2014年10月19日(日)に行われた、一般体験乗船客を対象とした、
ドラゴンボート水上ツアー「ツール・ド・水の回廊」の模様より。
毎年恒例の、このイベントはODBA(大阪府ドラゴンボート協会)の
主催で行われ、過去「大阪市長賞」を受賞した事もある「水都」大阪に
ふさわしいユニークなイベントだ。
大阪市内のいくつかの川や水門を通過して市内一周約11km、所要時間
約5時間(休憩込み)の、手漕ぎボートとして異例の長距離航行イベントだ。
私の担当は、陸上からの撮影。この記事の前編や、毎年の記事で
書いている通り、分刻みのスケジュールによる、かなりハードな
撮影であり、私自身は「ドラゴンで最も忙しい1日」として
位置づけしている。
前編では、中之島ローズポートでの集合、出発から、道頓堀での
デモ走行、そして大正橋近くの水門到着までを紹介した。
大正の水門は、順番待ちがあって、なかなか通れなかったのだが、
12:10 上写真のように、予定より10分遅れて無事水門を通過。
ドラゴン艇はこれより、「大阪ドーム千代崎港」に入る、
前編でも記載したように、大阪には、川においても、いくつもの
船着場(港)があり、これらの場所は、大阪府あるいは大阪市に
申請すると利用することができる公共の船着場だ。
ちなみに、使用には若干の金額が必要であり、申請を行うと船着場に
出入りする鍵を借りることが出来る、トイレ休憩などには、陸上への
出入りが必要となるからだ。
以前は、いくつもの船着場で休憩していたのだが、近年は、ここと
中央市場(昼食休憩)の2箇所のみだ。
撮影時は気をつけないと、船着場のドラゴン艇の回りで撮っていて
出発時に、出入り口の鍵を閉められてしまうと(汗)ドラゴン艇や
モーターボートに乗って移動せざるを得なくなる。
まあ、モーターボートでの移動の方が楽と言えば楽だが、それだと、
水上から決まったアングルでの撮影になってしまい自由度が少ない。
大阪ドームの周辺は、近年急速に建物などが建ち、変化してきている。
ほんの数年前までは、ドームのみが異形を見せつけ、近くの橋からは
ドラゴンボートの出航と共にドームを撮る事ができたが、現在では
そのアングルは建物が邪魔で実現が難しい。
まあ、でも、一応ドラゴンボート出航前に橋(名称不明)の上に向かい、
そこから撮ることにしようか・・
こちらが橋の入り口、スロープになっている。
橋の上からは、遠く、大正橋や「大阪ドーム千代崎港」が見渡せる。
出航予定時刻は、12:30過ぎということだが、現在の時刻がすでに
12:30となっている。 船着場にはトイレが無いので、近くの建物
まで往復する必要があるのだろう。もう少し時間がかかりそうだ。
12:40 ドラゴンボートが出航した。
このアングルが、ドームと共に撮るアングルなのだが、やはり
現在では建物に隠れて、ドームの頭しか見ることができない。
橋の上では、親子連れの方が「あ、あれ何? カヌー?」
「ほら、見えるかな? 太鼓鳴らして」と、子供達に伝えている。
この「水の回廊」イベントの目的の1つに、ドラゴンボートの
周知、普及活動がある。
特に、このイベントの主催のODBA(大阪府ドラゴンボート協会)
の参加チームやスタッフには、その意識が強い。
ODBAの本拠地は、「北港ヨットハーバー」(注:これは旧名称、
今年2014年から民営化され「北港マリーナ」に名称変更した)
である、この施設は大阪市の中でも、やや辺鄙な場所にあり、
たとえばドラゴンボート大会をやっても、ほとんど観客が居ない
という状況である。なので、このイベントで道頓堀など、観客の多い
ところにドラゴンボートを走らせ、ドラゴン競技の事をより多くの人に
知ってもらいたいという気持ちを皆が持っている。
同様に、ドラゴンボートチーム「DDT(道頓堀ドラゴンボート大会
Comming Soon!)」も、道頓堀での大会開催を熱望しており、現在、
実際に各方面と交渉・調整中と聞く。
これらの活動は、ドラゴンボート普及という意味でとても重要であり、
私も賛同している。
ドラゴンボートが木津川(尻無川かな? 大阪の川の呼び方は
境目で変わることがあり、よくわからない)を北上する。
ここからは、これまでの水流とは異なり、川をさかのぼる事に
なるので水の抵抗が強い。次の目的地「大阪中央卸売市場」まで
なかなかしんどいと思うが、クルーは20~25分ほどの辛抱だ。
12:44 さて、ドラゴンボートを見送って、私も「中央市場」に
向かう事にしよう。
ただし、ここからの交通は、やや不便だ。
今朝のイベント前のミーティングでも、ODBAスタッフのMさんと
こんなやりとりがあった。
M「匠さん、ドームから中央市場まで、どうやって移動するの?」
