さて、相生(あいおい)ペーロン祭のメインイベント「ペーロン競漕」
の日がやってきた。
2014年5月25日(日)、天候は晴れ、今日の最高気温はおそらく
30℃近くまで上がるであろう。
毎年5月の最終日曜に行われるという「相生ペーロン競漕」を
観戦するのは、実は今回が初めて。
「ペーロン」とは、このブログではおなじみの「ドラゴンボート」と
同じ起源となる中国伝来のボート競技であり、日本では、ここ相生と
長崎、そして琵琶湖等で行われている。もっとも、琵琶湖ペーロンは
ほぼ「ドラゴンボート」であり、使う艇もルールもドラゴンボートの
それに準拠する形となっている。
対して、伝統的な「ペーロン艇」を用いる本格的な「ペーロン競漕」は
初めて見るので非常に楽しみだ。
さて、前日のペーロン祭前夜祭~海上花火大会では、約8万人の
来場者があったとの新聞報道である。さすがに近畿圏では最も早い
時期に行われる花火大会なので、大人気のイベントのようだ。
今日は、「ペーロン祭」の一環として、陸上ではパレードが、
海上では、この「ペーロン競漕」が行われる。
観客動員数は、前日の花火ほどではない。
「恐らく、半分以下かな?」とは地元の方々の感覚である。
しかし、それにしても多い、ドラゴンボートで仮に1万人以上の
観客を集めることができるのであれば、もはやこれはメジャー
スポーツと言ってもおかしくない。
午前9時、選手村(IHI工場の敷地内、一般観客席とは離れた
場所にある)に、おごそかに「天白神社」の御輿が近寄ってくる。
ちなみに、ペーロンの伝承ルートは、元々中国の古来の「ドラゴンボート」
が100年以上前に長崎に伝わり、それがペーロン(白龍)競技となって、
造船業のネットワークを通じ、すなわちIHI長崎よりIHI相生
(旧:播磨造船所)というルートで伝わっていった。
同様に、中国の競技が沖縄に伝わったものは「ハーリー」として
現在でも親しまれている。
それらが全国に広がり、ルールを統一して「ドラゴンボート」となった。
ということで、IHIは、このペーロン祭に協賛し、天白神社もまた
IHI構内にある神社ということで、同様に、ペーロンの維持普及に
尽力してくださっている。
ここ相生では、約100年前からペーロン競技は行われていた様子だが、
「ペーロン競漕」が、ペーロン祭や大会となったのは約50年前、
なので、今年の大会は52回目だと聞く。
もはやこういう感じであると、単なるボート大会ではなく「伝統行事」
として、それを保存して行こうという力も働いている様子だ。
さて、開会式
マスコットガールも来場し、華やかな雰囲気だ。
参加チーム数は60チーム前後と比較的多い。
先ほどの御輿はどうするのか?と思っていると、なんと舟に乗せて
海渡りを行うということだ。御輿船を牽引するのは、人力のペーロン
艇4艇、それも昨年の大会で上位入賞の強豪チーム達、先導するのは
勿論昨年の優勝チーム「磯風漕友会」(いそかぜそうゆうかい)だ。
ドラゴンボート界でも最強と謳われる超強豪チーム「磯風漕友会」は
ここ相生を本拠地とする。相生ペーロン競漕においても、6連覇だか
7連覇だとか聞いており、ほぼ、ドラゴンボート日本選手権大会の
連覇回数に相当する、すなわち、強くなった時期がそのころという事
