大阪・南港の商業施設ATCの企画担当のM氏とのやりとり、
M「匠さん、今度のATCのX'mas ツリー点灯式で、UK BAND
というのが出演するのですが、これがなかなか良いバンドでして、
是非ライブの模様を撮ってやってください」
匠「ほう、音楽にうるさいMさんのイチオシとなると、なかなか
なのでしょうね・・」
そう、ATCドラゴンボート大会の担当者として、ドラゴン関係者にも
おなじみのMさんだが、彼は、音楽マニアであり、特にマニアックな
廃盤レコードなどを多数収集している。なんでも、以前はアメリカに
までレア物のレコードの買い付けに行っていたそうだ。
ATCのイベントに使うBGMなども、そのMさんの膨大な個人
ライブラリーから選曲して、PAの専門業者の方にも「これかけて
おいて下さい」と渡すくらいだ。
(普通はPAの専門家が選曲するものだが・・汗)
さて、ライブ当日、ATCの「海辺のステージ」横で出番を待つ
UK BAND のメンバーに声をかけてみよう。

匠「あ・・ ガールズバンドなんですね」
U「そうなんです、女の子ばかり7人のバンドです」
という彼女は、トランペット担当のRIOさん。
今回は、少々バタバタしていて、事前に UK BANDの事を調べて
いなかった(汗)HPとかを見ておけばよかったと、少し後悔。
”ふうむ・・ UKと言うからには、United Kingdam(英国)
だよねぇ・・、ブリティッシュロックとか、ビートルズとか、
そういう感じなのだろうか? まさかヘビメタじゃないよね”
”それにしても、トランペット、それにサックスとトロンボーン
まで居てる様子、ならば、1970年代のブラスロックかな?
でも、「シカゴ」も「BS&T」も「チェイス」も確か全部
アメリカのバンドだった筈、UKではないよねえ??”

さて、音楽が始まった、案の定のビートルズのカバー曲から
始まったのだが・・
”ほう、演奏は皆上手そうだなあ”
写真は、ドラムス、コーラスを担当している、UK BANDの
リーダーの NANAさん、リーダーがドラムスというのは珍しい。
また、ドラマーが歌うのも、珍しいと言えば珍しいのだが、
古くは1980年代の「フィル・コリンズ」(ジェネシス→ソロ)も、
ドラマーでリードボーカルだったし(まあ、あまりドラムを
叩きながら歌うという事は、少なかった模様だが)
しかし、最近では、グリコのプリッツのCMで一躍有名になった、
「シシド・カフカ」さんが、ドラムを叩きながら歌うので
ドラム&ボーカルというスタイルも、違和感は無くなってきたのだが・・

写真は、リードボーカル&キーボードのHITOMI さん。
それにしても、メンバー全員美女揃いだ!
聞くところによると、全員音大出身な模様で、演奏テクニックは
もとより、オリジナル曲における、作曲技法やアレンジ技法などに
ついても完璧な知識と経験、センスを持っている模様。
”なるほど、ルックスよし、演奏よし、アレンジよし、
これなら、音楽にうるさいATCのMさんがイチオシする
理由もうなずける・・”

サブリーダーでギター担当のYUKIさん、
ギターソロはなかなかいける、また、ギターにしろ、他の楽器に
しろ、個々のメンバーが持っている楽器は、ちょっとそれぞれ
こだわりがある模様だ。ガールズバンドというと、あまり楽器の
事などは詳しくないイメージだが、彼女達は決してそうではない。
こだわりの楽器で、こだわりのサウンド、そしてコスチュームから
演奏中の仕草を1つとっても、なかなか「格好よい」という印象だ。

ベース担当の AYUMUさん。
ベースというと一見地味なパートなのだが、彼女の演奏を聞いて
ちょっと驚いた、ベースのフレーズの進行がとても凝っているのだ。
オリジナル曲で、それは顕著で、彼女達のCDを聞くと、さらによく
わかるのだが、まるで専門のアレンジャーがアレンジした、最新の
HIT POPSのようなベースラインだ。しかも、とても格好よい。
”この UK BAND の要は、このベースだ”まさしくそんな感じ、
誰がアレンジを担当しているか、とか、そういう細かい話は
聞いていないのだが、まあ、全員音大出身だけに、そういう事は
お手の物なのかもしれないが、けど、たとえ楽典をよく勉強していて
試験で良い成績を取ったとしても、実際に自分たちの作った曲で
そういう格好よいアレンジが簡単に出来るとも思えない。
知識とか努力とか、そういうものだけではどうにもならないのだ。
"しかし、凄い才能だなぁ・・・” そんな風に思ってしまう。

