2014年10月26日に行われた「大阪マラソン」の応援ステージ、
大阪ドーム前での「THOMAS CLUB」編

ここ大阪ドームは「大阪マラソン」の折り返し地点に近く、
スタートの大阪城公園からの距離は、19km(往路),20km(復路)
となっている。
時刻は午前10時30分を過ぎた所、スタートから、約1時間半を経過、
マラソン全行程3時間強のタイムの選手達が続々と通り過ぎている。
この大阪マラソンの参加者は約3万人強と聞く、トップは恐らく
2時間10分前後だと思われるが、それにしても、3時間のタイム
ならば、かなり良い方なのだろう、具体的には、3時間を切れば
400~500位以内に入れると聞く。しかし、この場所を通過する人数の
多さは、さすがに多数の参加数を誇る”ビッグイベント”の証という
ところか。(沿道からの応援者人数も130万人とのことだ)
さて、10時35分よりの応援ステージは、アコースティックバンド
の「THOMAS CLUB(トーマス・クラブ)」だ。

写真は、メインボーカルのTHOMAS氏。
そう、大阪の中堅ドラゴンボートチーム「打艇龍舟倶楽部」
(だちょう・りゅうしゅうクラブ)のキャプテンである。
ドラゴンチーム「打艇」の今シーズンの成績はなかなか良い、
4月に大阪で行われた、緒戦の「北港スプリント大会」で準優勝、
8月に福井県で行われた「九頭龍ドラゴンボート大会」で優勝、
こちらの大会での優勝は2年連続とのことである。
いずれもマイナー大会ではあるが、それでも優勝とかは立派な成績だ、
チームの調子が良いので多少余裕があるのか、キャプテンのTHOMAS氏
は音楽活動もかなり精力的にこなしている様子だ。
(ライブがあるという理由で、ドラゴンの大会を休みにしかけた事も
あったらしい、おいおい、キャプテンがそれで良いのか?笑)

「THOMAS CLUB」のメンバーは4名、と言ってもメンバーは固定的な
わけではなく、都度変わるらしい。
基本的に、ボーカル+ギターの2名が最小編成であると聞く。
本日のユニットは、メインボーカル+コーラス+ギター+
パーカッション(カホーン)という構成だ。
ただし、私は「THOMAS」氏以外は初対面だ、どんな演奏をする
のかもわからない。

こちらは、アコースティックギターの「ヒサト」氏、
演奏前にタカミネ製のエレアコを使っているのを見て「なかなか
やるのでは?」と思ったが、案の定、演奏はかなりの腕前だ。
何故タカミネのエレアコを持っているだけで、そう思うのか、と言えば
まあ、言ってみれば「通好み」のチョイスだからだ。
カメラでも同じで、通好みのカメラを持っていれば、だいたい腕前が
分かるという感じだ。ただし、ギターでも何でも、有名で高価なだけの
道具を持っているのは、通というよりは、逆に腕前に見合っていない
ようにも見えてしまうから要注意だ。
ステージ後に、ヒサト氏に声をかけてみた。
匠「なかなかやりますね、タカミネのエレアコも良く鳴ってるし」
ヒ「いやあ、まだまだですよ」
匠「出音を聞けばだいたいわかりますよ、よくビギナーの方なんかは
高価なギターを使えば良い音が出ると思っているのですが、
ギターの出音は、8割方、腕前で決まりますよね。
ストローク、ピッキングの強さ、角度、位置・・ それらが
曲想に合わせてうまくコントロールされているのがわかります」
ヒサト氏が、あれっ?という表情になった。
なんでカメラマンがそんな事を知っているのだろう?という感じだ。
匠「ああ・・ まあ、私もギターを弾きますし、以前は楽器メーカーの
音響エンジニアとして楽器開発を長年していましたからね」
ヒ「そうだったのですか。 なかなか厳しいお客さんだなあ(笑)」
匠「自分でも楽器弾くから、ライブ演奏を撮るのは好きなんですよ、
難しそうな所を弾いている写真を選んでおきます」
ヒ「あはは・・ よろしくお願いします」