であり、まあ、今は「磯風」の黄金期ということであろう。
そして「磯風」の兄妹チーム女子の「スーパードルフィン」も、
また超強豪チームである。こちらは「磯風」よりももっと凄く、
相生ペーロン競漕の女子の部では、11連覇とか12連覇とか、
それくらい勝ち続けている模様だ。
ちなみに「磯風」と同様に、ドラゴンボートの日本選手権大会でも
「ドルフィン」は連覇中である。
さて、ペーロンのレースが始まった、一目見てわかるのは、
ドラゴンボートに比べ、艇が大きいこと、そして、乗っている
人数が多い事だ。
相生ペーロンのレギュレーションは32人乗りだ、ドラゴンより
10人多い。その内訳は、太鼓1、舵取り1、銅鑼1、指揮(艇長)1
漕手28人となっている。
漕手の中でも、先頭の2人は、半分立っているようで、かつ横向きの
姿勢なので、見るからに漕ぎにくそうである。
ドラゴン艇では先頭に位置する太鼓も、ペーロンでは艇の中央部に
位置している。
艇のやや後部に、指揮(艇長)と、銅鑼、この2つの役目は、
ドラゴンボートには無いので、見た目新鮮な印象を受ける。
太鼓だが、ドラゴンボートの場合の鳴り物は、唯一それだけなので、
漕ぎ手のピッチを揃えるために正確なリズムを刻んだり、あるいは、
進行、ブレーキなどの指示を伝えるためにも太鼓を用いるので、
ドラゴンでは正しく太鼓を打たなければならない。
ところが、ペーロンでは、鳴り物は、太鼓以外に銅鑼もあるので、
鼓手が正確なリズムを打つ事は必須ではない。そこで、一部の
チームの鼓手は、「ペーロン打ち」とか、あるいはドラゴン界では
「勝利のリズム」と呼ばれる、ちょっと独特な打ち方をする事が
良くあるようだ、ただし、これでは鼓手のリズムに合わせて漕手の
ピッチを決めることは難しいので、どちかといえばメンバーの
士気を鼓舞するような目的でこの打ち方が使われるのであろう。
最後に舵だが、まず写真を見ていただければわかるように、
ペーロン艇の舵は非常に長く巨大な印象を受ける。
そして、舵取りが艇の最後尾に居る訳ではなく、舵の長さとの
バランスからか、舵取りは、最後尾の少し前に位置し、さらに
その後ろには4名の漕手がいる。
最前部の漕手と同様に、最後尾の漕手も艇から、はみ出さんばかり
のポジションであり、変則的だ。漕ぎにくそうだし、落ちそうな
気もする。
落ちるで思い出した、ペーロン競漕では、ライフジャケット(救命胴衣)
を付けている選手は非常に少ない、恐らく全体の1割もいないであろう。
ドラゴンボートの大会では、救命胴衣の着用は「必須」だ。転落、転覆、
沈没などの事故の際に、選手が救命胴衣をつけていれば安全性は格段に
増す事は間違いない。
恐らくは、ペーロンは、伝統行事であるが上に、救命胴衣といった
比較的新しいアイテムの利用は(行事の運営上)似合わないと思って
いるのかも知れないし、地元相生は、海の町であるから、選手の泳力
には問題が無いのかもしれない・・
ただ、やはりそれでも、地元以外のチームも参加しているのだし、
せっかくの伝統行事で、仮に大きな事故が生じたとしたら、行事の
存続にも繋がるリスクもある。昨今の世の中での考え方とか世論とか、
色々な要素を考えると、ペーロン競漕も(多少見た目は悪いが)
救命胴衣の着用を必須とした方が安心だと思うのだがいかがだろうか?
