ドラゴンボートは老若男女問わずに出来るスポーツだが、
現状の各大会では、選手(漕手)達の年齢や性別に応じて
いくつかの「カテゴリー分け」がされている。
20人漕ぎのレギュラーのドラゴンボートのレースの場合、
カテゴリーは、具体的には、以下のように分けられている。
オープンの部:性別、年齢無関係、通常は成人男性が中心
男女混合:漕手は、男子12名(以下)、女子8名(以上)
女子:漕手20名が全て女子(太鼓、舵は男子可)
シニア:漕手20名が全て40歳以上(又は平均が40歳以上)
グランドシニア:平均年齢50歳を基準としたハンデ戦
中学生の部:漕手20名が全て中学生
小学生の部:小学生(高学年)16名、父母4名
親子の部:小学生(高学年)10名、父母10名
フレンドシップ:性別、年齢問わず(エキシビジョン戦)
これらのうち、オープンの部、男女混合の部は、中規模以上の
大会であれば、たいてい何処のドラゴン大会でも行われている。
日本選手権大会のような大規模大会となると、これに女子の部や
シニアの部が加わることがある。
また、一部の大規模大会では中学生の部が追加される事もある。
グランドシニア大会は、琵琶湖(漕艇場)でのみ年1回行われて
いて、50歳を基準に平均年齢がそれより高い場合は、マイナス
ハンデ(秒)、低い場合はプラスハンデが課せられる。
小学生の部、親子の部は、琵琶湖で夏休みに年1回行われている
「ドラゴンキッズ大会」で見ることができる。
さて、もし、カテゴリーを分けずに、年齢や性別が異なる様々な
漕手によるレースを行おうとしたら、どうすれば良いのだろうか?
勿論、日本選手権クラスの漕ぎと、たとえば「キッズ」や
「グランドシニア」の漕ぎは、あきらかにスピードが違う。
勿論そのままでは勝負になる筈もない。
けど、ドラゴンボートは、多くの場合、200mとかの距離を
漕いで、そのタイム(秒)を計り、そのタイムで競う競技である。
・・ならば、漕手1人1人の年齢や性別にあわせたハンデタイムを
設定し、それを合計して、チームの総合ハンデ(秒)を決めたら、
老若男女混成チームの場合においても、他のカテゴリーのチーム
とも公平なレースが行えるのではないだろうか?
そうすれば、極端に言えば、いちいちカテゴリー分けをしなくても、
男女混合、女子、小学生、グランドシニアの各チームが同時に
発走できるため、「この大会は女子チームのエントリーが少ない
から、女子の部は無しだ」とか、「親子大会を企画しているけど、
チームが集まりそうもない」あるいは「全体的に参加チーム数が
少ないのでカテゴリー分けができない」といった問題が起こる事は
無くなる。
ただ、そうやってハンデを決めたとしても、勿論、練習量の多寡等に
応じて、速いチーム、遅いチームは出てくる。けどスポーツである以上、
そこの差異は当たり前だと思う。遅いチームだから、という理由で
ハンデを与えたら、もはやそれは「競技」ではなくなってしまう。
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では、そうしたハンデはどうやって決めれるのか?
今回の記事では、年齢・性別に応じたハンデキャップの算出方法を
1つの案として考えてみたので、それを記載してみようと思う。
まず、年齢・性別による、運動能力(例えば筋力)の差異は、
どうやって調べたら良いのか?
これについては、文部科学省のHPに「
体力・運動能力調査」
という統計資料があるので、これを参照することとしよう。
なお、官公庁の統計データは学術目的等であれば適宜引用可能、
ということなので、具体的なグラフをここに示す。
文部科学省のHPには、様々な運動能力の種目別の統計データが
あるが、このグラフは「上体起こし」だ、筋力・筋持久力の指標に
なるということで、ドラゴンボートでの筋肉の使い方に近い統計
データだと思われる。
なるほど、以前、TV番組で「40歳女性と、11歳女子の体力が
ほぼ同じ」という事で、両者のチームでリレー走による対決を
やっていたのだが、そういう根拠がグラフからもうなずける。
では、この年齢・性別による運動能力のグラフを、ドラゴンボートの
ハンデタイムに変換するのはどうしたら良いのか?
