーズン「bp」に入部予定の高校生達だ。
T氏の様子も、いつもとは違い、なんだか先生の様子そのものだ、
普段の授業の様子が彷彿される(体育教師とのことだ)
「bp」のウリの、美少女ドラマー達(謎の美少女、新・美少女)を
今日は登用していないのは、高校生には刺激が強いからか?(笑)
まあ、新人ばかりとは言え、さすがに超強豪の「bp」であり、
予選ではトップのタイムをたたき出しての決勝進出だ。
対するは、「R+パイレーツ+もっこり」チーム。
「R」の監督は、智将タイプであり、非常に計算高い、
私も色々と事前に話をしていたのだが・・
R[今日のbpさんは、どんな感じかなぁ?」
匠「約半数の8名が新人で今日が初漕ぎです、
ただし、勿論”bp”ですから、あなどれません、
1回戦で漕ぎがバラけていましたが、2回戦では調整
してきている模様ですよ」
R「ふうむ・・ 勝てるかな?」
匠「接戦に持ち込めば、あるいは・・
先行されて、ペースを相手が作り出すようなら、難しいでしょうね、
でも、bp(というチーム)に、勝つチャンスは今日しか無いです、
来年になれば、新人さん達も育ってきますからね」
R[よし、頑張るか!」
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Are you ready? Attention Go!
さあ、決勝レースが始まった。
匠「おやおや、「R軍団」が、わずかに先行かな?」
普通に考えれば、予選タイムで1秒差がある状況なので、
「R混成軍団」に勝機は無い。が、しかしながら、「R軍団」は
百戦練磨のベテラン揃いだ。サイド・バイ・サイドの接戦において、
相手のペースを崩すような技は何か仕掛けてくるかも知れない。
決勝の模様を見ようと、ODBAスタッフ達も集まってきた。
ス「だいたい並んでいる感じかな、接戦だな。
bp、苦戦しているなあ・・・」
何千というレースを見てきただろうベテランのスタッフ達も、
ほぼ同意見の模様だ、これは、もしかすると番狂わせがあるかも。
匠「これはやはり、奥の2レーンの「R混成」が先行しているな、
撮影アングルの錯覚(前方右)があるので、写真で見たほどの
差は無いと思うけど、わずかにリードは間違いない。」
匠「残り50m、普段の「bp」ならば、ここで美少女ドラマーが
「いけ~っ!」と気合を入れて、ピッチを上げてきて、
ラストスパートで逆転だけど、今日のbpは新人ばかりだ、
ペースを上げるとバラける、「R混成」の勝利は確定か!?」
ゴールの瞬間、肉眼でも「R混成」が先に入った事は、はっきりと
わかった。
タイム計測の2名のスタッフが「うわ~ 緊張するなあ」と
言いながら、お互いのストップウォッチを確認、どうやら、
やはり「R混成」が僅かの差で勝利した模様だ。
観戦していた他のODBAスタッフ達も、「うぉ~ ほほっほ」
などと奇声を上げて、「R混成」の、大金星に驚いている。
大相撲だったら、座布団が舞い跳ぶ所であった事だろう。
ストップウォットによる計測タイムは
1レーン bp 56秒16
2レーン R+パイレーツ+もっこり 56秒00
手動計測なので、あまり正確では無いとは思うが、
「僅差でbp敗北」という結果は間違いない。
水上にいる各チームの選手達は、この結果はまだわからない、
漕いでいる感覚として、勿論、どちらが先にゴールしたかは
だいたい分かっているのだが、それでも、これだけの僅差となれば
判定は微妙だ、本部の正式発表を聞くまで何とも言えない状況だ。
「bp」のメンバーが帰ってくる、先頭は、ドラマーT氏、
遠くから私の姿を見ると、早速勝敗を聞いてくる。
T「匠さん、結果どうでした?」
匠「0.16秒差で・・ bpさん負けました」
T「うわ~っ!」
天をあおぐT氏、まあ、やはり、勝敗は微妙で、乗船していた
クルーには最終結果はわからなかったのであろう。
勝利した「R」の監督が帰ってきた。
R「え?ウチが勝ったの、やった~、イェーイ」
匠「おめでとうございます、(bpに勝つのは)”最初で最後”、
という事には、ならないようにしてくださいね」
R「あはは・・汗」
後で「bp」のT氏に話を聞く・・
T「いや~ 1回戦で(漕ぎが)バラけてましたでしょう?」
匠「はい、見ていました、後ろのあたり・・新人さん達でしたね」