匠「地下鉄で、ドーム前駅から、西長堀乗換えで、玉川駅まで行って
そこから歩きます」
M「”さくら”(救助艇)に乗って行けば良いのに」
匠「う~ん、勿論その方が楽なのですが、ドラゴンが出て行く所を
撮りたいので」
そんな訳で、ドーム前千代崎駅まで戻ろうと思ったのだが、
念のため地図を確認すると、この橋から西長堀駅までは直接
歩いた方が速そうだ。
西長堀駅までの距離はおよそ800m、まあ、徒歩10分程度という
ところであろう、すると、13時少し前に地下鉄に乗り、玉川駅で
13時少し過ぎくらい、そこから「大阪中央卸売市場」までは
約700m、徒歩10分程度だ。
すると、市場到着は、13時12~15分くらいになるなあ・・
ドラゴンボートの到着が、13時05~10分 くらいになる予定なので、
これは残念ながら、先回りすることは難しい。
まあ、もしかすると、木津川の流れが速く、逆流で難航するかも
しれないので、そうであればぎりぎり間に合うのだが・・
12:58 西長堀駅で千日前線大正行き電車に乗る。
ちなみに、写真のチケットが、「エンジョイエコカード」つまり、
"大阪市営地下鉄、市バスの1日乗り放題券"だ。
平日だと800円だが、土日祝日は600円で購入できる。
大阪市営地下鉄の1区(最短距離)は、今年値下げされ、180円と
なったので、1区のみでは、4回乗らないと元が取れないが、
2区は240円と、逆に10円値上げしているので、2区以遠であれば、
3回ほどで元が取れる。
なお、関西近郊の1日券で安いのは、なんといっても京都市バスであろう。
市バス1回あたりの乗車運賃が230円のところ、500円で1日乗り放題
なので、2回ちょっとで元が取れるばかりか、この4月から利用範囲が
拡張され、従来「圏外」になっていた嵐山方面も、この1日券で行ける。
おまけに、京都市バスのみならず、京都バスも均一運賃区間内で
あれば乗れる。ちなみに、京都バスは、京都市バスとは異なる運営で、
例えば、”大原”や”清滝”に行く時に用いる路線バスだ。
しかし、西長堀や玉川といった駅は、休日の昼間だと言うのに
殆ど人影が無い。
勿論、観光地とかショッピング街に人が集中しているのだろうが、
近年、ますます、そうして民衆の行動がワンパターン化していく
ように思えるのだが、どうしてそうなってしまうのだろうか・・?
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玉川駅を降りて中央市場に向かう、時刻は 13:05
おなかがすいてきたが、中央市場に弁当が用意されているので、
もうしばらくの辛抱だ。
激安のドリンク自動販売機を見つけたので、これは買いでしょう。
大阪市内では場所によっては、さらに安価な、30円とかもある。
13:13 中央市場到着、やはりドラゴンはもう到着しているようだ、
皆、お弁当を食べている。
思えば、去年のこのイベントはあいにくの雨で、中央市場で
お弁当を食べる際、皆、テントの中に入って食べていたのだが、
救助艇に積めるテントはさほど大きなものではなかったので、
全員立ち食い状態であった。あれはちょっと一般参加者の方々は
かわいそうであったのだが、まあ、それにくらべると今年は天候に
恵まれて本当によかった。
3年ほど前だったか?の本イベントも、今日と同様の好天で、
ここ中央市場で食べようとしたチョコレートが溶けてしまっていた
ほどであった、ちなみに、多くの種類のチョコレートは、だいたい
28℃くらいの外気温で溶ける模様だ。今日の気温は、それより少し
低い25℃くらい、それでも10月中旬としては高く、やや暑く感じる。
さらに余談だが、以前の記事でも紹介したが、私は近年、ホーム
ベーカリーによるパン作りに凝っていて、ここ1年ほど、朝食の
パンはずっと自分で焼いている。ところが、夏場は、ドライイーストが
過発酵してしまい、どうも上手く焼けない。パンが白っぽく、膨らみが
足りない状態なのだ、どうやら水の温度が28℃を超えるあたりになると
ドライイーストが活発に発酵し、過発酵状態になる模様だ。
そこで、夏場は、冷蔵庫で冷やした水を使い、水量も所定量を12%
ほど減らし、ドライイーストの量も15%程度減らす。一応それで
なんとかパンが焼き上がるのだが、イマイチ、ベストの状態ではない。
しかし、この時期、水の温度が28℃を超えない季節になると、だんだん
イーストも適切に発酵し、パンも上手く焼きあがるようになってきた。
9月から10月にかけては、水の量やドライイーストの量を少しづつ所定
の量に戻していき、冬場になると、ほぼベーカーズ・パーセント通り
(小麦粉に対する、水、塩、砂糖、油分、ドライイーストの所定の比率)
で焼けるようになる。
ともかく、気温が25℃を下回ると、一安心という感じであろうか・・