コーラス担当の紅一点「FUU」嬢。
ちょっと大人しめな雰囲気の女性だ。
PA(音響)のバランスがやや悪く、彼女の音声がやや小さく
聞こえた事も、控えめな印象を助長する事になったのかもしれない。
ちなみに、ステージモニター(ステージ上で、演奏者の方を向けた
スピーカー、そこから観客に聞こえている音が出る)は無いので、
PAのバランスは、演奏者の方はわかりにくい。
「FUU」嬢はコースを走るランナーの方に、さかんに手を振っていて、
ランナーからも手を振られると、とても嬉しそうな笑顔になるのが
印象的であった。

パーカッション担当の「おっち」氏。
座って叩いているのは、ご存知「カホーン」(カホンとも呼ぶ)だ。
叩き方によって音が変わる、具体的には、打面の中央部を叩くと
低い音、周辺を叩くと高い音、さらには、響き線(弦など)を
仕込んだカホンは、スネアドラムのような音を出す事もできる。
近年は、アマチュアバンドにおいても、カホーンが大流行している、
まあ、それはそうだろう、本格的なドラムセットは場所を取るし
高価であり、そして、ドラム備え付けのライブハウスでもないかぎり、
セットの移動、運搬が極めて面倒だ。
カホーンは、小型で持ち運びも楽、基本的なものであれば1~3万円と
安価に購入できるし、あるいは自作する事もできる。
「おっち」氏のカホーンは、ビス(ネジ)が目立つタイプだったので
匠「このカホーン、自作ですか?」と聞くと。
お「いえ・・ そう見えますか? じゃあ、自作ということに
しておいてください(笑)」
良く見ると、カホーンの他、いくつかのアクセサリ楽器が周りにある、
まずは「スプラッシュシンバル」まあ、これは、カホーン用としては
スタンダードな組み合わせであり、カホーンによっては、本体から
直接スタンドが出ていて、そこにシンバルを装着できるものもある。
「ハイハット」シンバルのように、2枚で開閉できるものではなく、
「クラッシュ」シンバルのような1枚ものであるが、スプラッシュは
クラッシュほど長く余韻が残るものではなく、さらりとした音であり、
アコースティック・バラードなどの曲想に適している。
加えて、ツリーチャイム(ウインドチャイム)も用意してある、
ちょっと珍しいかなとも思ったが、最近はカホーン用の周辺楽器
として、スプラッシュ・シンバルとツリーチャイムのセットが販売
されていて、普及しつつある模様だ。

「THOMAS」氏を撮影するのは、今までは、ドラゴンボート大会の
時ばかりであった、ドラゴンとライブでは、撮影機材も撮る時の
考え方も、まったく変わる。
ちなみに今日の撮影機材は、SONY α-700 + MINOLTA AF200/2.8
PENTAX K-5 + FA☆85/1.4 ,FUJIFILM XQ1 の3台だが、基本的に
大口径単焦点を中心としている。
昼間の撮影なので、開放f値が小さく明るいレンズは、明るすぎる事になり、
ISO感度を最低まで下げても、シャッター速度オーバーで絞りが開けられない
事が多々あるのだが、α-700も、K-5も、中級デジタル一眼レフにしては珍しく
1/8000秒のシャッターを搭載していて、かつ、最低ISO100が使える。
銀塩(フィルム)一眼の時代は、中高級機は1/8000秒シャッターが
当然の仕様であったのだが、デジタル一眼では、コストダウンからか
中級機は1/4000秒までとスペックダウンしている事が多い。
またISO感度も最低が200という機種もあって、明るい場所で大口径の
レンズがかなり使いづらい。
NDフィルターを使えばシャッター速度が落とせるのだが、レンズ口径が
72mm以上ともなると、フィルターは高価だし、沢山所有しているレンズ
に合わせ、それぞれにフィルターを購入したら非常に高くついてしまう。
初級機の付属ズームレンズなどでは、開放f値が5.6といったものが
多いが、f1.4のレンズでは、同じ明るさの被写体を撮る場合、
光が沢山入ってくる為、シャッター速度が実に16倍も速くなる。
すなわち、たとえば快晴の際、ズームレンズでf5.6 で500分の1秒の
シャッター速度で撮れる場合、より明るいレンズでは、f4で1/1000秒
f2.8で1/2000秒、f2で1/4000秒、今回使用のf1.4レンズでは
1/8000秒のシャッター速度が必要となる。
ビギナーの方は、速いシャッターを何のために使うのかが分からない
人が殆どであるが、最も有効な利用方法は、今回のように、開放f1.4
のような大口径レンズを、日中、絞り開放近くで用い、背景を大きく
ボカす際に使うことだ。