さて、さらなるペーロン競漕の特徴をもう1つ、それは、ターンが
ある事だ。
「ドラゴンボート」の大会は、ペーロン競漕と同じ起源とは言え、
様々に枝分かれしたローカルな特徴をまとめ、誰にでも出来る競技として
成立させるために、あるいは国際間での共通性を持たせる為に、様々な
要素がペーロンより簡略化している。
前述の、銅鑼や指揮者の省略もそれだし、「直線のみ、ターン無し」と
言うのもドラゴンボートの場合のレギュレーションである。
しかし、ここ相生のペーロン、さらには長崎のペーロン、そして、
琵琶湖などの一部の地方大会では、ターンのあるルールで行われている
場合がある。
見る側からすると、ターンは面白い、なにせ、ターンの上手下手で
順位が入れ替わってしまう事など、日常茶飯事なのだ。
前述の舵が長いのも、ターンがあるからという事なのであろう、
こうなると舵取りの責任は重大だ、ドラゴンの場合よりさらに
舵は難しいということで、地元以外のチーム(たとえばドラゴンの
チーム)などでも、チームから舵を出すことは非常に稀であり、
ほとんどが地元のペーロン協会等の派遣舵となっている様子だ。
なお、大阪の老舗ドラゴンチーム「浪わ」は、今回県外参加で、
かつ、自前で舵をやっていたのだが、舵取りの方(監督)に話を聞くと、
浪「相生まで舵取りの講習会に来たよ、ドラゴンよりずっと難しいね、
他の県外チームでは居ないね、今回は「浪わ」だけ見たいだよ」
とのことであった。
さて、ターンがあるという事から、相生ペーロンでのレースの
距離は、やや長めの600mだ。
(ドラゴンは、200ないし250m程度の短距離のレースが多い)
300mのコースを、1回ターンして往復する形で行われる。
さらに、男子決勝戦では、2ターン制の900mのレースとなる。
強豪チームのタイムを予想してみよう、例えば、「磯風漕友会」の
ドラゴンの場合での実力値は、200mを50秒台の前半程度だ。
600mなので、これを単純に3倍すると、2分30秒~40秒程度に
なる、しかし、ターンでは速度が大幅に低下するので、10~15秒
程度それにプラス、そして、ペーロン艇はドラゴン艇よりかなり重い
様子なので、さらに5~10秒はプラスする必要があるだろう。
すると、都合3分ジャストというところか・・ 予選で強豪チームが
3分を切れるかどうかで、だいたい調子がわかるという雰囲気だな。
900mの決勝では、単純に1.5倍して、さらに5秒足して、
合計で4分半強というあたりが優勝ラインというところだろうか。
ただまあ、そのあたり、選手達の実力値とか調子に加えて、風や潮流
といった自然の要素も大きく影響する。200mのドラゴンのレース
では、外因による影響は、だいたい2~3秒程度までという感じだが、
600mでは、往復による風向きや潮流の相殺を考えても、
それが2倍程度の5~6秒くらいまで膨れ上がるかもしれない。
だからまあ、予選で3分を切れるかどうか、というのを見る際に、
風や潮流の状況も見ておくのが、調子をはかる目安になると思う。
レースを観戦するだけなのに、何故そこまで考えるか?といえば、
例えば決勝レースの撮影ポジションにも影響が出てくるからだ。
具体的には、仮に「磯風」や「ドルフィン」が決勝で独走して
しまうような組み合わせになったとすれば、スタート直後を除いて
「磯風」等を撮るとしたら、単独でしか撮ることができない。
しかし、仮に「磯風」が不調、もしくは、2番手3番手のチームが
好調な様子であれば、レースの勝敗は最後までもつれるかもしれない。
そのケースだと、ゴールポジションに近いところで撮っても(あるいは
観戦しても)問題無いという事になる。
ドラゴンボートの場合でも、たとえば日本選手権(天神)大会では、
ここ数年は、男女混合カテゴリーの決勝進出チームの実力は、ほぼ
拮抗していて、混合決勝は、ゴールで観戦(撮影)した方が面白い、
各チームがほぼ団子状態のままでゴールに入るからだ。
ところが同じ天神大会でも、オープン(無制限)カテゴリーは、
決勝進出チームの実力値にやや差がある場合があって、その際には
スタート直後を横から撮るか、もしくは、上から中央レーンを中心に
V字型になって進む様子を撮るか、まあ、そういう選択となる。
つまり、各チームの実力値を、だいたい1秒単位まで予想していかない
と、ドラゴンでは最適なポジションで観戦できないという事だ。
また、レーン割りも問題となる。
相生ペーロンでは予選においては、速い(実力値が高い)チームが
1レーンのポールポジションとなる、これは、ターンは右回り
(時計回り)のルールなので、速いチームが先に右に廻って
ターンから抜け、以下、2、3、4レーンの順で廻ればスムースだが、
その順番が変わってしますうと、接触などの危険が伴う事からである。
よって、予選の間は、「磯風」や「ドルフィン」を撮るならば、
1レーンに近い観客席側が撮りやすい事になるのだが、その際に、
ターンの時間差のタイミングからすれば、「磯風」などの独走型の
チームを狙うのは賢明ではない、他のチームが追いつかず、単独で
撮らざるを得ないからだ。
しかし、決勝となると、レーン割りは抽選なので、そのあたりは、
わからなくなる。決勝戦のレーン割りは、決勝の1時間半ほど前に
抽選で決まるので、チームのメンバーから聞いておくのが良いであろう
それと決勝戦に出るチームの実力値から最適の撮影ポジションを決める。
さらに言えば、午後~夕方の相生港は、晴天の場合、観客席側からは
酷い逆光となる、露出計の値そのまま撮ればボートは真っ黒、露出補正
してボートを適正露出とすれば、背景の海は真っ白となる。
だから、夕方の決勝戦では、順光で撮れる選手村側に移動するのが賢明だ、
ただ、その際にレーン割りには注意する必要がある、撮影対象となる
たとえば強豪チームや応援チームが4レーンであればそれは有効だが、
逆に、1レーンを撮ろうとすると、観客席側から、酷い逆光を我慢して、
あるいはアングルを工夫して撮るか。または距離が絶望的に遠い状況でも、
(おそらく1000mm級の望遠レンズが必要となる)選手村側から撮るか?