それには、具体的な公式やセオリーやが存在する訳では無いので、
沢山のドラゴンのレースを見てきた私の経験から、だいたい適切と
思われるハンデタイムを設定し、それを検証してみよう。
例えば、高校生~成人男性(35歳くらいまで)の、男子ドラゴン選手
のハンデを0秒とする、その際に、同じ年齢幅での女子ドラゴン選手の
200mでのレースタイムは、約10秒遅れとなる。
この10秒を20名の漕手数で割ると、1人あたり 0.5秒のマイナスハンデが
あれば、男子と女子は、ほぼ互角の戦いができるようになるだろう。
念のため、女子強豪の「チーム河童」の選手に、このアイデアを
話してみて、感触をつかんでおくことにしよう。
匠「河童さん、例えば、女子チームに10秒ハンデがあったら
男子強豪と同等に戦えますか? 例えば、天神大会で「bp」が
53秒だったら、河童さんが1分3秒くらい・・」
河「ええ、それくらいでちょうど良い感じかな?
ウチは確か決勝が1分2秒くらいだったし。
ウチのチームも、よくオープンとか混合の部で男子に混じって
漕いでいるんで、ハンデ戦だったら、そんな時でも対等に戦えるし」
ふむふむ・・だいたい良い感じかな?
さて、そうであれば、グラフにおける成人男子および成人女子のピーク
平坦部のエリアを、それぞれ0秒、-0.5秒と設定すれば良いという
ことだ。
これで1つの基準が仮定出来たので、以下、同様に、運動能力グラフを、
いくつかの年齢・性別ブロックに分割してみるとしよう。
だいたいこんなものだろうか? 分割幅は、縦軸については等間隔に
なっているが、横軸の年齢は不等間隔だ、まあ、このあたりは後で
別の方法で調整するとして、まずは、このブロック分けしたグラフを
そのままではわかりにくいので、別の表としてまとめてみよう。
これがハンデ表の初案だ、成人男子の場合を0秒ハンデとして
年齢や性別に応じて、1人あたりのマイナスハンデ(秒)が出ている。
チームの個々のメンバー(漕手)について、このマイナスハンデを
加算していき、チームトータルのハンデを算出する。
なお、ハンデの秒の単位は、計算をしやすくするため、仮に0.25秒
刻みとしている。また、この表は20人漕ぎ200mレースの場合であり、
これより長距離のレースや、10人漕ぎにおいては、同じ計算方法は
適用できない。
それと、年齢を書き込みたく無い方(笑)の為、未記入の際は
女性の場合、-0.5秒のハンデとしている。(男性はノーハンデ)
また、大会では、よく漕手のメンバーに欠員が出ているときがあるが
そういう場合にも、1人欠員につき -0.5秒のハンデを設定している。
ここも、一応ドラゴンボートチームに感触を確認しておくとしようか。
町内会限定の為、欠員が出やすい「池の里Lakers!」に聞いてみよう
匠「池の里さん、たとえば、欠員が出たら1人につき 0,5秒ハンデ
があったら強豪チームと対等に勝負できますか? 例えば
18人漕ぎで1秒、16人漕ぎだったら2秒という感じ・・」
池「う~ん、欠員1名につき1秒ハンデが欲しいなあ・・」
匠「だめですよ、そんなにつけたら、池の里さん、どの大会でも
勝ってしまうじゃあないですか!」
池「それとか、ハンデが欲しいから、わざと欠員にするとか・・」
匠「う~ん(早くもルールの弱点をついた戦術を考えてくるとは・汗)
やっぱ、1人0,5秒です、それ以上はダメ!(笑)」
無事、検証ができたようだ(笑)
では、具体的に、この表を用いて、様々なメンバー構成の場合の
ハンデタイムを計算してみよう、とは言え、架空のメンバー構成では
この表が適切かどうかわからないので、具体的に、ありそうなメンバー
構成を用いて計算してみる。(結果のマイナスハンデを△で表す)
*ドラゴンオープンチーム→成人男子20=±0秒
*ドラゴン男女混合チーム→成人男子12+成人女子8=△4秒
*ドラゴン女子チーム→成人女子20=△10秒
*ドラゴンシニアチーム→成人男子8+グランドシニア男2+シニア男8+
シニア女2=△7.5秒(平均年齢制度の時)
*ドラゴン欠員チーム→成人男子16(4名欠員)=△2秒