ちなみに、パンを作り続けていると、どんどん「リーンな」方向に
変わってきている、「リーン」とは、”色々な材料が入っていない”
という意味で、その反対語が「リッチ」である。
今時の食パンは、すべてリッチな方向にシフトしていて、ミルクや
卵、砂糖や、バターなど各種脂肪分を沢山含み、甘ったるい。
まあ、自作パンは、こうした、市販食パンとはまったく異なる方向性が
目指せるので色々と楽しいのだ・・
昼食休憩を終え、14:00 ドラゴンボート出航。
ドラゴンはこの後、堂島川を通って、中之島ローズポートに帰着
していく予定、その時刻は15:00 頃、ただし、ローズポートは
だいたい30分に1度、観光客船が発着するので、それを避け、
タイミングを見計らっての着岸となるであろう。
ちなみに、堂島川とは中之島の北側の川、南側は土佐堀川。
中之島より上流(東側)は、大川と呼ばれ、中之島より下流では
安治川と呼ばれている、また、これらをまとめて旧淀川と呼ぶ場合もある。
先の木津川と尻無川の例もあり、大阪の川の呼び方は、なかなかややこしい。
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さて、こちらは、この次の撮影ポイントに向かう。
考えられる撮影ポイントは、中央公会堂付近、ただし、その地点に
行くのは時間がぎりぎりだ。 以前は、京阪中之島駅近くの船着場
で休憩していた事があり、その場合ならば間に合うのだが、現在の
スケジュールでは、中央市場よりローズポートまでは休憩無しで
直接向かう。
なので、中央市場より中央公会堂に45分間で移動しなくてはならない、
考えられる方法は2つ、1つは、京阪中之島まで歩き、京阪中之島線
に乗って、なにわ橋駅で降りる事、もう1つは、地下鉄を乗り継いで
北浜駅に向かう事だ。
今日は前述の「地下鉄1日券」があるので、地下鉄を使ってみる事に
しよう。乗り換えの手段は2つ、1つは、玉川→(千日前線)→
阿波座→(中央線)→堺筋本町→(堺筋線)→北浜のルート。
もう1つは、玉川→(千日前線)→日本橋→(堺筋線)→北浜だ。
前者の方が駅数が少ないが、乗り換えが2回ある、後者は乗り換え1回だ、
どちらが速いか迷うところだが、阿波座での乗り換えは距離があると見て、
乗り換えの少ない後者を選択。
14:45 北浜駅を降り、なにわ橋に上がると、ちょうどドラゴンが
こちらに向かって来るところであった。しかし、中央公会堂と同時に
ドラゴンが入る撮影ポイントまでは距離があって進むことができず。
この行程は、あと数分時間を短縮する必要がありそうだ、
電車賃が多少高くなるが、来年は、京阪中之島線のルートを使用
してみることにしようか・・・
14:55 中之島ローズポートにドラゴン艇が戻ってきた、ただ、
前述のように、観光客船が15:00にローズポートより出航するので、
ドラゴン艇は中之島の周辺を回って、デモ走行を行う。
15:12 ドラゴン艇がローズポートに帰着、ここからスタッフは忙しい、
次の観光客船の出航が 15:30 なので、 それまでに救助艇にテント等
の資材を撤収して積み込み、ドラゴンを曳航し、北港に回航するのだ。
慌しく作業が進み、15:25 無事、撤収完了。
ス「あ~疲れた」
ボートを11km漕いだ女性サポートスタッフ(琵琶ドラの選手)が
だいぶ疲れた様子で、地面に寝転んでしまう。
匠「お疲れ様でした、でも、なんか、”シェー”のポーズみたい
ですよ(笑)」
寝転びながら、ちょっとの間、ドラゴンの地方マイナー大会の
について情報交換の話をしていると、他のスタッフ達が、
「打ちましょ」「もひとつせ」と言いながら手を叩いている。
匠「あ、”大阪締め”始まってしまいました、・・というか、
終わってしまいました(笑) では、お疲れ様でした」
そう、ODBA(大阪府ドラゴンボート協会)では、大会やイベントの
最後の締めに伝統的な、”大阪締め”を行うことが習慣となっている。
10秒くらいで終わってしまうので、うっかりしていると
参加しそこなう(撮りそこなう)事になる。
時刻は 15:40 、今年の「ツール・ド・水の回廊」は無事終了、
大会では無いが、これもまた「ドラゴンボート」の重要なイベント
であると思う。
こちらも移動が多く、分刻みのスケジュールなのでなかなか疲れた、
さて、家に帰って今日は早目に寝るか・・ と思いきや、
この前日、知人の結婚式があって、沢山(千数百枚)の写真を
撮ったもの編集作業があった(汗) これだけ沢山の写真だと
見る気もなかなか起きないのだが、せめて粗より(軽い選別)は
済ませておかなければなあ・・
次回ドラゴンボート記事、恐らくは、北港スプリント(秋)に続く・・