「THOMAS」氏に撮った写真を渡すと、いつものドラゴンボートの時の
写真とまったく違うので、ちょっと驚いた模様。

背景(前景)のボケ量は、4つの要素で決定される、具体的には以下だ、
1)レンズのf値が小さければ小さいほどボケる。
2)レンズの焦点距離が長ければ(望遠)長いほどボケる。
3)被写体までの撮影距離が短ければ短いほどボケる。
4)センサー(CCDやCMOS、あるいはフィルム)の大きさが大きければ
大きいほどボケる。
被写界深度(ピントの合う距離範囲)の計算式というものもあるが、
暗算では計算できない少々複雑な式なので、現実的には上記1~4の
要素を適宜組み合わせてボケ量を決定する(昔のレンズには被写界深度
目盛というものがついていたが、あれはフィルム用なのでセンサーの小さい
デジタル一眼で使う場合はその通りにはならない)
ということで、1~4の多くの要素をできるだけその通りに設定すれば
背景や前景は大きくボケるし、1~4を逆に使えば、ピントの合った
範囲(被写界深度)を深くできる(=パンフォーカス撮影)
(例、センサーの小さいコンパクトカメラで広角で絞りを絞って
中遠距離撮影等)
そして、例えば、85mm/f1.4 の強力な大口径中望遠を用い、
撮影距離を短く、つまり被写体にかなり近づいて撮れば、1点だけに
ピントを合わせ、その前後をボカす事ができる、具体的には以下のような
感じだ。

左手のみにピントを当て、他をボカす。
写真を見る側としては必然的に左手に注目するのだが、この時、
ギターのヒサト氏は、4弦の2フレットの1つのポジションしか
押さえていない、これは、Emコードの5/6弦ミュートのカッティング
奏法か、もしくは、小指が4弦4フレット上に準備されているので、
4/5弦を用いた、Amコードのリフを弾いているところかもしれない。
ただ、それがわかるのはギタリストだけなので、一般の方に
見せる写真とすれば、こうい撮り方の場合、左手は、もっと複雑な
抑え方をしている方が、ギターが上手そうに見えるので、その方が
望ましい、すなわち、この写真ではあまり左手の形が良くない(汗)
だから、ちゃんと狙うのであれば、ただ単にシャッターを切っている
のではなく、音楽を聴きながら、演奏を見ながら、より複雑そうな
コード(フォーム)を抑えている瞬間を狙って撮るのだ。
具体的にはアコギや、ジャズ、ブルースギターならば、9th とか、
dimとかの指の形が複雑で綺麗に(上手そうに)見えるコードを狙う。
あるいは、エレキギターならばチョーキングとか、ハイポジションや
ライトハンド奏法の時を狙う(エレキは基本的に左右の手が接近して
いる時の方が格好いい)
クラッシックまたはソロギターならば、左手の指が大きく開いて
いる場合(たとえばGコードでのベース6弦3フレット人差し指&
メロディ1弦7フレット小指や、ベース音+小指のハーフセーハ等)
を狙うなどだ。
したがって、写真を撮影したり、あるいは撮った写真を選ぶ際は
楽器やその演奏、音楽の事を熟知してなけれなならない。
ドラゴンボートの記事とかでも良く書いているが
「知らない被写体は撮れない」という事だ。

さて、ステージの方だが、カバー曲とオリジナル曲を取り混ぜて
合計4曲の演奏だ、時刻は10時50分頃。タイムが3時間半から
4時間くらいの平均的ランナーが非常に多数通過している最中だ。
応援ステージであるから、「俺たちの演奏を聞け!」といった感じ
ではなく、ランナー達にメッセージを送るイメージでの演奏だ。
手の開いている(=楽器演奏をしていないという意味)の
ボーカル「THOMAS]氏や「FUU」嬢は、大きく手を振ってランナー
達の応援をする、コース上のランナー達も多くがそれに応え手を
振り返す、ステージとランナーがコミュニケーションをはかって
いるので、いわゆる「ライブ感」が増してくる。
ライブは、スタジオ録音のCDを聞いているのとは異なり、
その場に参加した人だけの感覚や感情が表れるのが良い、
だからまあ、個人的には、ライブのCDというのはあまり好きでは
なく、CDはCDで一方通行のスタジオ録音が良く、ライブはライブで
その場で聞きたいと思うわけだ。