T「それで、レートを上げるとバラけることがわかって、2回戦
では、レートを少し抑えたんですよ、それで1回戦より
タイムが1秒上がったので、この方法でいいか、と思って、
決勝でもレートを下げたところ、新人達の漕ぎが浅くなって、
やっぱ推進力が落ちましたね」
匠「う~ん、というか、多分レースコンディションが変わったの
ですよ、風と追い潮でね。
2回戦では、どのチームも1秒から1秒半タイムを縮めてきて
います、「BANANA+いっとこ」さんなんか、3秒以上も速く
なっていました。
「bp」さんの1秒の短縮は、他のチームに比べ大きいほうでは
なかったです。だから、実際には、レートを抑えていた結果は、
あまり速くなっていなかったのかも知れません」
T「うう・・ 作戦ミスでした(汗)」
匠「結果はともかく、新人メンバーが、これで使えることがわかって
よかったじゃあないですか、おまけに、最初に負けたことで、
悔しくて、ちゃんと練習するだろうし。来年もこれで安泰ですよ」
T[あはは・・まあ、そうですね」
さて、決勝が終わったら速やかに撤収作業。というのは、参加者の
全てにいきわたっている、この大会では表彰式は懇親会の途中に
行われるのだ、まずはともかく、ドラゴン艇をかたづけて、
BBQモードに突入するのが最優先だ(笑)
「ボートを引き上げるのは、決勝進出チームの役目」というのも
暗黙の了解だ。毎回毎回手順がスミーズになってきていて、
あっというまに引き上げ完了、あとは水洗いしてから艇庫に
収納する、その間に、手のあいている選手やスタッフは、テントや
用具(パドルやライフジャケットなど)、ゴミなどを片付け、
さらに手のあいている選手達は、クラブハウスのBBQ会場に移動、
椅子、ベンチ、紙コップや紙食器などの準備を進める。
BBQ会場では「焼きそば番長」(笑)のMさんが、すでに肉を
炒め始めている、やきそば、焼肉、という順番も暗黙の了解。
そして他の場所でも、「スープ番長」、「おしるこ鍋奉行」など、
それぞれの得意料理を極めた人達が、選手、スタッフの区別なく
準備をすすめている。
「北港スプリント恒例 酒・ドリンク販売」と書かれたPOPなど
実に芸が細かい、これをここに設置したのは、TVの歴史番組とかに
出ている役者さんの選手、私も彼の出ている歴史番組を見て
「あ、出てる、出てる」などと喜んでいるのだが、大道具とか小道具
とか、そういう風な舞台の習慣がついているからか、あるいは、
他の人にもわかりやすく、という役者意識によるものなのか、
ともかく、それぞれが、それぞれの役割を、自然に出来るというのは
見ていても気持ちよい。
リーダーらしき立場の人が、あれこれ細かく指示しないと何も
動かない団体とかが世の中にとても多い中、まあ、なかなか貴重な
事だとも思う。
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K「匠さん、こっち、こっち」
乾杯の直後、前編で、マリーナのヨットが向かい風で動けなくなって
いたとき、異常をいち早く察知した「海の達人」のKさんが、
さっそく手招きをしている。
そう、Kさんは、お酒(ウイスキーや、変わった洋酒)が好きで、
いつも、何か珍しいお酒を持ってきては、私や他の同士(笑)に
ご馳走してくれるのだ、いつもいつもご馳走になっているので
悪いとは思いながらも、まあ、でも自然に足がそちらに向かう。
匠「Kさん、今日は、どんなお酒ですか?」
K「それがですね、実は、昨日に、面白いのを入手したのですが
帰ったらなんと手元に無い、どうやら、途中でユニクロに
寄ったときに、そこに忘れていってしまった模様で・・
で、今日は、あわてて買ってきた普通の”竹鶴”です」
匠「普通の・・って、高級酒じゃあないですか、
これ、好きなんですよねぇ、でも高くて滅多に飲めないけど(汗)」
K「私も普段は、こんな高いの飲みませんよ、ブラックニッカです」
匠「クリアブレンドでしたよね、私も、もっぱらそれです、あるいは
たまにリッチブレンドも」
K「でも、今、ちょうどTVドラマで竹鶴さんの話をやっているので、
流行ということで、今日はこれにしました、しかし、一度これ
飲むと、クリアブレンドには戻りにくいですよね」
匠「そうなんですよ、基本的な味の傾向は、クリア、リッチ、竹鶴