の選択となる。
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相生ペーロン競漕では、写真コンテストも行われるようなので、
アマチュアカメラマンが沢山来ている。しかし、見ていると色々問題
がありそうだ。
まずは三脚がいけない、そもそも、晴天の際、ISO200程度で絞りF8で、
軽く1/1000秒以上のシャッター速度が得られる状態で何ゆえにブレ防止の
為の三脚が必要なのだろうか? ブレ防止で言うならば、被写体の
ペーロンの最大速度は約時速15kmだ、すなわち秒速約4m。
ゆえに、アマチュアカメラマンが絞込みすぎて、あるいはISO感度を
上げないで、あるいはPLフィルターを使って(いずれも、昔ならば、
そのように教わるから・・ 現代ではそれらが重要という訳ではない)
たとえば、それで60分の1秒のシャッター速度となったとすれば、
その時間で被写体のペーロン艇は、約7cmも動く。
これでは、自分がいくら三脚を立ててもブレ防止の意味が無い。
少なくとも1/400秒以上のシャッター速度をキープし、ペーロン艇の
動きを、露光時間内で1cm以内にとどめることが、ブレ防止の上では
三脚以上に重要なファクターだ。
さらに、三脚を使うとアングルの自由度が大きく制限される、
そもそもファインダー内に入ってから撮るのでは遅すぎるのだ、
手持ちでずっと艇を追って、最適な状況になったら撮る、それが
本来の動体の撮り方だ。
動かない風景を撮っているわけではないので、三脚は意味が無い
加えて、前述のように、ペーロンを撮るには、さまざまな条件、
つまり、チームの実力値、レーン割り、太陽、その他・・ の条件が
あるから、1箇所で三脚を構えてそれで終わり、あとは撮るだけ、
という訳には絶対にいかないのだ。
三脚使用で最もいけないのは、自分がその場所をキープすることで
自分の陣地や領地のようにカメラマンが思い上がってしまう事だ、
その結果、近づけば嫌な顔をするし、前に立てば「そこどけ」と
失礼な事を言う。まるで先陣争いのような醜い状況となり、好ましく
ない。
さらに、危険性もある、ペーロンやドラゴンなど真夏に行われる
ボート大会では、非常に暑くなるため、熱中症になるリスクが大きい。
三脚を立てていなければ、適当に日陰で休んだり、水分補給の為に
動くこともできるのだろうが、なまじ三脚を立ててしまうと、自分が
キープした場所が他人に取られるのが嫌だから、あるいは高価な
撮影機材が心配だから、そこから動かなくなってしまうのだ。
このような三脚族カメラマンはペーロン以外に観光地やイベント
開催地の何処にでも多数おり、それが各地で問題となっている。
京都・奈良などの観光地や、多くのイベントにおいても近年は、
三脚禁止という事になっているケースが多々ある。
マナーなどの問題で、他の観光客、他のカメラマン、観光地側
やイベント主催側などと、ひんぱんにトラブルになるのが理由だ。
三脚を早々に卒業すればそんな問題はなくなるのに、
あいかわらずの状況だ。
ペーロン競漕では、ほとんどの三脚族は、ターン地点に集まっている。
私は、その場所とは離れたスタート地点にしばらくの間居たのだが、
その隣に、1人三脚族が来た、どうやらターン地点に三脚を並べよう
として、場所取り争いに敗れてきたらしい。
はたして、その初老の男性がどんな考えで写真を撮っているか?と思い、
いちおう普通に会話してみると、まずペーロンについては何の知識も
持っていない様子。何処のチームが強いか、とかはもとより、そもそも