*グランドシニアチーム→グランドシニア男16+シルバー男4=△16秒
*親子チーム →父親8+シニア男2+男子高学年10=△6秒
*小学生チーム→父親1+シニア男3+男子高学年10+女子高学年6=△11秒
*家族チーム(フレンドシップ等)→シニア男4+シニア女3+未記入女1+
男子中学生2+男子高学年2+女子高学年4+男子低学年3+
女性低学年1=△14秒
だいたい良い感じに思えるが、念のため、日本選手権大会や、ドラゴン
キッズ大会での、実際の200mレースのタイムを基準に検証してみよう。
表の「標準タイム」の欄は、例えば各大会での決勝の平均タイムに
相当している、「差異」の欄は、オープンのチームを0秒とした
場合での、他のカテゴリーでのタイム差(遅さ)である。
「標準タイム」から、上の表で計算したハンデ(秒)を引き算する
その結果を「スーパーハンデ戦」の欄に示している。
こうすると、どのカテゴリーであっても、55秒~58秒のタイムに
統一され、カテゴリー間の差異が殆ど無くなる。
すなわち、この「スーパーハンデ戦」を採用すれば、カテゴリーが
異なるチームであっても同時にレースを行うことが可能になる訳だ。
検証結果が、まずまずであったので、このハンデタイム方式を
仮称「スーパーハンデ戦」と、名づける事にした。
そして、これは偶然の結果だが「オープン」「混合」「女子」
「シニア」は、ハンデをつけたとしても55~56秒でほぼ均一と
なり、その他のカテゴリーは、ほぼ58秒というタイムとなる。
「3秒の差があるではないか?」ということで、ハンデを再度設定
しなおそうとして「まあ、ちょっと待てよ」と、よく考えてみると、
「オープン」「混合」「女子」「シニア」は、すなわちドラゴン
専業チームという事だ。
もし、この「スーパーハンデ戦」を採用するとして、専業チームが、
ハンデのせいで、ビギナーチームに、コロコロと負けてしまうのも、
あまり好ましくないであろう。
それでは、何のために、いつも必死に練習しているのか、わからなく
なってしまう。
やはり、ちゃんと練習しているチームのいるカテゴリーには、
例えハンデ戦であっても、それなりのアドバンテージを与えるのが
本筋ではなかろうか? と思った次第だ。
また、ここで計算の元になっている標準タイムは、あくまで専業チーム
の「平均」タイムであるから、平均よりも速い「強豪チーム」は、
ハンデ戦となったとしても、簡単に負けることはまず無いであろう。
ならば、まあ、ハンデ表は、このままにしておくとしようか。
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さて、ハンデ検証がおおむね正解と思われるので、
今度はこの「スーパーハンデ戦」の実現方法(計算方法)だ。
そんなに複雑な計算ではないので、手計算、という方法が、まず考え
られるが、チーム数が多くなると大変だし、計算ミスの可能性もある。
だったら、例えば、表計算ソフトを使ってみたらどうだろうか?
「ぐっ・・EXCEL の計算式では、IF文とAND文の嵐となってしまう、
B1セルの年齢を判断して、さらに男女差によって、区分していく・・
1つ計算させるのに、十数個のIF文を入れないとならないようだ、
これでは、入力ミスも起こるだろうし、ちょっと難しいか・・
やむを得ない、この方式は断念せざるを得ないようだ」
それでは、C++ とかでプログラムを書いて、コンパイルしてEXE
にメンバー表をファイルから読み込むようにしようか?
(ちなみに、私は、いくつかのプログラミング言語を扱える)
しかし、プログラムの配布がやや面倒だ(たとえば Visual C++
では、必要なDLLなどを、沢山インストールしないと動かない為)
だったら、Visual Basic か? EXCELの、VB(VBA) Editor ならば、
標準搭載だし、いけるかもしれない。けど、EXCELのVBマクロは
それを起動しないとならないし「マクロは難しい」と嫌がる人も
多いかもしれない。ならば、いったい、どうしようか・・?
ああ、そうだ、いい方法がある!