10月も下旬と言うのに、今日の気温は高い、この前週のドラゴン
ボートイベント「水の回廊」の時も、25℃くらいまで上がったのだが
今日もそれくらいで、長袖シャツでは汗ばむくらいだ。
10月前半の週末は台風が連続で直撃し、多くのドラゴンボート大会が
中止になってしまったのだが、まあ、それでも、1000m大会の
ように小雨の中で決行したケースもある、ドラゴンは多少の雨でも
大丈夫だが、屋外ステージでは雨が降るとどうしようもない。
そういう意味では、今日は多少暑くても好天で良かったと思う。

応援ステージであるから、音楽的に、どうのこうの、という感想は
少々野暮かも知れない、まあ、そこをあえて言えば、アカンパニメント
(リズムを除く伴奏部)が、アコギ1本のみというのは、和声的には
少々苦しい(寂しい)、サイドギターか、できればキーボードが
追加されると、ぐっと音楽的に表現力が広がるように思えた。
確か、ボーカル「THOMAS]氏は、ギターも弾けるはずなので、
ユニットにサイドギターを追加するのはさほど難しくないであろう。
(後日話を聞いて見ると”一応弾けるには弾けるが人前で演奏する
レベルではない”との事、”でも、アルペジオだけでも良いですよ”
と答えてはおいたが・・)

さらに、もしコーラス「FUU」嬢がキーボードを弾けるのであれば、
それを追加すれば、ほぼ完璧だ。仮にキーボード演奏が苦手で
あっても、白玉演奏(=コードフォームを押さえっぱなしにして
二分音符や全音符など、白いおたまじゃくしの譜面で弾く)でも
全然かまわない。アコースティック・バンドであれば、シンセを
用いて、持続音系、例えばストリングス(弦楽器)音色や、オルガン
音色にしておけば白玉演奏がとても効果的だ。
あるいは、シンセの場合には、内蔵または外部シーケンサーに、
演奏データを打ち込んでおいて、シンセの鍵盤は、単に、演奏を
スタートするためだけのスイッチとして使うケースも増えている、
そうなると、キーボード演奏が出来なくても、ライブでキーボード
プレーヤーになれてしまうのだ。
シンセも、近年のものは、ストリート系ミュージシャン、特に
女性が持ち運びする事も考慮してか、4kg~5kgと非常に軽量な
ものも発売されている、私が持っている古いシンセは10数kgも
あるので、それに比べれば雲泥の差だ。
ちなみに、バッテリー(乾電池)駆動可能なシンセもあり、
ストリートなどでの演奏でも、AC電源を気にする必要が無い。
---
時刻は、午前11時ジャスト、
カバー曲2曲と、オリジナル曲の「ずっと」「ありがとう」の
計4曲を演奏して、「THOMAS CLUB」のステージは無事終了、
メンバーは終始笑顔であり、リラックスした雰囲気であった。
アマチュアバンドだと、観客が注目していると緊張してしまう
ケースも多々あるのだが、今回は応援ステージという事から
気楽に伸び伸びと演奏できたのかも知れない。
さて、この後も12時過ぎまでステージは続くのだが、チアリーディング
やエイサー、和太鼓等が続くと聞いている、まあ、今日はライブ撮影が
目的なので、ここまでで終了としておこう。
スポーツの秋なので、このマラソンの翌週、11月3日にも
「大阪府民体育大会」の一環として、北港ヨットハーバーで
ドラゴンボート大会が行われる、THOMAS氏も勿論「打艇龍舟倶楽部」を
率いて出場予定であるから、「じゃあ、また来週」と言って、この場を辞した。

ドーム前千代崎駅周辺は大変混雑している様子なので、前週のドラゴン
イベントの「ツール・ド・水の回廊」の時と同じく、名前知らずの橋を
渡り、西長堀駅方面に向かうとしよう。(当該記事は近日掲載予定)
時刻は11時15分、スタートから2時間15分、ゴールタイムが
4時間半~5時間というランナー達が沢山走っている様子が見える、
今日の暑さだと、後半バテしてしまう選手が沢山出てくるようにも
思えるが、まあ、せっかく参加費を払っていることでもあるし、
勿論、完走すれば、色々な意味で高い達成感を得られるとも思うので
是非頑張って最後まで走りきってもらいたいと思う・・
(ちなみに、完走率はフルマラソンの部で93.8%であったと聞く)