いずれも同じですが、味の深みが違うというか・・
で、忘れてきたお酒は、どうしたのですか?」
K「今日、家族に取りに行かせています」
匠「ああ、じゃあ、大丈夫そうですね、遠慮なくいただきます」
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ス「さあ、表彰式やりますよ~」
スタッフが、入賞チームの呼び出しをはじめる、
3位「BANANA +いっとこ」
賞品などが手渡される。
準優勝「bp」
2位からは、賞品の他、賞状がある。
優勝「R+パイレーツ+もっこり」
1位は、さらに、トロフィーつきだ。
ス「さて、皆さん、こっちに注目、記念撮影しましよう」
匠「皆さん、こっち見てくださいね~ あ、もう少し寄ってね」
クラブハウスの階段の上からの撮影だが、総勢百名近くはさすがに
多い、手に持っていたカメラはAPS-Cで単焦点20mm、
まあ、フィルムで言うところの30mm相当のやや広角の画角だ、
できればフィルム24mm相当の広角レンズがあれば余裕だったが、
今手持ちに持っていないものはしかたがない、なんとか寄ってもらって
ぎりぎりで皆さん入ったくらい。
Y「匠さん、ATCに行かなくていいんですか?送りますよ」
記念撮影の後、優勝した「Rスポーツマンクラブ」のY氏が
声をかけてくる、彼には「実は今日、ATCでもイベントがあって
どっちに行くべきか迷ったけど、ドラゴンに来た」と話をしていた。
もう少し、「竹鶴」を楽しもうか、と、一瞬迷っていたけど。
Y「今から行けば、まだぎりぎり決勝戦に間に合うのでは?」
とのY氏からの提案で、
匠「じゃあ、お願いします」
と、Y氏の車に便乗して、北港から南港に移動することとなった。
Y氏は、お酒が飲めないので、車の運転は問題ないが、まあ、あえて
言えば、お酒が飲めないから、懇親会はちょっと手持ち無沙汰なの
かもしれない・・
急いでいたので、ODBAのスタッフや選手達に挨拶をすることも
なく懇親会場を後にした、大変失礼をいたしました(汗)
北港から南港は車だと意外に近く、海底トンネルを抜けるとすぐだ。
ATCで行われていたイベントとは、友人のタレント兼ミュージシャンの
「たつを」君主催による、バスケットボール大会「第二回たつをカップ
3on 3大会」であった。
前記事の「君僕ライブ」でも少し書いたのだが、2日前の雨の中で
たつを君は、イベントの準備としてバスケのゴールの組み立てを
一所懸命やっていたので、その成果を見たいという気持ちもあった。
こちらのイベントには、他のカメラマンをアサインしているので、
基本的には、私が行く必要はなかったのだが、まあ、でも、せっかく
なので、決勝だけは見ておこうと思った。
見ているだけのつもりであったが、やはりついつい、カメラを手に
してしまう。
そういえば、昨年の、北港スプリント大会・秋では、BBQ懇親会に
こっそり「たつを君」が乱入したことがあった、ちょうどATC
ドラゴンボート大会に向け、ATCの企画担当のMさんも、
北港大会を視察している時であった、たつを君も、ATCのMさん
を知っていて、彼がMさんにライブイベントの件で電話したとき
M「ああ、ちょうど今、匠さんと北港にいるので、来たら・・」
ということで、たつを君乱入となったわけだ。
ドラゴンの女性選手達は、「あれ? たつをさん? 何故ここに?」
と驚きながらも、「記念写真撮って」などと喜んでいたが・・
決勝戦で活躍したバスケ選手のインタビューをする「たつを」君。
「たつをカップ」は、24チームを集め、朝から盛り上がっていた
様子だが、これにて終了の模様だ。
た「あれ? 匠さん、ドラゴンボートは終わったの?」
匠「途中で抜けてきましたよ、こっちも気になったし」
た「あは、ありがとうございます」
という事で、忙しい1日も無事終了、
そして、今年のドラゴンボート公式戦も今日で無事終了だ。
この後は、例の琵琶湖の異種ボート混合競技「Head of The Seta」
で、ドラゴンボートチームも出場するかもしれないので、それが
開催されるようであれば、観戦しにく予定だ。
その後、ラストに、今年のドラゴンボートの総括記事を書く予定。
という事で、今年の「熱い季節」は、まだ、もうちょっと続く・・・