とりあえず、最初の方に出てきた、文部科学省の統計データを
別のテキストファイルに打ち込む。
要は、これを「関数化」してみようという試みだ。
関数化するため、まず、グラフ処理のフリーソフトにデータを
喰わせてみよう。
こんな感じ。これは男子の年齢別の筋力データ、横軸は、元の
統計では、不等間隔であったが、グラフでは等間隔に表示される。
縦軸は、元の統計データでは回数であったが、これまで検証した
ハンデ(秒)に変更している。
今ここでは、折れ線グラフであるが、これを「Y=なんとかX」
という「関数」にすることができれば、EXCELの計算式の欄に、
その関数を打ち込むだけで簡単にハンデを計算できる。
Y=なんとかX というのを求めるには、「最小二乗法」という
計算方法がある、これは、 y=a+ bx+ cx^2 + dx^3 ・・ という
多項式を用いてデータの近似を行う基本的な数学のテクニックだ。
(最小二乗法はEXCELでも計算できるらしいが、あいにく、やり方を
知らないので、一般的なグラフ作成ソフトを使ってみた)
つまり、この方法では、グラフ上の点から、
ハンデ=A+B*年齢+C*年齢*年齢+D*年齢*年齢*年齢・・・
という式の、A,B,C,D・・(係数)が求まるという事になる。
Xを何次にするかで精度が変わる、これはつまり、年齢*年齢・・
という順次増えていく掛け算を何回掛けるところまででやめるかで
計算結果のハンデが不正確であったり正確であったりするわけだ。
勿論、次数は少ない方がEXCELの式としては打ち込みやすいのだが、
試しに、2次関数でやってみよう、これは、y=a+bx+cx^2 という式だ。
(^ の記号は、べき乗、つまりxを数字の回数掛けるという意味)
黒い点が元データ、青の曲線が2次関数による近似。残念ながら、
これでは、だいぶズレているので、ハンデの計算式にはならない。
やむを得ない、もう少し次数を上げて4次関数にしてみよう。
ふうむ、まだ若干ズレがあるが、これくらいで問題無いであろう、
よし、計算式は、4次(AからEまで5つの係数がある)で決定だ、
同様に女子の場合の近似式も4次で計算してみよう。
だいたいこんな感じ。赤い曲線が女子の近似式、青の点は男子データだ。
ちなみに、そして元の統計データでは、6歳から79歳までの範囲で
あったが、この近似関数では、計算の便宜上、0歳から80歳として、
グラフ両端の年齢ハンデをマイナス2(秒)で止めている。
4次関数で近似したので、y=a+bx+cx^2+dx^3+ex^4 という式となり、
aからeまで5つの係数が出てくる、グラフ作成ソフトでのそれらの
係数の最小二乗法近似による係数計算結果は、以下のとおり。
↑が男子のハンデ計算式の係数
ちなみに、eと書いてあるのは、ケタを表す数学用語(指数)だ、
たとえば、e-04は、少数点を4桁分、小さくするという意味だ。
こういうのは、大きな数字や小さい数字を良く使う物理とか化学や
天文学などでは頻繁に用いられる表記方法である。
関数電卓でも、ケタが大きくなった時の答えはこのように表示
されるので、理系の人には、まあ、おなじみであろう。
↑は女子のハンデ計算式の係数
これらをエクセルの計算式として入力すると、こんな感じになる
C2のセルを年齢とすると、ハンデのセルの答えを求める関数は、
男子の場合、以下のようになる
=-2.1789817+0.23635279*C2-0.0087451843*C2*C2+
0.00012616033*C2*C2*C2-0.00000066814837*C2*C2*C2*C2
小数のケタ数がやや多いが、延々と続くIF文とAND文の嵐は、
これで回避できた。
なお、面倒だからといって、小数を途中までしか入力しないと
とたんに精度が落ちて、答えのハンデが、いいかげんな値に
なるので要注意だ。
ただ、これだと答えが小数以下何桁も出てくるので、うっとうしい。
先にハンデを0.25秒刻みと決めたので、答えもそういう風に
きりの良い数字にしてみよう。
0.25秒刻みにするのは、まず、答えを4倍して、小数以下を切り捨てる
切り捨てた整数の答えを4分の1にすれば、それで0.25刻みとなる。
切り捨て関数は一般に[INT]というのが良く使われるが、この関数は
マイナスの数の場合、切り捨てにならず、切り上がってしまうので、
[INT]の代わりに[TRUNC]という関数を使うことにしよう。
0.25刻みの切り捨て処理を入れた計算式は以下の通り。
<男子ハンデ計算用関数>
=TRUNC((-2.1789817+0.23635279*C2-0.0087451843*C2*C2+
0.00012616033*C2*C2*C2-0.00000066814837*C2*C2*C2*C2)*4)/4
そして、年齢未記入の場合および、男子と女子の場合の差があるが、
この式にさらにIF文をつけると、かなり複雑になってしまうので、
男子の場合、女子の場合で、いったん答えを別々のセルに出して