ルールすらも良くわかっていない模様。
よって、どんな写真を撮りたいのか?そういうイマジネーションも
一切持っていないみたいだ。ビギナーと言えばビギナーなのだろうが、
はたして中級者以上のカメラマンでも、自身が撮りたい写真のイメージが
出来ているかどうか?そのあたりは大きな疑問だ。
それで、彼は、スタート直後の様子を三脚で固定アングルで、
カシャカシャと数枚づつ撮っていたのだが、隣で私が、望遠をあっちへ
向けたり、こっちに向けたり、あるいはペーロン城をバックに入れたり、
レース前のスタート地点への回頭の様子とか、近寄ってきた知己の
チームに声をかけて撮っているところとか、色々な様子を見ていて、
彼はいそいそと三脚をしまいはじめた。
男「これ(三脚)、いりませんね、自由が利かないだけです」
匠「はは、その通りですよ。せっかく重たい思いして持ってきたのに
もったいないですが、三脚は邪魔なだけです。それにマナーも悪く
なりますしね、ターン地点のあの場所取り合戦は酷いですね・・」
さて、三脚問題は非常に重要なテーマなのだが、きりがない。
ペーロン競漕の話に戻ろう。
写真は、現在連覇中の「磯風漕友会」
一般男子カテゴリーの「1部」に出場している。
1部があるならば、2部というものもあり、これは、サッカーで
言うところの、J1,J2のようなもので、1部の下位チームは
翌年は2部に転落、逆に2部の上位チームが1部に昇格するという
入れ替え制度がある。
そして、一般女子は、参加チーム数が少ないため、1部、2部の
分類は無い。
これらの他、県外(地元以外)のチームやビギナーチームを中心
とした「オープン」のカテゴリーが存在する。
地元以外のチームが1部、2部に入るのは難しい。これは具体的には
1部2部のチームは、伝統行事である「ペーロン競漕」を維持して
行くための活動に参加しなければならない取り決めがあるからだと聞く。
例えば、新聞のニュースにもなったのだが、この大会の数日前には、
大会に備え、ペーロン艇を綺麗に清掃する作業があって、そのために
1部2部の各チームから120人のボランティアが集まった模様だ、
このような活動には県外などからは、なかなか参加できないと思うので
実質的に「オープン」参加チームが1部、2部で戦うのは難しい。
地元以外のチームは難しい、と言っても、例えば「長崎ペーロン」等
のチームは例外的にそうではない。
今回出場している「牧島ペーロン保存愛好会」は、1部にエントリー。
(もっとも、そういう名前のチームが長崎ペーロンに出場している
事ではないので、相生遠征用に特別編成したチームなのであろう)
さらに、「ドラゴンカヌー大会」に力を入れている高知県の「須崎市」
も、近年は、相生市と交流関係が深い模様であり、今回は、2部に
「須崎バグーズ」がエントリーしている。
さて、ということで、前編では、相生ペーロン競漕の全般的な所を
紹介してきたのだが、本大会で注目すべきは、「磯風」「ドルフィン」
の連覇はあるのか? というところと、さらには長崎や地元の強豪
チームがどこまで、そこに追いついていくのだろか?というあたりだ。
また、私自身は、毎年10回以上撮影している普段のドラゴン大会と
ペーロン競漕との違い、というのが気になる。それは、艇の形とか
レース距離とかルールとか、そういう物理的なものだけでなく、
伝統行事である「ペーロン」と「ドラゴン」の心理的、精神的な
差とか、そのあたりもできれば理解していきたいところだ。
以下、中編に続く・・