トロンボーン担当 SHI-CHANさん。
女性のブラス・セクションというと、これも一見珍しく感じるが、
以前のライブ記事でよく紹介していたバンド「ギタピス」が、
ブラス&ホーンが全員女性なので、こちらのスタイルも、個人的には
あまり違和感を感じない。
「肺活量が少ないから女性の管楽器は不利だ」とか言う声も巷では
よく聞くが、確かに肺活量に男女差はあるものの、肺活量だけで
演奏する訳では無いし、実際に上手な女性プレーヤーばかり見て
きている上では、そういう男女差は、まったく感じない。
あえて男女差があるとすれば、演奏時の表情かなあ・・
やはり管楽器の演奏は、どうしても顔が膨らんだりしてしまう。
美女揃いの UK BAND だけに、ルックスを重視するのであれば、
見てくれはどうでも良い男性の管楽器プレーヤーよりも、女性は
その点では不利かも知れない。

サックス担当の TOMMY さん。
使っているサックスの種類は、多分「アルト・サックス」
アルトとテナーの楽器としての外観の違いは微妙で、
首(ネック)の部分が、真っ直ぐなのがアルト。
S字に曲がっているのがテナーだ。
また、大きさとか、ベル(ラッパ)部分の形も多少違うのだが、
並べて比較しないとわかりにくい。
音域は、テナーの方が、アルトより若干低い。

しかし、3本のブラスは強力だ、音楽的には圧倒的にパワフルな
印象を与えることができる。アレンジが問題なのだが、それに
ついては前述のように、かなり凝っていて、格好よい、しかも
音楽的にもしっかりしているので、聞いていて安心できる。
他のミュージシャンと似ているとしたら、「シカゴ」だと思う、
ただし、初期(1970年代)のシカゴではなく、1980年代後半以降、
具体的には、スタジオ版シカゴ17以降で、ライブではシカゴ26での、
シンセなどの多彩な音色をブラス・ホーンに絡めた作風の頃の
シカゴのブラスセクションのアレンジの手法に、どことなく似ている
ように思う。
また、リズムやベースラインの組み立てとしては、あえて言えば
例えばJ-POPの「小柳ゆき」の楽曲のようなイメージだ。
「小柳ゆき」も、ブラスなどを多用しているし、それにまあ、
UK BANDも、少しR&Bのテイストが入っているという感じだろうか。

いずれにしても、楽曲の構成は、かなり現代的。
私は、以前、楽器関連の仕事で英国に約1年間駐在していたことがあり、
その間、やることもあまりなく(汗)CDなどが日本より安いのを
幸いに、UKの音楽を聞きまくっていた事があったのだが、なんとなく、
そんな時に、UKの音楽に対する感覚が出来てきていた。
楽器の好みにしても、UKと、たとえば米国は違う。
今日、UK BAND が使っているアンプだが、ギター用が JC-120
ローランド社の国産ロングセラーアンプだが、このアンプを好むのは、
英国よりもむしろ米国だ。また、ベースアンプはアコースティック社
製のもの、ちなみに、このアンプは米国製だ。
UKの音楽でアンプといえば、ギター用がマーシャル、ベース用は
ハイワットやVOXが定番であり、JCやアコースティックはUK音楽
らしさが無い。
なので、バンド名である「UK」というイメージと、実際に彼女達
が演奏する音楽のテイストは、少し違うようにも思えるが、まあ、
聞くところによると、彼女達は「皆、UKの音楽が好き」という
集まりなので、「UKの音楽を演奏するバンドでは無い」との事で
あれば、そこのイメージの差は、どうでも良い事だと思う。
というか、音楽的な完成度が高い(特に、彼女達のCDではそれが
よくわかる)ので、UKの音楽かどうか、というのは全然関係ない。