おき、そこから拾うにしてみよう。
女子の場合のハンデの式は以下の通り。(年齢をC2セルとする)
<女子ハンデ計算用関数>
=TRUNC((-2.030059+0.18489091*C2-0.0074327689*C2*C2+
0.0001118366*C2*C2*C2-0.00000059790288*C2*C2*C2*C2)*4)/4
男子の場合と女子の場合、および年齢未記入であった場合の
切り分けは、以下のIF文を使えば、比較的簡単に記述できる。
(年齢がC2セル、男女区別がD2セル、男子ハンデ答えがE2セル、
女子ハンデ答えがF2セル)
<答えの選択関数>
=IF(C2="",IF(D2="男",0,-0.5),IF(D2="男",E2,F2))
式を翻訳(?)すると 「もし年齢未記入の際、それが男子ならば
ハンデ0、女子の場合は-0.5、未記入でなければ、男子の場合、
E2セルの答えを参照、女子ならばF2のセルを参照せよ」となる。
ちなみに、""は、空白のセルという意味だ。
なお、メンバー欠員の場合でも、年齢未記入&女性としておけば、
自動的に1人あたり-0.5秒のハンデが付加されるので計算が便利だ。
(メンバー名前欄が空白””の場合、計算されるようにしても良い)
なお、D列に関しては、プルダウンメニューで”男”か”女”か
しか選べない(入力できない)ようにしておけば、IF文では
D列が”男”でない場合は、自動的に”女”であると識別できる。
(ちなみに、オネエとかグレーゾーンとかには対応していない・笑
別にオネエの選択肢を入れても良いが、ハンデを何秒にするかは、
非常に迷うところ・・)
以上をまとめたEXCELの表が以下になる。
同じエクセル表を作りたかったら、前記、男子のハンデ式、
女子のハンデ式、答えの選択式の3つの文を、記事からコピーして
セルの関数欄に貼り付ければ出来る。あとは人数分の20行の
数式をドラッグ(右下をひっぱる)コピーし、最後にG列の合計を
[SUM]関数でまとめれば出来上がり。
一般的な「EXCEL使い」であれば数分程度で出来るであろう。
問題は、数十チームが参加する大会だと、チーム数分だけ
このシートを作って大会本部で計算しなければならない事だ。
ただ、幸いにして、大会が始まってしまえば、チームの総合
ハンデは、最後まで同じとしておけるので、チーム名に対して
ハンデが反映されるように、集計側のEXCELシートを作っておけば
良いであろう(補欠メンバーとのチェンジがあるとややこしいが、
今回は、そこまで考慮するのは無し、としておこう)
あるいは、大会本部側で計算するのではなく、各チームが大会に
エントリー(申し込み)する際、ハンデ表を元にチーム毎に各々
手計算かEXCELでハンデを計算してもらい、それを申告させても
良いかも知れない。
(自己申告ハンデは監督会議とかで承認してもらえば良いであろう
”オマエのところ、そんなにハンデあるのか?減らせ!”とか、
紛糾するかもしれないが・・笑)
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以上が、ドラゴンボートにおいて、老若男女のメンバーが混じった
場合でも、適切なチーム毎のハンデを決定することができる
「スーパーハンデ戦」のアイデアだ。
他のスポーツ、例えば球技とかだと、得点におけるハンデは難しいが、
タイムを計る競技、具体的には、陸上のトラック競技とか、ドラゴン
以外のボート競技等でも、このハンデ手法は応用が可能かと思う。
(ただし、沢山の実際のレースタイムから、適正なハンデタイムを
決めていかなくてはならないので、それらのデータベースの蓄積や
解析は必要となる)
さて、来年あたりどこかの大会で、この「スーパーハンデ戦」を採用
できないだろうか? 試しにやってみるのも悪くないとは思うが・・
ちなみに、運営側とすれば、カテゴリー分けを無くしても大丈夫なので
小中規模な大会の募集をしやすくできるし、家族大会、親子大会や
シルバー大会など、自由自在な大会企画や運営が可能となる。
あるいは老若男女によるスポーツ振興や、地域振興などを目的とする
自治体レベルの公的な大会を企画することもできる、そういう視点に
おいては、場合により「スポーツ振興助成金」の交付も期待できる。
また、賞品等をカテゴリー別に準備する必要がなくなるので運営コストが
多少下がるメリットがあるが、まあ、そういう風にケチると、選手側に
不満が出るかもしれないので、その分、賞品を豪華にしたり、あるいは
びわこ高島ペーロンのように、特別賞を増やすのも良いかも知れない。
まあ、どうせ、現状の各大会でのカテゴリー分けでは、強いチームが
勝ってしまう事は確実なのだが、もしかすると、このハンデ戦では
今よりも、番狂わせが起こりやすいので、観戦側としては面白く
なるかもしれない。ただ、でも、この計算式では、練習をちゅんと
しているドラゴン専業チームに、やや有利なようになっているので、
そんなに頻繁には番狂わせは起こらないような気もするが・・・