けど、アンプだけは気になったので、あとで、メンバーの方に
何であのアンプなのですか?と聞いてみた、すると
U「あ、アンプは、ATCさんに借りました・・」
とのことであった、ああ、なるほど、そうでしたか・・
まあ、ガールズバンドである彼女達が、自前のアンプをライブ毎に
移動して持ち歩いている、というのも考えにくい。

ちなみに、キーボードも約5kgと軽量の JUNO-Di だったりするし、
BOSS のマルチエフェクター GT-100 が「重い」と、メンバーの
方が言っていたので(実際、約5kgと重いが・・)あまり重量級の
機材を運んでいるという雰囲気でない事は、想像できたのだが・・

さて、約40分間のライブステージではあるが、オリジナル曲を
中心に、ステージも観客席も盛り上がってきている。

メンバー全員美女であり、そのルックスからも、観客席前列に
座っている若い男性達は、かなり真剣に音楽を聴いている模様だが、
実際のところ、ある意味ガールズバンドらしくない(?)音楽的な
完成度の高さに、観客の受ける印象は、「格好よい!」という風に
思っている事であろう、MCの方も演奏後に、彼女達を称して
「実に格好よいですねえ・・・」と感想を述べていたのだが、
まさにその通りだと思う。

彼女達は、今日は2ステージある。
午後4時からのライブが初回で、次に、午後6時から、クリスマス
ツリーの点灯式においてもまた、クリスマスソングを演奏するのだ。
11月1日と、クリスマスにはまだ2ヶ月近くもあるが、それでも
すでに世間は、クリスマス商戦突入か? 毎年ツリーを見たり
クリスマスソングが聞こえてきたりすると「ああ、今年も終わりか
早かったなあ・・」と、ちょっと物悲しい雰囲気にもなってしまう。

大迫力のブラス・セクション、しかも、決して吹奏楽っぽいような
吹き方ではなく、ちゃんと現代的な音楽構成となっているので、
非常に聞きごたえがある。

しかし、ベース、いいですねえ・・
楽器は、オーソドックスな、フェンダー JAZZ BASSであり、
多弦ベースとかではないのだが、それにしても、コンテンポラリー
(現代的)な、複雑なベースラインをとても上手く弾きこなしている、
ベースラインは、時にリズミカル、時に対位法的なハーモニーを奏で
さらには、メロディックに主旋律の補佐をする場合もある、
変幻自在というか、まあ、ともかく、いい感じだ。
私も、中学生の頃にベースをやりたくて、小遣いを貯めて購入した
事があるのだが、当時はベースのメソッド(教則)の情報が少なく、
より楽譜や演奏技法解説などが沢山あるギターにすぐに転向して
しまった経緯がある、ギターを長年やっていて、たまに「ああ、
ベースも良いな」とか、思ってみたりもするのだが、あれもこれも
楽器をやるのも何かなあ、と思いとどまっていたのだ。
思い起こせば、高校生の頃は、トランペットもやりたくて、それも
購入したのだが、練習場所に難儀して結局やめてしまった。
その代わりに、アルバイトをしてシンセサイザーと電子オルガンを
購入したのだが(これだったら、ヘッドホンでも演奏できる)
あれもこれも手を出したが、結局、続ける形で残ったのは、
ギター(ソロギター)とキーボード系だけであった、これらは、
バンドではなくて、1人で演奏しても、なんとか音楽になるので、
練習時間や場所などの制約が無いのが長所だった訳だ。
AYUMUさんのベース演奏を聴いていると、また、ベースがやりたく
なってきた。現代では打ち込みという手法もあるので、PCに
データを入力し(数値打ち込みは得意な作業で、2万音の大曲を
数日で入力したこともある。楽譜をダイレクトにノートナンバー
とステップ、ゲートに頭の中で変換できるのだ)ベースパートを
マイナス・ワン(ベースのカラオケという事だ)すれば、1人でも
練習できない訳ではない。ただ、1曲練習するのに、数千音もの
打ち込みを毎回やるのも面倒だし、もっと良い練習方法があれば
良いのだが・・

オリジナル曲を中心とした、UK BAND 本日の第一ステージ終了。
なかなか良い演奏だった、
UK BANDの物販の話が、サブリーダー、ギター担当ののYUKIさん
よりあった
「UK BAND オリジナル曲が3曲入ったCD"Taste-It"を500円で
販売しています」とのこと。
”お、安いなあ、それは是非とも買わなくっちゃ”
と思ったのだが、あいにく次のライブステージの撮影が続けてある、
ならばまあ、ツリー点灯式の後で買うことにしようか・・

午後6時よりのクリスマスツリー点灯式。
NMB48がゲストで来るとのことで、超満員の「海辺のステージ」だが、
UK BAND が再び登場、観客とともに、クリスマスソングを歌い、
イベントを盛り上げてくれた。
ただし、天候はあいにくの雨。
事前に天気予報をチェックしていたのだが、雨雲の動きを見ていると
午後6時ごろから住之江区は雨になるとの予報であった。
確かに、午後6時までのライブステージでは雨は降らなかった、
雨を想定してステージ上にあった、ビニールテントを取り外しての
ライブステージであったのだが・・
午後5時45分頃、何人かのスタッフを話をしていた
匠「ここまで天気持ちましたけど、あとちょっと降らないで
欲しいですね」
ス「そうですねぇ、せめてあと1時間・・」
その数分後、ポツリ、ポツリと、いよいよ降り出した。
慌てて、片付けておいたビニールテントの設置を始めるスタッフ達、
出番待ちのUK BANDも、急いでステージ上に置いてあったベース
などの楽器を濡れないように持ち出す。
U「そういえば、昨年のこのイベントでも雨だったんですよ。」
匠「そうでしたか・・ 昨年は、私は、クリスマス花火のイベントは
撮影していましたが、点灯式は撮影しなかったんですよ」
U「もう、衣装とかもびしょ濡れで、寒かったですよ~」
匠「今日も、これから残念ながら雨でしょうね、風邪ひかないように
してくださいね」
UK BAND は、7人という大所帯の為、ビニールテントの中では、
ぎゅっと押し込まれて窮屈そうな演奏だ、また、こちらの撮影アングル
の自由度も無いため、第二ステージの写真は最小限のみだ。

午後6時45分、ツリー点灯式終了。
”さて、CD買って帰るか・・”
観客達が結構列をなしてCDを購入されている。
その列の一番後ろに並んで順番待ち。
匠「1枚くださいね」と、500円玉を出していると。
U「匠さんは、今日写真撮っていただいたので、1枚差し上げます」
匠「え?いいですよ、買いますよ」
U「・・どうぞ貰っていってください」
匠「ではお言葉に甘えて・・ ちゃんと聞き込んでおきますね」
帰宅後、"Taste-It"をMP3に変換し、現在使用している6台の
MP3 プレーヤーの全てにコピーしておく。
ちゃんとしたプレーヤーで、ちゃんとしたイヤホンで聞いてみると、
ライブではわからなかった色々な音が聞こえてくる。
まあ、とは言え、今日のPAの担当は、ベテランの専門業者さんで
私も顔見知りで、腕前に問題があるという訳ではないのだが、やはり、、
ライブと違ってスタジオ録音では、細かい音までよくわかるのだ。
記事の前の方にもチラチラと書いてあるように、CD版では、
ベースラインや、ブラスセクション等をはじめとするアレンジの
良さが光っている、CDの音質もバランスもなかなか良いので
ボーカルやギターも細かいところまでよくわかる。
歌詞カードがついているとさらに良いと思うが、ローコストの
手作り紙ジャケットなので、まあ、この価格でそこまで望むのは
ちょっと贅沢というところか。
でも音質などは抜群、絶対お買い得のCDだ。
後日、リーダーのNANAさんとのメールやりとりで、
N「あのCDは、とても気合入れて作りました」
との話があった。
UK BAND、また撮りたい・・というより、また演奏を聴きたいと思った。
音楽や音にうるさいマニアの方にも、そうでない方にもオススメできる
貴重なガールズユニットである事は間違いない。
(続編に続く・・ かもしれない)